サパテロ首相の巻

ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロという長い名前のスペイン首相は自他共に認めるバルセロニスタだ。スペイン歴代首相初めてのバルセロニスタの誕生と言える。マドリディスタにして前首相でもあったアスナールの顔が時々サンティアゴ・ベルナベウのパルコ席で見られたが、サパテロはもちろんまだ一回も顔を出していない。と言っても、アスナールと違いバランス感覚のある首相だからしてカンプノウにもおもむいていない。

“ブラウグラーナ・デル・コングレッソ”という名のバルサペーニャが結成されたのは昨年の9月。名前からわかるように、国会議員の中のバルセロニスタだけによって構成されているペーニャだが、サパテロ首相は周囲の関係者の助言によりこのペーニャには参加していない。正確に言えば、参加していなかった。まだ首相に選ばれてからわずかな時期でもあり、国会議員の中にいる多くのマドリディスタからの不必要な反感をかわないためだ。だが、もうそろそろ良い時期だと思ったのだろう、暮れも押し迫る12月の末、サパテロ首相はついにこのペーニャのソシオの一人となった。文字通り、バルセロニスタ首相の誕生だ。(2005/01/13


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