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5月18日 水曜日
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■1チャンネル(1.8MB) ■2チャンネル(1.6MB) ■3チャンネル(1.7MB) ■4チャンネル(1.5MB) Madrid, cabron, saluda al campeon ! 100万人の人々が埋め尽くした市内を凱旋行進してきた二階建てバスは、10万人のバルセロニスタが待つカンプノウに到着。バスを降りるなりいきなり芝の上を走り回ったのはモッタ、チャビ、ラルソン、そしてオラゲールの四人だった。思わぬハプニングに10万観衆から大拍手が彼らにおくられる。選手にとっても、そしてバルセロニスタにとっても初めて経験するカンプノウでの優勝フィエスタはこうして開始された。 ジョアン・ラポルタ会長が目指す“改革”はフィエスタのシナリオまで行き届いているかのようだ。これまで優勝フィエスタはサン・ジャウメ広場と決まっていた。6千人が入ればギュギュウ詰めとなる広場でのフィエスタは、これまで常に安全対策問題が議論の的となっていた。だが、カンプノウでは10万人の人々が安全対策など必要なしにフィエスタを楽しめる。ラポルタ理事会は一切の伝統にとらわれず、そして伝統主義派の批判にも屈せず、カンプノウを会場に選んだ。もっとも一つの“改革”に、その裏をのぞこうとする人々は常にいるものだ。その裏とは、サン・ジャウメ広場に集まるであろうボイショス・ノイスとの問題を避けたかったのではないか、あるいは、自然発生的におこるであろう“ルセー・コール”を恐れたのではないか、エトセトラ、エトセトラ。だが、本当の理由がどうであれ、初のカンプノウでのフィエスタは大正解という気がする。これまで何回となく見てきたサン・ジャウメ広場でのフィエスタより、今回の方が圧倒的にフィエスタらしかったからだ。 ロナルディーニョ・ガウチョとサムエル・エトー、この二人にはクラック選手ということ以外にも共通していることがある。それはタバコはもちろん一切のアルコールを口にしないこと。それは優勝セレモニーなどのパーティーなどでも例外とならない。みんながシャンペンで乾杯するところを彼らはジュースかコーラだ。だが雰囲気的には大きな違いが感じられる二人でもある。ガウチョにはプレーにも行動にも仕草にも記者会見での発言でも意外性はあるものの大体が明るく健康的であり、そしてどう見てもリーダーシップをとるタイプ。だがエトーはインテリジェンスを持ちながらも同時に危険性を感じる人物であり、集団の一員となることを嫌う一匹黒豹タイプ。タイプ的にはまったく異なる二人だが、どちらにも非常に魅力的だ。 “Madrid, cabron, saluda al campeon !” 間違ってもロナルディーニョの口からこんな言葉はでてこない。カンプノウ10万人観衆を前にしてこんなことを叫べるのは、かつてのウリストかエトーぐらいのものだ。テレビ中継やラジオ中継がおこなわれ、世界各国のメディアが集まっており、10万の観衆に埋め尽くされているカンプノウ、これほど注目されているフィエスタ会場でマイクを通してこんなことを6回も叫んだ選手を知らない。 マドリメディアの予想以上の反撃と批判にビックリしたのか、あるいはクラブからプレッシャーがかかったのか、はたまたそんなこととは関係なく自己批判した結果なのか、いずれにしても彼は翌日に記者会見を開いてマドリソシオに謝罪している。そう、もし悪いことをしたと思ったら反省の姿勢を示すために謝罪する勇気を持つのが正しい生き方だ。遙か昔、レアル・マドリが最後に優勝した時のフィエスタで、グッティとラウルが“ミエルダ!ミエルダ!ミエルダ!”とバルサイムノの最後の“バルサ!バルサ!バルサ!”の部分をもじって叫んでいたが、彼らはついに謝罪などしなかった。素直な心を持つバルサ選手と、やはり素直な気持ち一杯のバルセロニスタは、もし、間違いを犯したと気づいたら謝ってしまう勇気を持っている。誰1人として完璧な人間はいないのだから、己の誤りに気が付いたら謝ってしまおう。 “Madrid, cabron, saluda al campeon !” あ〜、ゴメンなさい!でも、謝りついでにもう一回! “Madrid, cabron, saluda al campeon !” (映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから) |