Marc Valiente Hernandez
●バリエンテ●

生年月日    1987年3月29日
出身地     Barcelona
身長・体重   184cm  71kg

1997年、10歳でバルサ入団


1997−98 アレビンA
1998−99 アレビンB
1999−00 インファンティルB
2000−01 インファンティルA
2001−02 カデッテB
2002−03 カデッテA
2003−04 フベニルB
2004−05 フベニルA
2005−06 バルサC
2006−07 バルサB
2007−08 バルサB
2008−09 セビージャ・アトレティコに移籍

これまですべてのカテゴリーでカピタンマークを付けていたマーク・バリエンテが、11年間のバルサカンテラ生活に終止符を打ちセビージャへと旅だって行った。バルサBで2年半プレーし、もし今シーズンバルサ一部チームに上がれないのなら、何らかの方法で他のクラブに移籍し、プロ選手としての道を歩むのが自然なことだ。だが昨シーズン、バルサBペップ監督から絶大の信頼感を勝ち取り、ペップが一部チームの監督になれば、バリエンテも一緒に上がってくると勝手に想像していただけに、個人的には非常に意外な感じがする移籍だった。

昨シーズン、ペップバルサがリーグ優勝を遂げ、さらにプレーオフの試合を通してカテゴリー昇格を決めることに成功した主役の一人と断言して間違いない。負傷が多いシーズンではあったものの、痛み止めを打ちながらも何試合も無理しながら出場していたという。それもこれも、ペップ監督のたっての要求だったという。ボティア、チコ、あるいはV.サンチェスというセントラルの選手がそろっている時には、4番のピボッテ選手としても起用されていた。
「バリエンテはピボッテ選手として必要なものをすべて持ち合わせている。」
それがシーズン途中におこなわれたペップ監督の言葉だった。この言葉を聞いたとき、来シーズンは間違いなくバルサAチームに上がってくるのだろうとさえ思ってしまった。セントラルももちろんできるし、トゥレ・ヤヤの控えとしても貴重な選手となると予想していた。が、そうはならなかった。

彼のバルサAチーム加入漏れは、バリエンテを最もよく知るそのペップ監督の判断によるものだ。これが、例えば監督がフラン・ライカーだとか山田太郎監督で、彼らの判断で決めたことであるとしたなら大いなる不満が生じるものの、バルサB監督であったペップ監督が決めたことである以上、これはもう納得するしかない。ペップは1年間にわたってバリエンテを指導してきた人物であり、誰よりも彼について詳しい人物であると言えるだろう。その人物がバルサAチームでは無理だと判断した以上、これは納得するしかない。したがって、バリエンテに運がなかったとかいう問題以前のことであり、今の段階では実力的にバルサAチームでは無理と監督が理解したのだと思うしかない

一昨シーズン、そして昨シーズン、ついにライカー監督からの信頼を勝ち取ることができず、ライカーバルサでのプレーチャンスはほぼ皆無だったと言える。エレガントなプレースタイルから、彼のフットボールセンスの良さはじゅうぶんに感じられたが、弱点があったとすればフィジカル面の弱さだろう。身長はありながらも体重が軽く、非常にキャシャなイメージを漂わせていた。長年住み慣れたバルサという“我が家”を離れ、アンダルシアの土地で一回り大きくなり、プロ選手として成長できればそれにこしたことはない。偶然ながら、ベルギーのクラブに昨シーズンからレンタルされていた右エストレーモ選手カルラス・コトもまた、今シーズンからセビージャ・アトレティコでプレーすることになっている。

セビージャ・アトレティコとの契約は3年間。最初のシーズン終了後だけバルサは買い取り権利を持つ契約となっているようだ。

いずれにしても、
スエルテ、バリエンテ!


