[ 夕刊ムンド・デポルティーボ ](4/24/18:00)
より優れたチームの敗北!

1961年、ベルナでおこなわれたコパ・デ・ヨーロッパ決勝戦でのバルサの敗北を思わせるような昨日の試合。別名「ゴールポストによる敗北」と呼ばれたあの試合を思い出す。20本のシュート、2本のゴールポスト直撃のシュート、マドリキーパー・セサーによる5回のファインセーブ。1972年のワールドカップでヨハン・クライフを頭とするオランダ代表はドイツ代表より圧倒的に素晴らしい試合を展開した。だが優勝への門を開いたのはドイツ代表だった。そう、フットボールの勝利は獲得したゴール数で決まる。幸運の女神が付き添ったレアル・マドリは、チャンピオンズ決勝戦へ一歩近づく幸運のゴールを2つバルサから奪い勝利した。

■ゴールが・・・ゴールが入らない
守備的な作戦と多くのバルセロニスタから批判を浴び続けてきたレシャックが、昨日は今シーズン最高の攻撃的な試合をおこなった。だが一つだけ変わらないかったもの、それはゴール獲得能力の欠如だった。

選手たちの動きは素晴らしいものだった。レシャックが目指した戦い方は、本来のバルサがしなければならない戦い方だった。ひたすら攻撃的で魅力あふれるバルサ、プレッシャーで相手選手を追いつめボールを中盤で奪う闘争心あふれるバルサ、そして当然のことながらボールを支配し続けるバルサ。だが今シーズンのバルサに欠けているもの、それは「最後の決定力」。この試合にもそれがでないまま試合が終了する。

セラ・フェレールのフットボールにはゴール獲得の問題はそれほどなかった。問題は多すぎる失点だった。レシャックのそれは失点には問題がない。問題はゴールを奪うことだ。この試合でもその「特徴」はいかんなく発揮されていた。8回の決定的なチャンスがありながらも、枠の中に入れられる選手がいない。これが今年のバルサだ。

■そして再びガッツ・エンリケ
再び昨日の試合で、戦いの精神としてのシンボルとなったルイス・エンリケ。今シーズンのバルサに欠けていたものの一つ、戦いの精神はルイス・エンリケの復帰と共に戻ってきている。レシャックはチャビやリバルドの欠場という事態を前にして、中盤を「戦闘者」たちで固める。モッタを偽の守備要員として左サイドバック付近に配置し、ロッケンバック、コクー、ルイス・エンリケで中盤を形成させる。彼らの恐るべき運動量によりマドリは中盤を抑えようとしながらも、逆にバルサの選手にボールを奪われるはめになった。

モッタの働きはあくまでも偽のディフェンスであった。したがって実際のバルサのディフェンスは3人。レシャックにしては危険を承知でおこなった、勇気ある作戦だった。ディフェンスの数の少なさは当然、攻撃フットボールを目指してのものだった。ここ20年近くバルサの特徴として語られる「攻撃フットボール」、それが昨日バルサの目指したもの。それは当然ながら危険を伴うものでもあった。危険を承知でおこなった作戦にそれなりの報償がないことほど悲しい話はない。だが昨日のバルサにはいっさいの報償がなかった。悲しいサン・ジョルディの日となった。

■ベルナベウでの奇跡
バルサが10人となっているときのジダーンのゴール。そして何よりも犯罪的な、ガブリのミスによるマクマナマンのゴール。この2得点がいったい何人のディフェンスで自陣ゴールを守っていたかわからないマドリに与えられた報償。得点だけをとってみればこれほど納得できない試合も珍しいだろう。だがそれが今バルサの抱えている現実でもある。

誰も夢を見ることができるように、奇跡を信じることもまた自由だ。グラスゴーへの道、それは今や「奇跡の道」となってしまった。バルサの選手が奇跡を信じようと、あるいはオランダ人特有のクールさで奇跡なんぞは信じないとしても、いずれにしてもバルサの選手はタオルを投げる時ではない。まだ90分の栄光への可能性が秘められた時間が残っている。しかもバルサがやることはカンプノウでの試合と同じように明らかだ、この試合に疑いはいっさいないだろう。再び攻撃、攻撃、そして攻撃あるのみ。そしてマドリより少なくても2点、できれば3点差をつけて勝利すること。「最後の決定力」を欠いてきたチームには少々荷が重すぎるかも知れない。だがフットボールの世界に不可能はない。そして奇跡がよくおこるのもフットボールの世界だ。


