ミゲランヘル・ナダール選手の巻

ミゲランヘル・ナダール、38歳、今シーズンが終了次第現役引退となる。したがって土曜日のバルサ戦は彼にとって最後のカンプノウでの試合を意味していた。だが残念ながら、カンプノウにはおろかバルセロナにもやって来ていない。クーペルがマジョルカの監督に就任して以来ナダールはわずか20分しかプレーさせてもらっていないからして、現役選手として最後のバルサ戦となるこの試合で、カンプノウの芝を踏めないだろうということはすでに心の準備ができていたと語る。
「こういうシーズンになることはまったく予想はしていなかったが、これまでの長いプロ選手としての経験が『こういうこともあるさ』、そいういうふうに教えてくれている。今まで良いシーズンを送れたこともいっぱいあったし、悪いシーズンとなったことも多くあったしね。しかもクーペルが来てから自宅のソファーに横になりながら自分のチームの試合を見ることも多くなっていたし、バルサ戦だけに特別に招集されることもないだろうとは感じていた。」
とは言いながらも、やはり最後にカンプノウでプレーしたかった思いは消えない。
「プロ選手として最も華やかな時期を過ごせた場所だし、今でも多くのバルサファンが自分のことを慕ってくれているしね。2分でいいからプレーしたかったけれど、まあ世の中ままならないもんさ。」

将来のことに関しては何の心配もしていない。今でも時間があれば大好きなヨットを地中海に浮かせて楽しんでいる彼だが、来年以降はその時間がもっと増えることになるかも知れない。前政権を握っていた大衆党の政治家としてやっていってもいいし、マジョルカ会長の進めるままにテクニカル・スタッフの一員としてクラブに残ってもいい。もうフットボール選手ミゲランヘル・ナダールの時代は終わり、ナダールの名は甥っ子のラファエル・ナダールに継がれている。そう、すでにナダールという名がメディアの間で話題になるのは、彼の甥っ子であるテニス選手のラファエル・ナダールの方となっている。
「時代は変わっていくのさ。そりゃ試合にも出られない38歳のフットボール選手より、テニス界の第一線で活躍しているラファエルの方が話題になるのは当然だろう。しかも彼の叔父としては非常に嬉しいことさ。」
この選手、大好きだったなあ!
(2005/02/21


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