バルサ 1  1  マドリ

試合終了・更新終了


翌日のスポーツ新聞(3/17)


勝利への意欲と、厳しい現実の差

それはまるで、一人で死ぬのは嫌だから他人を道連れにするような、そんな感じの結果となった試合だった。バルサにとって昨日の結果はリーガ制覇への可能性から大きく後退したことを意味していた。だが同時に、マドリにとってもその目的からの後退を意味することになった。この結果を誰よりも喜んだのはバレンシアとデポルティーボだ。

■タイトル獲得はユートピア
90分の試合が終わってみれば、それは典型的な今シーズンのバルサの試合だった。90分を通してコンスタントに戦えないバルサの顔がそこにあった。前半の45分のバルサの試合展開はまさに「忘れるために」あるようなものだった。そして後半、選手たちの意地で試合を盛り上げていくいつものパターン。つまるところ「勝利の意欲」がありながら「現実の厳しさ」に勝てないバルサの姿だ。
この試合、どうしてもマドリに勝利しなければならないバルサだった。だが90分の試合展開を見る限り、引き分けでも良しとしなければならないバルサ。そのバルサに残された8試合でタイトル獲得の戦線に加入を期待することは、あまり現実的な話ではない。選手たちの勝利への意欲に疑いの余地は微塵もない。だが今のバルサはこれ以上でも、これ以下でもない。シーズン終了が近くなった今も、チームブロックがまったく見られないのがレシャックバルサだ。今シーズン、特に昨日の試合で見られたように、唯一勝利に値するのはカンプノウを立錐の余地なきまでに埋め尽くし、90分にわたて応援し続けたバルセロニスタであろう。昨日のカンプノウの観客席からの反応はここ何年かにわたって見られないものだった。だがそれでも彼らにご褒美は与えられなかった。

■二つの顔を持った試合
前半の45分、まるでベルナベウで試合をしているかのように、マドリはボール支配をおこなっていた。彼らの狙い通りに、ゆっくりとしたリズムでの試合が進んでいく。バルサの選手の気迫や、10万バルセロニスタの気持ちをはぐらかすようなリズムで試合は進められていく。中盤を圧倒的に支配したマドリが相手にしているチームは、それこそ消化試合を戦っているかのような雰囲気を漂わしていた。そして15分の休憩をはさんで開始された後半、バルサはかつての45分とは違うバルサとして登場する。闘争心にあふれ、マドリ選手にプレッシャーをかけ始めるバルサの選手。それに怖じ気づいたかのように後ろに下がり、ゴール前に立ちはだかるマドリ選手。だがキーパーのセサーの後ろは当然のことながら誰も守っていない。友人であるチャビのシュートをはじくセサー。バルサはマドリに追いつき、まだまだ時間は残っていた。だが「勝利の意欲」はついに「厳しい現実」に勝利することがなかった。
この引き分けの意味するところ。それはバルサにとってタイトル獲得への道のりが再び遠のいたこと。そして同じようにマドリにとっても決して良い結果ではなく、彼らもタイトルへの道のりが遠くなったということだ。マドリの「現実」もおよそスペインリーグのタイトルを獲得するようなチームでないことを明らかにした。昨日の試合、バルサの相手がバレンシアやデポルティーボであったとしたら、間違いなく大量失点で敗北に至っていたであろう。


試合のキーポイント

1.チャビの復活
ここ何試合かの重要な局面を迎えて、これまで以上にアイデアが明らかになっていないバルサ。それはチャビのスタメンからの不在現象が、一目瞭然のようにそれを語っている。昨日の試合での中盤はほとんどの時間においてマドリが支配したとはいえ、バルサではチャビ一人がそれと戦っていた印象だった。しかも彼からだされる唯一の正確なパスがバルサをどうにか生き返らせた。

2.最低のトリデンテ
このような試合には「クラック」と呼ばれる選手の活躍が必要だと説いたバッケロ。だが昨日のトリデンテは彼らの実力からはほど遠いできの試合だった。モチベーションには欠くはずのないクラシコ。クライハートは多分今シーズンの最低のできだったかも知れない。リバルドはその影さえ確認できなかった。そしてサビオラはチャンスを作る回数より、圧倒的にボールを奪われることの方が多かった。

