今シーズンからカデッテBカテゴリーに在籍するデランテロのボージャン、メディアプンタのヤゴ、左サイドならお任せのアンリック、そしてこのフランの4人はこれまで常に同じカテゴリーでプレーしてきている。ゴールと合い言葉というのがボージャンなら、キラーパスが持ち味のヤゴ、左サイドならラテラルであろうがカリレロだろうかインテリオールであろうがどこでも器用にこなすアンリック、そして攻撃的であろうが守備的であろうが‘4番”としてのピボッテをやらせば最高だし、左インテリオールをやらせても完璧、さらにボールを奪ったり攻撃の軸となったりセンターリングセンスやゴールセンスも抜群という、まさにオールランドプレーヤーなのがフランだ。
この4人はすべて14歳。ボージャンやアンリック、そしてフランはすべて9歳でバルサ選手として最初のシーズンを過ごしている。ヤゴは11歳で入団してきているから彼だけ遅れをとっているものの、アレビンカテゴリーから常にみんなと一緒。そして彼らにとってチームのカピタンは常にフランなのだ。アレビンカテゴリーから毎シーズンにわたってカピタンマークを付けているフランはカデッテBカテゴリーでプレーすることになった今シーズンもやはりカピタンとして選ばれている。グランド内でのオールランドプレーヤーとしてだけの評価だけではなく、彼の人一倍強いキャラクターがカピタンとして選ばれる最大の要因となっているのだろう。
「メチャクチャな反則を受けたり、審判が間違った判定をした時なんか頭に血がグワァーと上ってくるのがわかる。そういうとき必死になって冷静になろうと努めているんだ。」
そう語るカピタン・フラン。
14歳とは思えないほど落ち着いていて、しかもとても大人っぽい雰囲気を漂わせるフラン。アレビンカテゴリーではメディアプンタとして起用されたがインファンティルチームになってからピボッテをこなしてきた。そして現在在籍しているカデッテBでは左インテリオールのポジションを務めることが多い。彼のプレースタイルはアルテッタがかつてバルサインフェリオールカテゴリーでプレーしていた時のそれによく似ている。ピボッテと右インテリオールを自然なポジションとしたアルテッタだが、彼もまたフランと同じようにオールランドプレーヤーだった。これまでどおり彼の持っている才能が、自然に、順調に伸び続けるとすれば、限りなく明るい将来が期待されるカピタン・フラン。相手のボールを奪い仲間にパスを出し、そして戻ってきたボールを受けてシュート!カピタン・フラン、生涯カピタンの星のもとに生まれた少年。(04年12月)
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