Penalti de Panenka
(ペナルティー・デ・パネンカ)

パネンカのPK

チェコスロバキア人選手パネンカが生み出したPKの蹴り方を言う。バセリーナのPK版と言って良い。助走は普通の走り方でおこなうが、ボールの蹴り方が違う。ボールの下をホンワリとキック。ボールはゆったりとしたスピードでホンワカと円を描いてゴール枠に。キーパーの左右を狙って打つというよりは、キーパーのいる正面に向かって打たれることが多い。タイミングを完全に外されたキーパーは、時として地球と平行になりながらボールがゴール枠に向かっていくのを見るしかない。

1976年ユーロコパの決勝戦、チェコスロバキアとドイツとの戦いでこのペナルティー・デ・パネンカが生まれた。両チームとも無得点のままPKでの勝負となり、チェコスロバキアが優勝を決めた5本目のPKを担当したのがパネンカだった。彼はこの独特のPKを放ち、チェコスロバキアの優勝を決めている。それ以来この名前が付いたという。

もっとも確実性の高いPKの打ち方と言う選手が多くいるが、どこの監督もこのパネンカを嫌うようだ。危険性の高い打ち方と批判する。その一人がデポールのイルレッタ監督で、パネンカを得意とするジャルミーニャとは何回かもめている。だが客観的に見るならば、相手のキーパーが一流であればあるほど成功の確率が高いようだ。動きの鈍いキーパーだとパネンカのスピードとあってしまって簡単にとられてしまうからだ。