ガブリ、リハビリ第二巻

モッタの手術を担当したアメリカ人医師リチャード・ステッドマン氏を選ぶか、あるいはジュリーのすすめるフランス人医師にするか、二つに一つであったはずのガブリ手術担当医師。その理由はメディアがうるさい地元バルセロナを離れて、まったく別世界のところで手術後のリハビリをおこないたかったからだ。だからガブリはアメリカにまだいるモッタと毎日のように連絡をとっていた。どんな環境で、どんな風にリハビリをおこない、どんな生活をしているのか、それを知るためだ。

だが彼が最終的に選んだ医師はラモン・クガット氏だった。エスパニョール医師団の最高権威である医者に彼のヒザの運命を任せようという結論に達した。この2週間にわたって悩みに悩んだ末の結論だった。

ガブリは「最も信頼できそうな医者だから」としかその理由を説明していない。だが、メディアに対しては公言していないものの、グアルディオラの助言があった可能性は十分にあるだろう。彼もまたかつてバルサ医師団の反対を押し切ってラモン・クガット氏に手術をしてもらった経験があるからだ。そう言えば、グアルディオラのヒザの負傷治療も不可解なことが多かった。今のバルサ医師団とはまったくメンバーが違うものの、彼らのアイデアのもとに各種医療器具を使ってのリハビリが長期間にわたっておこなわれたにもかかわらずまったく良くならず、最終的に彼一人の判断でラモン・クガット氏に手術を担当してもらい、結果的にそれが功を奏して完治した経験を持つ。

今度の日曜日には1日8時間のリハビリをおこなっているモッタがバルセロナに戻ってくる。そして早ければその翌日、ガブリの手術がおこなわれることになる。手術してからリハビリ期間が半年必要なガブリ、彼もまた1日8時間のリハビリ組メンバーとなる。(2004/10/17


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