[ 夕刊ムンド・デポルティーボ ](4/24/18:00)
ガスパーの胸をよぎるものは何だったのか

試合が終了し人々は急いでカンプノウを離れ、家路を急いでいる。貴賓席に集まったVIPたちもそれぞれ挨拶してカンプノウをあとにしていた。だが貴賓席には一人だけ立ち上がったまま動かない人物がいた。グランドを一心に見つめ心を落ちつかせようとしているのか、あるいは試合の反省をしているのか、はたまたマドリの悪口をブツブツと独り言いっていたのか、それは誰にもわからない。わかっているのはその人物がガスパーであったということだけだ。

もう関係者が一人もいなくなったところで記者たちに囲まれたガスパー。彼はすでに普段のガスパーに戻っていた。
「今日我々がカンプノウで見たものは、フットボールがいかに不公平なものかということだ。だが我々は決して同情を引くことはしたくないし、することもないだろう。我々は勝利者の精神でベルナベウに向かう。彼らに可能だったもの、つまりカンプノウで2得点をあげたことが可能ならば、我々にだってベルナベウで2点や3点を入れることも可能なのだ。選手たちは非常によくやったと思う。試合開始から審判が終了の笛を吹くまでの間、常にゴールの可能性を追求していたし、勝利への道を探していた。この姿勢こそ試合前にワタシが彼らに望んだことだった。そしてもちろんベルナベウでも同じような姿勢でプレーし続けて欲しいと思う。」

さらにバルセロニスタ中のバルセロニスタであるガスパーが、その本領発揮とも言える超楽観的なコメントをおこなう。
「いいかい、もし我々が30秒以内に2点を獲得したら、ほぼ90分にわたって3点目を追求する時間があるんだ。もしそうでもなったら我々の決勝戦進出は決まったようなもんだ。確かに多くの人が言うようにカンプノウでの敗北は我々にとって痛い。とてつもなく心が痛む。だが我々は将来のことを見つめなければならない。これまで何回も2点差というハンディーをひっくり返してきたバルサだ。ワタシは信じている。」

そしてフロレンティーノがバルサの試合を賞賛していたことを聞き、それに答えるガスパー。
「勝ったときに負けた相手を誉めるのは簡単なことさ。ワタシにもできる。来週はワタシがマドリのことを誉める番になるだろう。」


[ 夕刊ムンド・デポルティーボ ](4/24/18:00)
各関係者のコメント

●フロレンティーノ
レアル・マドリの会長フロレンティーノ・ペレスは政治家らしく、試合後も慎重なコメントを残している。
「もしこれで終わったと思った人物がいたらそれは明らかに間違いだろう。バルサは必ずベルナベウで必死に戦ってくるはずだ。彼らが本気になって戦ってきたらこれほど恐いチームもないと思う。今日の試合を見るまでもなく、ヨーロッパの中でも最大の2チームによって争っている準決勝だ。まだまだ先はわからない。それにしても今日のバルサは良い試合をしていたと思う。カンプノウの雰囲気は素晴らしいものだったし、ガスパー会長の態度も立派だった。だが我々の勝利がツキによるものと思っている人がいたらそれも間違いだろう。我々は天下のレアル・マドリなんだからね。はっはっは。」

●バン・ガール
バルセロナの近郊シッチェスに住むバン・ガールはソシオの一人として試合ごとにカンプノウに姿を見せている、昨日の試合ももちろん例外ではなかった。
「バルサは非常に良い試合をした。私は素晴らしい試合だと思うよ。だが残念なことにフットボールは点を入れないと勝てないんだ、知っていたかね君? うん、知っていたか、いいジャーナリストだ。つまり今日の試合の勝負を分けたのはチャンスをものにできたか、できなかったかということなんだ。私のフィロソフィーわかる?]

●ルイス・エンリケ
ラス・パルマス戦でもそうであったように、この試合でもいくつかのゴールチャンスをものにできなかったルイス・エンリケ。
「我々には多くのゴールチャンスがありながら、一つもものにできなかったのに比べ、彼らは最初のゴールチャンスで1点を奪った。しかも我々が10人でプレーしている最悪の瞬間に彼らにチャンスがやってきたんだ。まったくついているヤツらだぜ。オレ達は敵地に乗り込んで最後の審判の笛が吹かれるまで希望を失っちゃいけない。死んだ気になってマドリに乗り込むんだ。そして彼らが今日持っていた半分ぐらいのツキがあればオレ達が決勝戦にいけるだろう。ちくしょう! それにしても悔しいぜ!」


[ 朝刊エスポーツ ](4/24/14:00)
そんなバカな!

