2002年5月21
シードルフとオーベルマルスの交換

それを狙っているのはバルサではなくてインテル。インテルの監督であるクーペルにとってバレンシア時代のピオッホ・ロペスのような選手がどうしても必要な来シーズン。彼にとってオーベルマルスはカウンターアタック用の選手として最適と考えている。そしてその代わりにシードルフを欲しがっているといわれるバンガールにその交換を申し出ている。ココも欲しいと公言しているクーペルだが、そのことも含めて今週中にインテルの会長モラッティがバルセロナにやって来る。


 2002年5月21
明日、セルジの将来が決まる

今週のバンガールは今シーズンをもって契約が切れる選手との折衝を自らおこなうことに費やされる。今週中にアベラルドやセルジとの話し合いがおこなわれる。明日とりあえずバンガールがあおうとしているのはセルジの父。彼は息子の代理人もつとめている。この話し合いでセルジの将来が決まる可能性もある。またセルジにはAt.マドリが、アベラルドにはデポールが興味を示しているといわれる。


 2002年5月19
クレスポ、最終的にはスペインへ

イタリアメディアによれば、ラッチオ会長のクラグノッティが次のようなコメントをしたという。
「クレスポにはスペインの二つのクラブからオファーが来ている。具体的にはレアル・マドリとバルサからのオファーだ。クレスポはこの二つのクラブのどちらかに行くことになるだろう。」

クレスポ移籍の基本的条件は4000万ユーロ+選手。バルサが出している交換選手リストにはオーベルマルス、クライハート、ロッケンバック、クリスタンバールなどの名前があがっていると言われる。またマドリが用意している選手はサビオ、ファービオ、モリエンテス、マクマナマンなど。

あくまでもイタリアメディアによれば、クレスポ獲得交渉はマドリが一歩リードしているという。だがガスパー会長はクレスポの代理人たちに昨日連絡をとり、今のところいっさいの決断を下さないように要請しているといる。


 2002年5月19
モレーノ、コロッチーニ、At.マドリへ

ミランがハビー・モレーノのAt.マドリへの移籍を公式表明としておこなっている。At.マドリのスポーツ・ディレクターであるパウロ・フットレの強い要請でモレーノの獲得が現実となったようだ。またコロッチーニの1年間のレンタル移籍も正式に公表されている。この二人の移籍料は1200万ユーロ。また監督であるルイス・アラゴネスはコロッチーニに関し「ほとんど知らない選手」としている。


 2002年5月19
クライハート、手術の可能性も

ボストンでおこなわれる親善試合の練習中に悪化したクライハートの右足。彼は合宿から離れ、バルセロナに戻ってきている。これからおこなわれる精密検査の結果次第では手術をおこなう可能性もあるという。もしこの手術がおこなわれることになると、噂の段階を越えないものの、予想される彼の他クラブへの移籍の可能性はほぼなくなることになるだろう。


 2002年5月15
急げ、急げ、ガスパー!

ガスパー・バンガール新体制に時間の余裕はない。すでに選手市場は大きく動き始めている。彼らの手足となってすでに動きだしているのがパレーラだ。バルサ・スポーツ・ディレクターのパレーラは数日前からすでにミラン入りしている。その目的はコロッチーニの獲得をメインとし、ココ、シェブチェンコなどの問題に関しても交渉中だと言われる。

■コロッチーニ
パレーラの今回のミラン滞在のメインとなるテーマはコロッチーニとココ問題。バンガール構想の中にアベラルドとクリスタンバール、セルジは入っていない。デブーとアンデルソンのみとなるセントラールのポジションに若手の選手が欲しいバンガール。すでにコロッチーニ獲得にゴーサインをだしたと言われている。またココも経済的に許すならば残留して欲しい選手。だが多くの見方によればココはインテル行きが濃厚とされている。いずれにしてもパレーラはコロッチーニの獲得とココの権利をミランと半分ずつ所有する形態を目指している。また同時に、ロッケンバックやガブリなどのカルッチオ市場における評価も探っているパレーラだ。

