ジョアン・ガスパー元副会長の巻

レアル・マドリの会長にフロレンティーノ、そしてバルサの会長にラポルタとなってから、どうもクラシコを前にしての“血沸き肉踊るような騒々しさ”というのがメディアの間に登場しなくなってしまった。両会長とも表向き紳士であり、賑やかな副会長もいないこともあって“きれい事発言”が多いクラシコ前となってしまう。それでも今回はマドリッドメディアが“バルサ有利の判定が多い”などと根拠ないことをほざいてプレッシャーをかけてきている。レアル・マドリ・オフィシャルページにもピノ・サモラーノを“アンチマドリディスタ(ピノ・サモラーノがアンチマドリディスタ!)”と決めつけ、ベティス戦の判定をグダグダとイチャモンつけている。それに対してバルサ側は沈黙を守っている。一代たたき上げ土建屋や二代目ホテル王ではなく、弁護士やコンピューター関係の会社で成功している人たちで構成される現在のバルサ理事会なので、野次馬を楽しませてくれる度量に欠けるのはしょうがない。監督のフラン・ライカーも現役時代にはあの大嫌いなドイツ人にツバ吐き事件まで起こしてくれたのに、今は紳士フラン・ライカーだからファイティングな発言は期待できない。

もし、バルサの副会長がいまだにジョアン・ガスパーだったら、それこそ面白い1週間が過ごせただろうし、クラシコの戦いを更に更に熱くしてくれたに違いない。事実、もうクラブとは関係ない立場にいながらもガスパーはガスパーらしく、野次馬をほんのチョットだけだが楽しませてくれている。
「アウエーでのベティス1点目はオフサイドだったことを忘れているのか?同じくアウエーでのビジャレアル1点目もオフサイドだったことを忘れているのか?先日のアルバセテ・マドリ戦でのエルゲラのゴールはファールだったことは問題にしないのか?そもそも最近のベルナベウでのクラシコで我々はいくつもゴールを無効にされたことをもう忘れてしまったのか?バカ言っちゃあいけない、我々は少しも審判なんぞに助けてもらっていない。バルサとマドリのポイント差は単純に実力差だということがまだわからないのだろうか。」

彼はバルサとは縁が切れたとはいえ、スペインフットボール界そのものと縁が切れたわけではない。どこをどうしたのか、不思議なことにスペインフットボール協会の副会長となっているジョアン・ガスパー。そこら辺の立場を考えてクラシコの予想は控えめに語っている。
「いちおう公の立場にある私だからトゲのあることは言えないが、まあどう考えても0−1でバルサの勝利というところだろう。もし自由の身となっているジョアン・ガスパーだったら彼の予想は0−11ぐらいだろうと思うけど。」
自らの分をわきまえて会長などならずにいつまでも副会長としてバルサに君臨して欲しい方でありました。
(2005/04/07


 目次