Giovani Dos Santos
ジョバニ

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ドス・サントス兄弟
(06/04/05)

ドス・サントス家には二人の息子がいる。そして多くの人々が知っているように二人ともバルサカンテラ組織に属している選手だ。兄のジョバニ・ドス・サントスが16歳、弟のジョナタン・ドス・サントスが15歳、それぞれフベニルAカテゴリーとカデッテAカテゴリーでプレーしている。

バルサカンテラチームを見続けているファンにはすでに何年も前からジョバニの存在は知られていた。だがカタルーニャの地だけではなくスペイン全国や多くのフットボールファンにその名が知られることになったのが、昨年ペルーで開催されたアンダー17世界大会での活躍だ。メキシコ代表にとって初の優勝をとげた大会でもある。そして今、弟のジョナタンもまたメキシコアンダー17代表のメンバーの1人となりつつある。4月の12日から16日にわたって開催される“MIC2006”の大会にメキシコアンダー17代表の選手の1人として選出されたことがつい最近発表されている。
「ここ何年かで最高のニュースを受け取ったばかり。メキシコ代表のユニフォームに袖を通すことは小さい子供の頃からの夢だったので本当に嬉しい。これで兄のように活躍ができれば最高だ。」
弟のジョナタンにとってアイドルは兄のジョバニだという。そして彼の夢はもちろん兄ジョバニと一緒にプレーすること。
「メキシコ生活時代もこちらに来てからも常に兄とは一緒の生活をしてきている。そして二人で話し合うことはいつも将来の夢についてさ。将来の夢、それは二人で一緒にプレーすること。メキシコ代表チームだけではなくバルサでも一緒にプレーすること。まだ両方とも実現していないけれど、いつか現実となる日がやって来ればいい。」

すでに弟のジョナタンよりも一足早くメキシコ代表のユニフォームを着てプレーしているジョバニにも素晴らしいニュースがメキシコから届いている。それはペルーでの大会とバルサでの活躍が認められて“2005年メキシコ人最優秀スポーツ選手”として選出されたニュースだ。残念ながら授賞式には参加できなかったジョバニ。なぜならフベニルAチームは優勝を決める大事な試合が残っているからだ。彼の代わりに母親が授賞式に参加し賞を受けている。そしてバルサの関係者は彼ら二人のスペイン国籍取得手続きを急いでいる。決してメッシーの二の舞をさせないために。

「La Masia ニュース」


ジョバニ、フベニルAでスタート
(05/10/20)

アンダー17の大会から戻ってきたジョバニ・ドス・サントスはフベニルAチームの選手としてスタートすることになった。昨シーズンはカデッテAチームに属していたから、フベニルBチームからスタートするのが普通でありとっても自然な成り行き。だがあれほど注目を浴びてしまった彼だからその一つ上のカテゴリーでプレーすることになったようだ。

フベニルB,フベニルA、バルサC,バルサB、それぞれのカテゴリーでのメッシーデビュー戦をこの目で見てきたが、ラッキーにもジョバニのフベニルAデビュー戦にも遭遇。このカテゴリーとなると18歳前後の選手が多いため彼は二つぐらい年下となる。フィジカル的にはそれほど見劣りしないが、カデッテ時代のような“他の選手との違い”がはっきりと見て取れることもない。もっともこのチーム仲間とは1週間足らずしか一緒に練習していないはずだし、久しぶりの試合だったから調子もイマイチなのはしかたがない。しかもアンダー17の大会でのメキシコ代表と同じように9番のポジションで起用されていた彼には常に二人ものマークが付いていたから好き勝手にできない試合だった。それでもゴールを決めているのだからタダモノでないことは確か。シーズンの途中あたりからバルサCで何回かプレーし、シーズン最後の頃にはバルサBの選手として顔を見せるかも知れない。

ちなみに今週末、バルサAチームが対戦するオサスナのアギレ監督はメキシコ人。彼が現役選手だった頃はジョバニの父親ジジーニョと一緒にプレーしているそうだ。

「La Masia ニュース」


ぺぺ・コスタの報告書
(05/10/13)

単なるフットボールファンとしてではなく、バルサスカウトマンとしてアンダー17の世界大会を“仕事観戦’していたぺぺ・コスタが帰国しクラブに報告書を提出している。バルサのインフェリオールカテゴリーチームが参加する大会はもちろん、必要とあらば例え南極や北極で開催される大会であろうと必ずぺぺ・コスタの姿が見られるというほど仕事熱心な人だ。そしてサンドロ・ルセー派の人物としてクラブに残っている数少ない人物の一人でもある。彼が持って帰ってきた分厚い報告書の中からジョバニとカルロス・ベラに関するものだけ拾ってみよう。

まずジョバニ・ドス・サントスに関して。
「17歳となっている選手がほとんどであったにも関わらず、彼らより一つ下という年齢差をまったく感じさせなかった。いや、それどころか、多くの選手より経験豊かな選手に思えるほどのプレーだった。確かに、多くの専門家が語るように、90分にわたって常にグランドの中でその存在を示すタイプの選手ではない。まったく消えてしまっている時間がある試合が何試合かあったのも確かなことだ。だが、突如としてその存在を示すとき、それは相手チームにとって常に危険な選手として現れてくる。そしてリズムの変化、試合状況の読み、アシスト能力、どれをとっても一流と言っていい。」

