一日たって(2001/12/30)

ペップのカンプノウへのたった一日だけの復帰。だがたった一日だけでも彼のカリスマ性の再確認と、ここには彼の無実を信じる人々が大勢いるということの証明になった。
イタリアのアンチ・ドーピング検事がペップの無罪を疑うことはあっても、ここでは、つまり彼を知っている多くのバルセロニスタにとっては彼の無実は火を見るより明らかなことだ。

「フットボール選手に戻った気分だ」
試合後こう語るペップは、カンプノウに集まった人々への感謝の言葉を忘れない。
「今までもそうであったように、常に自分の側にいてくれようとしている人々に感激した。だが自分の無実を証明するのはファン投票によってできるわけではない。裁判所で正真正銘の勝利を勝ち取らねば。そのためにもたくさんのエネルギーを人々からもらったような気分だ」

ナンドロローナによる陽性反応が発見された当初、ペップの無実を証明する戦いの方針はラジカルなものだった。つまり完全に無実が証明されるまではグランドに戻らないというものだった。だが時間の経過と共に、家族や友人との会話が続く過程で変化が起きている。
「僕をとってくれたクラブのことも考えなければならにと思うようになった。ブレッシアの会長やファンの人々には感謝している。だからもし短い制裁だったらグランドに戻ろうかとも思っている。でもそのことは最終段階での戦いを放棄する意味ではない。もちろん最後の最後まで無実を証明する戦いは続けようと思う」


ペップ「ありがとう、本当にありがとう!」(2001/12/29)

昨日はペップにとって、本当に久しぶりに訪れた幸せな一日だっただろう。11月22日にナンドロローナによる陽性反応事件以来、難しくも苦しい日々を送ってきたペップ。だが昨日は彼の仲間と、そして彼と同じ血が流れる人々に囲まれ、再びフットボール選手として感じられる一日を過ごすことができたのだから。

彼の友人であるセルジや娘の誕生日に奇しくもあたった12月28日。しかもそのステージは彼が長年親しんできたカンプノウだった。かつて同じ時間を共有し、同じユニフォームをつけて戦った同僚であるルジェーやセラーデス、そしてオスカーなどと一緒にプレーできた。

この日はカタルーニャのお祭りであって、決して彼の個人的なフィエスタにしてはいけないと思っていたペップは、主役としての存在を拒否し、ひたすら11人の中の1人として振る舞おうとしていた。だがこの日カンプノウに集まった6万人のファンは、彼に終始暖かい声援を送る。そして後半6分にチャビと交代する瞬間、スタンディングオベーションでの拍手がペップの背中に向けられた。

「カタルーニャ代表というのは、それがエスパニョールの選手だろうがバルサの選手だろうが、ほとんど小さいときから一緒にプレーした選手なんんだ。だから前もっての練習なしでもじゅうぶんお互いを理解しあいながらプレーできる。今日は本当に楽しい一日だった。カタルーニャに生まれ、カタルーニャで育ったということがこんなに素晴らしいことだったのかとも思う。いつか、そう、いつか、どういう方法かもわからないけれど、いつかこのお礼をファンの人たちにできたら良いと思う。この土地に生まれバルサの選手として長いことプレーできたという事実に、今日は特別に感謝したい。」
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重い求刑(2001/12/21)

今日の午後3時から、2回目のジアコモ・アイエロ検事によるペップに対する取り調べがおこなわれた。

その結果、アイエロ検事はペップに対し1年間の出場停止処分、罰金10万ドルの支払い義務を要求。この旨、イタリアフットボール規律委員会に伝えられた。


アイエロ検事、驚く(2001/12/19)

ペップが持参した過去に受けた18回のドーピング検査の報告書を見て、アイエロ検事は驚いたようだ。なぜならイタリアではペップぐらいのベテラン選手になると少なくとも80回はドーピング検査を受けているからだ。
ペップが持参した報告書のうち12回がバルサ選手として、6回がナショナルチームの選手としてのもの。いずれにしても1回も陽性反応が過去に出ていないことを示す、重要な書類である。

もう一つアイエロ検事が驚いたことは、ペップの正直な対応だったようだ。今までドーピング問題で対面した選手とはまったく違う印象を受けたと発言している。それはペップが、陽性反応を確認したドーピング研究所にも、そしてその器械にもまったく疑いを持っていないことに驚く。今まで多くの選手は検査そのものを疑い、反論していたからだ。そしてなかにはアイエロ検事の前に出頭してこない選手も多くいた。例えば、つい先日10か月の出場停止処分を受けたスタムは1回も出頭していない。いずれにしてもアイエロ検事にペップに対する個人的印象は素晴らしいものであったようだ。


結論が伸びた理由(2001/12/19)

「私はドクター・セグーラを信用しているし、だから彼の持参した総合ビタミン剤をこれまで飲んできた」
これがペップが何度もアイエロ検事に対し語った言葉。ドクター・セグーラは4年も前からバルサの選手に同じものを供給している。そしてそれは今でも続いている。その総合ビタミン剤をとっていたペップが、バルサ時代には一度も陽性反応をおこしてはいない。だから当然ながらドクター・セグーラの持参するビタミン剤を利用するペップ。