3.不完全燃焼ラウール
ラウールの実力を疑うものはバルセロニスタの中にもいないだろう。昨日の試合でもマドリの得点のチャンスは、デブーとココの協力があったとはいえ、彼が作り出したものだ。だが完全燃焼とまではいかなかった。再三のゴールチャンス、一つはオフサイド、一つは信じられないヘッディングミス、そしてゴールポストに当たったシュート。肉体的優位さを誇るクリスタンバールをまったく無効にしたラウールだった。

4.神経質だったセサー
マドリが抱えている「キーパー論争」に終止符が打たれるであろう。ビッグゲームを前にして、セサーは神経質になりすぎていた。カンプノウでのプレッシャーに負けてしまったセサー。チャビのシュートをゴールとしてしまった以外にも、前半に緩いシュートをハンブルしていた。これからの試合はカシージャスの復帰となる可能性が強い。

5.新鮮な空気を送り込んだロッケンバック
後半開始4分での選手交代。これを理解できる人々がいるだろうか。試合が再開されてから、たったの4分での交代だ。なぜ試合再開と同時に代えなかったのか。なぜ後半20あたりの交代ではなかったのか。誰も理解できない。ただ理解できることは、それまで何の役目も果たしていなかったルイス・エンリケを引っ込め、ロッケンバックが加入してからバルサに新鮮な空気が注入されたことだ。彼の登場により、それまで弱点としてあった中盤が生き返った。


レシャック「引き分けはしょうがない」

レシャックが試合前に語ったこと。
「この段階にきての引き分けは意味がない」

そして試合後に語ったこと。
「引き分けはしょうがない」

もう誰もレシャックを信用していないのは明らかだ。ひょっとしたらバルセロニスタ中のバルセロニスタである彼自身も自分を信用していないかも知れない。
「我々は引き分けという結果に終わってしまった。試合展開から見れば、引き分けという結果が最もこの試合に相応しいものかも知れない」

彼はバルサの監督であって、評論家ではないことをまだ認識していないかのようだ。そして誰も疑わない彼のバルセロニスタの心、それが監督でも評論家でもなく、一人のバルセロニスタとしての発言もおこなう。
「今日のような結果では、夕飯は食えない」
そう、バルセロニスタの間でよく交わされる会話。チームが負けた時は多くのソシオが食事をしないという逸話。それをレシャックもバルセロニスタの一人として語る。
来シーズン、我々に必要なのはバルセロニスタの監督ではなく、チームを強くしてくれる監督ではないだろうか。



反撃、そして・・・1ポイント

それは両チームにとって大して意味のない引き分けであり、1ポイントの獲得だった。この結果により、バルサが完全に沈んだかというとそうでもない。そしてマドリが首位戦線にくい込んでいるかというと、それもそうではない。今日バレンシアが勝利すれば単独トップでマドリは3ポイント差とされてしまう。だが例年のように、カンプノウを埋めた10万ソシオはクラシコをクラシコらしいものにした。

■前半はマドリによるゲーム支配とコントロール
試合開始15分間、バルサはマドリの選手に対し「君たちは守る立場にあるんだよ」とばかりの攻撃姿勢を貫こうとしていた。だが現実に起こったことは、まったくその立場が逆であったその後の30分間だった。ゴールチャンスはそれほど生まれなかったものの、ゲームを支配したのはマドリだった。
グッティの投入により、ポジションがよりゴールに近くなったラウール。そして中盤でノーマークでのびのびとプレーするジダーン。だがソラーリの登場がバルサの右サイドを脅かす。負傷をおってのプジョーの動きには限界が感じられた。そこを襲うソラーリのセンターリングが何回かボナノを悩ませる。
バルサの中では何と言ってもチャビの活躍が目立つ。彼がボールを支配したときの供給先は常にライン側の選手だ。だがバルサにはウイングが存在しない、したがってサイドバック選手の上がりを要求してのパスとなる。だがサイドバック選手の遠いところからの上がりは、ロベルト・カルロスやミッチェル・サルガードを脅かすまでには至らない。そしてバルサ守備陣の間抜けなプレーにより、ジダーンへのプレゼントパスがおこなわれてしまった。

