Chilena(チレーナ)

オーバーヘッドキック

世の中が逆さまになって初めてゴールとなる、なかなかお目にかかれないスペクタクルなシュート。だがこのスタイルのシュートが有名となったのは今から百年も昔のことのようで、フットボールの歴史そのものと言ってもいいようだ。またチレーナという言い方と別に、Cuchara(クチャーラ)スプーンと言ったり、Tijera(ティヘーラ)はさみ、と言うこともある。

20世紀の初めにチリ人のラモン・ウンサガという選手が初めてこのスタイルのシュートを試したと記録書にある。タルカウアーノというグランドで初めてこのゴールを決め、南米中で話題になった。スペインにこのチレーナが登場したのはやはりチリのクラブであるコロコロが遠征に来た1927年。コロコロのデランテロであるスビアブレという選手がチレーナを決めスペインでも話題となった。

我々バルセロニスタにとって忘れられないのは、リーグ最終戦のカンプノウで見せたリバルドのチレーナだろう。まだセニョール・ジョー選手のいたころのバジャドリ戦でもリバルドはチレーナのゴールを決めているが、あれはいかにもショー的なチレーナだった。だがバレンシア戦でのそれは”それっきゃない”という感じの本物チレーナだった。