アイエロ検事が週末までに結論を延ばした理由は、この総合ビタミン剤を分析するためであった。今、このビタミン剤はドイツのケルンにあるオリンピック協議会のアンチ・ドーピング検査にかけられている。その結果待ちというとこだ。


早くて金曜日に結論(2001/12/18)

今日おこなわれたジアコモ・アイエロ検事による「取り調べ」は2時間半かかった。その時間の大部分は、ペップの証言と弁護士たちによる「無罪」証明の説明だったようだ。

この結果、ジアコモ・アイエロ検事は最終的な決断を今週末まで延ばし、もう少しペップに対する検証を続ける模様。早くて金曜日に「制裁」されるかどうかの結論がでる。


ペップ、今日イタリアオリンピック協議会事務所へ(2001/12/18)

ペップの今日の相手はロナルドでもトッティでもない。イタリアの才能あふれる弁護士であり、イタリア内でのアンチ・ドーピングに携わるジアコモ・アイエロ検事が相手だ。だがペップにとってはこれまで以上の大事な試合であることは間違いない。試合開始は午後の3時。イタリアオリンピック協議会のオフィスでおこなわれる。

昨日、ペップはローマにいた。彼と同席していたのは、オランダ人のコル・ヘーリマン弁護士、イタリア人のトマッソ・マルケッシ弁護士、そして彼の代理人であるオロビッチ氏。今日の取り調べに対する最後の作戦会議を夜遅くまで続けていた。
彼らのペップ弁護の基本的なアイデアは、ナンドロローナをとっていないことを主張することから始まる。もし陽性反応が正しいのであれば、何か他の理由からのものか、あるいはナンドロローナ汚染されている物質を無意識的にとってしまったということ。

ここにきて、ペップの思いは複雑なものになっている。2回おこなわれた「再検査」での陽性反応と共に、その規定量をオーバーしている数字は彼に「無罪」を主張するのに、非常にやっかいな証拠となってしまっているからだ。当初、彼はいっさいの「減刑」を認めず、「無罪」か「有罪」というラジカルな主張をしていたものの、時間の経過と共に、また弁護士などの説得もあり、条件付きの「減刑」も受け入れる可能性も考慮に入れているようだ。例えば、今後1年間にわたるドーピング検査を常に受け入れるというような条件も考えている。


もう一つもアウト(2001/12/12)

もう一つ残されていたわずかな望みの再検査(11月4日のラッチオ戦後の陽性反応に対する)も、規定量を超えたものだった。イタリアオリンピック協議会が一昨日おこなったペップの再検査の結果を発表。だが具体的にどのくらいの量のナンドロローナが発見されたかは明らかにしていない。ペップの弁護士によれば最初の検査の結果よりは、大分低い値のものだったと発表している。

だがペップはこの結果を待つこともなく、無実を証明するための新たな実験に入っている。それは自分の体をモルモット代わりにしての一つの試みだ。
「自然発生的に自分の体内でナンドロローナが生まれる可能性」
この可能性を証明する戦いは限りなく難しい。だが不可能ではない。前回、ブレッシアからほんのわずかではあったがバルセロナに戻ってきたペップ。そこで彼がしたことは、ブレッシアでの生活とまったく同じリズムのそれをすることであった。同じ時間に起床し、ブレッシアでとっている朝食と同じものをとり、12時45分から15時までブレッシアでの練習と同じ運動をおこなう。それだけではなく、一試合に使われるエネルギーを想定した上での、ボールを使った練習まで個人コーチとおこなっていた。その後ペップはサン・クガット(バルセロナ)にあるCAR(スポーツ研究所)に行き、いくつかの検査を受けている。この事実はブレッシアには知らされていない。なぜなら彼はカルッチオに所属する選手であり、イタリアでの検査しか今のところ認められていないからである。

イタリア・アンチ・ドーピングのジアコモ・アイエロ検事は、18日にもペップを召集し取り調べをおこなうつもりだ。それまでの短い時間にペップはできる限りの実験をし、資料を揃える覚悟のようだ。


厳しい戦いの始まり(2001/12/08)

「再検査」の結果は、誰もが予想してたように最初の検査の結果を確認するものとなった。と同時に、器械にミスはなかったという証明をおこなったものだった。来週の火曜日にもう一つの、ラッチオ戦後の「陽性反応」に関する再検査がおこなわれるものの、ペップの戦いの場は新たな展開を迎えている。
まだ昨日の結果に対するイタリアオリンピック協議会の裁決がおりていないが、ペップにとって少なくとも2、3か月の出場停止処分の可能性がでてきた。これからの戦いは「器械のミス」という可能性を除いた、科学的な分析による戦いとなる。そしてそれは非常に長く厳しい戦いとなることは間違いない。

ペップは今日から、彼の無実を証明する新たな準備をしなければならない。彼の方針は明らかだ。何も禁止物質はとっていないことが証明されるまでは決してグランドには戻らないこと。もっとも重要なことは、彼に対して汚れたイメージを与えた「犯人」を捕まえること。もしそれが今すぐ不可能な場合は、引退も覚悟している。だがそれとは関係なく最後まで真実を明らかにすることだ。


再検査はやはり否定的(2001/12/07)

