Can~o(カーニョ)

穴のあいたもの(股抜き)

正面に立った選手の股の間にボールを通し、その選手の脇を走り抜けてボールに追いつこうとするしゃれた芸。カーニョの本来の意味は蛇口の水の出る部分だとか、噴水の穴の部分だとか、あるいは水道管などの管そのものをいう。またこれ以外にもトンネルを意味するTunel(トゥネル)ということもある。

しゃれたテクニックだからやった方は気持ちがいいに決まっている。やられた方としてはこれほど不愉快なことはない。テクニシャンプレーヤーと自他共に認めるロマリオがバルサの練習に初めて参加したとき、彼にとっては名も知らないような選手たちにさんざんこのカーニョをやられた。それがよほど印象に残っているらしく、ロマリオはバルサを離れてからもこの時のことをよく回想する。ブラジル人が最もテクニック的に優れた選手だと思っていた彼にとって、バルサあたりの若手選手にカーニョをやられたことはかなりショックな出来事だったようだ。思考過程がシンプルにできているロマリオは、あれ以来、当時のバルサはセレソン代表よりもテクニック的には優れていたと思っている、ようだ。