■クレスポ
パレーラはミランとシェブチェンコに関しても交渉していると言われる。だが現実的にはクレスポの獲得より難しい状況だろう。バンガールにとって是が非でも必要なデランテーロセントロ。クレスポの獲得も非常に難しいことでもある。クライハートがカルッチオに戻ることはない。リバルドは彼の年齢と高額な年俸がネックとなっているため、交換要員としてもこの二人はかなり否定的だ。シェブチェンコ、クレスポがだめな場合、残るはハッセルバインのみとなっている。もちろん最近にわかに登場したロナルド獲得の可能性が現実化すればそれに越したことはないだろうが。

■ラメ
バンガールお気に入りのキーパーと言われるフランス人キーパーのラメとの基本的合意はすでにおこなわれている。これからまだ煮詰めていかなければいけない細かい部分があると言われているが、彼のバルサへの入団は時間の問題だろう。


2002年5月14日
クラシコ・オファー合戦

カンプノウでもベルナベウでの戦いでもない。スタジアムを離れたところでのバルサ・マドリの戦いが繰り広げられようとしている。両クラブの補強リストに載る二人の選手、クレスポとロナルド。

■クレスポ争奪戦
経済的に大きな問題を抱えているラッチオにとって、現在所属しているすべての選手は「放出可能」選手となっている。エルナン・クレスポも決して例外ではない。彼個人とラッチオ会長との不仲がウワサされているものの、問題はそんなところにあるのではなく彼もまたラッチオを経済的に救う駒の一つに過ぎない。ラッチオにとってはワールドカップでの活躍による移籍料の急騰を願っているし、彼の獲得を狙っているクラブはワールドカップでの失敗を願っている。今のところクレスポの移籍料は5500万ユーロといわれている。

そしてその失敗を願っているクラブが少なくても二つある。バルサとマドリだ。すでにマドリはソラーリかサビオを交換要員として準備し、それにいくらかの移籍料を上乗せするという提案をクレスポ代理人に送っているという。またバルサはリバルド、あるいはクライハートを交換要員として準備しているといわれる。だがクライハートがカルッチオに戻る可能性は非常にうすいと考えられる。彼がバルサを出るとすればプレミアの可能性のみだろう。したがってリバルドがどのくらいの商品価値として評価されるかは、今回のワールドカップでの活躍次第となっている。それと問題は彼の年齢と、高額な年俸にあるだろう。また交換要員の一人としてロッケンバックの名前もあがっている。

■ロナルド争奪戦
1か月前にバンガールの復帰を決意したガスパー。彼はバンガールの獲得と同時にロナルドの獲得に向けても動いている。やはりちょうど1か月前、彼はロナルドのマネージャーであるジオバンニ・ブランチーニと連絡をとっている。移籍の可能性を問い合わせるためだ。だがこの時点でインテルの会長マッシーモ・モラッティはその可能性を否定していた。「ロナルドは移籍交渉外の選手」ということだった。だがカルッチオ最終戦で優勝を逃した時点でモラッティの態度は180°変化することになる。すべての選手が移籍可能となった。

この優勝を逃した試合のあった夜、ロナルドの代理人の一人であるレイナルド・ピッタが「マドリとバルサからオファーが来ている。ロナルドの契約更新をして欲しい」という話しをしてきたことにも怒り狂うモラッティ。これは彼らの常套手段であることも確かだ。ジオバンニ・ブランチーニ、レイナルド・ピッタ、そしてもう一人の代理人アレサンドレ・マルティンは、ロナルドをバルサから引き離した張本人であり、バルサにも同じようなことをしている。

ロナルドはインテル会長モラッティに非常に感謝しながらも、インテルを離れることを願っているという。クレスポを狙っているのはバルダーノであるが、会長のフロレンティーノが狙っているのがこのロナルド。マドリにとってもバルサにとってもロナルド獲得の可能性は、1か月前とは比べものにならないほど濃くなってきている。


2002年5月7日
バルサ、ラメ獲得に大きく前進

バルサはジロンディンスのフランス人キーパー、ラメの獲得に大きく動いている。ジロンディンスの総合ディレクターであるカルロス・カンポーロとバルサのパレイラが今日、選手の代理人立ち会いのもとに移籍への最終的合意に向けての交渉をおこなっている。またラメ選手自身はすでにバルサのメディカルチェックを終了している。


 futvol.com 2002年5月6日
アディオス、セルタ

「4年間のセルタでの仕事には非常に満足しているし、この間一緒にチーム作りををしてくれた人や全力で戦ってくれた選手たちにも感謝している。セビージャ戦の敗北は残念なものになってしまったが、1試合で私の考えが変わるわけではない。今シーズン、我々はよくやったと思う。この4年間、どうもありがとう。」