イタリアオリンピック協議会のアンチ・ドーピング研究所で昨日おこなわれたペップの再検査はやはり陽性反応であった。だがこれは前もってじゅうぶんに予想された結果ではある。なぜならこれまでおこなわれたこの研究所での「再検査」で、前回の結果を覆したケースは一度もないからだ。したがってペップ当人だけではなく、彼を擁護する関係者の間にもそれほどショックはない。また来週の火曜日にも再び「再検査」がおこなわれる。それはラッチオ戦後に確認された陽性反応に関するもの。

いずれにしてもペップのの「無罪証明」の戦いは始まったばかり。あらゆる科学技術を駆使しての無罪を証明する長い道のりはまだまだ続く。


最初の再検査(2001/12/06)

今日、ローマのアンチ・ドーピング研究室で朝の9時からペップの再検査が始まる。この再検査は最初のアンドローナ陽性反応が発見された10月21日のピアチェンサ戦後の検査に関してのものとなる。
ペップはこの再検査に二人の弁護士、トマッソ・マルケッシとコル・ヘーリマンと共に立ち会うことになる。またブレッシアのドクターであるエルネスト・アリチッコ、ペップの代理人のオロビッチ氏も参加する。

ドーピング検査をおこなう場合、選手からとった尿を半分にわけ、一つは検査用に、残りの半分は再検査用に使われることになっている。したがって今日おこなわれる再検査というのは、再びペップから尿をとるわけではなく、ビアンチェ戦後にとられた尿の残りを使用するものとなる。

過去の例を見る限り、この再検査に期待する明るい材料はなにもないのが現状。なぜならこの再検査で、前回の結果を裏返す結論が出たことはないからだ。


クライフの意見(2001/12/05)

ペップにおこったナンドロローナ疑惑はクライフにとっても関心の深い問題だ。そして現在のドーピング検査のあり方に疑問を投げかけている。
「スタンだとかペップのナンドロローナ問題が出てきたときに、それぞれの専門家が集まってもう一度ドーピング問題を考える必要があったんではないだろうか。新しい基準を、もちろん今までのものより優れた科学的な基準問題を模索するために。結果的にそういう会合はもたれなかったし、いまだにナンドロローナ問題は霧の中という感じだ。このような状況はフットボール選手に限りない打撃を与えていると思う。」


ナンドロローナ問題に不安を持つクレスポ(2001/12/05)

ラッチオにいるアルゼンチン選手エルナン・クレスポがドーピング問題について不安を隠さず語っている。
「ナンドロローナ問題をはっきりさせるために、我々選手はストライキをいう強行手段を使ってでもおかしくないと思う。現実として、誰もナンドロローナのことが理解できていないんだ。ドーピング問題を扱っている権威筋の人たちもはっきりしたことは言わないし、選手だってどうなっているのかわからない状態でビクビクしながら検査を受けなければならない。しかも問題なのは選手側にたって弁護してくれる機関が存在しないことだ。誰もオレ達を擁護してくれない。毎月毎月、スタンやペップのように犠牲者がでるのは、本当に不愉快なことだ。」


器械はミスをしない(2001/12/03)

昨日登場したジョルディ・セグーラ博士が、アンチ・ドーピング検査に使われる器械についてインタビューを受けている。

最初の質問です。器械がミスを犯す可能性がありますか?

いいえ、これまでに関して言えばそれは不可能です。特にペップのナンドロローナによる陽性反応を指摘したローマの器械は、私が主任を務めるバルセロナの研究室のもと同じで非常に優れたものです。

では、なぜナンドロローナによる陽性反応が、イタリアだけで発見されるのか?

イタリアで何かが起きているということでしょう。例えばイタリアにおけるナンドロローナや、フランスにおけるEPOに関する法律は他のヨーロッパ諸国と違い、非常に厳しいという現実があります。だからイタリアではアンチ・ドーピング検査研究室に対するプレッシャーはスペインのものとは比べものにならない。事実、今回のペップの件にしても、裁判官のグアルネージョ氏がすべての彼に関する書類の提出を要求してきています。しかもイタリアでは一回陽性反応がでたら、再検査を待つことなく「臨時処分」ができる法律になっています。イタリアで最近おこっているナンドロローナ問題に関しては、あなたと同じ感想を持っています。何でイタリアだけで、しかも有名な外国人選手だけが、ナンドロローナによる陽性反応がでているのか。しかし私には質問だけで答えは持っていません。

器械が発見するのは、その量だけであり、それを意識的にとったか無意識にとったかということは当然わかりませんね。

それはもちろんそうです。ただ、アメリカ産の栄養剤としてのビタミン剤がナンドロローナによって汚染されている可能性はもちろんあります。薬品に関しては厳しいチェックがされていますが、いまのところビタミン剤に関してはそれほどチェックが厳しくないというのが現状です。

検査研究室にスポーツ選手の尿が届いた時に、それが誰のものかわかるものでしょうか?

