5月22日 土曜日 くもり
 明日の試合をもって今シーズンが終了する。この日記帳になんとなく思いをブツブツと書き始めたのが今年の元旦。最初はフッシギー・ライカー、その次がケッカ・オー・ライカー、そしてトッテモ・シン・ライカー、4月がトップネ・ライカー、5月がセニョール・ライカー、色々と呼び方を変えられてしまったが、時間の経過と共に自分が成長できたのもすべての人々のおかげ。ラポルタ会長を筆頭とするクラブ首脳陣、すべての選手たち、すべてのスタッフ、そしてもちろん忘れてならないのは私を励まし続けてくれたバルセロニスタと呼ばれる素晴らしい人々。感謝してもしつくせない多くの人々のおかげで今の自分があると思っている。
 ここまできたら何としても2位を狙っていこう。そして夏休みが終われば日本を中心としたアジアツアーが始まる。
「ニホンノバルセロニスタノミナサン、ハチガツニニホンデオアイシマショウ!」

 

5月21日 金曜日 はれ
 昨日のTV3ニュース「コクー、バルサ退団!」情報というのは、どうやらコクーの代理人が流したらしい、とチキが言っていた。クラブが提示しているオファー金額に対するプレッシャーっといったところだろうが、いずれにしてもダビッツ、コクー処遇問題は来週早々にははっきりするだろう。
 今はそんなことよりとにかくサラゴサ戦。ソシエダがマドリを敗ってくれたり引き分けに持ち込んでくれたりすることは・・・ほんのチョットしか期待していないから自力でどうにかしないといけない。今日の練習ではビクトル、レイジゲル、オラゲール、マルケス、ジオ、コクー、チャビ、ダビッツ、ロナルディーニョが練習に間に合わなかったのでイニエスタ、そしてガブリ、サビオラというAチームとあとは控え選手でチームを構成して紅白戦。サビオラ、コクー、ダビッツがゴールを決めてミニゲーム終了。何か良い予感。
 さてと、日記を書くのも明日が最後だ。

 

5月20日 木曜日 はれ
 今日から久しぶりに練習再開、ロナルディーニョをのぞいたすべての選手が参加してきた。オランダ代表に選ばれた6人、そしてスペイン代表に選ばれた3人の選手たち、つまりうちからは合計9人の選手がユーロ2004の大会に参加することになる。それでも早ければ大会前に、遅くても大会後にはオランダ人選手の半分以上はうちの選手ではなくなっているだろう。
 今日の夜の8時のTV3のニュースを何となく見ていたら「コクー、バルサ退団!」というすっぱ抜き情報を流していた。このテレビ局はよく情報操作に使われることが多いと聞いているが、この情報はクラブ側が流したのか、あるいはコクー側が流したのか、そこら辺まではわからない私セニョール。すでにクラブ側は最終オファーをコクーに提示しており、それにどう答えるかは彼次第という状況。さてさて、どうなるやら。
 ダビッツ交渉もコクーのそれと同じような状況。クラブ側が提示したオファーにダビッツが納得するかどうかが焦点となっている。もっともクラブ側の中には彼の契約を望んでいない人々がいることも確か。したがってダビッツ側がごねてきてもオファー自体に変化はないということだ。さてさて、どうなるやら。
 最後の決勝戦まであと3日。ここでみっともないことをしたらこれまでの快進撃が冗談になってしまう。バモス、バルサ!、バモス、セニョール!、ってところだな。

 

5月19日 水曜日 はれ
 今日も練習はないので日記もお休み、そう思ったがこの日記もあと数日の命なので何か書いておこう。
 実はサンタンデール戦の前に、すでに3人の選手に来シーズン構想から外れていることを伝えてある。まだクラブとの契約が残っている3人の選手、つまりルストゥ、オーベル、そしてパトリック。ルストゥはサンタンデール戦の前に代表合宿にはせ参じているし、何たって自宅にある荷物を14個の箱に入れてトルコに持ち帰って行ってしまったから、もうバルセロナには戻ってこないかも知れない。彼は実に運のない選手であったのだった。オーベルとパトリックの移籍先探しにはできるだけ協力しようと考えている。まだまだ終わっている選手たちではないし、空気が変われば彼らの気持ちも変わるだろう。
 問題はマルケス。左利きの応用の利くセントラル選手がとれればそれに越したことはないんだが、どうもスタッフテクニコの会議で検討した限りでは候補選手がみんな外国人籍選手。マルケス問題と補強セントラル選手に関してはこれからじっくりと煮詰めていかなければ。左利きで便利なセントラル・・・そう言えば・・・スーペル・・・ナントカというのがいたようないないような・・・。