昨日のセビージャ戦で思わぬ敗北をし、チャンピオンズへの参加が難しくなったセルタ。その翌日(つまり今日)の練習前にビクトール・フェルナンデスが選手を前にして語ったのが上のような内容だった。試合後の記者会見場で監督の言葉を思い起こしながら説明するセルヒオ・フェルナンデス選手。
「監督が練習前にオレ達を集めていったのはこういうことだけれど、それがサヨナラを意味するのかどうかまでは個人的な解釈の問題になるだろう。」と語っている。またビーゴではビクトール・フェルナンデスの後がまにベティスの監督を務めているフアンデ・ラモスの名前があがっている。

ちなみに今日の練習にビクトール・フェルナンデスは最後まで参加していない。クラブの許可を得て途中で抜け、バルセロナに向かっている。何かの授賞式に参加するためといわれている。


 MARCA 2002年5月3日
クライハート+2500万ユーロ=クレスポ

今日金曜日、いくつかのイタリアメディアに登場したラッチオ所属のクレスポ移籍に関するウワサ。それはバルサがクライハートに2500万ユーロを乗せて、それでクレスポと交換しようと「準備」しているというもの。つい先日はモリエンテス+2000万ユーロとクレスポの交換をマドリが画策していると伝えられたばかりだ。

バルサがクレスポに興味を示していると伝えられるのはこれが初めてではない。今まで何回か登場しているが、クライハートと交換という条件はこれが初めてだ。水曜日のマドリッドでおこなわれたユーロクラシコの当日、ガスパー会長とラッチオと関係の深いFIFAエージェントのフィオラネーリが会合を持ち、ガスパーが提示した条件がこれだという。もちろんイタリアメディアが伝える話しだ。


 2002年5月3
バンガール問題に揺れるバルサ首脳陣

クラブ首脳陣の中でバンガールを押す声は依然として強い。日増しに強くなっていることは間違いない。それどころか現在の段階ではナンバーワン候補と言ってもいいだろう。

バンガールは、このバルサのオファーの他にバイエルンのオファーも抱えていると言われる。もしバルサオファーが真剣なものであるならば、彼としてはもちろん知り尽くしたバルサの方を選ぶだろう。だが問題はかつて彼の就任中もそうであったように、彼に対する評価ははっきりと二つに分かれてしまうことだ。現在のクラブ首脳陣内ですでに分かれているように、それは来シーズン就任後もバルセロニスタを大きく分ける話題となることは火を見るより明らかなことだ。ガスパーがこの問題をどこまで考えて結論をだすか、いずれにしてもそれがわかるのはリーグが終了する来週の土曜日以降となる。

そしてアルゼンチンから伝わってくるバルサの新監督のウワサ。それはカルロス・ビアンキがバルサとの交渉でほぼ合意近くまでいっているということだ。契約期間も具体的に2年間とされている。そしてもちろんリケルメも一緒にやってくることになる。

イギリスから伝わってくるウワサもある。それは現在代表監督を務めるエリクソンとバルサの急接近の可能性についてだ。スペインリーグの経験はないものの、イタリアやポルトガルでの監督経験が豊富なところから、バルサ移籍の可能性もじゅうぶんあるというもの。

そしてスペイン国内では相変わらず、バンガールの話しは別として、ビクトール・フェルナンデスが監督に就任するというウワサ。彼はすでにセルタ会長に対し来シーズンの延長契約はおこなわないと伝えられたと言われている。これまで大きなクラブでの監督経験はないものの、スペインリーグやバルサの内情に通じていることから彼を押す首脳陣も多いという。


&&futvol.com 2002年4月30
リケルメに赤い魔の手が忍び寄る

リケルメの代理人であるマルコス・フランキがマドリッドに来ている。目的はAt.マドリのスポーツ・ディレクターであるパウロ・フットレとの移籍交渉。とりあえずオファーを聞くことだけはしておくということだろうか。なぜならリケルメは多くのメディアが確認しているように、彼のクラブであるボカとバルサ間の合意、そしてリケルメ個人とバルサ側による基本的合意がすでになされているからだ。