それは不可能です。なぜならサンプルは数字付きで送られてくるだけで、それが水泳選手なのか、バスケット選手なのか、あるいは陸上選手のものなのかもわかりません。まして名前などは検討もつきません。


ビタミン剤の16%はナンドロローナ入り(2001/12/02)

イタリアオリンピック協議会のドクター主任を務めるボトレ博士が師匠と仰ぐのがジョルディ・セグーラ博士。バルセロナにある国立医学調査研究所のアンチ・ドーピング研究所の所長であり、同時にオリンピック協議委員の医師でもある。彼は昨日おこなわれた「第三回・スポーツと薬学の関係シンポジーム」で、スポーツ選手に与えるビタミン剤の危険性について報告している。
その報告によれば、スポーツ選手が現在とっているビタミン剤を中心にした栄養補給剤の、実に16%はナンドロローナに汚染されている可能性があるという。もちろんこれらの容器には、その可能性については一言も触れられていないという。さらにどのようなビタミン剤にナンドロローナが含まれているかを調べるには、かなりの厳密な検査が必要だとしている。


イタリアオリンピック協議会(2001/12/01)

イタリアオリンピック協議会の議長であるラファエル・パグノッチが雑誌「21世紀の世界」のインタビューに答えて次のように語っている。

「個人的にはペップの無実を信じたい。それどころかモラル面から考えれば彼は無実だと思う。つまり、これまでの多くのドーピング検査にひっかかった選手の場合と同じように、自分の意識しないところで禁止物質の摂取をしていると思われるからだ。だが検査の結果は尊重しなければならないのはもちろんである。再検査によって無実が証明されればそれにこしたことはないし、もし再び陽性反応がでたのであれば処分に従うしかないだろう。」


メンディエッタ、デラペーニャ(2001/12/01)

イタリアでプレーしているスペイン人選手にとって、ペップのおかれた状況は決して人ごとではない。ラッチオでプレーするメンディエッタとデラペーニャもペップの事を非常に心配している。月曜日に弁護士たちと合流するためにローマに向かったペップを待っていたのは、この二人の暖かい励ましだった。2時間にわたり3人での会話はつきることがなかったという。


再検査は12月6日(2001/12/01)

ローマにある”アンチ・ドーピング”の研究室でおこなわれるペップの再検査は12月6日と決まった。翌日には結果がわかる見込み。


お帰り、ペップ!(2001/11/30)

ペップは週末を利用して、バルセロナの自宅に帰ってくる。早ければ金曜日の夜にはバルセロナに到着しそうだ。


ポボルスキーの見解(2001/11/30)

ラッチオの選手でありチェコの代表選手でもあるポボルスキーが自国でナンドロローナ問題に関して次のような自説を語っている。

「俺はね、イタリアの鶏肉が犯人だと思ってるんだ。イタリアではどうやってヒヨコを育ててるか知ってるかい?ホルモン剤をやって成長を早めているんだ。しかも鶏肉として商品になる3、4か月前にもまだそのホルモン剤を使っているんだな。だから、もし何かのミスがあったらその鶏肉からナンドロローナが入ってくるってわけさ。昨日ドーピング検査を受けたけれど、これから1か月近くビクビクして過ごすことになると思うよ。だって俺はもちろん変な薬は飲んでいないけれど、鶏肉は喰っちゃったからね。もし検査で陽性反応でもでてみなよ、大変なことだよフットボール選手にとっては。将来の道を閉ざされ、あらゆるメディアから責められ、そしてプロとしての生命を終わらせることになっちゃうんだから。おー、こええ。」


カタルーニャ州首相も援護(2001/11/30)

カタルーニャの首相であるジョルディ・プジョーがペップに連帯の挨拶を送る。

「声を大にして私の思いを公表したい。それはペップへの連帯をここカタルーニャから送りたいということだ。私は個人的に彼のことを知っている。いつも正直で素直であり、偉大なスポーツマンであると共に偉大な人でもある。

先日、彼のところに私の心境を知ってもらおうと電話をした。私は今回のことで非常に心配しているし、彼を元気づけてあげなければいけないと思ったからね。とにかく、今回の出来事は非常に残念に思っている。それに、最近のイタリアにおけるドーピング騒動は何かおかしい気がする。スペインでは何年間も問題はなかったのに、イタリアに行ったらいきなりという感じだからね。私はもちろん彼は無実だと思っている。何かビタミン剤だとかそういうものが原因で陽性反応がでたとしても、それは意識的に摂取したものではないことが明らかだ。彼はそんなバカな人間じゃないよ。」


最高の制裁期間は2年間(2001/11/30)

ラッチオ戦後のドーピング検査でも陽性反応が検出されたペップであるが、この2週間という短い期間での二つの結果は一つのケースとして見なされるという。つまり「再犯罪」とは認識されないということだ。それを説明するのはイタリアのアンチ・ドーピングの最高責任者であるジアコモ氏だ。

「2週間以内の検査による結果が同じ場合、それは一つのケースとして処理されるのが普通だ。したがってペップの場合もどちらか一つの結果に対して、異議を唱えれば言い問題となる。いずれにしても、有罪となった場合の最高出場停止期間は2年間ということだと思う。」

さらにジアコモ氏は、イタリアの現状についても語っている。

「イタリアの選手は今非常に神経質になっている。最近のナンドロローナ問題は、彼らには非常にショックを与えているからね。今までアメリカからのビタミン剤をとっていた選手も、今では誰もとろうとはしない。それはナンドロローナに汚染されている可能性があるからだ。だからイタリアの選手がとっているビタミン剤は、すべて薬局で売っているものだ。安全でもあるし、問題が起きたときに無実を証明する証拠にもなるからね。」


エスポーツ社説(2001/11/29)

