Carles Puyol Saforcada
プジョー


前半戦での各選手総括(上)
(08/02/08)

プジョー
シこれまでのすべてのシーズンと同じように、エリート界における一人のプロ選手としての見本のような存在。それは100%の力を出し切っての練習態度や、常に集中力をもってのぞむプレー態度で確認することができる。だが、務めるポジションがセントラルであれラテラルであれ、明らかに下降ラインをたどっていることは否定できない。それが年齢的なものによるフィジカルの低下からなのか、あるいはメンタル的に疲労しているのか、そこら辺はわからないものの、今まで“コンクリート壁”であったものが“レンガ壁”になったようであり、そして走力も劣ってきているのがはっきりとわかる。それでもリーグ戦後半の逆襲劇には欠かせない選手であることも確か。

「こちらカピタン」より


カピタン復帰!
(07/10/02)

1にプジョー、2にデコ、3、4、5、6、7がなくて8も9もない。それがバルサのカピタン。

クラブが語る公式カピタンは、プジョーを筆頭としてロナルディーニョ、チャビの3人となっている。だが、ロナルディーニョは“行為”そのものからして、カピタンには相応しくないのは明らかだ。例えば、昨シーズンのすべてをかけたエスパニョール相手のカンプノウ最終戦。彼がカンプノウに姿をあらわさなかったという“行為”を見るだけで、カピタンとしては失格としていいだろう。自宅でテレビ観戦していたというが、カピタンとして失格というだけではなく、チームを構成する一人の選手としてもいただけない。もう一人の公式カピタン・チャビは、キャラクター的にカピタンには向いないと昔から思っている。カピタンとしての原則の一つは、体に熱い血が流れていること。冷めたミルクティーが体に流れているようなイメージを受けるチャビには、その意味で不似合いとなる。

ビルバオ戦、リヨン戦、セビージャ戦、そしてサラゴサ戦という地元での試合。プジョー不在のこれらの試合で、文字通りリーダーとなったのはデコだった。試合開始5分ぐらい前におこなわれる円陣でも、叱咤激励していたのは常にデコであり、審判の笛が鳴り試合終了を告げられた瞬間、ベンチに帰ろうとする選手たちに大声をだして呼び戻し、ファンに対して挨拶のセレモニーをさせていたのもデコだった。トコトコとベンチに戻ろうとしていたチャビが何と小さく見えたことか。やはり、プジョーの次のカピタンはデコしかいない。

そしていま、第一カピタンが戻ってきた。4か月のリハビリが必要と医師に診断された彼は、予想どおり期間を短縮して3か月で戻ってきた。1週間の夏休みをとっただけで、多いときで一日7時間のリハビリ運動をしていたという彼は、レバンテ戦後半から出場。それまでカピタンマークを付けていたチャビが自らそれをプジョーに渡しているが、これこそミルクティー・チャビならではのほんのりとした彼らしいシーンと言える。45分間、可もなく不可もなくプレーし、復帰第一戦を無事クリアー。これまでの“非公式”カピタンであるデコに代わって、公式カピタンが戻ってきたことになる。

「久しぶりに戻ってきたロッカールームはどうだった?」
復帰してきた翌日の記者会見で、一人のジャーナリストがプジョーに質問する。
「久しぶり?この3か月、ロッカールームから、つまり仲間から離れたことは一度足りとしてない。」
そう、負傷していようが何かの理由でベンチに下げられようが、カピタンは常に仲間と一緒だ。そして多くの人々が関心を示しているであろう、ラテラルというポジションでのプレーの可能性についても語っている。
「ラテラルのポジションに戻ることは、これまで考えたこともない。だが、状況がそれを必要とするのであれば、もちろん何の問題もない。試合に出られるのであれば、例えそれがポルテロであろうとどこであろうと、自分にとってポジション問題など二の次だ。」

サンブロッタの負傷で、ライカーの頭の中に誕生したプジョーラテラル起用プランだが、トゥレ・ヤヤの負傷でとりあえず闇の中へと消えていってしまった。少なくともシュトゥッツガルド戦ではあり得ないだろう。それでもいつか、彼がラテラルとしてプレーする日もやって来る。スペイン代表右セントラル・プジョー、メキシコ代表右セントラル・皇帝マルケス、アルゼンチン代表左セントラル・ミリート、そしてフランス代表左セントラル・アビダル、世界を代表するこのデフェンサ4人が、それぞれセントラルと左右ラテラルに別れて、いつの日かバルサの最強デフェンサを構成する日があるかも知れない。

「こちらカピタン」より