■中央突破攻撃の難しさ
クライハート、サビオラ、リバルドの才能に疑いの余地はない。だがそれぞれの持ち味を出し切るには、それぞれのポジションというものがあるのも疑えないことだ。攻撃的フットボールの最も美しい形、それは外から内側への攻撃。外はラインに近ければ近いほど理想的だ。つまりウイング選手の1対1の勝負に勝利した後のディフェンスの切り崩しに始まり、そこからゴール前へのボールの供給。
チャビはグアルディオーラと同じように、本物のウイングが存在して初めてその実力が出る選手だ。だが今シーズンのかれにとって、その贅沢は許されないシステムとなっている。だからチャビにとっては、もちろんグアルディオーラがいたとしても当然そうであろうが、自分の可能性を試すには苦しい試合展開を要求されることになる。長い距離を走らなければならないサイドバック選手へのパス。だが彼らはウイング選手が持っている本来の「切り込み」タイプではない。もしウイングを使用しないのであれば、バルサはバレンシアとかデポルティーボの戦い方に学ばなければならないだろう。

■選手のキャラクター
セサーの判断ミスと言って良いだろうチャビのゴール。ここまでの試合展開を見る限り、フットボール的な内容としてはそれほど誉められたものではなかった。だがそれはクラシコではよくあることだ。クラシコだけではなくビッグゲームではよくあることだ。したがってこのような試合を決めるのはクラックと呼ばれる選手による個人プレーか、あるいはセットプレーによるゴールとなって試合が決まることが多い。クリスタンバールの存在を無にしていたラウールのバセリーナによるシュートがボナノの頭上を通り過ぎてゴールポストに当たる。クラック・ラウールはクラック・リバルドを何倍も上まわっていた。
レシャックは遅すぎるオーベルの投入を図る。だが残されたわずかな時間になす術もないオーベル。デルボスケのアイデアに良いも悪いもないとして、レシャックの試合の読みに間違いはなかったか。確かにシステムは、選手を素晴らしいプレーヤーにすることは現実的にはない。だが選手間に納得できるものであるならば、選手に自信を与えることも間違いない。その確固たるシステムが存在しない今のバルサにとって、強烈なキャラクターを持った選手が試合を作っていかなければならない。2日後に控えたガラタサライ戦、昨日のようなキャラクターのない選手を多用してのプランニングでは通用しないだろう。


試合のキーポイント

1.ジダーン、トリデンテに勝利
ジダーンにとって昨日の試合ほどのびのびとプレーできたものはなかっただろう。彼に3mと近づいてマークする選手がいなかったのだから。したがってジダーンが目立った活躍ができたことに何の疑問もない。それに比較し、バルサのトリデンテはピッタリとマークされていた。しかもリバルドの動きは、やはり負傷中の選手のそれだった。気持ちだけがはやって体が動かない状態の選手に、いったい何が期待できようか。事実、リバルドはチャンスをものにするどころか、チャンスを作ることさえできなかった。

2.決定力にかけた7番
トリデンテの中で光った選手がいたとしたら、それはサビオラだ。90分にわたって疲れを知らず動きまわり、常にボールを要求していたサビオラ。だがゴールまでの何メートルのところでの幸運には欠けていた。一方マドリの7番であるラウールもゴールを決めなかったとはいえ決して悪かったわけではない。それどころか常にゴールチャンスの軸となった選手だ。

3.クライハートとソラーリ
クライハートにとって、昨日は決して彼の日ではなかったと言い切っていいだろう。だがそれはゴールに関してだ。前半、マドリに先制されて間もなく、クライハートに絶好のゴールチャンスが訪れた。チャビからの見事なパスが彼の前に送られる。だがクライハートはものの見事にこのボールを外す。そのクライハートの昨日の大きな仕事は中盤にあった。中盤のバルサの選手の中でも、一番ボールを奪った選手かも知れない。そして同じような仕事をしたのがソラーリ。デルボスケがフィーゴの代わりに出場させた期待を裏切らない働きをしていた。中盤を支配し、右のロベルト・カルロスと同じように左からのライン攻撃にまで参加していた。


