ホセ・モウリーニョ元通訳現監督の巻

彼は気になる人だ。単純に気になる人だ。チャンピオンズの次の対戦相手の監督であること以上に、彼のこれまでの経歴自体がまさに興味を呼ぶ。ロブソンの通訳としてバルサにやって来て何だか知らないうちにコーチでもあるらしいことがわかり、そして気がついてみればロブソンが去ったあともバンガールの通訳兼コーチとなっていた。その人が今ではかなり有名な監督であり最も高給取りの監督となっているらしい。不思議、とっても不思議。バルサで見た彼は試合後の記者会見場で監督の隣に座り難しい顔をして通訳をしていた人であり、そしてベンチでも監督の隣に座っていた人であり、さらに選手交代の時には監督の要請を通訳して選手に伝える人だった。

チェルシーとの対戦が決まったことにより、あちこちで彼の特集が組まれている。フムフム、なかなか勉強家だわい。どこかのクラブの監督をしていたお父さんの影響を受けて育った子供である彼は、14歳の頃からお父さんクラブと対戦する相手チームの情報収集役をやらされていたという。大学でスポーツ学を専攻した彼はフトボールそのものについて勉強するためにイングランドに渡る。ポルトガル語には翻訳されていない多くの書物があるイングランド。そこで毎日のように図書館に通い詰めフットボール学を学ぶモウリーニョ。もちろん英語も堪能だからして、ロブソンがスポルティング・デ・リスボアの監督に就任したときに通訳として働くことになる。その後、ロブソンと一緒にクライフなきバルサにやって来て同じ仕事をするのだが、コーチ業というものも含まれることになる。そしてロブソンが去ったあとも新たにやって来たバンガールの信頼を得て、やはり通訳兼コーチとして残る。タイプの違う二人の監督から勉強家モウリーニョは多くのことを学んだようだ。

「バンガールからは規律、ロブソンからは自由」
一言でそう語るモウリーニョ。今回のバルサとの対戦での敗北からもきっと何かを学んでいくのだろう・・・うん。
(2004/12/22


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