At.マドリの今のところ会長(今シーズン限りで会長を辞任する予定)のヘスス・ヒルが最近コメントしたところによれば、クラブが興味を抱いている選手はピオッホ・ロペスとメンディエタとリケルメということだった。したがってリケルメの代理人のマドリ行きは納得できることではある。だがその目的はお互いに違うようだ。クラブ側はリケルメに対し移籍のプレッシャーをかけようとしているのに対し、リケルメの代理人はバルサにプレッシャーをかけようとしている。いずれにしてもリケルメの将来はバルサ側が何らかの権利を既に獲得しており、来シーズンの監督が拒否しない限りバルサに来ることになる。

一方、将来がいまだにはっきりと書類上にサインしたうえで決まってはいないリケルメに焦りがあることもまた事実だ。弟の誘拐事件以来、彼は一日も早くアルゼンチンを出る意思であることは間違いない。すでに家族全員のパスポート申請をおこなっていることからも明らかだ。彼が来シーズンにボカにいることは100%あり得ない。このような精神状態のリケルメにとって、具体的なオファーを示して来ているAt.マドリ。ヘスス・ヒルにとってはそこが唯一の狙い目となる。


 2002年4月29
真実味をおびてきたバンガール

どこからともなく浮上してきたバンガール復帰のウワサ。だがここに来て実体をもった真実味のある話となってきているようだ。ガスパーがすでにバンガールの代理人と接触をもっているのは間違いない。監督問題に関してはガスパーの一存で決まることもある状況を考えれば、この接触の事実はバンガール新監督のウワサも真実味を増してくる。

バンガールは確かに一部のバルセロニスタの中ではいまだに評価されている人物ではある。ヌニェス支持系のバルセロニスタであれば、もちろん両手を上げて彼の復帰を受け入れるだろう。そこがまたガスパーの狙いであるかも知れない。クラブ首脳陣内にまだ残っているヌニェス派の人物や、野党と化しているヌニェス系の人物をも満足させる結果になるからだ。しかもバンガールはバルサの内情に詳しい人物であり、スペインのフットボールにももちろん通じている人物である。ソシオとして毎試合カンプノウに足を運んでいる彼を評価する、新しいセクションのバルセロニスタも登場していると言われている。

だがもちろん問題がないわけではない。これまでさんざん衝突してきたバルセロナメディアとの問題は根深いものがある。メディアだけではなく、選手たちの中にもバンガールの復帰を喜ばない者が少なからずいる。特にクラックと呼ばれる何人かの大物選手の中には、彼の復帰に強く反対している者がいるという。セラフェレール、レシャックと経験してきた選手たちは、バンガール時代の人間関係の冷たさやギクシャクした監督・選手間の関係には再び戻りたくないと思っている。この点を一番心配し、彼の復帰に疑問を投げかけている何人かの副会長がいるといわれている。

ガスパーとしてもいまのところはっきりとした結論はでていないのだろう。レシャックというまだ契約が残っている監督がいるわけだし、ビクトール・フェルナンデスを押す人々もいる。そしてそのビクトール・フェルナンデスは延長契約を要請しているセルタ会長に対し、今シーズン限りでやめるという返答をしているというニュースも伝わってきているのだ。


 Libredirecto.com 2002年4月28日
バルサ、トマソンを獲得

バルサはフェイノルドのトマソンの獲得に成功したことにより、彼は来シーズンの最初の補強選手となった。契約期間は5年とされている。

トマソンとの最終的な合意はUEFAカップの準決勝であるインテルとの試合でミランを訪れた時に得られたようだ。またトマソンの獲得でクライハートがバルサを出る可能性もでてきた。


 2002年4月26
キーパーに3人の候補

来シーズンの補強箇所の一つとしてバルサ首脳陣とコーチ陣が考えているのはキーパー。ボナノはそのまま残るとして、もう一人有力なキーパーが必要と考えている。候補者ナンバーワンに上がっているのがベンフィカのエンケ。彼はこの6月でクラブとの契約が切れる。ポルトガルのメディア間ではすでにバルサへの移籍は規制の事実としているものの、エンケ当人と彼の代理人はそれは否定している。そして二番目として狙っているのが、ジロンディンスのキーパーであるラメ。同時にユベントスの控えキーパーであるカリーニの名前もあがっている。