 

5月18日 火曜日 はれ
 今日はアムステルダムにいるので当然ながら練習なし。明日も練習お休み。はてな、この風景はセルタ戦を準備した週と似ている・・・ぞ。

 

5月17日 月曜日 はれ
 今週末の最後の決勝戦を控えてラストスパートの練習をしなければいけないというのに、どうにもシックリこない月曜日。ロナルディーニョ、サビオラは個人的な用事で休暇、パトリックとガッツは風邪ひきが完治しておらず自宅待機。オラゲールは軽い負傷状態で一人走り込み、ルイス・ガルシアは今シーズンの出場はもう不可能かも知れない。ダビッツが10分の遅刻でやって来たから、これでまた食事会の費用が増えた。
 今日の夕方にはスリナム派がアムステルダムへ。つまり私セニョール、ダビッツ、パトリック、レイジゲルの4人。“スリナム出身選手”チームとオランダ二部リーグ優勝クラブとの間でチャリティー試合が明日おこなわれるからだ。そんなかんだで火曜日、水曜日はすべての選手に完全休養日とした。
 木曜日におこなわれるフランス代表対ブラジル代表戦に出場するためにロナルディーニョもフランスへ。サンドロ・ルセーもくっついていったが、彼の目的は二つ。一つは代表戦を観戦するため、もう一つはベレッティの契約書にお互いのサインを入れるためだ。つまり今週中にベレッティは正式なバルサの選手となる。さて、次は誰が来るのだろう?

 

5月16日 日曜日 はれ
 非常に象徴的であり感動的でもあったシーン。それはペナルティーを誘うロナルディーニョのプレー後のこと。観客席から“ルイ〜ス・エンリッケ!ルイ〜ス・エンリッケ!ルイ〜ス・エンリッケ!”コールが起こった時だ。ファンの人々がPKを彼に蹴らして欲しいということをすぐに悟ったロナルディーニョがカピタンのもとにボールを持って近づいていく。
「ルイス、君のボールだ!」
それに答えるカピタン。
「馬鹿言ってるんじゃないよ。これは親善試合じゃなくて真剣勝負の試合なんだ。お前が蹴れ!」
二人の個性が感じられる会話。良い選手を持って幸せな私セニョール。ポロ、ポロ、ポロ。

 

5月15日 土曜日 はれ
 セニョール監督としては明日の試合は2位を狙っての勝利だけが興味の対象となるサンタンデール戦だが、バルサファミリーを構成する一人の人間としてはそれ以外にも多くの要素が絡み合った試合となっている。すべてのバルセロニスタとメディアが注目するカピタンお別れ試合、それは間違いないとして、実は他の何人かの選手にとっても最後の試合となる可能性もあるんだ。
 5月15日、つまり今日から移籍料が3千万ユーロから180万ユーロとなった、バナナのたたき売りでもここまでは下げないだろうという移籍料となったパトリック、年俸が300万ユーロから100万に値下げしての“出ていくんならご自由にどうぞ”オファーを受けたレイジゲル、そして足が速すぎて姿が見えないオーベルは来シーズンはどこにいるかもわからない。そういう彼らにとっても、注目は浴びていないがカンプノウ最後の試合となるかも知れない。サンタンデール戦の試合よりトルコの代表戦出場を選んだルストゥに至っては、もうすでにトルコに行っちゃってるから、彼にとってもお別れ試合となるこの試合に招集さえできなかった。
 バルサを去っていくすべての選手に、ブエナ・スエルテ!

 

5月14日 金曜日 はれ
 どこからともなく沸きあがった“ロナルディーニョへの特別ボーナス”案の悪影響がでるのでは、そう思っていたらやはり選手間で不快感を表す人たちがでてきた。当然と言えば当然の現象、そしてそれを察してか、ラポルタがその案を否定する発言をしていた。これもまた当然のこと。
 そのロナルディーニョは今日の合同練習では体調的に何の問題もなく終了、これ良いニュース。悪いニュースはダビッツ、マルケスが試合出場可能かどうか当日までわからないこと。わかっているのはルイス・ガルシアは負傷が長引いて、最終戦に間に合えば良いという感じの状態ということ。まあ、そんなところだな、今日の感じは。

 

