スタメン出場から落ちた選手が出番を待ちながら座り続けるところ。当然ながらスペース的に限界があるし、フットボール規約でも人数制限がある場所である。したがって楽観主義的な選手であるならば、まだここで座れるだけでも幸せに思うだろう。ここにも呼ばれず観客席に追いやられる選手もいるのだから。このバンキージョの中に入れる人数はこれまで何回となく変更されてきている。現在の収容許可人員は最高で１３人。監督、コーチ、クラブ現場責任者、ドクター、マッサージ師、道具係、そして７人の待ちぼうけ侍。

決して明るい場ではないバンキージョを一人明るくした選手がいた。バルサカンテラ出身でいつかは一部チームでプレーすることを夢見ていたレイナだ。セラ・フェレール監督によってデビューを飾ったものの、期待された活躍ができないままビジャレアルに移籍させられた。グランド内よりはバンキージョのスターだったレイナ、いつかは戻ってくるチャンスがあるかも知れない。ゴールが入るたびに真っ先に飛び出す彼の姿が見られないのは、彼がゴールを守っている姿を見られない以上に寂しいことだ。