ミケール・アルテッタ選手の巻

13歳の時にマシア寮入りした正真正銘のバルサカンテラ育ち。しかもカデッテカテゴリー、フベニルカテゴリーで順調に育っていった彼は可能な限りのタイトルを獲得している。それぞれのカテゴリーでスペインチャンピオンとなったばかりではなく、スペインアンダー16ではヨーロッパチャンピオンにまでなっている。文字通り将来を期待されたキラキラ星選手だった。

だが、幸か不幸か、そう、まさに幸か不幸かという言葉がピッタシという感じの二つの状況の中に生きることになるアルテッタだ。それは彼の前にグアルディオラとチャビという選手がおり、彼の後ろにはアンドレ・イニエスタという将来を期待される大物少年がいたこと。幸という意味で言えば、彼はこの二人の先輩から多くのものを学ぶことができたこと。不幸という意味で言えば、グアルディオーラという現在の選手と、チャビとイニエスタという将来有望な選手がいたことだ。

だからこそ、彼がバルサBでプレーしているときにフランスのPSGの監督をしていたルイス・フェルナンデスからレンタルの要請があった時にも、バルサ側はノーとは言わなかった。まだ18歳であるし外国のリーグで経験を積ませることは決してマイナスなことではなかっったからだ。だが一度クラブを離れてしまうと余程のことがない限り戻って来れないという、これまで多くの選手が経験してきたことを彼もまた経験することになる。セルティックやレアル・ソシエダなどを転々としながら、この冬からはイングランドのエバートンでプレーしている。

バルサより一足早くチェルシーと対戦したアルテッタ。
「守備が非常に固いチームという感じ。それでも我々(彼はバルサをいまだにこう呼ぶ)に勝機は十分あると思う。」
もうじき23歳となるアルテッタ。まだまだ“我々”のチームに戻ってくる可能性は残っている。難しいけれど、可能性は常にある。バルサのユニを着たアルテッタを再び見てみたい。
(2005/02/17


 目次