リーグ戦の試合において、約20年間カンプノウでは勝利できなかったレアル・マドリがその歴史の幕を閉じた。もっとも勝利に値しない試合で、その歴史を葬ったのだ。ジダーンとマクマナマンのゴールはバルサを完全に沈めてしまった。だが我々はまだベルナベウでの試合が残っている。新たな歴史を作るにはこれ以上の場所もないだろう。まだ前半の90分が終わっただけだ。

■ほぼ最高のバルサだったが・・・
昨日のバルサの選手のプレーを批判することはできないであろう。多分、今シーズン最高のプレーをしたバルサ。ボールを支配し、頭は常に相手ゴールをむいていたバルサ。ボールに生命を注ぎ込み、勝利の魂を一人一人持って戦った90分。ウイングをうまく使えずボールが真ん中に集まりすぎていた誤りもそれほど批判の対象とすることもないだろう。だがシュートの正確さと幸運の女神を欠いたバルサには、セサーの裏をとることは不可能だった。

前半の45分間、カンプノウに集まった10万バルセロニスタには希望と期待を感じさせる試合展開が続く。攻撃に躍動するバルサの選手の前を塞ぐのは5人のマドリディフェンス。マドリの攻撃陣は決してバルサ陣内に入ることができない。マドリのとってはまさにアウエーでの試合であった。彼らは待ち続けていた。そのうちやって来るであろうチャンスを待ち受けていた。まるでバイエルンのように。

■ほぼ最低のマドリだったが・・・
後半のさらなる攻勢が期待できるとともに、ゴールチャンスを生かせないバルサという印象で終了した前半。誰もが受けた印象は、ゴールはいつかはやってくるであろうというものであった。バルサの選手の動きは決して悪くはない。戦いの精神、勝利へむけた精神がはっきりと伝わってきていた。あのオーベルマルスが必死になってボールを追っていく姿に、この日のバルサは象徴されていた。欠けているのはゴールだけ、もっとも大事なゴールだけだった。

この試合に関して二つの見方がある。スペクタクルを愛するファンとして、期待を裏切らないバルサの試合展開。だがもう一つの冷酷な見方、それはこんなに良い試合をしても点の入らないバルサという意見だ。相手は攻撃を放棄し、自陣内にたてこもるバイエル方式の試合を続けるマドリ、その相手に肝心のゴールが決まらないバルサ。多分、カンプノウにおける今シーズン最高の試合展開を続けるバルサが点をとれない。後半に入って一抹の不安を感じるのは、もしこれだけ攻めても点が入らなかった、体力的に落ちてくる後半には何が待っているのだろうかという不安だった。そしてその不安が不運にも現実となった昨日の試合だった。

■最後の力を振り絞って!
レシャックが試合前に語っていたこの試合に対しての姿勢、それは「死んだ気になっての戦い」。それにウソはなかったバルサだった。必死になってゴールを追求するバルサ、危険を顧みることなくゴールを追求するバルサ、体力の消耗を恐れることなくゴールを追求するバルサ、だがゴールは・・・カウンターアタックに成功したマドリにやって来た。ジダーンがフリーになってのゴールをマドリが獲得する。

だが最大の不幸はロスタイムにやって来た。最後の力を振り絞って、狂ったように攻撃の姿勢をさらに強めるバルサ。その結果、ゴールキーパーとディフェンスの間に空いた大きなスペースを突いてカウンターアタックを試みるマドリ。そしてマクマナマンがゴールを決めた。2点のハンディ戦をベルナベウで戦わなければならないバルサ。だがまだ90分あることも確かなことだ。


[ 朝刊エスポーツ ](4/24/14:00)
ユーロクラシコ試合展開

1.集中力が素晴らしかったバルサ
レアル・マドリ相手にはどのようにして戦わなければならないか、そのアイデアには少しの疑いもなく試合に臨んだバルサ。カルラス・レシャックの計画した戦術は決して批判されるべきものではないだろう。中盤でのバルサ選手によるプレッシャーは、相手選手をバルサ陣内に入らせないことに成功していた。ボール支配は常にバルサが主役であり、マドリの選手は常にボールを追いかける役目にされていた。