バルセロニスタの慰め

「ここではマドリに勝たせない!」
これがカンプノウに詰めかけた多くのバルセロニスタの試合後の思いだろう。フィーゴが来ようが来まいがそんなことは関係なく声を絞り上げて応援し続けたバルセロニスタだ。試合結果が1−1となり、バルサが勝利できなかったことに落胆しているバルセロニスタ。だがマドリに負けなかったクラシコになったことに満足はしている。

何年振りの応援風景だろうか。前回のフィーゴに対するブーイング騒動は別として、バルサを90分間にわたって応援し続けたカンプノウの観衆。騒々しくもあり、お祭り騒ぎでもあった。前半のマドリの攻撃でほぼ2点目が決まりかけた時に、この試合だけは悪くても引き分けにしなければならないと思った多くのバルセロニスタ。彼らにとって引き分けという結果がリーグ優勝にどれくらい響くかということは関係ないことだった。
「ここではマドリに勝たせない!」
それだけが彼らの思いだった。だから普段の試合であったら間違いなくバルサ選手にブーイングが飛んでいただろうシーンにも静けさはあったものの、ブーイングは生まれなかった。そしてバルサがボールをとれば必死の応援を続けれカンプノウ10万の観衆。

カンプノウに垂れ幕が現れた。
「100年の歴史、100年のクズの歴史」
そしてバルセロニスタの一人は試合後に語る。
「マドリはこれから100年はカンプノウで勝てないだろう。」


●チャビ
引き分けは我々はもちろん、マドリにとっても良い結果ではない。この結果に一番喜んでいるのはデポルティーボとバレンシアだろうね。個人的に言わせてもらえば、ゴールを決められたことやスタメンで出場できたことが嬉しい。だがもちろん一番嬉しいことはチームが勝つことだ。あのゴールは自分の前に誰もいなかったんで、運試しという感じで打ったんだ。これでリーグは難しくなったけれど、一生懸命やるだけ。」

●ココ
これで終わったわけではもちろんない。我々はまだ何も失っていないんだ。確かに現実的に考えればリーグ優勝は難しい局面を迎えてしまった。だが繰り返すが、不可能なことではない。みんな少しオーバーに考えているだけだと思う。個人的に言わせてもらえば、そう、我々はまだ何も失っていないんだ。」

●ロッケンバック
リーグ優勝にサヨナラなんてとんでもない話し。まだ何試合も何ポイントもも残っている。我々が残りの試合をすべて勝利してしまうということは難しいかもしれないけれど不可能ではない。とにかく1試合1試合、勝利を目指していくしかない。さあ、次はガラタサライ戦だ。頑張るぞ!」

●ボナノ
引き分けという結果に満足するわけにはいかない。我々はこの試合を勝ちにいったんだからね。本当に残念だ。だが我々はもうこの試合のことを悔しがっている時間もないんだ。火曜日にはガラタサライ戦が待っている。この試合も重要な試合だからね。」


こちら「カピタン特派員」(3/16/20:00)

スペイン人でもないし、ましてカタラン人でもない自分にとって、カタルーニャとスペインの「地域性」や「政治」の歴史的問題は書物の世界のことでしかない。そしてそのことに関して興味はあるものの、決してその域はでない。だからクラシコはあくまでも自分の応援するクラブとその究極的ライバルによる、カンプノウでの最大の試合として楽しみなものに過ぎない。それでもクラシコは、他の試合の十倍の面白さがある。

チームカラーを体に染み付けるのに、地元出身である必要はないことをバルサイムノは歌っている。
「どこから来たなんて問題じゃない、南からだろうが、北からだろうが」
だからもちろん人種は関係ない。そしてこのイムノの中には歌われてはいないものの、クラブの精神としてあるもの。それは、バルセロニスタがどこに住居をおさめていようと関係ないことだ。そう、別にバルセロナに住んでいようが、新宿に住んでいようが、バルセロニスタと自分で認識すればその人はバルセロニスタ。

今日のクラシコをスペインではもちろん、遠く離れた日本でも、多分早起きしてテレビの前に陣取って待ちかまえている多くのバルセロニスタがいることを想像する。そして距離的にはそれぞれ違いがあるものの、体験するものは一つ、同じもの。そして期待するのも一つ、同じのもの。どこの国にもいる一部の空気頭(嫌いな監督がクビになるならバルサがマドリに負けることさえ期待する)連中はゴミタメに捨ててしまおう。

