Victor Valdes Arribas
バルデス


集中力バルデス、リーガ100試合出場
(06/01/14)

攻撃的なチームであるバルサのポルテロを務めることは他のどのクラブのそれより難しい仕事だと言われている。試合によってはポルテロとしての仕事が90分の間にせいぜい2、3回しかないこともある。時間にして3、4分間しかボールにさわらない試合も多い。バルサのポルテロはビクトル・バルデス、その彼が少ない試合参加で可能な限りの重要な仕事をするために、90分間にわたっての集中力を常に保つことが大切だと語る。
「デコにボールがまわれば誰にワンタッチパスをわたすか、まるで自分がデコになったかのように状況を設定して考える。それはジュリーが相手マークを外すときや、チャビがラストパスを出すときも同じで自分のことのように考える。もしエトーにボールがまわってきてシュートする時には相手ゴールのどこに打つか、それを考えるだけではなく右足が動いてしまうときもある。」
ポルテロとは違いグランドを走り回ることを許された10人の選手の立場に自分をおくことによって集中力を保つ、それがバルデスのやり方だ。

そのヒントを与えてくれたのはかつてのラドミール・アンチック監督、そして今のバルデスの成長を大きく支えてくれているのはポルテロコーチのウンスエだという。
「ウンスエにはボールを手で触るのはあくまでも最後の手段だといつも言われている。バルサのポルテロは11人目のグランドの選手、したがってセントラルやラテラルにはもちろん、セントロカンピスタやデランテロにもパスをだすテクニックと判断力が要求される。ワンタッチパスの練習になるロンドはもちろん、ミニゲームではポルテロではなく他のポジションの選手として練習することによってそういうテクニックを学ぶことができる。そしてその成果が今の自分を可能にしたんだと思う。」
バルデスが試合中にポルテロエリア内から出ていることが多いのは、カンプノウでバルサの試合を見た人ならわかるだろう。高いラインを引いているバルサデフェンサとの隙間を埋めるために、ポルテロである彼がその空間を埋める11番目の選手とならなければならない。決して手を使ってはいけない位置にまで出陣し、しかも適度なポジションにいなくてはならない。その場所で使えるのはもちろん足だけだ。だからバルサのポルテロを務めることは難しい。過去のポルテロとは違い、足のテクニックまで要求されるポジションとなる。

「シュートに対してどう反応するかというのはポルテロとして当たり前の仕事だけれど、最も重要なことは相手がどのように攻めてくるかを読み取ることだと思う。それが常に的確なポジションにいることになるわけだから。それでもポルテロというポジションが他のそれより優位なのは、グランドを走り回る選手よりいつも考える時間があることさ。」
2002−03シーズン開幕戦でリーガデビューしたビクトル・バルデスは先日のエスパニョール戦でリーガ100試合出場を記録している。1月14日に24歳となる彼に、スビサレッタの持つ301試合出場をこえる日が来るかも知れない。

「Aチーム」


542分間無失点
(05/11/09)

10月15日コルーニャ戦で3失点を許してからのバルサデフェンサの活躍は目を見張るものがある。同月18日パナティナイコス戦、22日オサスナ戦、26日マラガ戦、30日レアル・ソシエダ戦、そして先日のパナティナイコス戦でも無失点を記録したバルサデフェンサは454分にわたって無失点記録を続けていた。もちろんその主役としてスポットライトを浴びるのはバルサポルテロのビクトル・バルデスだ。彼のこれまでの無失点連続個人記録は2003−04シーズンに達成した455分というもの。2004年3月11日UEFAカップでのセルティック戦からスタートし、4月10日に戦われたバジャドリ戦まで無失点記録試合を続けた。そして今回、ヘタフェ戦で2分間頑張れば新記録達成となる。試合終了2分前、ペルニアのゴラッソを許すまで無失点記録を継続したバルデスは542分間無失点という個人記録を達成している。次のメレンゲ戦でも90分間無失点で終わることがじゅうぶん予想されただけに、もしこのゴールを許さなかったら記録はまだまだ伸びただろうから残念と言えば残念。でも、まあ、しょうがない。また無失点記録更新に励んでみよう。

昨シーズンは最少失点数を記録しながらも今シーズンの出足がイマイチだったことによりカンプノウ一部ファンからヤジを浴びたこともある。彼のミスがいくつかあったこともさることながら、契約延長更新をする前の彼の発言が一部分の人々の脳裏に残っていることも影響している。
「自分の年俸が正しく評価されているとは思えない。」
カンテラ育ちが決してしてはいけない“金に関する”発言をしてしまったバルデス。ソシオはカンテラ育ちの選手に甘いと思われがちだが実際はまったくその逆だ。バルサに“来てくれて”クラブに貢献“してくれる”カタルーニャ以外の都市出身の選手や外国人スター選手たちにはとてつもなく甘いが、地元出身選手やカンテラ育ちには非常に厳しい面がある。例えてみれば、我が家の息子が家のために汗を流すのは当然のことであり、わざわざ我が家に来てくれた他人様には礼儀を尽くすということかも知れない。いずれにしても息子が金に関する愚痴を言ってはいけないバルサ家なのだ。

「Aチーム」