アレクサンデル・モストボイ選手の巻

1990年代の半ばにセルタにやって来たモストボイだが、それ以前にも、そしてそれ以後にも何回かバルサ入団の噂がたったことに見られるように、なかなかバルサ好みの選手だった。だがバルサ入団という夢はついに実現しないまま、昨シーズンが終了すると共にセルタを退団してロシアに帰国している。大好きなアイスホッケーとテニス三昧の日々を送っていた彼に再びスペインのクラブからお声がかかった。36歳のモストボイに興味を持ったクラブ、それはアラベスだ。

アラベスの会長の名はピーテルマンという。ひょっとしたら彼のことを覚えている人もいるかも知れない。かつてラーシングの会長をしていて色々と話題を提供してくれた小型アブラモビッチともいえる人物。その彼がこの冬のマーケットで最初に“獲得”したのは、やはりいつだったかバルサ入りも噂されたマリオ・ジャルデールだった。1か月近くアラベスで練習を続けたジャルデールだが、ついに試合に出場することなくアルゼンチンのオールド・ボーイズに戻っている。両クラブ首脳陣による交渉が最後のつめまでいきながら、ほんのチョットした違いの移籍料がネックとなってジャルデールのアラベス入団が不可能となったからだ。だがピーテルマンはあきらめない。この時期に入団できる可能性のある選手は、今シーズンどこのクラブでもプレーしていない選手という条件付きとなるが、そうなると獲得候補選手リストを制作しても実に寂しい内容となるのは致し方ない。それでもそのリストの中にピーテルマンも名を知っている選手がいた。それがモストボイだった。

先週ビトリアにやって来たモストボイは3か月契約という書類にサインして再びロシアに戻っている。今週中にはアラベスの練習に合流し、2週間程度の準備期間で試合に出場しようという魂胆だ。だが彼はモストボイだからして、そう、あの気まぐれモストボイだからして、本当にやって来るのかどうか、それさえ疑っている人までいた。でも来ました、彼は本当にアラベスに来ちゃいました。水曜日から必死にタラタラと走り始めているモストボイです。(2005/03/19


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