なぜイタリアだけで陽性反応がでるのか?
グアルディオーラがスペインで何年間もとってきたビタミン剤が原因で、イタリアで陽性反応がでるというのは説明が不可能なことだ。それも2回にわたっての陽性反応である。なぜなら彼は同じビタミン剤をとって、何回もスペインでの検査に問題がなかったのだから。唯一この事実から考えられることは、イタリアの検査がおかしいのか、あるいはスペインの検査が子供だましみたいなものなのかということだろう。誰かがこの答えを早急に出さなければならない。

誰が彼を騙しているのか?
すべての状況を分析し、グアルディオーラが我々の知っているグアルディオーラである限り、誰かが彼を騙している可能性も考えなくてはならないだろう。彼がナンドロローナをいかなる方法でも意識的に摂取することはぜったい考えられない。したがって誰かが(それは彼の信頼しているという人物まで含めて)意識的にナンドロローナ汚染されているビタミン剤をとらせたか、無意識で彼にわたした可能性もあるだろう。いずれにしても、そのつけを払わされているのはペップであるという事実は変わらない。

彼のイメージを拭うことができるか?
最初の陽性反応が出たとき、彼は全面戦争を誓った。白か黒か、中途半端は「恩赦」は拒否した。だが1−0の試合が昨日の2回目の陽性反応で2−0になった今、試合を振り出しにもどすのは大変なことだ。器械は一度エラーをおこすことがあっても2回続けてエラーするということは考えにくい。したがって今の彼の心境を考えると、我々は非常に辛くなってくる。地理的に離れたところにいる彼に援助を与えたいと考える我々のできることは、彼の無実を信じることだ。しかし、彼の戦いは非常に厳しい段階に来ていることも確かだろう。


ブレッシア会長、ペップを擁護(2001/11/29)

個人的にペップを説得してブレッシアに連れてきたコリオーニは、どんなことがあってもペップを擁護していくという。
「2回目の陽性反応は予想できたことであり、それほど驚いているわけではない。我々は彼の無実を信じているし、これからも彼を擁護していく。また、彼の無実を証明することは決して不可能なことではないと思っている。考えてみるがいい。ペップがなぜイタリアまで来て薬に手をつけなければいけないんだ?彼はすでに世界中にその実力を示している選手だ。その彼が、いまさら、なぜ薬をとるような必要性があると思う?答えは明らかだ。無実に決まっている。」


ペップ、決意は変わらず(2001/11/29)

昨日の午後に発表されたラッチオ戦後の陽性反応は、彼にとって2回目の厳しい現実を知らされることとなった。一時はショック状態にあったペップであるが、昨日の深夜のラジオ番組でいつものようにきっぱりと今後の決意を語っていた。

「少し期待を持っていたので、2回目の結果を知ったときはショックだった、でも大丈夫、もう平静に戻っている。もし、4か月以内に自分の無実が証明されない場合は、引退も考えないといけないだろうと思っている。だが、いずれにしてもモルモットになった心境で真理を追究していくつもりだ。繰り返すことになるが、私は何も違法なものはとっていないし、なぜこのような結果がでたのかということを知らなければならない。カタルーニャにいるときもイタリアに来てからもドクター・セグーラの用意したビタミン剤しか飲んでいない。もちろん彼を疑うようなことは一度もしたことがない。全面的な信頼を持っている人物だからね、彼は。だから、わからないことが多いけれど、真実を知るまで頑張るしかない」


イタリアからの情報(2001/11/29)

ペップにとってはショックな現実。2回目の陽性反応の結果に加えて、ペップの尿から検出されたナンドロローナの割合の高さだ。それは公表されていないものの、イタリアメディアはこれまで提出された割合で最高の数値だという。ユーベのダビッドやデブーの量を遙かに超える数値だという。これが真実だとすると、彼の体内からの自然発生説は絶望的なものとなる。


ペップ、ショック(2001/11/29)

ペップの奥さんクリスティーナが、2度目の陽性反応が発表された直後のペップの状態を語っている。
「ショックを受けている。それもかなりのショックを。彼は今は何もしゃべりたくないといっています。弁護士の人たちもすぐに連絡してきて、余計なコメントは避けるようにって言っていました。とにかく最悪な状態です、私たち。驚くことの連続ですからね。」


再び陽性反応(2001/11/29)

まだ再検査もすましていないペップに、再びショックなニュースがやってきた。11月4日のラッチオ戦の後におこなわれたドーピング検査で、再び陽性反応の結果がでたのだ。イタリアオリンピック協議会の発表によれば、これも同じナンドロローナによる陽性反応。


なぜイタリアが多い・・・(2001/11/29)

イタリアリーグでは、この1年間でナンドロローナによりドーピングにひっかかったフットボール選手は、グアルディオーラが10人目になる。(名前のあとの数値はナンドロローナの数値で、2.0までが許容される数値)

ANDREA DA ROLD(Pescara) 4.0
2000年9月14日 制裁(16か月) 控訴後(8か月)

CHRISTIAN BUCCI(Perugia) 4.5
2000年10月14日 制裁(16か月) 控訴後(8か月)

SALVATORE MONACO(Perugia) 3.2
2000年10月14日 制裁(16か月) 控訴後(8か月)

NICOLA CACCIA(Piacenza) 4.1
2000年12月23日 制裁(10か月) 控訴後(4か月)