いずれにしても新たにキーパーを獲得した場合、その補強選手がボナノとスタメンを争うことになる。2部Bでプレーし、将来を期待されているビクトールはどこか一部のチームへのレンタル移籍に同意していると言われ、残るはレイナの問題となる。レイナがとる道は二つ。ビクトールと同じようにレンタル移籍の道を歩むか、あるいは2部にもどるという可能性しか残されていない。

■エンケ
24才のキーパー。ヨーロッパ中のクラブが狙っていると言われる将来性あふれるキーパーだ。1999年ヘインケスが彼を見つけベンフィカで起用し始めた。冷静さと共に安定感をもったキーパーとして評価されている。

■ラメ
29才の彼はフランス代表の控えのキーパー。彼にはアーセナルからもオファーが来ている。ジロンディンスとの延長契約を検討するか、あるいはバルサやアーセナルのオファーを検討するか、それが彼のとる道となっている。

■カリーニ
ブフォンの加入により控え選手として甘んじている22才のキーパー。彼の特徴はその強烈なキャラクターにあると言って良いだろう。ディフェンスに支持を出し続け、ペナルティーも担当する。


 2002年4月22
待合室に3人の監督候補

先日のレシャックのの記者会見で明らかになったように、彼は来シーズンにはバルサのベンチにはいない。そして同時に来シーズンの監督になる人物に関して一つの条件をだしている。それはスペインフットボールに通じていること、そしてカタルーニャにとってバルサがどのような意味を持つかを知っている人物。そして今、そのような条件を満たす3人の監督候補がバルサからの最終接触を待っている。ビクトール・フェルナンデス、イルレッタ、そしてヘインケス。

■ビクトール・フェルナンデス
セルタとの契約は今シーズン終了と共に切れるビクトール・フェルナンデス。これまで何回か接触してきたセルタ会長の延長契約の要請に対し、いまだに返事はしていない。彼はメディアを通して、バルサからの興味に関してはいっさい具体的な交渉はおこなわれていないし、バルサ側からの連絡もないとしてそのウワサを否定している。だが多くの関係者が認めるように、彼の監督としての夢はビッグチームで指揮をとること。彼にとっては絶好のチャンスであることには変わりがない。

■イルレッタ
彼の場合もビクトール・フェルナンデスとまったく同じ状況だ。デポルティーボとの契約は今年限り。それにも関わらずクラブ会長との接触を引き延ばしている。彼はシーズン終了後に交渉の場に入ると言って譲らない。イルレッタの代理人であるミゲール・サントスはこれまで何回かバルサ首脳陣との接触を図ってきている。そしてバルサ側に最終通告期限を4月28日においている。もしその日までバルサが決断を下さないのであれば、デポルティーボや他のクラブとの交渉に入るということだ。

■ヘインケス
ビクトール・フェルナンデスやイルレッタに比べれば、彼の可能性は少ないと見て良いだろう。だが候補者の一人であることも間違いない。彼のビルバオとの契約は来シーズン終了まで。つまりまだ1年契約期間が残っていることになる。だがその契約条項の中に、もしビッグチームからのオファーがあった場合は契約期間がどのようなものであれ、そのオファーが優先するという。その意味において彼もまた契約問題では障害がない。


 2002年4月21
ザッケローニ、ラッチオに残留!

「ザッケローニは我々の監督。今シーズンがそうであったように来シーズンも我々のもとに残るだろう」
これ以上はっきりしている言い方はないだろう。ラッチオの会長マッシモ・クラグノッティがこう断言している。これまでイタリアメディアが流してきたバルサの新監督へのウワサをはっきりと否定するため、記者会見まで召集した席での会長の発言だ。

だがそれでも負けていないイタリアメディア。クラブ会長がこう断言しているのを横目に、今度はラッチオの新監督候補にトラッパトーニの名があがってきている。ザッケローニがバルサへ移籍する可能性をふまえた上での推測だ。

