Che!(チェッ!)

チェッ!

バレンシアの本拠地メスタージャ、バレンシア、そしてバレンシアニスタを指す古くからある愛称でありながら、残念ながらChe(チェ)という言葉の起源を説明しているものを見たことがない。単語自体はスペイン語アカデミア辞典に載っている。チェという単語にビックリマークをつけたChe!、これを「人や動物を呼ぶときに出される音」として説明している。つまり名前のわからない人を呼んだり、動物の注意を引きつけたりするときに出される音。スペインの町を歩いているとよく「プス!プス!プス!」という音で人を呼んだりする風景に出会った経験を持った人がいると思うが、それの一種だと思えばいい。

メスタージャでフットボール観戦をすると、地元の人が「!Che Collons!」(チェッ、コローンス)と叫んでいるのを耳にすることがある。バレンシア語はほとんどカタラン語と同じと言っていいが、これをカステジャーノにほどよく訳すと「!No jodamos!」というような感じとなる。これは正確な日本語にはならないものの「バカにすんな!」というようなニュアンスだと思えばいいだろう。

ソシオであろうがあるまいが、自分のチームに厳しいリーガファン。その中でも最も要求が厳しいのはバレンシアニスタと言われている。ろくな笛を吹かない審判にはもちろん、自分の愛するチームが思うように機能しないとなるとクラブ会長や監督、そして選手個人にまで批判が飛ぶ。ここ何年か調子良く来ているバレンシアでありながら、一度下降線をたどるとメスタージャでのチェ!の音が再び花開くことになるかも知れない。