歴史は繰り返す!  秒!


今日のオーベルとバルサ(02/11/21)

あとわずか48時間と迫ったクラシコ。昨日の代表の試合にかり出されていた選手は幸運にも誰も負傷せずバルセロナに戻ってきている。そして待望のドクターOKがリケルメとオーベルに出されようとしている。

今日のオーベルは、駐車場のシャッターに頭をぶつけることもなければ、控え室からグランドに通じる階段でも転ばなかった。幸い、練習が始まっても右足と左足が絡んで倒れることもなく、ボールがお腹に当たって痛い痛いと泣くこともなかったようだ。あと残るところ48時間、できれば練習なんて危険なことをさせずに床の間に飾っておきたいオーベルだが立ち上がった瞬間ギックリ腰になる恐れもある。ここは普通の選手と同じメニューで練習をこなすしかないようだ。バルサでリズムを変えることのできる違いを見せる男オーベル、身体を大切にしてあと48時間がんばってみよう。冷たいものは飲んじゃいけないよ、腐った魚は食っちゃあいけないよ、ついでに変な人とキスもしちゃあいけないよオーベル。あと48時間の辛抱だ。


昨日のクラシコ選手(02/11/21)

■カシージャス(6)45分
これといった仕事なしの45分間。カンプノウではクルービー、リケルメ、サビオラの得点を許すことになるだろうが、まあ、憎めないポルテロ。

■ブラボ(5)90分
控え選手でありながらなにゆえ代表に選ばれるのか。他のクラブのスタメン選手の立場がないではないか。クラシコには出場チャンスなしだからどうでもいい選手。

■サルガド(5)90分
走ればいいというものでもない。3日後に大事な試合があるというのになにゆえ90分そんなに走るのか。土曜日もひたすらオーベルの後ろを走ってなさい!

■エルゲラ(5)45分
サルガドとちがい、すでに土曜日の試合のことを考えていたエルゲラ。試合にはいっさい集中せず。それでも結果は見えている、そう、クルービーに翻弄されるエルゲラ。

■プジョー(10)45分
バルサでのプレーと同様、代表でもディフェンスのリーダーとして君臨。ペセテロ、ジダーンを一人で完全にマークしバルセロニスタからのプジョーコールが今から聞こえるわい。
オオオオオッレー!プジョー!

■メンディエタ(10)45分
彼もまたバルサでのプレーと同様、じみーに代表での仕事を終えた。バレンシア時代のマドリ戦に強かったメンディに戻るのだ。ロベカルをつぶせ!
オオオオオッレー!メンディ!

■チャビ(10)45分
土曜日の練習試合として4番の仕事を完璧にこなす。左に、右に、そして縦へのラストパスの練習もおこなう、準備万端のチャビ。マドリをぶっとばせー!
オオオオオッレー!チャビ!

■グッティ(5)61分
色男グティはカンプノウでは無視される対象。この試合でもいいところなく、グラナダの観衆からも無視された。土曜日は敗戦処理用選手となるだろう。

■ボナノ(10)0分
ベンチから代表選手を励まし続けたボナノ。日本戦と同じように土曜日もほとんど仕事はないだろうが、それでも一応ゴール前にたっておこう。
オオオオオッレー!ボナノ!

■サビオラ(10)21分
日本の若い女の子のアイドルとなりつつあるコネッホ。気分転換にいいチョットした長旅を終えて今日から合同練習。さて、久しぶりに腹でも見せなさい!
オオオオオッレー!コネッホ!

■ソラーリ(ー)7分
もうインテル行きが決まっているソラーリにとって、最後のクラシコとなる。くだらん野郎との人質としてとられる悔しさをオウンゴールではらしてみよう!

■ロベカル(6)90分
久しぶりに自分のクラブに帰り韓国相手に90分間気合いを入れまくって満足しているロベカル。いつもながらカンプノウではブーイング対象だ。

■フラビオ(ー)0分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

■ロナルド(8)90分
彼もまた自分のクラブに久しぶりに戻り全力を出しきった90分。もう土曜日のことなんかな〜んにも考えていない頭カラック選手。再会が楽しみ。

■レイジゲル(10)45分
デ・ボエルとバトンタッチして登場。彼のバネのような肉体を強力な武器として、ロナルドやジダーンをぶっ倒してしまおう。バタッバタッバタッといこう!
オオオオオッレー!レイジー!

■デ・ボエル(10)45分
ベテラン選手デ・ボエルの頭の中では、この日のドイツ戦は仮想敵を作っての練習試合。よし、土曜日の準備はできた。あまり抜かれないように心がけるぞ!
オオオオオッレー!フランー!

■コクー(10)45分
玄人にしかわからない仕事をするからサビオラと違って日本に行ってもキャーキャーいわれない。ドイツでもいわれなかった。だがカンプノウに集まるバルセロニスタはわかっている。
オオオオオッレー!コキュー!

■クルイベル(10)45分
ちょっとゴールの練習でもしてみっかな、これがドイツ戦での練習目的。目的を予定通り果たして交代。おいっ!本番で失敗するンでねえぞ!
オオオオオッレー!クルービー!

■マケレレ(7)55分
ジダーンは休むことが許されても労働者タイプの彼には許されなかったこの日の試合。55分お国のために労働を、そして土曜日にはスペイン政府クラブのために汗を流す。

■ジダーン(ー)0分
わがままを聞いてくれる監督を持つと楽な人生が送れます。カンプノウを縁起のいいグラウンドなぞと思っているが、今度はロッケンバックは転ばないぞ!

■フィーゴ(5)45分
どこでプレーしようが覇気がないペセテロ。この試合も恐ろしくお粗末、ケガするプレーも訪れず。さてさてさてさて、お待ちしてますよ。フッフッフッフッフッフッフ、お待ちしてますよ、旦那!


