二人のオランダ人選手の巻

二人のオランダ人選手、それはエドガー・ダビッツとパトリック・クルイベルのこと。二人とも昨シーズンが終了すると共にバルサを去って行った選手だ。もっともダビッツに関しては“去る”という表現は正しくないかも知れない。半年間のレンタル契約でやって来た選手だから、契約終了と共に何処へと消えていったに過ぎない。そしてパトリックの方はクラブ職員が使用するクラブの裏口から“去って”行ったという感じだ。

「こんなに試合に出られないことが最初からわかっていりゃ、こんなクラブには来なかったのにようっ!」
今さら愚痴を言っても始まらないぜダビッツ。三つの天秤(というものがあればの話)にかけて最も美味しいオファーを出してきたことろにヨダレを流して飛び込んでいった男の言うことじゃあない。彼の半年間バルサ加入によってクラブが得たものは非常に大きかったが、彼もまた得たものは大きかったはずだ。念願のユーロ2004への下準備もできたし、なによりも再びエリートコースに戻ってプレーできるチャンスを得たのだから。それでも翌シーズンには1ユーロでも多いオファーのところを選んだダビッツを、プロ選手として認めることはできても愛着ある選手かと、とてもとてもそんなことは間違っても言えない。

「彼のこれまでの経歴から考えても、そして28歳という脂ののりきった年齢の選手であることから期待したものは大きかった。だが加入から半年過ぎた今、はっきり言ってバルサは良い商売をしたという感じだな。才能的には素晴らしいものをもっているのに肝心のモチベーションというやつがこれっぽっちもない抜け殻みたいな選手だ。」
パトリックに関してこう語るのはニューキャッスルのかつてのアイドルにして個人的に大好きな選手だったクリス・ワォードル。この人、良い選手だったなあ。まあ、そんなことより、そんなにヒドイんですか、パトリックは?
「ベンチに座っていることが多く出場機会が少ないのに、ヘラヘラヘラヘラしてんだ、ヤツは!夜遊びのことばかり考えているんだろう。」
それじゃあ、バルサ時代と変わらない。
(2005/02/14


 目次