いずれにしてもラッチオ会長は古狸であることは間違いない。彼がこれらのウワサにも動揺を見せないのはそれなりの経験からきている。
「移籍話しは監督、選手に関わらずフットボール世界には切り離せないもの。いつの時代でもそうだ。その話しが出る理由はいろいろあるだろう。新聞は売らなければ商売にならないし、監督や選手たちは代理人がウワサを流すことによって年俸を上げようと企ててくる。そう、我々が住んでいる世界はそういうところなんだ。」


 2002年4月20
レシャック、今シーズン限り

レシャックが昨日の記者会見で「将来のことはもう決めてある」と爆弾発言をしている。彼の中では、来シーズンも監督をつづけるか、あるいは今シーズン限りにするか、その結論はすでに出ている。そして多くの関係者が予測するのは彼の今シーズン終了時での辞任。エスポーツの編集長が、レシャックのこの発言に関し「社説」として次のようにコメントしている。

■考えた末の結論
レシャックがこれまでどれほど苦しんできたか、それは誰の目にも明らかだ。底抜けに明るく誰にも開かれた彼の性格は、今までの監督には見られなかった下町言葉を使っての楽しい記者会見を可能にした。だがその明るいレシャックの表情の裏に隠された現実は、彼を批判する友人たちが彼から距離をおいたり、彼の息子たちが父への批判に心を痛めたり、そして彼に何十年と寄り添ってきた奥さんが批判を繰り返すメディアから遠ざかる決心したりしているものだ。

レシャックにとってフットボールは、楽しいものでなくてはならない。それは彼がこれまで語ってきたことを聞けば納得いくだろう。彼にとってフットボールは苦しむものではなく、ひたすら楽しむもの。だが今年のかれにとって、そしてバルセロニスタにとって、フットボールは苦々しいものとなってしまった。それでもレシャックにとってどうしても避けたいもの、それはギブアップをすることであり、敗北者となることであり、そして辞任を迫られることであっただろう。だから昨日の彼の発言は我々にとってじゅうぶん理解できるものとなっている。彼は時間をかけて慎重に検討を重ねて一つの結論を出したのだ。かつての自分に戻ること、かつての楽しい家族生活を続けられること、そして何よりもフットボールを再び楽しむこと。

■バルセロニスタ中のバルセロニスタ
多分、レシャックはバルサの長い歴史のなかで最も長い期間にわたってクラブに在籍した人物として記録されることになるだろう。なぜなら彼の出した結論である監督辞任は、来シーズンからのオフィスへの復帰を約束してくれることにもなるからだ。それはテクニック・セクレタリーとして永遠にバルサに残ることを意味する。だが彼はその職権をもってあまり口だしするタイプの人間ではない。いままで蓄積してきた経験と知識をもって助言できる立場の仕事が彼にむいている。

レシャックがこの時期にこのような発言をした背景は何だろうか。ユーロクラシコを前にし、来シーズンのチャンピオンズ参加権をかけたセルタ戦を前にしての発言。それは今が彼にとってシーズンが始まってから一番落ちついた時期だからであろう。ここのところチームは順調にいっている。結果がすべてのこの世界、その結果を基に判断される監督業。あのクライフ、そう、今では仲違いしているあのクライフでさえ、レシャックを誉めるコメントをしている。彼にとって今が一番いい時期だったのだろう。これまで結果がでなかったことにより、この試合に負ければ辞任というメディア間でのウワサが何回流れたことだろう。もしそのようなことになれば、彼のバルサ所属という経歴は終わりを告げることは明らかだった。オフィスにも戻れない生活、カンプノウから離れての生活はかれにとっては想像もつかないことだっただろう。

■ファンは理解している
彼のこの発言は賢いものだと思う。今まで難しい状況の時でも決して逃げ隠れしてこなかったレシャックだが、時期を得ての、しかもセンセーショナルなものにならないように、我々に「ヒント」を与えただけの発言にしているところが彼らしい。そこからは大事な試合を前にしてスキャンダラスなものにはしたくないという彼の思いが伝わってくる。だからバルセロニスタは、彼の発言から伝わるその底にあるものを理解している。それは間違いないだろう。

多くのバルセロニスタは、レシャックの持つバルサへの愛情を理解している。クラブのためなら何でもしようというレシャックの姿勢に感謝さえしている。そして来シーズン、オフィスに引きこもることになるであろうレシャックに対し、彼の新しい仕事が楽しいものとなることを望んでいる。クラブがSOS発進をしたとき、再びベンチに臨時に座る能力のある人物がオフィスに控えているということに安堵感を覚えることになるだろう。レシャックにはやはり笑顔が似合う。彼が苦しむ姿を見たいとは誰も思わない。


 2002年4月19
ザッケローニ、急上昇!