バケーロの分析(2)(02/11/21)

歴史的にバルサにしてもマドリにしても、常にディフェンス面で批判されることが多い。この批判が多い理由を説明するのも難しいことではない。なぜなら両クラブとも攻撃的な戦いをすることがその理由だからだ。したがって相手チームがスピードを武器としてカウンターアタックで戦ってきた場合、この両クラブは弱点をさらけ出すこととなる。バンガールシステムの特徴は、このような戦いにマンツーマンシステムを起用することにより弱点をカバーしようとしている。

■ガブリ
ガブリはジダーンをマークすると考えるのが一般的だろう。彼はフランスのベテラン選手よりスピードはあるし、なによりの闘争心の固まりのような選手だ。かつてプジョーがフィーゴを完全に封じ込めたように、ガブリもまた彼の持つスピードと有無を言わせぬタックルでジダーンを無効にすることも可能だろう。

■プジョー
マドリの「決定的」な選手はジダーンではないしフィーゴでもロナルドでもない。それはラウル以外見あたらない。常にここぞというときに登場してくるのは決まってラウルであり、彼の登場によりマドリは何回も試合を拾ってきている。したがって彼をマークするのはプジョーが最適だと思う。彼以上の資質を持った選手はバルサはおろかスペイン中を探しても見つからない。相手の切り札を封じるためにもラウルにはプジョーがお似合いだと思う。

■フィーゴ、ロナルド
各メディアが伝えるところによれば、この二人の選手にもレイジゲルや誰かが個人マークをつける可能性があると言われている。果たしてバンガールの考えはどうなのだろうか私にはわからない。だがもし私が監督であれば彼らには個人マークはつけないだろう。ディフェンスや中盤の何人かの選手がそれぞれ状況を見計らって彼らをマークするのが一番良いと思う。もうかつてのフィーゴでなければロナルドでもない。彼らがまだ偉大な選手であることは間違いないとしてもスピードという観点から見れば全盛時の比ではない。もしジダーンとラウルに個人マークをつけるのであれば、この二人の選手に個人マークをつけるのは余計なことだと思う。


バケーロの分析(1)(02/11/21)

多くのバルセロニスタに「心のカピタンは誰か?」と聞けば、いまだにバケーロと答える人が多い。もう彼がバルサ選手としてグランドをあとにしてから何年もたっているにも関わらず、バルセロニスタの心に残した足跡はいまだに消え去らない。そして数多くのクラシコを経験してきた選手でもある。常に勝利者として、そう、常に勝利者としてバルセロニスタの前に登場したバケーロが今回のクラシコの傾向を分析する。

■グラウンド
地元で戦うクラブが常に有利になるが、クラシコに関してはその他の試合以上のものとなる。しかもカンプノウでのクラシコは歴史がまさにこのことを証明している。約20年にわたって敗北を知らないバルサ、これは単なる偶然としてかたづけられない数字だろう。マドリを迎える際にひときわ目立つバルセロニスタのモチベーション。彼らにとっては他のいかなるクラブとの試合とも異なるクラシコの試合。グランドでは11人対11人の戦いとはいえ、観客席からのプレッシャーは戦ったものだけが知ることができるもの。マドリの選手がいかに否定しようと、カンプノウでのプレッシャーは勝利への最大の武器となる。

■ファンとチームが一体化すること
それではバルセロニスタによる大声援を最大限に効果的にいかすにはどうすればいか。それは簡単なことだ。バルセロニスタが望むようなスペクタクルなプレーや闘争心あふれるプレーをすることだ。そうすれば相手チームに対するプレッシャーは倍となり、さらに観客席からの応援が得られることになる。だが選手たちの頭は冷静でなければならないことを忘れてはいけない。大声援を受けての無謀な攻撃は自陣に必ずスキができるであろうし、急いだ攻撃に有効性はない。常に試合の支配を心がけ、自らのペースで試合運びをすることが重要だろう。決して焦ってはいけない。

■クラック選手の出番
スター選手がなぜスター選手と呼ばれるか、それを証明する場がクラシコのような重要な試合だ。そしてそう呼ばれる選手がここぞという試合に活躍することにより、やはり彼らはスター選手と呼ばれるに相応しい選手として確認されることになる。歴史的にクラシコの試合は多くの決勝戦などと同じように派手な試合となることは珍しい。両者もつれ合いの中での試合となることが一般的だ。そしてそのような状況のわずかなスキをついてあらわれるクラック選手たち。一瞬のスキをついて相手のミスに乗じてあらわれるクラック選手たち。得てしてチームブロックの勝利と言うよりは個人技による勝負決定が多いのがクラシコの特徴でもある。

■先制点の重要性
普通の試合以上に先制点が試合を決めるうえで重要な要素となるのがクラシコの試合だ。もちろんバルサが先に点をとれば観客席からの「持ち上げ」はさらに強くなるし、相手クラブもそれまで以上に危険を犯しての戦いをしなくてはならない。つまりスペースが開かれることになる。バルサ側があげる先制点は勝利にむけた重要なファクターとはなるものの、マドリのそれはバルサよりも弱いものとなる。なぜなら普通の試合と違い、マドリに先制点をあげられても観客席からの応援は静まらないどころか更に激しいものとなるのがカンプノウでのクラシコだ。プレッシャーは更に激しいものとなる。だがいずれにしても先制点は勝利にむけた重要なファクタの一つであることは間違いない。

■上でのプレッシャー
相手ディフェンスに与える強烈なプレッシャー、これがバルサの勝利につながる重要な作戦。中盤選手だけではなくデランテロまで含んでの相手ディフェンスにプレッシャーをかけることが大事だろう。マドリはバルサと同じようにボールを支配しての試合を特徴とするチーム。ディフェンスからの楽なボールの展開を防がなければならない。しかも、バルサ側がボールの走りを早くし、相手チーム選手に考える時間を与えないようなボール回しをすることが肝心だ。ボールが相手ディフェンス側のものとなったら素速くプレッシャーをかけることにより、守備の要として活躍しているイエロの不在が大きなマイナスとなる。


ラウルがご親切にもバルサ選手分析(02/11/21)

スペイン人選手としてはリーグの歴史を通じて「最高殊勲選手」と評価されるラウル・ゴンサレス。その「最高殊勲選手」である彼でさえまだリーグ戦では勝利の味を噛みしめたことのないカンプノウにやって来る。そして今回はカピタンマークをつけての登場となるラウルだ。その彼がクラシコで対戦するバルサの各選手を次のように分析している。