一つの共有する思い、それはもちろんバルサの勝利。だが二つのチームによる戦いで一つだけのチームに与えられる「勝利」を争う勝負事には、敗北という言葉もある。勝つこともあるし負けることもある勝負の世界だ。だが確率という意味でいえば、今日の試合ほど勝利の確率、少なくても負けない確率の高い勝負事はない。相手はレアル・マドリであって、これまで何回かバルサの敗戦を目の当たりにしてきた、そう例えばオサスナやレリダやビジャレアルやバジェカーノという相手ではない。個人的には15年間負けたところを見たことのないバルサ・マドリ戦だ。

次回の「クラシココーナー」にもこの言葉が続けられることを祈って、バモス!バモス!バルサ、バルサ、バルサ!!!
今日は柏蜂番、ガッチョ、パリジェンヌ、ともどもカンプノウへの巻。
(Granaも行ってきます!!!)


試合3時間前のアンケート結果(3/16/19:00)

■ムンド(4653人)
バルサ勝利・・・・・54%
引き分け・・7%
マドリ勝利・・・・38%

■エスポーツ(2284人)
バルサ勝利・・・・・・・67%
引き分け・・7%
マドリ勝利・・・26%

■マルカ(3305人)
バルサ勝利・・・・34.52%
引き分け・・6.62%
マドリ勝利・・・・・・・58.85%

■アス(10067人)
バルサ勝利・・・・・48%
引き分け・・5%
マドリ勝利・・・・・46%

ムンド・デポルティーボの「フィーゴにプレーして欲しいか」というアンケート(11503人)。
はい・・・・・・・・94%
いいえ・・・6%


バッケロの分析(3/16/18:00)

キーポイント1 チャンスを逃すな!
大事な試合では欠かせない要素、まして今日のようなクラシコというヨーロッパ最大の試合ではもちろん欠かせない要素としてクラック選手のここ一番の活躍がある。多くの経験と他の選手との違いを見せるクラック選手。
クラシコの歴史のおいて、また自分が重ねてきた経験においても、バルサーマドリ戦がスペクタクルな試合になることは滅多にない。通常クラシコの試合は、お互いのライバル意識をむき出しにした闘争心あふれる試合となり、肉体的なぶつかり合いとか非常にファールの多い試合となる。チームブロックの固さが必要なのはもちろんだが、試合そのものを決めるのはクラック選手の一瞬の仕事になることが多い。したがって今日の試合でバルサが必要なことは、ゴールチャンスを決して逃してはいけないことだ。そしてそれはフットボールにおいて最も難しい仕事の一つでもある。

キーポイント2 選手とファンが一つとなるべし!
クラシコのたびにカンプノウに訪れてくるマドリの選手が語ること。
「観客席からのプレッシャーは関係ない」
だが個人的な経験によれば、それは一つのの決まり文句に過ぎないし、もちろん的も得ていない。観客席からのプレッシャーが選手に影響を与えないのであれば、なぜアウエーの試合はホームより圧倒的に不利になるのかその説明がつかなくなる。
自分たちの可能性に対し、100%の自信があるとは思えない現在のバルサの選手とコーチ陣。それを救うのは試合開始1秒からのバルセロニスタによるプレッシャーだ。前回の試合でフィーゴをまったく無効にしたのはプジョーとバルセロニスタだったということを忘れてはいけない。リバプール戦終了後、体力のすべてを使い尽くしたバルサの選手を生き返らせるのは、今日こそ12番の選手の役目であろう。

キーポイント3 自殺行為に走るな!
バルサの目的は一つ。勝利すること以外ない。この試合に関しては引き分けも意味をなさない。それどころかマドリ相手の引き分けは敗戦と同じようなものとなるだろう。6ポイント差は同じで試合数が一つ減ることを意味するからだ。バルサが生き残るのは今日の試合に勝利することしかない。
だが肉体は燃えても、頭は常に冷やして戦い続けなければばらない。これは非常に大事なことだ。決して結果を早く得ようとして急がないこと。それはバルサに6ポイントの差をつけている、マドリの罠にはまるようなものだ。決して自分たちのリズムを崩してはならない。自分たちの知っていること以外してはならない。特別な試合であることはもちろんだが、自分たちのプレーをかえることはない。ボールを支配し、相手を走らせ、グランドを広く使おう。バルサがバルサらしい試合をすれば決してマドリには負けないということは、20年近くの歴史が証明しているのだから。


