Pivote(ピボッテ)

支持軸

スペイン用語辞典では「支持軸」という意味の単語として紹介されているが、フットボール的にはやはり「オーケストラの指揮者」と呼びたいポジション。背番号でいえば4番で、なぜかバルサのマシアから生まれる伝統的なポジションとなっている。アモールに始まり、ミージャ、グアルディオラ、ジェラール、チャビ、アルテッタ、そしてイニエスタ。

今スペインで大流行の4−2−3−1システムでは、攻撃的、守備的なものとして二人のピボッテを配置している。バンガールも形は違うが今シーズンは2人のピボッテを起用している。だがこのシステムを極端に嫌うクライフのアイデアはあくまでも1人のピボッテだった。それはなぜか。ディフェンスが4人ではなく3人でじゅうぶんと認識していた彼にとって、ピボッテもまた1人でじゅうぶんだったからだ。攻撃的、守備的、この両方の役割を1人でこなすのがそもそもピボッテ。それをほぼ完璧な形でこなしたのが、完璧というのはクライフにとってという意味だが、グアルディオラだった。相手チームのメディアプンタをしっかりとマークしながら、それでもなお自陣チームの攻撃の軸となる働きをすること、これが本来のピボッテというのがクライフの持論。だがエストレーモの存在が年々少なくなってくるように、このピボッテという概念も減ってきている。