■ボナノ
難しいプレーを簡単に見せてくれるスビサレッタに似ているタイプのポルテロだと思う。だから派手さがないけれど確実に仕事をこなしていく。もちろん非常に良い選手。

■ナバーロ
個人的に大好きな選手。カンテラ上がり選手の特徴であるチームカラーが肌に染みこんでいる印象を受ける。プジョーのように成長する選手だと思う。クラシコにでられないのは辛いだろう。

■デ・ボエル
重大な試合になればなるほどその存在を示すベテラン選手。どういうわけか我々と試合をするときには普段以上に良いプレーをするやっかいな選手だ。ポジショニングで勝負の選手だと思う。

■メンディエタ
もしチームの中でチームが機能するために欠かせない選手は誰かと聞かれたらメンディエタだと答えるだろう。バレンシア当時の派手さはないけれど、それは彼が置かれているポジションのせいだからしょうがない。

■チャビ
好きな選手の一人。バルサがバルサらしく機能するのに欠かせない選手。何と言ってもバルサの心臓部にある選手だから、彼が動くということはチームそのものが動くということだ。

■コクー
バルサだけではなく、どこのクラブにも一人は彼みたいな選手が必要。派手な仕事をするわけでもなく、汚いプレーをすることもないけれど、エレガントにダークな仕事をこなしていると思う。

■モッタ
外から見ていると決して神経質にならずにいつも落ち着いている選手という印象を受ける。彼の足下にボールが来れば、ああ、ブラジル人だなと思う選手だ。

■リケルメ
偉大な選手であることは誰もが知っていることだけれど、我々にとってはそれ以上の選手。まだトヨタカップでの借りを返していない。今度の試合では彼にとってついていない1日となることを願うだけ。

■サビオラ
彼の特徴であるスピードは身体の早さだけではなく、頭の回転の速さにもあるんだと思う。ゴールを決めるために生まれてきたような選手。まだまだ成長していくと思う。

■クルイベル
ゴール数が少ないなんて彼を批判する人はフットボールを知らない。敵として彼を見た場合、何がアタマにくるかって、彼はゴールを決めるだけじゃなくていつもそれがゴラッソということ。テクニック的にも最高の選手だと思う。

■プジョー
バルサの超クラック選手。敵チームにいることが本当に残念な選手だけれど、彼がバルサを離れる可能性があるなんて我々は誰一人として信じていなかった。バルサだけじゃなくて、カンテラ育ち選手の鏡としてすべての少年たちが彼を見ていくべきだ。


どいつにもこいつにもブーイングだあ!(02/11/21)

カンテラの選手にとってクラシコは特別、特別、超特別な試合だ。子供の時からバルサの選手になることを夢見てきた彼らにとって、ライバルといえばエスパニョールとレアル・マドリであり、それも子供の時からのライバルチーム。エスパニョールとは各カテゴリーで一緒になっているから毎シーズン激しい戦いが繰り広げられる。そして毎年おこなわれる一部チームでのクラシコは試合に出られない彼らにとっても「総力をあげて戦う試合」となる。

ガブリはそのような少年時代を過ごし、そして何年か前からグランドの中の一人の選手として実際にマドリと戦う選手に成長した。だがまだカンプノウでのクラシコにスタメン出場した経験は一度もない、そう、一度もないガブリだ。
「運が良ければ今回は初めてスタメンで出場できそうだ。自分みたいなカンテラ育ちの選手にとって、確かに勝利しても他の試合と同じように3ポイントだけが得られる試合だけれど、それでも意味はぜんぜん違う試合なんだ。だからどんなことをしても勝ちたいと思う試合だよね。カンプノウでの試合なんだから地元の利をいかさなくちゃ。フィーゴにブーイングは当然ながら飛ぶだろうけれど、バルセロニスタの一人としては彼だけじゃなくすべてのマドリ選手にブーイングして欲しいな。それも2年前のフィーゴに飛んだブーイングと同じようなやつをすべてのマドリ選手にね。」


余興相手はあくまでもフィーゴ(02/11/21)

エスポーツ紙がおこなったアンケートによれば、誰に一番ブーイングを投げかけるかという質問に62%の人々がルイス・フィーゴに、わずか5%がロナルドと答え、33%の人々が同じように二人にブーイングという回答をだしている。またムンド・デポルティーボ紙は「同じように」という項目はなく「どちらに」という質問形式でおこなわれ、フィーゴに90%、ロナルドに10%という答えとなっている。

バルセロニスタの最大の「敵」はフィーゴでありロナルドではないというのがこのアンケートの結果だ。これには多くの理由が考えられるだろう。その多くの理由の中で二つの基本的なものがある。まずフィーゴはバルサから直接マドリに移籍したこと、ロナルドはインテルに何年も在籍したあとマドリに行ったこと、それが考えられる一つの理由だ。そしてもう一つ、それは「ウソをつきとおしての移籍」をしたフィーゴに比べ、己の意見もなくひたすら代理人の操り人形として、とバルセロニスタに理解されているロナルド、この違いだろう。

フィーゴが去ってからもう何年も経過している。それでも一つだけその「過去」に関して明らかなこと、それは彼が「存在」する限りバルセロニスタには受けいることのできない人物ということだ。マドリの選手としてだけではなく、他のユニを着ていようが、あるいは将来コーチ業を営みカンプノウを訪ねてくることがあっても、どうしても許せない人物として認識されているのだ。したがってロナルドの出場によって少しは自分に対するブーイングがすくなくなるのではと考えているルイス・ペセテロ・フィーゴ、それは勘違いだということを土曜日のカンプノウは教えてくれるだろう。


今日のオーベルとバルサ(02/11/20)

試合まであと3日と迫った水曜日の今日、少ない選手を使っての練習試合がおこなわれた。相手は地元チームのガバ。この試合バルサは次のような布陣を用意した。
エンケ、ダビ・ガルシア、ガブリ(ロドリ)、ナバーロ、フランシスコ、ロッケンバック、ジェラール、モッタ(オーベル)、ベルドゥ、ジェオバンニ、ダニ(セルヒオ)。
この試合で注目されたことは4人ディフェンスを構成する二人のセントラルにガブリとナバーロが務めたことだ。ナバーロはマドリ戦には出場できないから関係ないが、ガブリのセントラルはマドリ戦用なのかあるいは単に選手がいないからなのか、いろいろと推測されるところ。彼はラーシング戦でもセントラルのポジションについている。