5月13日 木曜日 はれ
 ロナルディーニョが練習に戻ってきたが20分の走り込みでダウン。やはり20分しか体がもたなかったダビッツと共に早引き組となったが、ロナルディーニョの試合出場に関しては楽観的だとドクターが言っていた。
 練習後の恒例記者会見に呼ばれたパトリック、サビオラ、ガッツ、プジョーの4人がそれぞれ出席を拒否して一悶着。怒ったメディアが記者会見場でストライキを起こしてしまった。パトリックは例の裁判沙汰に関して聞かれるのが嫌だったのだろうし、サビオラもしつっこくパスポート問題に関して質問されるのを嫌ったのかも知れぬ。もっとも、ガッツは日曜日の試合後にしゃべらなければならないことをしゃべりたかったのだろうし、彼の親友のプジョーにしてもガッツの将来に関して質問されるのが嫌だったのだろう。う〜む、ここは選手をしかるべきか、あるいは放っておくべきか、セニョールには難しい問題。
 それはそうと、このクラブには地球の端っこからやって来た、変なファンがいるんだなあ。

 

5月12日 水曜日 くもり
 風邪ひき王オーベルが復帰してきたのはいいが、彼に風邪をうつされたガウチョは依然としてダウン状態。同じく風邪ひきさんから戻ってきたダビッツだが、今度は筋肉痛とかで練習を早引き。ドクターの診断によれば日曜の試合での出場は厳しいらしい。オラゲールはだいぶ復調してきたが、いちおう復帰組の軽い練習に参加。オーベル、ルイス・ガルシア、オラゲール、オスカー・ロペス、そして手術後の回復が順調に進んでいるロスがグループと離れて走り込み。
 いきなり良いニュース、それはサビオラのスペイン国籍取得が近づいたこと。彼のところに当局から連絡があり、審査の最後の段階に入ったという。来シーズン開始早々にはEU内選手として起用できそうだ。そしていきなり悪いニュース、ディスコで働いている女性がパトリックから“暴言”を吐かれたとして裁判沙汰にしていたらしいが、どうやら彼は裁判所の出廷要請を無視したため3万ユーロ近くの罰金をとられるらしい。彼の弁護士にしてもパトリックにしても、その裁判がおこなわれる日のことをぜんぜん覚えていないというから、なんやかんや、たちが悪いというか、マヌケというか、いずれにしてもあきれた話しだの〜。

 

5月11日 火曜日 あめ
 さあ、今日から練習!と思ったら雨が降りしきる1日。それでもルストゥ、チャビ、ダビッツが風邪ひきさんから、プジョー、オスカー・ロペスが負傷さんから戻ってきた。風邪ひき大将オーベルはいまだにベッドの中だしガウ〜チョもダウン。ルイス・ガルシアは思ったよりリハビリが長引いているし、オラゲールもセルタ戦での負傷からまだ回復していない。なかなか全員集合とはいかないバルサ家。それでもコクーの不在は明るい材料。なぜなら練習不在の理由がコクー家3番目の子供の出産につき合っていたから。彼の奥さん、そして生まれてきた赤ん坊、それぞれ問題なく健康だという知らせがあった。
 普段見慣れない人が練習場に来ていると思ったらシマオとジオバンニ。何でも休暇をとってバルセロナに遊びに来たというが、ひょっとしたら来シーズンからの補強を期待して売り込みに来たのかも知れない。ベレッティ個人との交渉はまだのようだがクラブ間同士の約束はできたというし、トレゼゲはほぼ間違いなく我々の仲間となるだろうから今のところ新顔は二人決まっていることになる。さて、次はどなたでしょうか。

 

5月10日 月曜日 くもり
 選手たちは完全休養、私の頭も完全休養思考停止中、日記も休止。

 

5月9日 日曜日 くもり
 気分を入れかえて練習開始。何か月ぶりかの敗戦の翌日なので、さすがに清々しい雰囲気での練習というわけにはいかないが、それでも我々には2位という目標が目の前にあるので、キッチリと気分を入れかえていかなければいけない。雰囲気を和らげるために自分の子供も練習にいれて和やかな感じで軽く1時間の練習。プジョーもみんなと一緒に汗を流していたからサンタンデール戦には大丈夫だろう。
 パトリックとレイジゲルがモンメロでおこなわれるF1に行かないかと誘ってきたが、私まで行ったのではあとで何をメディアに言われるかわからないでのやめておいた。敗戦の痛みを感じていないのか、あるいはベテラン選手だから気分転換がお上手なのか、いずれにしても彼らはにこやかにモンメロへ。
 もう優勝チームも決まったし長い1週間となりそうだが、とにかく2位確保という目標に向かってゴー、ゴー、ゴー、と空元気。

