フィリップ・コクー選手の巻

バルサに在籍した外国人選手としては最高記録となる292試合に出場したフィリップ・コクー選手。シーズン終了と共に契約切れとなることはわかっていたものの多くの人々が再契約するだろうと予想。だが実際はそうならずオランダに帰国することを決意した。したがって同僚だった選手やバルサファンにサヨナラの挨拶ができずじまいにこの日まで来ていた彼だが、カンプノウでおこなわれたAt.マドリ戦の試合前についにそれが実現することになる。

クラブ関係者の予定ではグランドにおりてきてのセレモニーだったが、コクーはそれを固く拒否してパルコでのサヨナラ風景となった。
「芝の上の主役は常に選手たちとならなければならないと思っている。自分がグランドに下りていったらバルサの選手だけではなくAt.マドリの選手にも迷惑となるだろう。彼らから主役気分をとってはまずいからね。」

オランダ生まれオランダ育ちでありながら、地元でプレーするコクーには“外国人選手”としての感覚があるという。6年間にわたって親しんできたバルセロナの生活、そして多くの世界的なメディアが集まり常に注目されるクラブでの生活リズムとはあまりにも違うオランダでの静かな生活が彼を“外国人選手”感覚にしているという。彼にしてそうなのだから、バルセロナ生まれの三人の子供たちはなおさらだ。
「パパ、オランダって寒いね。」
子供たちにそう言われて苦笑するコクー。だがそれも後1年半の辛抱。なぜなら現クラブとの残り1年半の契約が終了次第、コクー一家はバルセロナの自宅に戻って生活することをすでに決めているという。
(2005/02/10


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