そしてもっとも注目を浴びたのは後半15分に登場したオーベルだ。試合終了までプレー、つまり30分プレーしたオーベルだが幸い負傷騒ぎはなかった。試合後はドクター・プルーナに抱えられるようにグランドをあとにし、マッサージ室へ。これまでバルセロニスタの多くの期待を受けながらも、それにまったく応えていないオーベルだが今日のところはまだ負傷はしていない。あと3日、何もなく無事に試合当日を迎えられることを祈ろう。


385人のメレンゲ(02/11/20)

カンプノウの正式な収容人員数は98,385人。もちろんクラシコ戦のチケット一般発売はおこなわれておらず、チケット窓口は閉まったままだ。したがって、すべてのソシオと各地に散らばるファンクラブの何人かの人たちが優先的にこの試合を観戦することになる。もちろんクラブ関係者や選手たち、そしてクラブ関係企業スポンサーには招待券が配られる。そしてカンプノウを訪ねてくるクラブ、この場合はもちろんレアル・マドリだが、彼らのファンにも席の配分が与えられることになる。今回のクラシコでのメレンゲに当てられた配分枚数は・・・・・385枚。そう、たった385枚。この勇気あるメレンゲと、9万8千人のバルセロニスタの間に何かがあっては大変と彼らには50人以上の警備がバンガールノート並みの個人マークでつくことになる。

そして昨年のクラシコや今シーズンのアラベス戦でも起こった「乱入事件」を防ぐために、今回の警備は慎重の上にも慎重をきしておこなわれる。グランドと観客席の境にはグランドを背にした多くの警備員が置かれることになる。クラブが用意した私設警備員数が600人、これに何倍もの警察官が警備につくことになる。


マドリなんか恐れることはねえ!(02/11/20)

バルセロナから9千キロ離れたシカゴに住んでいるウリスト・ストイチコフ。だがそんな距離とは何の関係もなく土曜日のクラシコを前にして興奮している一人のバルセロニスタだ。この試合はデポルティーボ戦に続いてアメリカテレビ局のESPNで実況中継を担当することになる。何事も、何者も恐れないウリストにとってこの日のマドリ戦など恐れる対象とはならない。そう、多くのバルセロニスタと同じようにバルサの勝利を確信するウリスト。

まず当然ながらクラシコに関して。

もしバンガールが間抜けな考えを起こさないで普通に普通に戦えば、もちろんバルサの勝利は間違いないさ。マドリなんかを怖がって余計なことをしたらどうなるかわかんねえけどな。マドリなんてそんな凄いチームじゃねえじゃねえか。ラウル?ジダーン?フィーゴ?ロナルド?そりゃ確かに良い選手たちだけれど、おんなじ地球上の選手だろ?まさかどこかの星から来た選手じゃあねえんだろ?だからね、バルサの選手たちが勝利を信じて戦えば別に恐れる相手でもないぜ。まちがいないよ。

つまりマドリは「惑星チーム」ではないと?

そんなことは当たり前じゃねえか。それともなにかい、スペインリーグは外国人4人以外にも惑星人が入ってもいいっちゅうことになったんかい?「惑星人チーム」ねえ、笑っちゃうよ、まったく。どうせマルカだとかアスあたりがつけた名前だろお。

両チームとも代表の試合でほとんど準備期間がないまま土曜日を迎えることになります。

それは選手の責任もあるな。代表なんて断わっちまえばいいんだ。国同士の親善試合とクラシコとどっちが大事だと思ってるんだろうね。俺なんか何回も代表の親善試合なんか断ってきたぜ。それでも何の問題も起きなかった。国代表の親善試合なんかどうでもいいっちゅうの。

でももし断ったらその後のことがあるでしょう。

そんなことは誰も考えてないさ。ロナルドやサビオラ、ジダーンやフィーゴやクルイベルが親善試合に行くことを断ったとして次の試合に呼ばれないと思う?そんなことを考える選手なんているわけない。

デポルティーボ戦は「解説者ストイチコフ」のデビューだったようで。

退屈な試合だったな。話すのやめて寝ちゃおうかと思ったぐらい退屈な試合だった。でも選手たちには罪はないんだ。彼らは一生懸命やっていた感じだった。だがな、監督が監督だからな。確かに多くの人が言うように良い監督なんだろうが、俺はチットモ理解できないね。いったい何がしたいんだろうか、それさえもわからないよあの監督。どうしてもタイトルが欲しいからバルセロニスタも今のところ我慢してるんだろうが、それだっていうのに「タイトルを獲得することは私の義務ではない」なんてぬかしてんだろお。わかんねえ監督だよな。でもバルサは大丈夫さ。いざとなったときは選手同士で考えて作戦を練るんだ。俺の時代もよくやってんだけどね。だからここ一番の時は選手がどうにかしてくれるのがバルサなのさ。だからクラシコも大丈夫、これ、ほんと!。


シュステルは語る(02/11/20)

かつてのバルセロニスタのアイドルであり、マドリに移籍した過去を持ちながらもいまだにバルセロニスタに親しまれるシュステル。現在は二部Aのへレスを率いて一部に昇格することを狙う知将でもある。彼はこれまで多くのクラシコを経験してきた選手だ。だが時代は彼が現役だった頃とだいぶ変わってきているという印象をもっているようだ。
「なんか試合前の火花が弱まっている感じだね。クラシコとなれば1週間も2週間も前からお互いのクラブから刺激的な発言が流れていたけれど、最近はおとなしい感じがする。いや、おとなしすぎる感じがするね。クラブの首脳陣同士がやり合ったり、各地方のメディア同士が喧嘩したりするのがクラシコを盛り上げる要素の一つだったんだから。試合となればそういうのが少しどころか大きく影響して、例えば道具係の人まで舞い上がっていたもんさ。」