 

5月8日 土曜日 はれ
 ガビ〜ン、グア〜ン、ボゴッ、どうにもやりきれない久しぶりの敗戦、そしてサヨナラリーグ優勝、でもまだ、コンニチワリーグ2位確保。こういう日はグダグダと日記など書かずにベッドイングッドナイ、でもとても眠れないムンズムンズの夜。ふぅ〜。

 

5月7日 金曜日 晴天
 ヨーロッパ各国で編集されているフットボール雑誌が選ぶ“ONCE ESM”という、まあ言ってみれば“今月のベストイレブン”というようなものがある。それの発表によるとポルテロにはバルデスが選ばれていた。はぁ〜、彼も偉くなったもんだ。チョット迷った時期もあったが、それでも彼を信頼しきった私の功績だな、これは。
 セルタ戦にはオーベル起用も考えたが、どうも彼は風邪気味で使えそうもない。したがって再びマッチロ坊やの起用ということか。それはいいとして、唯一の疑問はオラゲールかマルケスかということだ。プジョーの起用も考えたんだが、やはり無理をしてはいけないと思いバルセロナに置いてきてしまった。そしてオラゲールはエスパニョール戦で軽い負傷をして今週はほとんど練習していない。まあ、どちらが出ても同じようにうまくやってくれるだろう。この試合は残り3大決戦の中で最も難しい試合だと思う。もし勝利することができれば、我々の試合結果を知ってからプレーすることになる二つのライバルたちに大きなプレッシャーとなるのだった。
 ついでと言っては何だが、明日34歳になる我らがカピタン・ガッツ・ルイス・エンリケにおめでとうと言っておこう。

 

5月6日 木曜日 晴天
 バライードス大決戦を2日後に控えて、我々バルサ軍団は団結心をさらに高めるために退屈な練習などは中止してプライベートな昼食会をおこなうことにした。これまで多額の罰金がたまっている罰金王の招待で経費は賄えるし、しかもその罰金王が経営する海に面したレストランが集合場所。選手やコーチ陣だけではなくドクター連中や道具係、そしてチキなどの背広組も招待。なんせ、罰金王が支払わなければならない罰金額は、楽に50人は高給レストランに招待できるぐらいあるから、こんな人数でも問題なし。昼食会の最中にクアレスマの手術が何の問題もなく成功に終わったという報告。よかった、よかった。
 それでも練習をしたがる選手たちがいる。バルデス、ルストゥ、ジョルケラのポルテロ三人衆はウンスエの指揮の元、昼食会の前に激しい練習。プジョー、ルイス・ガルシア、ラモン・ロスの負傷組はバルセロナの浜辺で走り込み。ちなみにプジョーの回復は予想されたように急ピッチでおこなわれているようで、うまくいけば明後日の試合に招集できるかも知れない・・・ようだ。

 

5月5日 水曜日 くもり
 ジオやダビッツの来シーズンからのことに関しての交渉は今のところ何の進展もなし。クラブ側がオファーをだし、それを選手側が検討中というところか。ジオに関してアーセナルがさらに2年間のレンタルをいってきてクラブ同士の合意に達したなどという中央メディアの情報はいつもの通りの噂話。そんな噂話に慣れきっているバルセロニスタは誰も信じないだろう。そう、それがいい。それと、ガッツ・カピタンの将来に関してメディアがうるさいので自ら記者会見を開いてシーズン終了までは来シーズンのことは決まらないと言っていた。そう、それがいい。ダビッツにしてもガッツにしても、みんな個人的なことよりチーム総体のことを考えている。そう、それが嬉しい。
 夕方の5時開始というメノッティ時間で、今日から久しぶりに練習再開。オラゲールがエスパニョール戦で軽い負傷をし今日の練習にはやって来ていない。パトリックは家庭の事情で3時からテン・カテと組んで練習しみんながくる頃には早引き。オーベルがこのところ負傷しないなと思っていたら、久しぶりに風邪を引いたようで自宅待機。昔から知っている人がそのまま変わらないというのは嬉しいことだ。そういえば、スーペルは最近見ないがどこの病院にいるんだろうか。

 

