2002年インファンティルBに上がってきたボージャン、そしてやはり2002年インファンティルAに上がってきてたジョバニ、幸運にもこの二人をこの年から見続けることができた。そして2007−08の今シーズン、二人ともライカーバルサチームの一員となっている。自然の移りと共に時が経過し、少年たちは若者となり、そして年寄りはさらに年寄りとなる。
昨シーズンにはバルサBで一緒にプレーするようになった二人の道のりは、同じようで微妙に違う。インファンティルカテゴリーからカデッテカテゴリーを経て、フベニルチームにまで上がって来るまでの活躍は、同じように素晴らしいものがあった二人だが、フベニルAチームとバルサBチームでは明らかに違いが見られた。ボージャンがどこのカテゴリーでプレーしても期待に応える活躍を見せたのに対し、ジョバニの活躍は例のU17大会でスポットを浴びて以来、成長が止まってしまったかのようだった。フベニルAで1シーズン、バルサBで1シーズンプレーしているが、決して褒められた内容ではない。どちらかというと慢心が目につくプレーが多かった。100%の力を出し切ることが見られなかった彼のプレー態度が、昨シーズンのバルサBの不振の原因の一つと言ってもいい。明らかなモチベーションの欠如、それが原因だと思われたが、今シーズンのライカーバルサチームに混じってのプレステージでの活躍が、その予想の正しさを証明してくれた。ミニエスタディに集まる知り合いのカンテラファンにはこれが気にくわない。
確かにここ2年間のジョバニに関しては、個人的にも不満タラタラだ。それは、ここ1、2年のロナルディーニョの悪いところだけをすべて見本としたような風景が見られたからだ。まず、走らない。ボールを争っても負傷を恐れるかのように足を突っ込まない。自陣がピンチの状態であろうとハーフラインを越えて下がったためしがない。ボージャニスタ(ボージャン派)がたくさんいるのに比べ、ジョバニスタ(ジョバニ派)が少ないのはそのせいだ。と言っても、それはカンテラの試合を見続けてきたファンの人々の間のことで、プレステージでの活躍を見て彼の素晴らしさを知ることになった人々には、ジョバニスタが大勢いる。
90年代の中頃に彗星のごとくデビューしてきたラウルを見る機会があった人なら、当時の彼の新鮮なプレーに今のボージャンをダブらせているだろう。運動量が誰よりも多く、決してあきらめると言うことを知らず、気がつけば相手のマークを外してゴール前に走り込んでいる選手。そして何よりも、チームが苦しいときに自ら上を向くだけではなく、周りの選手をも引っ張っていくリーダシップを持っていた。そのキャラクターを今のボージャンに見る。そしてこれまでのところ、ジョバニにはそれが見られない。これは事実。
昨シーズンの後半からバルサBに上がってきたボージャンだが、16歳という最年少選手でありながら、春頃にはしっかりとリーダシップを発揮していた。13試合で10ゴールという成績は、彼としては納得できないものだろうが、それでも立派なものだ。もちろんシーズンを通じてプレーしたジョバニがアシストとゴールを足しても片手で数えられてしまうような成績しか残していないから、ボージャンとは比較できない。これも事実。
だがこれらのことは、あくまでもカンテラ時代の傾向に過ぎない。これからいよいよ“本番”に足を突っ込もうとしているまだ10代の選手の話だ。バルサB選手時代、テレテレとデランテロをやってきたルイス・ガルシアが、いろいろなチームで“本番”を経験していくうちに、立派と言っていいであろうデランテロ選手に変貌したような事実は数え切れないほどある。決して天狗にならず、今までのように謙虚な姿勢をボージャンに期待し、そしてプレステージでのようなモチベーションあふれるプレーを、例え二部Bカテゴリー相手の国王杯戦でも見せてくれることをジョバンニに期待しよう。
何年にもわたって暖かく見守ってきたファンに対し、見事に裏切ってくれたプロ精神大大大不足選手モッタのようには間違ってもならないことを付け加えて、スエルテ、ボージャン!スエルテ、ジョバニ!
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