アルベルト・ザッケローニ、今シーズン途中からラッチオの指揮をとっている彼が、レシャックに代わっての監督第一候補にあがってきている。

ラッチオ側の公式声明によればザッケローニは来シーズンもクラブの監督を務める可能性が大であるとしている。だがラッチオの移籍関係の責任者であるビニッチオ・フィオラネーリが昨日ザッケローニとの会談をおこない、彼の来シーズンのプランを問いただしている。この内容は明らかにされていないものの、フィオラネーリは近いうちにバルサ側と交渉にはいることも臭わせている。ザッケローニは1990年にセリエBのベネッチアで監督としてデビューしている。その後ボローニア、コセンサを経て、95−96シーズンにウディネッセの監督に就任した。彼がイタリアで一躍脚光を浴びることになるのは、このチームを2回にわたりUEFAカップに進出させたことによる。そして1998年、彼はミランの監督に就任。最初の年はスクデットをとり、その翌年はセラ・フェレール率いるバルサをチャンピオンズのリーグ戦から排除している。

いずれにしてもバルサの来シーズンの監督の話はレシャック次第だ。ガスパーを始め、バルサ首脳陣は公式には来シーズンの監督はレシャックと言い切っている。だが当人のレシャックはそのことに関する表明をおこなっていない。契約が残っている以上当然といえば当然だが、彼に近い人たちのなかにはレシャックは今シーズン限りで辞任するだろうと見る人も多い。


 2002年4月19
クラックの交換

「リバルドには5つの重要なオファーが来ている。だが彼はまだ契約期間が残っている選手。したがって我々はシーズンが終わってから、それらのオファーを検討する価値があると認めれば検討するし、その必要がなければ検討さえしないことになるだろう。」
これがスポーツ・ディレクターのパレーラが昨日コメントしたことだ。

この5つのオファーのうち、2つは我々ムンド・デポルティーボも確認している。一つはマンチェスターからのもであり、もう一つはラッチオからのものだ。

まずマンチェスターが関心を抱いていることから始めよう。アレックス・ファーガソンは来シーズンの構想の中にベロンを入れていないのは明らかだ。そしてリバルドに興味を持っているのもこれまでの彼の発言で明らかになっている。そこで彼らが要請してくるのがベロンとリバルド+レイジンハーの交換。リバルドを獲得したいと願うクラブの最大の悩みは彼の高額な年俸にある。しかも彼は複数シーズンの契約を望むだろう。もしリバルドを2年間雇おうと思うと実に2千万ユーロが必要となる。だがマンチェスターにとってそれはたいしたことではないだろう。もしベロンを移籍させれば、彼に払っていた年俸に少しばかり上乗せした金額を用意すればすむことだから。

一方ラッチオとバルサの交渉はもう長い期間のものとなっている。それはリバルドの移籍ということにとどまらず、シーズン途中でのメンディエッタのレンタル交渉までおこなわれていたからだ。だがラッチオ側としては、完全移籍かあるいはシーズン終了まで待ってのこととして望んだため、バルサ側はメンディエッタ獲得を諦めた過去をもっている。そして現在ラッチオ側が望んできていることはクレスポとリバルド+ココの交換。リバルドへの関心はもちろん今に始まったことではない。もし昨シーズンの最後の試合にリバルドがバレンシア相手にハットトリックを決めていなければ、今シーズンはラッチオでプレーしていても何の不思議もないほど交渉は進んでいたのだから。そして最近彼らはココにも興味を示してきている。

いずれにしてもこれらの交渉は、最終的にガスパー個人がおこなうことになるだろう。だが今のガスパーにその時間はないし余裕もない。バルサはシーズンのすべてをかけてのユーロクラシコ、そしてグラスゴーへの道が開けている以上、シーズン終了後の話しとなる。