そして彼もまたフィーゴと同じように両方のクラブに在籍してクラシコを戦った選手だ。
「もし自分がマドリの監督だったら絶対フィーゴをださないな。2年前と同じように今回も異常な事態になることは目に見えている。ああいう雰囲気の中で普通にプレーできる選手なんかいないさ。だから自分が監督だったらフィーゴはバルセロナにも連れていかないだろうと思う。」
試合の結果は90分間戦ってみないとわからないとするものの、地元での勝負だけにバルサが有利だろと予想するシュステル。彼の夢はいつかこのクラシコの舞台にバルサの監督として登場することだ。


“スペクタクルなヤツ”が戻ってくる(02/11/20)

2000年10月21日、この日の試合のカンプノウ北ゴール席には二人の年輩のバルセロニスタが練習風景を眺めていた。この70歳前後の年輩夫婦は30m先で練習を開始した一人の選手に視線を合わせている。彼らは立ったままで一人の選手を見ている。北ゴール側ではマドリ選手が練習をしていた。そして彼らが注目していた選手、それはわずか半年前にはブラウグラーナのユニを着ていた選手だった。その名はもちろんルイス・ペセテロ・フィーゴ。彼らが必死になって見つめている選手だ。

突然、年輩の女性の方が旦那さんに向かって話しかける。
「ここにいた選手なんだよ、彼は!ここにさ!」
右手を自分の胸に叩きつけながら彼女は語る。もちろん「ここ」とは彼女の手がいま叩いている彼女の「心」を指すことは明らかだ。そしてもう一方の手は白いユニに身を包んで練習している選手を指していた。これまでカンテラ出身の選手と同じように愛した選手にわけもわからず裏切られた思い。バルサのカピタンマークを彼がつけることを人一倍喜んだ彼女にとって、目の前で起きていることがいまだに信じられないことのようだ。だが試合が開始されると共にそれが現実のことだという思いがはっきりしてきた。そして彼女は40年間カンプノウに通い続けながらも一度もしたことのないことを始めた。一人の選手を大声で非難し、可能な限りの大きなブーイングを。それは試合終了まで続けられることになる。そしてそれから2年、いま再びその男がやって来る。だがバルセロニスタには時間の経過は関係ない。2年だろうが5年だろうが、その選手が存在する限り「思い」はあの日と同じだ。

2年ぶりにカンプノウに戻る感想は?

特別なものはな〜んにもないさ(まず最初のウソ)。いつもの試合前の、ふつ〜の1週間という感じ(二つめ)。特別といえば、水曜日には代表選があるからその意味ではチョット特別かも知れない。バルサとの試合は他の試合と同じように3ポイントを争うだけの試合(早くも三つめだ!)。何の特別な感じはしない。

それでもクラシコは特別なもんだと思いますが。

そう、特別と言えば特別かも知れない。でもバルサに勝っても4ユーロ、じゃない4ポイントは稼げない。あくまで3ポイントを争う試合だよ。

でも2年前のこともありますから。

あれはフットボールという感じじゃなかったね。ああいう異常な雰囲気を生み出したのはメディアの責任だし、今回のクラシコはもう少し静かな雰囲気の中でやりたいね(そりゃ、無理)。

ロナルドにも同じような感じでになると思いますか?

彼はイタリアで何年もプレーしたあとにマドリに来たんだから、自分の場合とは違う。俺はバルサで評価されなかったからマドリに来たんだ。そこをバルセロニスタはわかっていないようだ(わかってるって!)。

そのロナルドがいまだに爆発しませんが。

彼に期待する人々は、かつての彼のイメージが強すぎるんだと思う。時代も違うし、彼もまた長い負傷から戻ってきた選手。ディフェンスの選手を後ろに何人も残しての相手ゴール前に走り込むというプレーは今の時代には難しいことだ。

ナバーロが出場できないことで再びプジョーがマークにつくことになりそうですが。

俺には誰がマークしようが関係ないさ。そんなことはどうでもいいよ(額から油汗が)。


男になれ、オーベル!(02/11/19)

オーベルがクラシコの試合に出場できるかどうか、それはバルサドクターにもわからないし、大学の先生にもわからないし、天文学者にもわからないし、祈祷師にも占い師にも羊飼いにもわからない。今日(19日)の練習に参加しているところをみると体調は戻ってきているようだ。だがクラシコまでにはまだ4日ある。96時間もあるということはオーベルだったら何が起こってもおかしくはない。それは何といてもオーベルだからだ。自宅の階段で転ぶこともあるだろうし、駐車場のシャッターに頭をぶつけて倒れることもあるかも知れない。だが今日の段階では、少なくとも今日19日の段階では試合出場が可能と見られるオーベル。明日はガバというチームとの練習試合にも出場する。
「土曜日の試合は生か死か、そういう試合だ。中途半端な引き分けなんていう結果は我々には存在しない、とボクはおもうんだよね。どうかな?」

彼が出場した場合、左のエストレーモとなるのかインテリオールとなるのか、あるいはカリレーロとなるのか、それはバンガールが現在作成中のバンガールノート次第となる。もしかするとフィーゴとの一対一の対決も生まれるかも知れない。
「フィーゴは何でコーナーキックをけらないんだろうかね。ここはイギリスと違ってグランドと観客席の間には大きなスペースがあるから、ものが投げ込まれても大丈夫なのに。やはり今回も凄いブーイングが起きるとおもうよ。ボクにはブーイングが起きないといいな。90分はプレーできないだろうけれどチョットだけなら全力でやっちゃおうとおもうんだよ。どうかな?」
来年の3月を迎えると30歳になるオーベル。大人としての自覚がいよいよ生まれつつあるようだ。男になれ、オーベル!