5月4日 火曜日 くもり
 今日は1日バルセロナ観光。10人ぐらいの親戚を連れてサグラダファミリア教会というところに行ってみたらいまだに工事中、で、しかもその工事を見るのにお金を払わなければならない。と、そうこうしているうちに、チキから電話が入った。2時半からダビッツの代理人と入団契約交渉をしていたのは知っていたが、結局2時間程度の交渉で今日は終わったという。チキが提案したのが2年契約、アッチが要求しているのは3年契約。そこら辺で揉めているようだが、間をとって2年半としたらいいのではないだろうか。
 クアレスマがバルサドクターたちの意見をとり入れて手術することに決めたようだ。手術は木曜日、これで残念ながら彼のユーロの大会への出場は絶望となった。手術をしないで自然治療というのか、とにかく外側から骨を固めていく方法もあるらしく、それだと早期の完治も可能だが逆にいつまでたっても治らない可能性もあるという。したがって手術をして2か月から3か月かかるリハビリをした方が彼のためにもいいだろう。
 さてと、明日から親戚はほっておいて練習だ。3つ残っている決勝戦、まず最初の決勝戦となるセルタとの戦いに備えよう。

 

5月3日 月曜日 あめ
 今日は忙しい。忙しいから練習を1時間で切り上げ、いつもは誰よりも最後にカンプノウをあとにするのだけれど、今日は忙しいから一番でサヨウナラ。アムスから何人かの親戚が遊びに来ていて彼らにつき合わなければならない私は忙しいのだ。明日は完全休養日にして練習は休みにした。
 今日からオランダ勢選手との交渉がチキとルセーによって始まったと連絡があった。とりあえず今日はレイジゲルとコクーのマネージャーとの交渉。今シーズンで契約が切れるレイジゲルにはこれまでの年俸300万ユーロを100万ユーロに、コクーは今まで通り100万ユーロ、それぞれ1年契約という提案をクラブ側がだしたという。あとは選手たちがこれを納得するかどうかの問題。明日からジオとダビッツのマネージャーとの交渉。それぞれ2年契約というオファーをだすという。まあこの4人は問題なく残ることになるんではないだろうか。
 ああ、明日も忙しい1日。サグラダファミリアとモンジュイクに親戚どもを連れて行かなければならない。セニョール・ライカー、バルセロナ観光の2日間。

 

5月2日 日曜日 くもり
 この試合のキーポイントの一つ、それは相手に先制点を入れられてからのチームのリアクションだった。そしてそれを可能にしたのがモッタだと言って良い。確かにロナルディーニョやイニエスタ、サビオラ、その他大勢の選手を褒めちぎらなければならない試合だったが、目立たない仕事を見事にこなしたモッタを誉めておこうと思う。反撃体制に必要な“誇り”と“勝利への執念”と“集中力”、それらの要素を体全体にあらわしてチームを引っ張っていってくれたのがモッタ、彼はいい仕事をしてくれた。
 バルサの監督となって今ではセニョールとまで呼ばれるようになり、多くのことを学んできたが、その一つは“小さい選手を小馬鹿にしてはいけない”という教訓だ。ダビッツは決して大きくはないし、イニエスタはどちらかというとチビだし、サビオラに至ってはとてもチビだ。だがそれでも彼らには彼らだけが持つ“才能”という、単純にセンチメーターでは計れない素晴らしいものがある。ダビッツは用心棒、イニエスタにはボール支配、そしてサビオラはゴールという“才能”にあふれている。やはりこの試合にイニエスタを出して正解だったな。ところで、どこまでもツキがないのがクアレスマ。右足負傷全治2か月から3か月という。アンダー21ユーロコパの大会にも出られない。アーメン。
 バレンシアが勝ったことで決勝戦3試合を残したところで首位との差が5ポイント。決して奇跡が必要な数字ではないと信じている。ほんのチョットした驚きさえあればいい。我々にはまだまだカップを手にすることが可能だ。

 

5月1日 土曜日 くもり
 教会のミサで“エル・セニョール”と言えばそれはキリストさんのことだが、カンプノウで“セニョール”と言えば、それは私のことなのだ。セニョール・ライカー、今ではすべてのクラブ関係者が尊敬の意味を込めて私をこう呼ぶ。「セニョール!セニョール!セニョール!かわいい女の子紹介してください!」と言ってくるようなモッタとかオスカー・ロペスは別として、私を尊敬しているほとんどの選手たちは「セニョール!不敗記録はいくつまでのばしましょうかい?」などと相談してくるようになってきた。「あと4つ、たったあと4つでいい」そう答える私セニョール・ライカー。フッフッフ、あと4つ勝てば、ひょっとするとひょっとするぞ。