STEFANO SACCHETTI(Piacenza) 4.0
2000年12月23日 制裁(10か月) 控訴後(4か月)

JEAN-FRANCOIS GILLET(Bari) 3.0
2001年1月21日 制裁(10か月) 控訴後(4か月)

FERNANDO COUTO(Lazio) 3.5
2001年1月28日 制裁(10か月) 控訴後(4か月)

EDGAR DAVIDS(Juventus) 3.4
2001年3月4日 制裁(5か月) 控訴後(4か月)

JAAP STAM(Lazio) 5.2
2001年10月13日 再検査中

JOSEP GUARDIOLA(Brescia) ?
2000年10月21日 再検査中


マッゾーネ、ペップを擁護(2001/11/28)

ブレッシアの監督マッゾーネは、告発のあった最初の瞬間からペップを擁護している。
「重要な試合の前には私はいつもクラブドクターに頼むことがある。それは、普段以上にビタミン剤を選手に与えてくれということだ。でもビタミン剤だけだ、それも100%のビタミン剤。だがね、私はこの世界に長くいるんだが、どうも悪いヤツがいるんだな。わけのわからんヤツが時々更衣室から出てくるときがある。どうも選手に『これは凄くいいビタミン剤だから』といって渡しているらしいんだな。ペップの場合がどういうものか私にはわからないけれど、こういうヤツこそ告発されなければいけないんだ」(ムンド)


弁護士たちとの最初の接触(2001/11/28)

ペップはローマで彼の弁護を務める協力者たちとの最初の会合をもった。集まったメンバーはトマッソ・マルケッシ(ペップの親友でありもと水球選手の大スターであり、現在ブレッシア水球クラブの会長を務めるエスティアルテの紹介による弁護士)とコル・ヘーリンマン(デブー事件の時の弁護士)、そしてペップの代理人であるオロビッチの4人。会合は12時30分に始まり、延々6時間も続いた。この最初の会合では、この告発に対してどのような立場で戦っていくのかという事を重点として話し合われたようだ。結論としては、彼ら独自で各種の検査をおこない、その結果をもってペップの無実を明らかにしていこうというもの。同席したオロビッチによれば、ペップは非常に元気であり、この戦いが長くなるであろうことを覚悟しているという。また、完全な無罪が証明されるまで裁判闘争はつづけるつもりであり、中途半端な「恩赦」は受け付けないつもりだという。(エスポーツ)


ナンドロローナってナンナンダローナ?(2001/11/28)

このペップが摂取したと言われるナンドロローナという物質はいったい何なのか。一部では筋肉増強剤と言う表現が使われているが、これは薬の名前ではない。これはいわば男性ホルモンと同じタイプのもので、人体で作られるものだ。ただし、現在の医学では、どの程度の量が人体で作られるのか解明されていない。また、ナンドロローナは、注射、飲み薬、塗り薬からも補給できる(これがドーピングとして問題になる)。しかし、いくつかの食べ物の組合せで供給もできる。また、この他にも豚、馬などの体内で作り出すことが分かっており、これを食べた人の体内ナンドロローナの量にも影響があることが言われている。

そしてこのナンドロローナの作用は、最初に指摘した筋肉増強があげられる。ただし、場合によっては肝臓障害や鬱状態を引き起こすこともあるという。またこのナンドロローナに関しては、陸上や重量挙げの選手達の間で今年だけでも10件以上のドーピング問題が起こっているということだ。


無実か引退(2001/11/27 今日の一面 スポーツ)

時間は容赦もなく過ぎていく。だがペップ・グアルディオーラは彼の無実を証明するまで、戦い続けるつもりだ。彼がこれまで築き上げてきた名声と誇りが傷つけられてしまった今、彼は無実が証明されるまでフットボールの世界には戻らない覚悟であるという。彼の一番好きなこと、それはフットボールをすること。いわれもないドーピング問題でそれが不可能とされたこの告発に対して、彼はすべてをかけて戦いに挑む。真実が明らかになるまで彼の戦いは続く。

まず、何をしないといけない、と思ってます?

まず、すべての可能性を知ること。明日の弁護士との打ち合わせの目的の一つはそれです。その後、陽性反応がでた原因の可能性、つまり科学的な分野での知識に関して知ること。再検査の際の結果の可能性についても考えないといけないから、推測や仮説をテーマにした話し合いになると思う。もちろん弁護士には私へのいわれのない告発に対し、無実を科学的に証明する方法を追求してもらいたい。

結果次第では、1年間プレーできない可能性があるわけですが。

1年とか2年とかの制裁が出た後で、それを何かの恩赦みたいな形で何か月とかに減刑するようなマネはして欲しくない。それは、私が何か月か後に戻ったとしても、多くの人々は私が薬物をとったと思うだろうからね。つまり私はそういう判決が下りたとしても、最終的に裁判で無実が証明されるまでグランドには戻らないつもりだ。そう、白か黒か、どっちかだ。

ということは、ワールドカップ出場も危ぶまれますね。

私の無実が証明されるかどうかということに比べれば、ワールドカップなんて小さいものです。それは自分の年齢を考えれば最後のワールドカップだとは思いますけれど。でも、自分にとってもっと重要なもの、ここまで築いてきた自分の名声に関わる問題、その方が重要なことです。もし、子供たちの間で私が少しでもアイドルとして存在してきたことがあったとすれば、その子供たちが何と思うか。彼らを裏切ることはできない。1か月、あるいは1年、10年、20年かかろうとも無実を証明するのが私の任務だと思っています。