相手に合わせるか、バルサとして戦うか(02/11/19)

Angel "Pichi" Alonso
(元バルサ選手・現カタルーニャ代表監督)

フットボールの歴史は我々に一つのことを教えてくれる。11人の選手で構成される一つのチームと、同じように11人の選手で構成されるもう一つのチームが試合をする場合の戦い方には二つの方法があるということを。

一つは、戦う相手のキャラクターに合わせて自らのチームのプランニングをする方法。もう一つは相手が誰であろうと己のチームのキャラクターを優先して戦う方法。つまり自分たちの選手の実力さえ出し切れば相手がどんなチームであろうと関係ないという確固とした自信を表明する戦い方だ。

もちろんビッグクラブと呼ばれるチームは後者の戦い方を選んできている。そして小さいクラブ、リーグ戦が煮つまってくる頃には13位とかあるいは下位争いをするようなチーム、そのようなクラブは前者の方法を選んで戦ってきているのがフットボール界の歴史だ。試合前からすでに優秀さを誇っている相手チームをいかに窮屈に、実力を出し切れないように、ミスをする機会が多くなるように、つまり相手選手をつぶすことにより初めて勝負を挑んでいく方法。これが近代フットボールの歴史が教えてくれたことだった。少なくともスペインリーグでは何年か前まではそうだった。だが最近は少し事情が違う。

経済的な意味での「弱小クラブ」と「ビッグクラブ」という関係図は存在するものの、フットボール的にはその差はほとんどなくなってきているのが最近の実状だ。唯一、その違いが表明される場合はビッグクラブが地元で戦う場合、つまりマドリがベルナベウで、バルサがカンプノウで戦う場合のみその違いを見せることになる。だがそれも毎回のことでもなくなってきている。チームが波に乗り調子がいい場合、そういう機会だけとなるつつある。アウエーの試合ではビッグクラブとはいえ、相手の特徴を封じ込めるようなな戦い方さえするのが見られるようになった。

バルサはこれまで何回かシステムを変えてきている。3−4−2−1、3−4−3、4−3−3、そして最近によく見られる(そしてほとんどのスペインのクラブが起用するシステムである)4−2−3−1というシステムを採用し、これ以外にもバリエーションを含んで変更してきている。いくつかのシステムをこなしきれるということは確かに素晴らしいことだ。それは試合が思ったように運ばない場合に、監督が命じるままにシステムの変更と共に選手が動きだせる能力を持っていることを意味する。つまり応用能力があるということになる。だが、相手の能力や戦い方を毎回のように分析し、その度にシステムを変えるとなると問題は少々違ってくる。アウエーでの試合となったデポルティーボ戦は、まさに両チームの監督による「戦術的」な、ノートブック上の戦い方となったのは記憶に新しい。前半25分でアマビスカに代えてアクーニャを投入し、チャビの封殺をはかったイルレッタの勝利した試合だった。

そしてマドリにはラウル、ロナルド、フィーゴ、ジダーン、ロベルト・カルロスという一人で試合を決めかねない選手たちがいる。相手に合わせて戦うバンガールはこれだけ多いクラック選手にどのような個人マークをつけていくのだろうか。それは非常に興味深いことだ。これだけのスター選手が揃っているマドリが「無敵艦隊」かというと、それはマドリッドメディアだけが取り扱うテーマとなる。実際のマドリは誰もが認めるように理想的な機能を見せていない。ソシエダ戦ではロナルドに大きなブーイングまで起きていることに見られるようにメレンゲも彼らのクラブに満足していない。そしてバルセロニスタはメレンゲ以上に己のクラブに満足していない現状だ。唯一の有利な条件、そう、バルサにとって唯一の明るい材料、それは「歴史」が証明してきたもの以外見あたらない。ここ20年近くカンプノウで勝利の味を噛みしめたことのないマドリを迎えるバルサ。

今回のクラシコに見られる二人の歴史的選手の不在、それはもちろんルイス・エンリケとフェルナンド・イエロだ。あらゆる意味において、チームの重さと同じような彼ら自身の存在の重要さを感じさせる二人のベテラン選手。バンガールはイエロの不在を喜び、デル・ボスケはガッツの不在を祝っていることだろう。イエロの存在はマドリが抱えるクラックグループに大きな影響を与えている。遠征が始まる時からのリーダーであり、試合前の練習でも常にリーダとして存在し、そして試合が始まればグランド内の監督してチームを指揮し、そしてカピタンとして審判にプレッシャーを投げかけるいつものイエロがいないこの試合。ガッツの存在もマドリのイエロのそれに負けないほどの影響力を持つ。バルセロニスタにとっては、今やプジョーと共にバルサの顔となっているガッツの一番の重要性はその攻撃性にある。ゴールを決めるだけの攻撃性ということではなく、周りのおとなしい選手を奮い立たせる彼の攻撃的な魂、そう、その彼の魂がバルサの魂となり火となる。一人の選手の存在がチームそのものを背負ってたつことのできる数少ない選手の一人、それがルイス・エンリケ。今回は観客席のグランドに最も近い場所に座っていることになるであろうガッツ、彼の魂だけでもグランドに送ってもらうことにしよう。


バルサ・マドリ関係、徐々に正常化(02/11/19)

クラシコの試合当日に両クラブ首脳陣が集まっておこなわれる昼食会。これまでの両クラブの100年の歴史の中で比較的関係が良好な時期には定期的におこなわれ、関係がギクシャクした時期には中止となっていた。そしてバルサの会長がガスパーに、マドリの会長がフロレンティーノとなってからというものこの昼食会が復活していた。タヌキ会長ガスパーと紳士ブリッコ腹黒フロレンティーノのお芝居が続いていたわけだ。だが今回のクラシコでは両クラブ会長が昼食会で顔をあわせることはない。二人ともこれまでの異常なまでの仲良しブリッコを止め、正常な関係に戻ろうと努力し始めたからだ。

この正常化への努力をおこなおうというきっかけは何だったのだろうか。まずフロレンティーノはいまだにロナルド獲得問題の時にとったガスパーの態度を許していないことが原因といわれている。モリエンテス獲得をうたったガスパーの行動をまだ疑っているフロレンティーノ。本当はモリエンテス獲得の意思などは最初からなかったのではないか、そう疑っているフロレンティーノだ。

そしてガスパーにとって今までの仮面をとって本来のこしゃくなガスパーに戻ろうとしたきっかけはプジョー問題だ。まずプジョー獲得にマドリがちょっかいを出そうとしたこと、そして12月18日の「世界選抜隠し芸大会」にバルサ首脳陣に何の挨拶もなくプジョー個人に招待状をだしたことだ。まだプジョーが契約更改をする前の話だ。その時期にフロレンティーノ名義でバルサの選手を勝手に呼び出そうとしたことが気に入らない。