これまで多くの才能ある選手を見てきたぺぺ・コスタにとって、ジョバニはメッシーに続く選手としてうつっている。今からわずか3か月前にアンダー20の大会で一躍“時の選手”となったレオ・メッシーに続く明日のキラキラ星、それがジョバニだと想像する。だが、決してプレッシャーをかけてはいけないし、急いでもいけないとも考える。
「多くの才能ある若い選手がフィジカル的にもメンタル的にも準備が足らないうちに第一線に登場し、そしていつの間にかてつぶれていくという例は数え上げたらきりがない。メッシーがバルサインフェリオールカテゴリーで一段一段階段を上っていったように、彼もまた背伸びせず徐々に徐々に階段を上がっていかなければならない。今シーズンはフベニルBかAでスタートし、シーズン終了時にはバルサBに顔を出しているというのが理想的だろう。」

  −− 後略 −−

「La Masia ニュース」


ロナルディーニョに続け!
(05/10/02)

今から8年前、エジプトで開催されたアンダー17世界大会でブラジル代表が優勝トロフィーを掲げている。この大会で話題を集めた一人の選手、それがロナルディーニョだった。そして今、アンダー17世界大会が開催されているペルーで、“ロナルディーニョ2世”と名付けられた選手がいる。それはバルサフベニルBカテゴリーに在籍するジョバニ・ドス・サントス君16歳だ。

準決勝でオランダを4−0という圧勝のスコアーでやぶったメキシコ代表は、日曜日の決勝戦でブラジル代表と対戦する。話題を集めているジョバニはまだこの大会で一つのゴールも決めていない。だが彼のプレースタイルが、彼の持つ瞬発力が、そして数多くのスペクタクルなアシストが、ジョバニを“ロナルディーニョ2世”と呼ばせることになった。
「突然のようにあらわれては試合そのものを決めるスペクタクルなプレーをする選手。だが彼の本当の魅力は一瞬のうちに状況を読み切る判断力と、爆発的な瞬発力にある。」
そう語るメキシコ代表監督ヘスス・ラミレス。

これまでの彼に関するニュースで触れてきたように、この大会での活躍が多くのスカウトマンの目にとまり彼の父であるジジーニョの手元にはいくつかのオファーがすでに届いていると言われる。だが決勝戦を前にしてジョバニは次のように語っている。
「父は息子のことを思っていろいろオファーを検討しているようだけれど、自分はバルサを離れる気はこれっぽちもないさ。まず今シーズンはフベニルBでスタートして、シーズンが終わる頃にはバルサBでプレーするのが目標。そして来シーズンはバルサBとバルサAのかけもちというのが夢。だから、この大会が終わりバルセロナに戻ったらスペイン国籍をとるための手続きを始めるつもり。メッシーのような例があるから気をつけないとね。」あるカタルーニャのラジオ局のインタビューに応じ、こうジョバニが語ったのが金曜日の夜中。だがその翌日土曜日のメキシコメディアに恐ろしげなニュースが流れる。
「ジョバニはメキシコのクラブであるチバスへの移籍がほぼ決定的。」

ヨーロッパに家族ごとわたってきた若者が16歳でメキシコに戻るというのも不自然な話に思えるし、ドーバー海峡のあちら側のクラブに行ってしまうのではなくメキシコのクラブに移籍するというのもなかなか信じられない話。したがって信憑性に欠けるニュースだが、信じられない“事実”は、信じられない“うわさ’から始まるのはこれまでのケースを見ればわかること。とは言いつつも、こりゃ信じられん。

「La Masia ニュース」


“ジョバニ事件”が起きませんように
(05/09/25)

ペルーで開催されているアンダー17の大会には当然ながら世界中からスカウトマンが押し寄せている。将来性を感じさせる才能豊かな少年フットボーラーの発掘を目指すスカウトマン。まだグループ戦の段階でありながら、彼らはすでに何人かの“クラック少年”に注目し始めている。そしてその中でも目玉商品として扱われているのがジョバニ・ドス・サントスのようだ。

ペルーにはジョバニの父親である元フットボール選手ジジーニョ、そしてバルサスカウトマンであるぺぺ・コスタが同行している。息子ジョバニの代理人でもあるジジーニョはすでに多くのメディアを相手にして息子獲得を希望するクラブからのオファー到来を語っている。
「すでに私の手元にはアーセナルをはじめ、マンチェスターとチェルシーなどから具体的なオファーが届いている。もちろん息子にしても私にしても基本的にはバルサに残ることが希望だ。だが、他のクラブからのオファーを検討するのが私の役目でもある。したがってこの大会が終了しバルセロナへ戻ったときにクラブ関係者とこのオファーに関して話し合わなければならないだろう。」

