Albert Jorquera
ジョルケラ

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ジョルケラの夢がかなった日 その2
(04/01/23)

ジョルケラは他のバルサの選手と試合開始2時間前にカンプノウに到着している。この時点で彼はまだバルサ一部デビューするとはまだ知らない。ジムでガブリと一緒にバスケットの真似事をして体を温めている時にフラン・ライカーが通りかかり、「お前が今日のポルテロだ」と言いながら止まりもせずに立ち去った瞬間に初めてスタメンであることを知った。
「試合直前だったから緊張する時間もなかった。」
そう語るアルベルト・ジョルケル。24歳にして初の一部デビューが可能となった。

彼のデビュー戦となったビルバオとの試合の前日、バルサBはミニエスタディでパラモスとの試合をおこなっている。ジョルケラはこの試合に招集されてはいたものの、すでにビルバオ戦にも招集されていることを告げられていた。バルサBの監督は普段はスタメン選手である彼を、この試合では控え選手にしてベンチにおいている。そして試合終了後、他のバルサ選手が試合前日に泊まるホテルに向かった。ラモン・ロス、セルヒオ・ガルシアも一緒だ。
「ホテルで同室になったのはオラゲール。二人とも明日の試合にスタメンで出るかも知れない、そんな冗談を言って笑いあっていたんだ。まさかそれが現実となるとは。」

ビクトルの突然の試合欠場と外国人選手問題が重なったため彼のスタメンとなったビルバオ戦。誰もが緊張するであろうデビュー戦で5回の決定的なゴールチャンスを無効にする働きをしている。だが、それでも彼は地に足がついている大人の選手だ。この活躍が次の試合での出場を約束してくれないことも知っている。
「ビクトルの体調が元に戻ればバルサのポルテロも元に戻る、そんなことはわかっているさ。来週から自分は再びバルサBのポルテロとしてプレーすることになるだろし、ミニエスタディでこれまでどおり一生懸命やるだけ。そして再びチャンスがやって来るのを待つことになる。それでも昨日の自分と違うことは、一つの大きな夢を実現させることができたことだ。バルサ一部選手としてカンプノウでデビューを飾るというドデカイ夢がね。21歳の時にセウタというクラブにレンタルさせられた時には、もう二度とバルサに戻ってこれるとは思わなかった。まして一部でデビューできるなんて想像もできない状況だった。それがいつかまたバルサBでプレーするようになり、気がつけば一部デビューだ。一つの夢が実現されたけれど、次は正ポルテロとして長いことバルサ一部でプレーすること。これを誰が不可能と言える?そう、人生なんかほんのチョット先のこともわからないと思うよ」

デビュー戦の次の試合となった国王杯サラゴサ戦、ジョルケラはやはり招集さえされなかった。

「カンテラ 明日のキラキラ星」より


ジョルケラの夢がかなった日 その1
(03/08/01)

ボナノ、エンケが抜けるバルサのポルテロだが、ルストゥ、ビクトルに続いて第三のポルテロとしてジョルケラが彼らの後ろに付くことになる。第三のポルテロであるからして誰かが負傷しない限りベンチ入りはできないため、普段はバルサBでプレーすることになるジョルケラだが、それでも彼の夢が実現することが可能となった。一部のチームでプレーすることだ。しかもその試合はヨーロッパ現チャンピオンのミランとの対戦で実現した。

ジローナという街で24年前に生まれたアルベルト・ジョルケラ。後半に入ってから出場し、セルジーニョ、シェブチェンコ、レドンドなどの強烈なシュートをくい止めたヒーローは試合後に次のように興奮しながら語る。
「早く家に帰ってビデオでシュートシーンを見てみたいもんだ。シェブチェンコとは一対一になって運良くボールが足に当たってくれた。シルビーニョのシュートは距離があったので的確に反応できたと思う。一番難しかったのはレドンドのシュートかな。あれは自分でもよく反応できたと思っている。」

プレステージの試合であるから出場機会が可能となっていると冷静に現状分析しているジョルケラ。だがそれでももし出場の継続性が与えられればそれにじゅうぶん応えられる自信はあるという。
「最終的には自分のプレー場所はバルサBだということはわかっているつもりだ。それでもせっかくやってきたチャンスをものにできれば最高だね。毎日の練習は120%の意欲でやっている。バルサカンテラとして一部チームでプレーするのはやはり夢、それもドデカイ夢だからね。自分がその夢をかなえらたことは、個人的な喜びもさることながら後輩たちの夢の一部にもなるんだ。そういう意味も含めてこのデビューは本当に嬉しかった。」

「カンテラ 明日のキラキラ星」より


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち
(03/07/16)

■アルベルト・ジョルケラ
・1979年3月3日
・ベスカノ出身
・183cm、78kg
・1994年バルサ入団
・ポルテロ

ここわずか3、4年の間でマシア育ちのポルテロが3人も一部デビューを果たしている。アルナウ、レイナ、そしてビクトル。そして彼らを追うのがバルサBでポルテロをしているアルベルト・ジョルケラだ。彼はルストゥ、ビクトルに続いて3番目のポルテロとして練習は一部チームと一緒に、試合はバルサBでというスケジュールになっている。

14歳でマシアに入寮した彼はガブリと大の仲良し。18歳になって寮を出ることになり、彼はガブリと一緒に市内にアパートを借りて住んでいる。この“怪しい”関係の二人は、いまだに一緒に住んでいる。

これまで常にレイナとビクトルの影となっていた彼にチャンスがやって来る。レイナはバルサを離れ、ビクトルは一部チームに招集されるようになり、バルサBのスタメンポルテロとして活躍の場を確保できるようになったのが昨シーズン。多くのプレッシャーがかかりながらもジョルケルはビクトルの抜けた穴を見事に埋める。その彼に、今シーズンは第三ポルテロとしてチャンスが与えられようとしている。
「まさかアメリカ遠征に呼ばれるなんて思いもしなかった。自分としてはルストゥやビクトルの控えだろうがなんだろうが全然気にしない。どんな形であれチャンスがやってきたんだ。これをものにしなくては。」

「カンテラ 明日のキラキラ星」より