Sombrero(ソンブレロ)

帽子

相手選手と一対一になった状況でドリブルで相手を抜き去るのではなく、相手選手の頭の上を越える感じでヒョイとボールを持ち上げると同時に相手選手の裏に回ってボールを拾いプレーを続ける、そのテクニックがソンブレロだ。相手選手の頭の上をふんわりと円を描くようにボールが移動することから、たぶん、こういう名前がついたのだろう。お見事!という表現をQuitarse el sombrero(キタールセ・エル・ソンブレロ)帽子(シャッポ)を脱ぎます!という感じでするが、その表現とは関係ない、と思う。

身長の高い選手が低い選手を相手にソンブレロをおこなうと滑稽なイメージとなるが、小さい選手が大きな選手にこれをおこなうとお見事!という感じになる。ソンブレロをおこなう選手が小さくそして相手選手が大きい場合、頭上をギリギリのところで越えるような微妙な円を描かないと成功しない。相手の大きい選手にヘディングをさせないような微妙なタイミングが必要となる。そしてこの名手が背の小さいロマリオだった。

ロナルディーニョも何回かこの芸当を見せてくれている。これまで彼がやってきたソンブレロは彼も相手選手もお互いにほぼ静止している状態でのものが多い。だがロマリオがたまに見せてくれたソンブレロは走りながらのものが多かった。彼に向けられて放り込まれたロングパスを右足で軽く止め、近づいてきた選手の頭上にそのままソンブレロをおこないスルーとデフェンサの後ろに回ってゴールに突進。そしてシュートが、ほんわかバセリーナであったらもうヨダレもんです。