フランチェスコ・ココ選手の巻

かつて長期間の負傷から戻ってきたミランのレドンドがそうしたように、あるいはエスパニョールに在籍していたボゴシャンがそうしたように、フランチェスコ・ココも長期間の負傷から戻ってきて“タダ働き宣言”をしている。つまり、お世話になったクラブにお礼をするために、年俸を受けとらないでタダでプレーしようという宣言だ。

ココの負傷に関しては10月15日付のこのコーナーで触れているが、長期リハビリの戦いに勝利し、ようやく現場復帰できたのは11月21日のインテル対ボローニア戦のカップ戦だった。もうすでにリハビリを終えてから2か月近くたっての公式戦初出場となった。そしてそのココとインテルの間で延長契約がすでにサインされている。2008年までだった契約を1年延ばし2009年6月30日までとなった延長契約だ。
「この延長された1年間の年俸はもらわないことに決めた。負傷に倒れてからリハビリの最中、クラブはいつも自分に対して暖かく援助してくれていた。そのことに対するお礼として1年間タダでプレーしようと思う。」
そう語るココ。

レドンドの時もそうだったが、こういう“美しい”話はメディア間をポンポンと走り回る。経済的に余裕が生まれている“高給取り”の選手だけに許される“美しい”話ではあるが、そういうことをしないもっと“高給取り“選手もいるから、やはり“美しい”話であることは間違いない。それでも、迷惑だと思う選手がいることも間違いない。もらっている年俸が生活費となっており、決して何かに投資する資金としての年俸額ではない“薄給”の選手たちだ。以前、レドンドがそういう発言をしたときに、カルッチオ所属の経済的に恵まれない選手たち何人かが「そういうことはクラブと彼だけの秘密としてすればいいことで、公表することではないのではないか」というようなオフレコ批判をテレビで見た覚えがある。いずれにしても、ココ復帰話はめでたい、めでたい。(2004/12/18


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