Derbi(デルビー)

ダービー

単語尾の“y”が“i”に変わっているだけで、英語のderbyから来た外来語であることは一目瞭然。したがってこの単語の起源発祥地であるイングランドフットボール事典から何を意味するのか学ばなければならない。

まだフットボールというスポーツが誕生してから間もない19世紀後半、バーミンガムから北東に50km程度行ったところにあるダービー市には二つのライバルチームがあったらしい。そして、この二つの強烈なライバル意識を持ったチーム同士が試合をおこなうときに使われたのが最初だという。ダービー戦、つまりダービー市から生まれた単語ということになる。もっとも、フットボール発生よりずっと以前の競馬からのもので、ダービー卿の名に由来するという説もある。

町の名前か、人の名前かいずれにしても、この単語が誕生した起源に忠実であるとするなら、同じ市内にある二つのライバルチーム同士の戦いをデルビーと呼ばなければならない。が、スペインメディアは応用の広い感じでの使い方をしている。例えば同じ市内に本拠地を置くチーム同士の試合であるマドリ対At.マドリ、ベティス対セビージャ、あるいはバルサ対エスパニョールの試合をデルビーと呼ぶのは当然としても、市が異なるデポルティーボ対セルタやビルバオ対ソシエダー、あるいはバルサ対マドリの試合をデルビーと呼ぶこともある。だが単語の起源に忠実であるとするならば、これらの試合は別の言葉で呼ぶのが正しいだろう。そう、Clasico(クラシコ)、この言葉の方が似合う。

クラシコという呼び方はラテンアメリカフットボールから来ている。強烈なライバル意識と長い歴史を持つ二つのチームが戦いを繰り広げる試合、それを彼らはクラシコと呼んできている。ここ何年か、この単語もスペインメディアで使われるようになってきた。最近ではバルサ対マドリ戦をデルビーではなくクラシコと呼ぶことが多い。