ジェラール・ピケ選手の巻

今シーズンの初めに地中海から離れドーバー海峡をわたることを決意したジェラール・ピケ17歳セントロカンピスタ。マンチェスター側は一切のバルサとの交渉を避け唯一ピケ一家との交渉をおこない、いわゆる未成年者選手を養う両親の“引っ越し”という、いつものパターンを駆使してのジェラール獲得に成功していた。もちろん両親の“引っ越し”などというのは現実問題としておこなわれないわけで、まあこの世界における“江川空白の1日”みたいなものだ。そしてもちろんバルサも黙ってはいない。FIFAに提訴したのはもう昨年のこと、そしてFIFAのお答えをいただいたのも昨年のこと。FIFAが決めた“違約金”、それは22万ユーロというものだった。だが以前の22万ユーロよりひどいのは、この裁判にかかった費用はバルサもちと言うことになり、この22万ユーロから差し引かれることになる。

さて、そのジェラール君、今はどうしているのだろう。つい先日、ミニエスタディ第四グランドで彼の姿を見かけたがまた背が伸びているような感じだった。暇ができるとバルセロナに戻ってきているようだが、マンチェスターでまったくダメというわけでもないらしい。カップ戦とかどうでも良い試合には時々出場させてもらっているが、まだセスクのようにチームにとって“大事な選手”とまではいっていないらしい。

セスクのプレースタイルは“4番”の選手を生み出す典型的なマシア特産と言えるが、デフェンサであるジェラールの場合はマシア特産というものでもない。才能はそこそこあるのだろうし、イングランド用に背の高い選手でもあるし、まだ17歳という年齢を考えればこの先もっともっと伸びてしかるべき選手ではあるものの、彼ぐらいの選手はゴロゴロといるような気もする。いずれにしても、もしバルサに残っていれば今頃バルサC、あるいはペレ・グラタコス監督に抜擢されてバルサBでプレーしているかも知れない。彼の場合、マンチェスターに行ったのが良かったのかどうか、非常に微妙な気がする。(2005/02/28


 目次