2.ルイス・エンリケが期待通りチームの原動力
この試合においても、そしていつも大事な試合ではそうであるように、ルイス・エンリケが再びチーム内の原動力であることを示した試合だった。前半開始早々のゴールチャンスを逃したものの、彼の強烈なキャラクターがチーム内に伝染していく。イエローカードをもらいながらも、決して最後まで逃げ隠れしないでプレッシャーをかけ続けた。だが残念ながら彼には、そしてバルサには、何のプレミアもなく90分が経過した。

3.子供じみたミス
レシャックには交代選手に関する疑いは何もなかったようだ。いやもっと正確に言えば、疑うことも許されない状況だった。ココは負傷が完治しないままベンチに入っていた。したがってレシャックは交代要員として可能だったのはジェオバンニ、クリスタンバール、そしてガブリ。だが彼らの何人かはレシャックの期待に応えたとは残念ながら言えない。特にクリスタンバールの再三にわたる不安定なプレーは選手に、そして観客席に不安感を蔓延させた。

4.効率の悪いシュート
前半のバルサの攻撃に関して言えば、今シーズン最高のものと言ってもいいだろう。明らかに試合を支配し、主導権を握りながらの試合が続く。ゴールチャンスも、それも決定的なゴールチャンスが何回かバルサにい訪れる。クライハートに、ルイス・エンリケにゴールチャンスがやってくる。だがそのシュートの効率の悪さと共に、幸運の女神はこの日のバルサにはやってこなかった。


[ 朝刊エスポーツ ](4/24/14:00)
レシャック「我々の義務と権利がまだ残っている」

これまで何回にもわたって、その消極的な采配を批判されてきたレシャック。だが昨日の試合に限っていえば、彼はしなければならないすべてのことをしたと認めていい。だが結果はでなかった。2点のハンディーを背負ってベルナベウに乗り込まなければならないバルサ。それでもバルセロニスタに喜びを与える義務感と、決勝戦に進出する権利はまだ失ったわけではないと語るレシャック。

「フットボール世界に不可能なことはないと言いながらも、人々にウソをつくような楽観主義を売るつもりもない。この結果により、我々の決勝戦への進出は非常に難しいものになってしまった。だが我々のしなければいけないことが残っている以上、悲壮感にくれる必要もないだろう。我々は最後まで諦めない。」
こう語る試合後のレシャック。試合に負けたことは大きい痛手となったし残念なことだが、彼や選手がしてきたことに後悔はないという。
「勝利を信じていただけにショックだ。前半では我々は素晴らしい試合を展開できた。だが誰の目にも明らかだったように、ゴールの確実性と幸運にも恵まれていなかった。いくら試合を支配していても、マドリのようなチームは一瞬のスキをついてカウンターアタックで攻めてくる。それが典型的な形で起きてしまった。0−1となってからも我々はさらに危険を犯しながらもゴールを狙っていった。危険を犯しすぎだと言う人もいるかも知れないが、2点目の失点は普通では考えられないミスによるもの。常識を逸したミスだ。」

「我々は当初から、マドリがあのような試合をしてくると予想していた。5人のディフェンスをおき、しかもラウールが下がって中盤を5人ぐらいで埋め尽くす形をね。だから我々はプレッシャーを一人一人の選手にかけながら戦う方式を選んだ。後半は我々の選手に疲れが見えてきて、マドリの選手が何回かプレッシャーをかいくぐってカウンターアタックに成功する場面がでてくることになってしまった。だが我々は、可能なすべてのことをやったと自信を持っていいきれる試合だったと思う。」

いまだに義務と権利を残しているというレシャック。彼らが2点をカンプノウでとることができたのならバルサにもその可能性があることを疑わない。
「ベルナベウでの試合では、我々はさらにボール支配率を高くして戦わなければならないと思う。ゴール獲得の女神が少しでも今回の試合よりあれば、じゅうぶんに2点や3点は獲得することができると思う。だがもしそれが不可能となるような試合だったら、そう、少なくてもヨーロッパの中での我々の誇りと自尊心を示した試合にしたい。」


ストイチコフ様のお言葉(4/23/17:45)

俺の体はアメーリカにあるけれど、心はいつも地中海。ルルーン、ルルーン、ルルーン。そして考えることはいつもバルサのこと。ルルーン、ルルーン、ルルーン。グラスゴーのホテルを予約しちゃったよ〜ん! イエイ、イエイ、イエ〜!

