ルイス・ガルシア選手の巻

まるでそれが運命かのように、ひらすらクラブを流れ歩く男、それがこれまでのルイス・ガルシアの歩んできた軌跡と言っていい。バルサのカンテラ選手として育ち、テネリフェやバジャドリそしてAt.マドリなどを転々とし、ついに我が家であるバルサに戻ってこれたかと思ったら、またまた移転することになる。今度はスペイン国内ではなく、ドーバー海峡をわたった国での仕事だ。昨シーズンのある程度の活躍を見た限り、余程のことがなければ今シーズンもバルサでプレーするかと思われたルイス・ガルシアだが、誰にも断れないオファーの前にバルサを離れることを決意する。もちろんバルサとしても経済的観点から見ればとてつもなく美味しいオファーだ。ラポルタ政権が誕生して以来、初の“有料で移籍”する選手が誕生したのだから。

恩師と言っていいベニテス監督がいるリバプールでプレーすることになったルイス・ガルシアだが、これまでのところ期待以上の働きをしているようだ。年俸はバルサ時代の三倍となったし、フットボール面でもスタメンで出場する機会が多いから満足しているに違いない。それでも“家”を離れている状況に若干の寂しさを覚えると語るルイス・ガルシア。彼にとって“家”とは文字通り彼の住んでいたバルセロナにある家であり、そしてもう一つはバルサのことでもある。
「毎試合バルサの試合は必ず見ているさ。そしていつもそうなんだけれど、嫉妬感というとおかしいかも知れないが今シーズンのプレー内容を見ていると『ああ、自分もあの中にいたらなあ』そう思うんだ。」

その彼は今週はバルセロナに戻ってきている。奥さんのラケールが彼らにとって初めての子供を出産したからだ。10月29日の深夜誕生したその子の名はジョエル。本当にパパ・ガルシアになってしまった。(2004/11/03


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