ーー2005年9月のコメントーー
昨シーズン、フベニルAでセントラル、ラテラル、そしてピボッテとポジションがコロコロと変わって起用されてきたバリエンテは、どこでプレーしていようがカピタンマークを付けていた選手。その彼がバルサBに登録されていないのは、まだ18歳ということもあるが、それ以上にバルサCのまとめ役として期待されているからだろう。だがこの選手も事情次第ではバルサBでプレーすることになると思う。期待の選手。そして昨シーズン“トリプレッテ”を達成したチームのカピタン。

ロホ監督評
「グランドの中ではもちろんグランドを離れたところでもカピタンとして貴重なチームまとめ役となってくれている。自然なポジションはセントラルだが、事情に応じてピボッテもこなせる。彼の素晴らしいところはどんな状況でも冷静でいることだろう。彼のそういう姿勢がチームを的確にまとめる要素となっている。将来的にはバルサAチームでじゅうぶん期待が持てる選手の一人だ。」

ーー2005年12月のコメントーー

昨シーズンはフベニルAで、今シーズンの最初はバルサCで、そして現在はバルサBでプレーしていて、文字通り上昇カーブを描いているマーク・バリエンテ。この選手も2、3年以内にはバルサAチームに上がってきてもおかしくない、というかそういう期待を抱かせてくれる選手。身長はあるが少しキャシャな感じを受ける選手だが、彼はまだ18歳だ。メッシーやセスクなどの1987年生まれ世代に属する選手であり、同じ年代のジェラール・ピケにも負けない才能はじゅうぶんにあると思う。フベニルAやバルサCではセントロカンピスタの選手として登録されているし、状況に応じてはピボッテのポジションに起用されても問題ない。いずれにしても将来が楽しみな選手。スペイン・アンダー19代表選手。

ーー2006年8月のコメントーー

厳しいマークとあたりをモットーとするロドリとは違い、エレガンスな雰囲気が伝わってくるデフェンサ・セントラル選手。それは彼の軽快なテクニックから伝わってくることもあるが、フィジカル的にまだ細いことも影響しているかも知れない。バルサC選手としてスタートした昨シーズンだが、そのカテゴリーではシーズン開始当初しかプレーしておらず、シーズン通してほとんどバルサB選手となっていた。高さに強いこと、冷静さを決して失わないこと、そして何よりもキャプテンシーにあふれている選手だ。幸運とチャンスさえやって来ればバルサAチームで通用するであろう期待のデフェンサ・セントラル。バルサAチームのプレステージに招集されていたが、スペインアンダー19代表選手となっていたので参加できず。

ーー2007年9月のコメントーー

スペイン・アンダーカテゴリーの代表選手でありながら、そして昨シーズンもバルサBのデフェンサの要の選手として活躍しながら、ライカーバルサチームへの道のりは気が遠くなるほど遠い感じだ。ライカーバルサチームには、彼よりもヘスス・オルモを優先して招集されることが多かったが、そのオルモはレンタル移籍でいなくなった。それでもバリエンテの将来は限りなく厳しい気がする。ライカー好みのタイプではないようで、シーズンを通じて一部チームに招集される機会もかなり少ないだろう。個人的には彼こそレンタル移籍させてみたかった選手。

ーー2008年2月のコメントーー

個人的な思いとしては、とっくのとうにライカーバルサの一員となっていても不思議ではない選手。オラゲールがライカーバルサ構想に入ってきた当時のように、徐々に徐々にリズムの変化やスピードの違いに慣れさせていけば、今ごろ控え選手としてカンプノウのベンチに座っていてもおかしくない。この2年間、二部Bリーグ、そして三部リーグでプレーすることを義務づけられている彼は、残念ながら目に見えるほどの成長を遂げていない。つまり、彼の持つ“素材’が磨かれていないことになる。今シーズンが始まる前、彼はレンタル、あるいは完全移籍を希望したらしいが、ペップ監督の強い要望で残留することになった。だが、これまでの様子を見る限り、バルサBでの重要性を買ってのことであり、ライカーバルサへのステップアップを考えてのことではないようだ。来シーズンもバルサAチーム構想に入らないのであれば、間違ってもクラブに残ることはしない方が良い。


参照記事
「LaMasia ニュース」