今シーズンからバルサインフェリオールカテゴリーの責任者となったアレサンコが就任記者会見の席で次のように語っていたのを思い出す。
「フットボールの世界はここ何年かで大きく変化してきているが、それは少年達の世界にしても同じだ。12歳、13歳の子供達にすでに代理人がつくという異常な世界となっている。自分が子供だった頃と比較してもしかたがないが、フットボールがビジネス世界に浸って行くに従い、それは両親達にも影響を与えることになる。子供の成長を見守るというよりは、いかに早くプロの世界に足を突っ込ませるか、それが多くの両親達の希望となっているのが現実だ。」

まあ確かにゴチャゴチャした世界に違いない。アレサンコが語るように将来性あるカンテラ選手を抱えるクラブにとっては非常にやりにくい時代となってきているのだろう。だがそれでも将来性あるカンテラ選手を、どうにかしてクラブに残すようにはかるのが彼らの仕事であることも確かだ。バルサというクラブに魅力を感じさせることも首脳陣の大事な仕事だろう。ドーバー海峡を渡ってしまったことにより発生した“セスク事件”や“ピケ事件”は未だに多くのバルセロニスタにとって記憶に新しいし、つい最近でも“フラン事件”や“メッシー事件”が発生している。そしていままた世界中から注目されつつあるジョバニに決して“事件’が起きないように、どうにもあてにならないチキ・ベギリスタインやゴルフやパーティー出席に忙しいラポルタさんも、ここはひとつ、マジに仕事してください。

「La Masia ニュース」


ジョバニ・ドス・サントス
(05/09/19)

メキシコの初戦はウルグアイ。そして注目される選手はもちろんジョバニ。最年少選手でありバルサインフェリオールカテゴリーに所属する彼がどこまでやれるか、それはとても興味あるところ。

2−0でメキシコが勝利した試合となったがジョバニはゴールを決めていない。だが2点とも彼のアシストであり、期待通りの活躍を見せてくれたと言える。テレビで見た限りメキシコは彼をワントップとして起用している。彼のもっとも自然なポジションはメディアプンタあるいはロナルディーニョと同じポジション。したがって少々不自然な感じがしたものの、それなりにキッチリと仕事をしていた。

さて、アンダー17ワールドカップはまだ始まったばかり。これからの更なる活躍を期待しつつ、メッシーの例を深く反省して早くEUパスポートを申請しておこう。

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明日の星
(05/09/16)

イニエスタ、メッシーに続くカンテラ出身の明日の星、それはジョバニ・ドス・サントス、今シーズンからフベニルBカテゴリーに在籍することになる。そのジョバニは今ペルーにいる。アンダー17ワールドカップでメキシコ代表の一人としてプレーするからだ。9月16日から始まるこの大会で、ジョバニがいるメキシコ代表はウルグアイ代表、オーストラリア代表、そしてトルコ代表と一緒のBグループ。9月16日にウルグアイ戦、19日にオーストラリア戦、そして最後のグループ戦は22日トルコ相手となる。

ブラジル人の父とメキシコ人の母を持つジョバニ。父親のジジーニョは70年代から80年代末にかけてメキシコのクラブでプレーしていたという。したがってジョバニはブラジル生まれかと思っていたが、どうやらメキシコで誕生しているようだ。しかも育ったのもほとんどメキシコのようで「自分はブラジル人ではなくメキシコ人」と認識しているという。アンダー17のメキシコ代表選手の中で彼は国外でプレーしている唯一の選手でもある。

メキシコ代表に合流してきた彼に地元メディアがインタビューをおこなっている。

親善試合とはいえバルサBでデビューした感想は?
「相手チームの選手がほとんど30歳前後だったようで最初はビックリした。これまでこれほど年齢が離れている選手がいる相手チームとは試合したことがなかったから。でも15分もすればいつものような感じでプレーできたように思う。」

この大会について
「これまでメキシコ代表は準決勝にも進んだことがないそうだから、とりあえずそこまでたどり着くこと。そして最終的な目標はもちろん優勝だ。アンダーという名がついていながらもワールドカップはワールドカップ。多くの人々が注目するこの大会でメキシコ代表の強さを示すことができれば素晴らしいことだと思う。」

この大会が終わったらバルサではどのカテゴリーでプレーするのか?
「フベニルカテゴリーが今シーズンの自分の場所。でもメッシーのようにシーズン内でカテゴリーをどんどん上げていきたいと思っている。そして近いうちにカンプノウでプレーするのが自分のスケジュール。」

フベニルBカテゴリーでシーズンをスタートするジョバニ。だがプレステージでの試合ではフベニルAどころか、バルサBの試合でも1回だけながら起用されている。これまでイニエスタとメッシーがそうであったように、つまりシーズン開始当初はフベニルB在籍となりながらも、時間の経過と共にフベニルAで、バルサCで、そしてシーズン終了間際にはバルサBで試されるということも起きるかも知れない。カンプノウ出場に一直線に走るジョバニ、今シーズンさらなる爆発の予感。

「La Masia ニュース」