そう、もうグラスゴーのホテルを予約してしまったのだ。オレにはペトロフというセルティックでプレーしている友達がいるんだよ〜ん。彼のコネでホテルをとってしまったのだ。だからバルサは今日の試合で決めてくれさえすればいい。メレンゲ菓子を粉々に粉砕し、形の残らないよいにメチャクチャにしてしまえ!

今日はサン・ジョルディの日でカタルーニャの日でバルサの日でバルセロニスタの日なのだ。今シーズンが始まってからバルサに関して言われてきたり書かれてきたりしたことは、今日はすべて忘れてしまおう。そんなものはクソの役にもたたない。ガスパーも副会長のナントカというオッサンたちも、今日だけは静かにしてくれ。新しいプロジェクトだの、新しい監督だの、新しい選手だの、ストイチコフをとろうだの、そんなことはシーズンが終わってからにしてくれ。いや、少なくてもこのユーロクラシコが終わってからにしてもらおう。

今日しゃべることが許されるのは選手だけだ。それもグランドの中で90分にわたって好きなだけしゃべってもらおう。根性と闘争心と気力と誇りと自尊心、そんなものをすべてひとまとめにしてグランドの中でしゃべってもらおう。

オレの作戦を聞いてくれ。まず試合開始1分からイエロを挑発してやるんだ。あのヒジテツナンデモイエロにヒジテツナンデモやっちゃうんだ。ヤツがリバルドやロナルドにかつてやってきたことを、そのままやり返してやろう。背中を見せちゃあいけないよ。敵に背中なんかみせちゃあいけないんだ。それじゃあフィーゴ・エンエン・ペセタセタ・ドルドルと同じレベルになっちゃうからね。相手が土俵を用意してくれるなら、その土俵で戦ってやろうじゃないかい。選手控え室からグランドに続く通路でもう戦いは始まってるんだ。ここで何をしようが何をくっちゃべろうがカードはでない。ヤツをここから挑発するんだ。頼んだぜ、ガッツン・ロッケンバック。

オレのソシオへの頼みも聞いてくれ。今日は持ってるすべてのバルサグッズを持ってってくれんかな。もうバルセロナは暑いかもしれないけれど、マフラーから帽子からすべての可能なものを。それでバルサ武装して観客席で試合開始前から応援して欲しいんだ。10万ソシオがやる気になればバルサに不可能なことがないということを首都のヤツらに見せてやって欲しいんだ。今のバルサが気に入らないヤツもいるかも知れないけれど、バルサというクラブはすべてを越えたところにあるって言うじゃねえか。だからチョット選手が失敗したってブーイングっちゃいけないよ。それはダメだ。それは自分のクラブと心中するようなもんだ。バルサは死んじゃあいけない。どんなことがあってもマドリのヤツらだけに怒鳴り散らしてやろうよ。フィーゴ・エンエン・ペセタセタ・ドルドルがいなくたってそんなことはどうでもいい。ヤツらはカンプノウでは21世紀も決して勝てないことを思い知らせてやろう。

ついでにレシャックや選手にも一言いっちゃおう。攻撃の精神あるのみ、これでいこうぜ今日は。ヤツラのディフェンスなんて子供だましみたいなもんだ。ガッツ、今日はお前が主役にならなくちゃいけない。サビオラ、今日はゴールチャンスがたくさんあるぞ。オーベル、今日は男気を見せてサルガードを喰ってしまえ。

今日は2−0、あるいは1−0という結果でじゅうぶんだろう。もちろん6点ぐらい入れるつもりでやらなければいけない。そして次はグラスゴーだ。オレ達ドリームチームのメンバーは揃って見に行くよ、決勝戦を。さあ、あと3時間でスペクタクルが始まる。バモス、バモス、バモス、バルサバルサバールサ!


●メンバー予想(FC Barcelona)(4/23/13:00)

■控え選手
13.レイナ
17.クリスタンバール
18.ガブリ
22.ジェオバンニ
28.モッタ

■カード制裁
 6.チャビ

■負傷中
 4.アンデルソン
10.リバルド
12.セルジ
14.ジェラール
19.ダニ
24.プジョール


●メンバー予想(Real Madrid)(4/23/13:00)

■控え選手
 1.カシージャス
 8.マクマナマン
11.サビオ
15.ジェレミ
16.ファービオ
18.カランカ
23.ムニティス

■負傷中
 9.モリエンテス

■自主退場
 7.フィーゴ


チャンピオンズファイナルは明日(4/22/22:00)