今回の事件で、あなたは周りの反応に傷ついてるところが十分にあるように思えますが。

イタリアのメディアは一切、私を擁護しませんでした。わずかな日にちしかたっていませんが、私のプライドを傷つける時間としては十分な時間でもありました。私の無実が全世界に証明されるまで、そして誰一人として私に疑いの目を向けることがなくなるまで、私はフットボールの世界には戻らないつもりです。もし、その時、私を必要とするクラブ、私を信じるクラブ、それがブレッシアであれば最高ですが、その時になって初めて戻ろうと思います。

長い戦いになりそうですね。

自分の意志とは無関係のところで発生した、強いられた状況の中に今私はいるわけです。この状況がいったいなぜ発生したのか、それを知る権利があるでしょう。私は無実だということを知っているんだから。時間がいくらかかろうと無実を証明できればいいんです。そういう意味で言えば、イタリアは難しい国です。これまでこの国で多くの選手がドーピングにひっかかって、有罪となりながらも恩赦という形で何か月だけの制裁ということで短くなり、プレーを再開しています。でも、それは決して無実を証明したことにななっていない。私はこれからの事も考えて、無実が証明されるまでは決して戻らないつもりです。

あなたを信じてる人は多いと思います。

私を知っている人はもちろん私を信じてくれているでしょう。カタルーニャやスペインの人々は私を信じてると思います。でもそれだけでは裁判には勝てない。「これだけ私を信じている人がいます」と裁判で言ったってしょうがない。具体的に証明するものが必要なのは明らかです。科学的にも、あるいは何かの形で無実を証明するものがね。確かに長くなるでしょう。でもそれは自分のためでもあるし、これからも同じように無実であるにも関わらず告発されるであろう人のためにも。これまで過去を引きずって歩いている多くの人を見てきました。私はそういう生き方をしたくない。ゆっくりでいいから、真っ直ぐ歩いて生きたいと思っている。今まで私を愛してくれていた人々から後ろ指をさされる生き方はしたくない。

イタリアメディア、イタリアオリンピック協議会、イタリアフットボール協議会はあなたの有罪が確定する前にあなたに制裁を加えましたね。

私に弁護する時間も与えられず、法律は動き始めました。でも私は止まらない。私が必要としている多くの援助と共に、なぜこんな事がおきたのか必ず証明するつもりです。


ペップ特集2001/11/26 今日の一面 ムンド)

ペップに対して疑いがかけられているナンドロローナ騒動は、一時的な出場停止というフットボール選手にとって致命的な処分を生んでいる。しかしペップにとってこの騒動は二重に大きなショックとしてある。それはミランへの移籍問題だ。
ここ何日か、ペップとその代理人は来シーズンからのミラン移籍の可能性について検討していた。しかもミラン側との接触はすでに開始されており、ほぼ両者間により合意が近づいている状態でもあった。しかし、ここにきてナンドロローナ問題の発生である。合意にたっしていた条項はそのままとしながらも、問題解決まで交渉は途切れることとなった。そしてもう一つの契約、これは選手生命とは何の関係もない契約だが、ナイキと結ばれていた”スポット”の話しもいまのところ凍結してしまっている。来春用に用意されていたペップによるナイキのコマーシャルだ。ナイキ側もミランと同じく、ナンドロローナ問題に解決がつくまで様子をみることになる。

ペップ、我々は君と一緒だ!
難しい状況を抱えているペップに対し、昨日の試合でペップを励ます応援をしていたブレッシアファンたち。少なくてもペップにとって、今決して一人ではないということを感じただろう。ナンドロローナ問題が明るみにでてからのブレッシアファンの反響は早かった。
「我々はペップを信じている」
「ペップ、元気をだせ!」
「我々は、君と一緒にいる!」
これらのペップに対する暖かい支援が、昨日の観客席の中で多くのファンによって表明された。またブレッシアの選手たちも、昨日の勝利をペップに捧げている。

明日、デブーの弁護士と合流
ペップは一日の休みもなく、無実の証明の準備に入っている。今日はブレッシアのドクターであるエルネストを通じて、具体的にどのくらいの量のナンドロローナが検査にひっかかったのか知ることができるようだ。このナンドロローナの数値については、今のところ正式発表がなされていないのだ。また、エルネストはペップが通常とっているビタミン剤はオリンピック協会が許可しているものであるということを公表している。
2週間後におこなわれる再検査にそなえ、ペップ側はデブーの擁護をおこなった弁護士ヘリングマンと明日にでも接触をとる。


ペップの戦い2001/11/25 今日の一面 ムンド)

無実を証明するためのペップの厳しい戦いが始まろうとしている。木曜日に公表されたペップのナンドロローナによる陽性反応に対する「無実」の戦いはまずイタリアオリンピック協議会に対し、検査自体がおかしかったというところからの告発で始まる。
デブーの擁護にあたったヘリングマン氏が新たにペップの弁護士として就任し、彼は最初にフットボール選手組合に連絡をとり協力を要請している。


カンプノウ、ペップとと共に!(2001/11/25 今日の一面 スポーツ)

