今後3年間保存版
「明日のキラキラ星選手」

有望な若手選手のみに焦点を当てたキラキラ星コーナーが誕生したのは2004年9月。当時、まだバルセロニスタの間でもほとんど知られていなかったレオ・メッシーが、最初のキラキラ星選手。もっともこのコーナーが誕生する前から、すでに他のコーナーで、彼やボージャン・ケルキック、ヤゴ・ファルケなどの若手選手の話題に触れている。そして、キラキラ星コーナーができて、クリスティアン・セバージョス、ジョバニ・ドス・サントス、ガイ・アスリンなどが登場してきている。すでにバルサ一部チームでプレーしている選手、他のチームに移籍してしまった選手、あるいはまだバルサインフェリオールカテゴリーでプレーしている選手と多種多彩だが、彼らに続くキラキラ星候補は後を絶たない。

2009−10シーズン以降、どのようなキラキラ星選手がカンプノウに登場してくるのか。しらけたことを言ってしまうと、それは神のみぞ知るところとなる。バルサインフェリオールカテゴリーで活躍し、注目を浴びている才能豊かな選手は数限りなくいるが、才能だけでは将来の保証となり得ないのは、残念ながら、これまで多くのキラキラ星選手たちが証明している。何と言っても10代半ばの少年たちなのだ。いつの間にか横道にそれてしまう少年もいれば、長期の負傷に泣いてしまう少年もいるだろうし、家庭内の問題かなにかで人生の方向が変わってしまう少年もいるだろう。将来性ある選手として褒め称えられすぎて“ロナルディーニョ化”してしまう少年もいるかも知れない。残念ながらフィジカル的に成長を見せない少年もいるだろう。もし、165センチで身長の伸びが止まってしまったポルテロだったら、洒落にもならない。

それでも、いまキラキラと光っている選手がそのまま光り輝き続けたり、あるいは更なるきらめきを見せたりすることもあるから、キラキラ星選手に注目する楽しみがあるというものだ。2004年9月、キラキラ星選手の中にメッシーを登場させたときに、自分も含めていったい誰が今のようなメッシーを想像できただろうか。すでに紹介済みの少年たちに加え、以下に登場させる少年たちの誰かが、ボージャンやメッシーのあとを追いかけてくれるかも知れない。

だが、売らんかなメディアに欺されてはいけない。ティアゴやガイは確かに将来が楽しみな選手だが、イニエスタやメッシー級の素材がそんじょそこらにゴロゴロしているわけがない。すべてのキラキラ星選手が彼らのようになれるわけがないのだ。期待はそこそこに、そして楽しみは大きく、それが明日のキラキラ星選手に対する正しい姿勢。さて、以下は2009年の現在から、今後3年間保存版・明日のキラキラ星選手。

エドゥ・カンパバダル(2008−09シーズン・カデッテA)
1993年1月26日生まれ
2005年夏、12歳でバルサ入団
デフェンサ・セントラル

インファンティルカテゴリー時代から見ている選手だが、毎シーズン確実に成長を遂げている感じ。ボールテクニック、ポジショニングの良さといった、キラキラ星選手に最低限必要なもの以上に、彼のもつキャラクターが非常に気に入っている。これまですべてのカテゴリーでカピタンを任されているが、そのキャプテンシーはグラウンドの中ではっきりと見て取れる。幸いにフィジカル的にも成長を見せてきている。スペインU16代表選手。

ラファ・アルカンタラ(2008−09シーズン・カデッテA)
1993年2月12日生まれ
2006年夏、13歳でバルサ入団
セントロカンピスタ

彼の兄であるティアゴを第二のチャビと形容するメディアがあるが、どちらかと言えば、イニエスタタイプとしたほうがあっている。まあ、それは良いとして、このラファを誰かに例えるなら、かつてのモッタに似ている感じがする。ティアゴと違い、フィジカル的にも恵まれているラファは、強い当たりにも負けないし、必要とあらば汚いプレーも進んでやる優等生だ。このカデッテチームの中にあっては、テクニック的にも超光るところを見せてくれる。スペインU16代表。

セルジ・ゴメス(2008−09シーズン・フベニルB)
1992年3月28日生まれ
2006年夏、14歳でバルサ入団
デフェンサ・セントラル

正直言って、これまでまったく買っていなかった選手ながら、ここ2シーズンの成長は目を見張るものがある。ただの当たりの強い“暴力的な”セントラル選手から、ファールをしないでもボールを奪うことを学んできているし、デフェンサの最後の要としての役割をキッチリとこなし始めている。高さに強い選手でもあり、ヘディングでのゴール数も多い。フィジカル的にはもともと何の問題もなかったが、ここ2年間でテクニック的にも多くのことを学んできているようだ。スペインU17代表選手。

カルラス・プラーナス(2008−09シーズン・フベニルB)
1991年3月4日生まれ
2000年夏、9歳でバルサ入団
左ラテラル

フベニルBカテゴリーに上がってきた昨シーズン、それまで攻撃参加の多い選手だったプラーナスが、どういうわけか、その良さを出さずにシーズンを終了している。そのせいかどうかはわからないものの、翌シーズンは同じカテゴリー残留となってしまった。幸いにも今シーズンの彼は、彼も持ち味であった積極的な攻撃参加が見られることが多くなった。そして、シーズン後半からのフベニルAチームへの招集。バルサカンテラ組織の中にあって、将来を期待される貴重な左ラテラル選手。

アルベルト・ダルマウ(2008−09シーズン・フベニルB)
1992年3月16日生まれ
2005年夏、13歳でバルサ入団
右ラテラル

彼より1つ年上のモントヤと同じポジションで、同じようなキャラクターを持っている右ラテラル選手。いかにもバルサの選手らしく、そしていかにもバルサカンテラ組織から育った選手らしく、素晴らしくも鋭い攻撃参加を大いに見せてくれるタイプだ。もしモントヤという選手がフベニルAにいなかったら、とっくに彼がカテゴリー昇格してフベニルAでプレーしていたと思う。スペインU17代表選手。