バルサvsマドリ 選手の記録比べ(3/16/17:00)

           バルサ          マドリ
シュート      82(大聖人)      64(ラウル)
ゴール       15(クルービー)    16(モリエンテ)
セーブ       52(ボナノ)      91(カシージャス)
アシスト       7(クルービー)     5(逃亡者)
センタリング   100(大聖人)     280(逃亡者)
ファールする    62(コクー)      68(サルガド)
ファール受ける   69(大聖人)     104(逃亡者)
ボールを奪う   207(プジョー)    232(イエロ)
ボールを失う   267(クルービー)   327(逃亡者)  


ラウール・マドリ(3/16/16:00)

マドリの主役であるラウールが、今日の試合を前にして抱負を語っている。
「試合で敗北する時の要素は、負けたチームの試合展開が勝利したチームより悪かったという単純なもの。カンプノウの雰囲気はいつも凄いものがあるけれど、それと敗戦はつなげられないと思う。前回のカンプノウでの試合もそうだった。我々はひどい試合をしたから負けたのであり、フィーゴに関しての壮絶なブーイングが我々の敗戦の原因となったわけではない。」

今日の試合については、
「タイトルを狙うチームに要求されるものは、アウエーだろうがホームであろうが同じように良い試合をすること。その意味で我々はこれまで非常にイレギュラーな試合をしてきたと思う。このクラシコを出発点としてシーズン終わりに向けての快進撃ができればいい。だが今日我々が相手にするのはバルサ。しかもカンプノウでの試合。非常に難しい試合となるのはしょうがない。」

これまで20年近く、マドリはカンプノウでの勝利の味をかみしめていない。ラウールもこれまで何回かカンプノウでプレーしているが、もちろん勝利したことはない。
「6回か7回はカンプノウで試合していると思う。何回か、これまでの試合で少ないけれど何回か彼らより良い試合をしたことがある。それでも結果は良くて引き分け。カンプノウでのクラシコは本当に難しい。」


たった7分間のリード(3/16/15:00)

1983年から、バルサはカンプノウで負けたことがない、ということは、当たり前だがマドリは勝ったことがない、ということ。では、ここで100歩譲って、試合途中でもいいからマドリはカンプノウで勝っていたことがあるのか。もちろん惑星からやってきたチーム・マドリだから、ある! まずは、1989年10月の試合、ウゴ・サンチェスのゴールで0-1とリード。それは5分後にフリオ・サリーナスに同点にされ、終わってみれば3-1。次は1999年10月、ラウルの先制点で0-1とリード! 2分後には大聖人リバルドに同点にされ結果は2-2。というわけで、1983年以来、マドリがバルサをリードできたのはたった7分だけ。


プジョーは負傷を隠していた!(3/16/14:00)

リバプール戦の後半20分あたりから足を引きずるようにしてプレーしていたプジョー。この試合ベンチに近寄り何回も水を要求していた。試合後バルサドクターが事情を確かめたところ、プジョーはもう何試合も前から右足に負傷をしていたことがわかった。

右足の痛みはローマ戦あたりから感じていたようだ。したがってそのあとのマラガ、ベティス、リバプール戦は故障を隠しての試合だった。だがリバプール戦の後半に入るとさすがのプジョーにも限界がやってきた。痛みを隠しきれず、片足を引きずるような感じのプレーが続いた。そしてリバプール戦後から昨日まで他の選手とは明らかに劣るリズムでの練習をおこなってきたプジョーだが、彼の今日のクラシコへの出場を疑う人間は一人もいない。多分、今回もプジョーはドクタープルーナにこう言っているのだろう。
「大丈夫です。自分の足は自分で責任をもちます」

またココも完全な体調ではないようだ。リバプール戦での疲労が完全に抜けきっていない状態で今日の試合にのぞむ。一方リバルドはリバプール戦前の体調に比べるとだいぶ回復しているという。


世界中が注目するクラシコ(3/16/13:00)

