モッタ、リハビリ第三巻

サンパウロに戻ってきてからすでに数週間たったモッタ。すでに夏に入っているこの街で彼は月曜日から土曜日、つまり日曜日を除いて毎日リハビリをおこなっている。リハビリはFCサンパウロの施設を利用しておこなっている。

彼の朝は早い。6時に起床し、8時にはクラブのジムで汗を流すことになる。午前中4時間は基本的にジムでのリハビリであり、備え付けの自転車をカキコキするのが主なリハビリメニュー。そして午後のリハビリは2時に始まり、主にプールでのリハビリだ。最初の週には手術した箇所に痛みを覚えるリハビリだったが、今では腫れもないし痛みもまったくないという。1日8時間、トレーナーがついているとはいえ、孤独なリハビリの毎日。長期負傷者にとって最も辛い孤独な時間が過ぎていく。この8時間のリハビリを終わると自宅に戻り、夕食をとってから手術箇所を氷で冷やしてベッドに入る毎日だという。ベッドにはいるのはとても早い時間。なぜなら翌日も早朝6時に起床しなければならないからだ。

彼がバルセロナではなくサンパウロをリハビリ場所と選んだのは二つの理由がある。冬がやって来たバルセロナとは違い、夏のさなかのサンパウロの方がリハビリに適していること。そして最も大きい理由、それはバルセロナに残っていたら“息苦しい”からだという。息苦しさ、それは練習をしている選手たちや試合で走り回っている選手たちを見ることが辛いことから来る。リハビリしかしていない自分には辛すぎる環境だから、日常生活から離れた環境にある場所を選んだと語るモッタ。

これまでのリハビリは想像以上に順調にきているようだ。
「健康な体を持っている人と同じような生活ができるほど回復している。ドクターたちは慎重だから無理をするなと言っているけれど、個人的な思いとしては3月にはグランドに戻れると信じている。リーガとチャンピオンズの戦いに応援に駆けつけることが必ずできると思うよ。」
(2004/11/30


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