セルジ・ロベルト(2008−09シーズン・フベニルB)
1992年2月7日生まれ
2006年夏、14歳でバルサ入団
セントロカンピスタ

左右インテリオールを自然なポジションとするセントロカンピスタだが、チーム事情によってはデランテロもこなしてしまう。どちらのポジションでもゴールに絡んだプレーをするところは変わらない。バルサカンテラ組織からは、小さいながらもテクニックを武器として一丁前の選手に成長してくるタイプが多いが、彼はフィジカル的にも強く、なかなか珍しいタイプだ。彼と年齢的に同じぐらいのモッタを見ているが、今の段階ではモッタより期待できる素材に思える。余程のアクシデントがなければ、バルサフィリアルチームまでは必ず上がってくる才能を持っている。

アルマンド・エラ(2008−09シーズン・フベニルB)
1993年2月23日生まれ
2006年夏、13歳でバルサ入団
エストレーモ

エトー財団を通じてバルサに入団してきた10人以上もいるカメルーン出身選手の1人。インファンティルAからスタートして、ピョンピョンとジャンプしながらカテゴリーを上げてきている期待のエストレーモ選手となっている。2009−10シーズンはフベニルA所属となるだろうが、彼にとっては勝負の年。フィジカル面の強さやスピードで他を圧倒してきた黒人系選手が、大きな壁にぶつかるのはここら辺のカテゴリーからだ。フィジカル的にも同じような相手との勝負に、これまで通りキラキラしたところを見せることができるかどうか、そこら辺が見物。いずれにしても、同年代選手と比較すると今のところ違いを見せている。カメルーンU17代表選手。

ジュニオル・エトック(2008−09シーズン・フベニルB)
1993年7月5日生まれ
2006年夏、13歳でバルサ入団
デランテロセントロ

彼もまたエラと同じように、エトー財団からやって来た選手。バルサに入団してからの歩みもエラとまったく同じだ。典型的な9番タイプの選手で、マークを外すのがうまく、ゴールに絡むプレーを見せてくれる。だが、エトー財団から来た選手だからか、ゴールをやたらと外すのも彼の特徴。フベニルAで果たしてどのくらいの活躍が見られるか、注目の選手。カメルーンU17代表選手。

マルティン・モントヤ(2008−09シーズン・フベニルA)
1991年4月14日生まれ
2000年夏、9歳でバルサ入団
右ラテラル

バルサ一部チームでの右ラテラル選手というポジションに、カンテラ組織から上がってくる選手がいるとすればこのモントヤ、あるいはダルマウしかいない。そして個人的にはこのモントヤに超期待している。攻撃参加が大好きでスピードあふれるプレーを見せてくれるラテラル選手。フィジカル、テクニック、スピード、すべての面で五重丸を付けられる。問題は、来シーズンもルーチョバルサとなるであろうフィリアルチームで、攻撃的なラテラル選手が活躍する場面があるかどうかだ。スペインU18代表選手。

マーク・バルトラ(2008−09シーズン・フベニルA)
1991年1月15日生まれ
2002年夏、11歳でバルサ入団
デフェンサ・セントラル

タイプ的にはルーチョバルサでプレーしているボティアによく似ているセントラル選手。長身だが少々体の線が細いのが気になるが、高いボールには滅法強いところを見せる。チーム事情によっては守備的なピボッテとして起用されることもある。ミニエスタディまでは到達することは間違いないが、果たしてエリートチームまで届くかどうか。スペインU18代表選手。

マーク・ムニエッサ(2008−09シーズン・フベニルA)
1992年3月27日生まれ
2002年夏、10歳でバルサ入団
デフェンサ・セントラル

もし昨シーズンの不幸な長期負傷がなければ、今シーズンの途中からルーチョバルサに登場していただろうと思われる逸材。2009年5月現在まだ17歳、だが、実力的にはフィリアルチームでプレーする才能はじゅうぶんだ。セントラルだけではなく、事情によっては左ラテラルとして起用しても面白い。いずれにしても、もしこのまま継続性のある活躍が続くとすれば、近いうちにカンプノウ登場を期待できる数少ないカンテラ選手。マーク・ムニエッサ、この名前を覚えておこう。スペインU17代表選手。

ジョナタン・ドス・サントス(2008−09シーズン・フベニルA)
1990年4月26日
2002年夏、12歳でバルサ入団
セントロカンピスタ

兄のジョバニがフベニルAカテゴリーあたりから成長がストップしてしまったかのように見えたが、逆にこのジョナタンはこのカテゴリーに上がってきてから急激に成長している。もし、過去のバルサ選手の誰かと比較するなら、デコのようなタイプと言えるセントロカンピスタ。フィジカル面も問題ないし、テクニック的にも優れており、おまけにインテリジェンスも兼ね備えている。ジョバニよりは遙かに実践的な選手としておこう。

オリオル・ロメウ(2008−09シーズン・フベニルA)
1991年10月29日生まれ
2004年夏、12歳でバルサ入団
セントロカンピスタ

今シーズンすでにルーチョバルサでの出番が回ってきている期待のセントロカンピスタ。ポジション的には守備的なピボッテだが、攻撃の起点となる役目も見事にこなす。ルーチョバルサでカピタンを務め同じポジションでプレーしているチャビとは、比較にならないほどの才能にあふれる選手。来シーズンはバルサ・アトレティコで継続的に起用され続ければ、間違いなく更なる成長が見られることになると期待。オリオル・ロメウ、この名前を覚えておこう。