両クラブ会長抜きでおこなわる可能性が残っている昼食会だが、いずれにしてもガスパーもフロレンティーノも出席するつもりはない。例の隠し芸大会に招待されたガスパーだがそれにも行く気はない。自分のところの選手、つまりプジョーとサビオラも行かせるつもりはない。さらに来年ベルナベウでおこなわれるクラシコにも彼は行かないと気の早い決意表明をすでにおこなっている。こうして両会長がそれぞれ本来の己をさらけ出すことにより、両クラブの関係は正常に戻りつつある。バルセロニスタもマドリディスタも望まないライバルどおしの安っぽい良好関係、少なくても今回のクラシコをきっかけに関係が正常化への道へと入りつつあるようだ。


ナバーロの悪夢(02/11/19)

フェルナンド・ナバーロの夢であったマドリ戦への出場。バルセロニスタであることではプジョーにも負けないと言い切るこのカンテラ育ちの若者の夢は、もちろんいつかマドリ戦に出場すること。そしてその夢が目の前に迫ってきていた。デポルティーボ戦でマカーイにファールさえしなければ、ロペス・ニエットがイエローカードさえ出さなければ、ナバーロのクラシコスタメン出場は現実のものとなっていた。だがそれは悪夢となった。それでもあのプレーを後悔していないと語るナバーロだ。
「あそこはファールをしてでもマカーイを止めなければならない場面だった。試合前からもちろんイエローカードのことは意識していた。絶対カードはゴメンだとも思っていた。でもあそこでファールをしなければチームに迷惑がかかるし、クラシコに出場する資格もない。だから後悔なんかしていないけれど、やはり悔しい。」

バルセロニスタ・ナバーロはすでにシーズン開始当初から11月23日を特別な日として意識していたという。子供の頃からの夢が叶う日、それが23日だった。あの憎っくきペセテロをバルセロニスタの一人としてマークできる、その思いは空しくも夢となった。だがナバーロのプロ選手としての人生は始まったばかりだ。これから何回もチャンスがやって来るだろう。ここはじっと我慢、我慢のナバーロ。アニモ!ナバーロ!


ガッツは出場不可能(02/11/19)

クラシコまであと5日と迫った昨日月曜日。バルサドクターであるプルーナはすでにガッツのクラシコ出場は不可能という結論をだした。アキレス腱の痛みはだいぶ弱まったものの、クラシコまでに練習する時間がほとんどないため、土曜日に完全に痛みが取れたとしても試合への出場は不可能という結論に達したという。このマドリ戦以外にもチャンピオンズリーグでのレバクーゼンとの試合も休み、来週末のソシエダ戦出場をかけて調節に入る予定。

また心配されていたオーベルマルスとリケルメだが、彼らは99%の確率でクラシコ出場を見込むドクター・プルーナだ。リケルメは予定通り木曜日から本格的な練習に入る。またオーベルマルスはオーベルマルスだからオーベルマルス次第となる。


子供たちが悪さをしないように(02/11/19)

バルサの10人の選手がそれぞれ各国代表チームと合流するために昨日バルセロナをあとにした。だが旅だったのは選手だけではない。彼らが外国の地で何かが起こったときにいつでも「ちょっと、お待ちを!」と飛びだしてくる大人の人たち、つまりクラブ首脳陣が彼らに同行している。

日本に向かったサビオラとボナノたちはすでに帰りの飛行機チケットがわたされている。したがって何事もなければ問題なく木曜日にはバルセロナに戻ってくることができるが、旅行中は常にハプニングがつきものだ。何が彼らの身に起きても常にカバーできるよう、彼らのお供はクラブ首脳陣の一人であるロビーラが務めている。そしてグラナダでおこなわれるスペイン代表の試合に参加するプジョー、メンディエタ、チャビにもお供がつけられた。彼らにはやはりクラブ首脳陣の一人であるアマドール・ベルナベウが同行している。

ではオランダに向かった4人のやんちゃ坊主どもには誰がつくことになるのか。それはバンガールだ。すでに昨日の夜にドイツに飛び立った4人のやんちゃ坊主だが、バンガールはまだバルセロナに残っている。彼のスケジュールによれば試合当日にドイツに向かい試合を観戦したあと強引に彼らにお供しようというもの。こんな重要な時期にパーティー事件などを起こされてはたまらないからだろう。


我々は勝利する!(02/11/18)

リアソールでの敗北にショックを感じているソシオは多い。デポルティーボを敗り好調さを維持してマドリをカンプノウに迎える、それが多くのソシオが望んだことだ。だがそれは実現しなかった。多くのソシオが無念さと不安感を抱いてマドリを迎えることになる。だがバルサの選手たちはそういうソシオにマドリ戦での勝利の約束の言葉を送っている。

デ・ボエルはカタルーニャラジオのインタビューに答えて早くも勝利宣言をしている。
「我々は2−0で勝つことになる。それはもう疑いのない事実なるだろう。今度のクラシコはバルサにとって今シーズン最高の試合ともなることが決まっている。カンプノウに駆けつける10万ソシオに、そして我々は応援してくれる何百万というバルセロニスタに勝利の喜びを与える義務が我々にはある。そして我々は最高の試合をしてマドリを粉砕し、バルセロニスタに果てしない喜びを与えることになるだろう。だがそのためにはゴールを決めなくてはならない。それはデランテロの仕事だ。でも大丈夫、彼らは2点ゴールを決めるのだ。」

プジョーはデ・ボエルほど勇ましくは語らない。常に控えめな我らがプジョー。だがそんな彼でも勝利は間違いないと控えめに語る。
「絶対勝つ!間違いないよ。傲慢さから言っているんじゃないよ、自分は試合前には、そう、すべての試合前には勝利することしか考えていないんだから。もし監督が自分をスタメンに考えてくれるとすれば、その時は一生懸命やることしか考えない。そして次ぎに考えることはひたすら勝利すること、これしかない。スター軍団のマドリを恐れるかって?冗談言っちゃあいけないよ、俺はプジョーだ!」

メンディエタはプジョーに輪をかけて控えめだ。すでに負けたときのことも考えている。
「もし負けるようなことがあればそれは大きな痛手だし、首位との差は開くばかりとなる。だがクラシコという様な感じの試合は普通の試合とは別のもの。普段以上に多くのバルセロニスタが大声で我々を応援してくれるだろう。彼らの力があれば勝利できると思う。」

