Balon(バロン)

ボール

ボールを示す単語はいくつかあるがバロンがもっとも一般的だろう。Pelota(ペロータ)という単語も多く使われるし、少し気取った言い方でEsferico(エスフェリコ)という単語を使う実況アナウンサーもいる。だがBalon de oro(バロン・デ・オロ)という年間を通しての最優秀選手を讃える賞の名前からしてもバロンが一番適切か。

フットボール世界がシーズンごとに超ビジネス化されてきているご時世で、このバロンもその傾向から自由とはならないようだ。ユニフォームにドルサール(背番号)と選手名を入れることでユニフォームの商品化が一気に爆発したように、バロンの商品化もシーズンごとに進んでいる。これまで、例えばスペインリーグでは、シーズンごとにバロンを変えることなど考えられなかったことだが、ここ何年かシーズンごとにバロンメーカーやバロンデザインも変わってきている。ユニフォームが毎シーズン同じでは売り行きに限界が来るように、バロンもまたシーズンことに新しくさせていかないと売れ行きが伸びないということだろう。

フットボール界においてマーケティングがいかに重要な位置を占めようと、フットボールファンが望むもの、それはどこのバロンメーカーが良いか、どういうデザインが良いかということではなく、バロン自体が走り回る試合を観戦できるかどうかということだ。バロンが絶妙なスピードで走り瞬時のうちにパッパッパッと選手間を走り回っていくフットボール、そういう試合を観戦することはとてつもなく楽しい。