昨日カンプノウに集まった多くのバルセロニスタは、ペップに対する援助の垂れ幕を用意していた。しかし単にファンだけではなく、バルサ首脳陣も昨日の試合に集まったメディアに対し、ペップへの援助と団結を訴えていた。


俺は無実だ!(2001/11/24 今日の一面 スポーツ)

木曜日の衝撃的な知らせを受けた後、ペップ・グアルディオーラは昨日の午後に記者会見を召集し、メディア、関係者の前に姿をあらわした。傷ついてはいるが落ち込んではいないペップ。プライドを傷つけられたことに怒りをあらわすものの、表情は冷静を保とうとしているペップ。彼からは、最後まで戦い抜くという堅い決意がうかがえた。

グアルディオーラは、今まで考えてもみなかった最も難しい試合を前にしている。10年以上もプロ選手として500試合以上も出場し、ナショナルチームの選手として50回近くもプレーしているグアルディオーラにとって、初めて経験する新しい試合。それはドーピングとの戦いだ。

グアルディオーラ
「俺を沈めることはできないということを証明してみせる。カルッチオに来たのは肉体的に強くなるためでも、スピードをつけるためでもない。単純にフットボールをしたいから来ただけだ。最後の最後まで弁護士と共に戦う決意だ。最後には俺の勝利となるだろうと思う。何かがイタリアに起こりかけている印象は拭い得ない。ある器械が俺が薬物をとったと言っている。そして人間の俺がとっていないと言っているんだ。最後にはどちらが正しいかはっきりするだろう。ワールドカップ出場の事なんか今はまったく考えていない。唯一の望みは誰に邪魔されることなく練習ができて、試合にでられることだ。」

イタリアメディア、ペップを攻撃
イタリアの多くのメディアは、ペップに疑いの目を持ち、今回の原因はスペインから持参した薬物ではないかという見解をだしている。また同時に、やはりペップがスペインから持ってきた複合ビタミン剤の内容についても疑問の声をながかけているようだ。

スペインメディア、ペップを擁護
元バルサの同僚たちはもちろん、ほとんどのリーガ関係者はペップの無実を信じている。10年以上もリーガでプレーしてきたペップを知る人々には、今回の薬物問題は考えられないことなのだろう。リバルドやヨハン・クライフも自分のウエッブページで、ペップの無実を疑わない旨の表明をしている。

今後のペップ
2週間後におこなわれる再検査次第で、もし再び陽性反応が出たとすると6か月から2年にわたっての制裁となる可能性がある。だが彼に対する否定的な結果となったとしても、これですべてが終わるわけではない。彼のもとにはデブーを擁護した弁護士が協力の意思を表明しており、多くの専門家による彼の無実を証明する手段が用意されるものと思われる。


最後まで戦う!2001/11/23 今日の一面 ムンド)

それは午後の5時9分前だった。ローマから発せられたニュースがフットボール界に衝撃を与える。
「グアルディオーラにナンドロローナによる陽性反応が発見された。」
その47分後、イタリアフットボール協会はグアルディオーラに対し暫定的な処置として次の試合への出場停止を命じた。

ガスパー
「グアルディオーラが必要とするならあらゆる援助をクラブとして、また個人としてもおこなう用意がある。陽性反応が明らかに何かの間違いであるとしても、今の彼に必要なものは様々な形の援助だと思う。」

パレイラ
「グアルディオーラを知る人間なら、彼がそんなことをするわけがないということを理解しているはずだ。彼がドーピングするなんてことは不可能なことだ。」

デブー
「驚いている。スタンにしろペップにしろ、陽性反応が出ること自体おかしいと思っている。ナンドロローナに関しては、もっと科学的な研究が必要だと思う。いずれにしても、彼が必要とするなら僕のもっているすべての情報を提供しようと思っている。」


グアルディオーラ事件(2001/11/23 今日の一面 スポーツ)

ペップ・グアルディオーラは、昨日衝撃的なニュースを受け取ることになる。ナンドロローナによる陽性反応。ブレシアに入団したことにより、再びあの笑顔と精神的な安定が戻ってきたこの時期、彼にとってはまさに思いもしない衝撃的な知らせだった。

ブレシアの水球クラブの会長であり、水球界のマラドーナと呼ばれたエスティアルテ(カタラン人であり、ペップの親友)は、最近のイタリアでおこっているドーピング検査に疑いを持っている一人だ。なぜイタリアでは外国人ばかりに、それもナンドロローナによる陽性反応ばかりでるのか。オリンピック協議委員でもあるエスティアルテは、再検査はイタリア以外のところでおこなうべきだと主張する。

だが昨日もう一つのショッキングな事件が起きていた。スペイン自転車選手ジョアン・リャネーラスが、以前の検査で陽性反応が出たことにより再検査をおこなった結果、その検査では陽性がでなかったのである。自転車界とフットボール界に吹き荒れるドーピング問題は、オリンピック協議委員会を中心として、ドーピング検査自体の見直し時期にきていることは明らかだ。誰がペップの薬物使用を信じるというのか。彼は元々、体力増強を必要としない種類の選手ではなかったか。バルサ選手として何回もドーピング検査をおこなってきたにも関わらず、一回も問題がなかったペップである。そして今回イタリアでの事件。我々は、この場を通じてドーピング検査そのものの見直しを要求したいと思う。