レイジゲルはオランダ代表として水曜日まで不在となる。ドイツとの親善試合をおこなうが、頭の中にあることはマドリ戦だとはっきりと頼もしいことを言う。
「ドイツ戦で出場することになってもマドリ戦のことを考えながらのものとなるだろうね。非常に特別な試合だし単なる3ポイントを争う試合ではないんだから。勝利すれば、もちろん我々が勝利することになるだろうが、もし勝利すればマドリに与えるダメージは相当大きなものとなるぜ。」


ロマン、水曜日から練習再開(02/11/18)

デポルティーボ戦に出場せず、日本へも行かなかったロマンのリハビリは昨日の日曜日からすでにおこなわれている。練習グランド内ではなくジムやマッサージ室でおこなわれるリハビリは今日月曜日と明日の火曜日にもおこなわれ、水曜日から練習グランドに登場し一人走り込みをおこない木曜日からの合同練習に参加する予定。

リケルメの負傷は先週の金曜日の練習中におこったものだ。シュート練習をおこなっている最中に右足筋肉に痛みを覚えたもので、この時点では翌日のデポルティーボ戦には出場の可能性があった。だが翌日になっても痛みが引かないため一応コルーニャまでは同行したものの、観客席からの試合観戦となっている。この日にはバルサ首脳陣はアルゼンチンフットボール協会に日本戦出場は不可能というファックスを送っている。いずれにしても順調にいけば土曜日のクラシコには間に合う感じだ。


チョット気の早いスタメン予想(02/11/18)

■ポルテロ
基本的にボナノがそのままバルサゴールを守ることになるだろう。彼の最大の敵は長い飛行時間による疲労。日本での試合の疲労の心配はない。そもそも試合に出場することもないかも知れない。したがって旅の疲れだけが彼の問題となっている。

■デフェンサ
クリスタンバール、アンデルソンの長い負傷に続き、ナバーロがカード制裁で出場できないクラシコ。バンガールが4人のディフェンスで戦うことは間違いないだろう。ガブリ、プジョー、デ・ボエル、レイジゲル、この4人をメインとしてコクーやモッタの左ラテラルというアイデアも存在する。いずれにしても個人マークをつけることになるバンガールシステムにあって、誰がどこのポジションを務めるかということはキニエラを当てるようなものだ。

■メディア
中盤の真ん中ピボッテ的なポジションに配置されるのはこれまで通りチャビとコクー。だがこれも個人マーク選手によって変更されてくるだろう。もしガブリやプジョーが地獄までジダーンの影となっていくのであれば、チャビが少し上に上がりコクーが下がり、そしてモッタがディフェンス的な面の仕事をすることになる。中盤の右はメンディエタの絶対のポジション、そして左にはオーベルマルスの体調が良い奇跡的な日が訪れば彼が務めることになる。

■デランテロ
日本行きを中止したリケルメの出場の可能性はほぼ100%と言っていいだろう。ルイス・エンリケの負傷が治ったとしても約1か月にわたって合同練習に参加していないこと、そしてサビオラはボナノと同じように旅の疲れがあるから90分はプレーできないこと、これらのことを考え合わせればリケルメの出場は是が非でも必要なものとなる。バンガールが4−2−3−1というシステムを採用するのであれば彼は3の真ん中に、4−4−2システムであればプンタとしてのクルイベルの後ろに配置されることになる。


マドリとわずか2ポイント差(02/11/18)

エル・レアルがラ・レアルをベルナベウに迎えての試合。昨日はバルサが敗北しているだけに、もしマドリが地元の優位をいかして勝利するようなことがあれば4ポイント差とひろがるというバルセロニスタにも注目の試合だった。マドリ首脳陣は昨日のバルサがとった作戦(軽い負傷中のリケルメをベンチも置かず、観客席に座らせた)をマネしようと、やはり軽い負傷中のジダーンを控えに回すようにデル・ボスケに命令。できればそのままベンチに置いておく作戦だったものの、3ポイントに目がくらみ後半に入りジダーンを投入。だがマドリに勝機は訪れず、地元での引き分けという結果に終わった。

これでバルサとマドリの差はわずか2ポイント。例年通りバルサが勝利をおさめることになると、11月24日の日曜日にはバルサがマドリを1ポイント差で大きく引き離していることになる。


選手不在の両チーム(02/11/18)

今週の水曜日にはいくつかの国際試合が用意されているため、両クラブに在籍する多くの選手が不在となる。
クラシコでの敗北がすでに予定されている白組からは15人の選手が代表に呼ばれている。そしてクラシコでの勝利は歴史的に決まっているバルサと同じように、一番の問題はアジアに派遣される選手たち。日本へはソラーリが、韓国へはブラジルクラブ所属のロナルド、ロベルト・カルロス、フラビオが行くことになる。彼らは木曜日の夜にマドリッドに戻ってくるため練習に参加することになるのは試合前日の金曜日だけだ。
彼ら以外の選手はヨーロッパ内での試合参加となるため、木曜日の練習には参加できる見込み。まずジダーンとマケレレはパリでの試合、ペセテロはリスボンでの試合、カシージャス、サルガド、エルゲラ、ブラーボ、グッティはグラナダで、そしてクラシコには出場の機会もない選手たちだからどうでもいいが、ミニャンブレス、ルーベン、ポルティージョはグアルディックスでアンダー21の試合に召集されている。

一方バルサの方といえば、幸か不幸か負傷人となったリケルメとオーベルマルスは代表の試合にはいかないことになった。しかも彼らは順調にリハビリが進めばクラシコには出場可能と見られている。
サビオラ、ボナノは日曜日の午前中に日本に向かって飛び立ち、木曜日の夜にバルセロナに戻ってくる。またオランダ勢ではクルイベル、レイジゲル、デ・ボエル、コクーが召集され、スペイン勢ではプジョー、メンディエタ、そしてチャビが呼ばれている。アンダー21で呼ばれているビクトルはすでに二部Bでプレーし、ナバーロはカード制裁のため出場できないので関係なし。したがってクラシコに出場可能な選手の中では9人の選手の不在となっての練習がおこなわれることになる。