例年のごとくクラシコに集まるメディアの数は通常の試合をはるかに超えるものとなっている。スポーツジャーナリスト、カメラマン、解説者などを含めると、何と742人にわたる専門家が今日のカンプノウにやってくる。エキゾチックなところでは日本、中国などからも来ており、もちろんアルゼンチンやブラジル、アメリカなどのメディアも大勢来ている。この試合を28か国が生中継する予定。

また超満員が予想されるカンプノウだが、観客収容数である98000のうち、レアル・マドリ側にわたされた入場券は300枚。したがって97700人がバルセロニスタであり、残りの300人がメレンゲによって埋められるカンプノウだ。


レシャック「常識的には我々の勝ち」(3/16/12:00)

■勝利あるのみ
マドリに勝利し我々が生き残るか、あるいはマドリに9ポイントと差を広げられて我々が落ち込むか、二つに一つの勝負。つまり勝利して初めて我々にリーグ制覇の可能性が生まれ、負ければ、そう恐怖の世界に落とされるということだな。この時点に来て「数字的に可能な限り」なんて言って、ファンをごまかす気はサラサラない。負けたとしても、数字的にはまだ優勝絶望ということにはならないだろうが、ほぼ不可能になることは間違いない。引き分けはマドリにとって良い結果となるだろうが、我々にはナンの役にもたたない結果となる。だから我々に残された道はただ一つ、勝利、勝利、勝利あるのみ。

■クラシコについて
例年のように難しい試合となるだろう。相手の意表をついての先制パンチ、ということは不可能な試合だ。なぜなら我々はお互いを知り尽くしているし、この段階で相手を驚かすような作戦も存在しないからね。しかも我々は結果が伴わないとはいえ、それほど悪い試合をしているわけではない。今日の試合も大きな変化を企てたスタメンとはならないと思う。マラガ、ベティス、リバプールと、それなりの戦いをしてきた。一つの変化があるとすれば、チャビの出場により中盤を厚くすること。あとは秘密。

■デルボスケについて
彼とは40年間にわたっての友人だ。それぞれライバルとして選手時代を送ってきたし、代表チームでもいつでも一緒だった。彼にはいつも幸運を望んでいるよ、友達だからね。でももちろん今日は別。他の日に幸運をつかんでくれればいい。彼はどんな選手だったかって?デルボスケは今のグアルディオーラタイプの最初の選手だ。

デルボスケ「クラシコのバルサは強敵」

■クラシコはクラシコ
いつものことながらクラシコに関してだけは、チームの調子がどうのとか、前の試合がどうのとか、そういうこととはいっさい別の世界の試合。これまで私が選手としてあるいはコーチとして何回も戦ってきたバルサ戦だが、順位とはまったく関係ない試合となるのは明らか。いつもホームで戦うチームが優位ということだけがはっきりしている試合なんだ。したがってベティス戦に負けただとか、リバプール戦に引き分けただとか、それによってバルサが危機を迎えているなんてことはこの試合に関しては成り立たない論理。

■バルサは強敵
現在のバルサはいかなるビッグチームが相手でも、勝利の可能性を秘めているチーム。ルイス・エンリケ、クライハート、サビオラ、そしてリバルド、これらの選手が一瞬のうちに勝負を決めてしまうことができるんだ。なぜカタルーニャのメディアが「バルサは危機」なんて言っているのか私には理解できない。いいかい、我々はもう3月の段階に来ているんだ。そしてバルサはリーグ優勝やチャンピオンズの優勝だって可能な位置にいるんだ。そのクラブに危機はないだろう。もっともカタルーニャのメディアは昔からバルサには厳しいことで有名だが。

■レシャックについて
彼はバルサの歴史的人物と言ってもいいくらいの監督。彼の経験を越える人はナカナカ出てこないだろう。40年にわたってすべてをバルサにかけてきた人物が、メディアなどの批判に耐えているのを見るのは辛いことだ。彼とは昔からの友人であり、お互いにスペインを代表するクラブのカンテラ上がり。しかもそれぞれが育ったクラブで監督をしているということは、お互いに誇れることだと思う。いつも彼には最高の幸運を祈っているし、監督としての成功も期待している。


これでほぼ決まり、メンバー予想(3/16/11:00)
●バルサ●
●マドリ●