正直に言おう。少なくとも我々の周りにいるバルセロニスタにとって、あるいは多くのバルセロニスタにとって、フットボールの情熱はレアル・マドリの存在なくしてあり得ないということを。バルセロニズムにとって栄光の夜としてあったかつてのゴーテルボルグとの試合やディナモ・デ・キエフとの試合、あるいは最近のチェルシー戦やパナシナイコス戦での勝利の喜びは、メレンゲの歴史的な敗北の試合の時に感じるものと同じものであった。

サン・シロでおこなわれたミラン・マドリ戦を覚えていないバルセロニスタはいないだろう。トヨタカップで入れたパレルモの2点も忘れられない。あるいはトレド相手に敗北した国王杯の試合も頭の中に記憶としてしっかりと収まったいるかも知れない。

だからバルサの成功とメレンゲの失敗が重なりでもしたら、それこそ大変なことになる。それが証明されたのがクライフ時代に、2年連続してリーグ戦最終試合でマドリを押しのけて優勝した年だった。マドリは最終戦2年連続してテネリフェと当たり敗れ、バルサは最終戦をカンプノウで勝利し優勝した。どんな名作の映画でも作りきれないシナリオのもとの、ドラマチックな逆転優勝。

したがって我々一般のバルセロニスタにとって直接対決でマドリを敗ることはシーズンを奪取するにも等しいことだ。クライフが選手としての1年目のベルナベウにおける0−5の試合。フランキズムがまだまだ世の中を覆っている時代の、カタルーニャにとっては栄光の勝利だった。この勝利がバルサの100年の歴史において、ウエンブリーでのヨーロッパ制覇をも上まわっていることを理解するにはそれほど難しいことでもないだろう。

明日のユーロクラシコは、そういった意味でここ何十年間での最もパッションにあふれた試合となる。世界中に散らばっているバルセロニスタにとってまさに「世紀の試合」となるだろう。選手たちは心配しないでグランドに向かえばよい。これまでにない、そう、これまでの代々のクラシコ以上の応援が君たちを包むことになるだろうから。試合開始から審判が終了の笛を吹くまで、10万バルセロニスタの魂の応援が君たちを包む。

だから5月15日のグラスゴーで対戦するチームには、本とバラの花でもあげよう。もし望むなら試合もあげてもいい。マンチェスターだろうがリバクーセンだろうがそんなことはどうでもいい。決勝戦の相手なんかどこでもいいのだ。我々は準決勝でマドリとあたるのだから。

そう、バルセロニスタはこのように変な人種だ。多分、カタルーニャ以外のところから見れば我々は変人としてうつるだろう。だが我々の今の楽しみは試合後のフロレンティーノがどのような顔をして公衆の前に現れるかということなんだ。好むと好まずに関わらずこのような典型的なバルセロニスタは今、最大のパッションを向かえようとしている。


バルサにも可能性はある(4/22/20:00)

歴史的な試合まであと24時間を待つだけとなった。なぜ歴史的な試合か、それはフットボールの歴史においてバルサ・マドリ戦以上に刺激的なものはあまり存在しないし、ましてヨーロッパチャンピオンをかけた準決勝での対戦ともなれば、これに優るものはこの両チームにおける決勝戦しかないからだ。

これまでおこなわれてきたフットボール関係者の予想は明らかにマドリ有利となっている。2戦目を地元で戦えるほんのチョットした有利さだけを考えてみてもマドリが有望だ。ましてバルサのこれまでのイレギュラーな試合展開を見ることでもその予想は的を得ている。リーグ戦ではマドリは首位を争っているクラブであるのに比べ、我々は4位以内を目標としている。しかもマドリはバルサに比べれば重要な欠場選手の数が少ないときている。週末の試合ではマドリは勝利し、バルサは敗北した。これだけのマドリ優位の材料が揃っているのだからこの予想は妥当だと思われてもしょうがない。だが果たしてそうだろうか。我々にはまったく勝利の望みがないというのだろうか。否、否である。

リバルドとプジョーを欠きチャビも出られない試合となっているが、バルサはそれを補う選手層を持っていることを忘れてはならない。相手がレアル・マドリだろうがカンプノウで圧倒的に勝利する可能性を秘めた選手層を持っていることを忘れてはならない。バルサに比べてはるかに選手能力が衰える選手たちによって構成されているクラブ、例えばラス・パルマス、サラゴサ、ベティス、バレンシア、エスパニョール、バジャドリ、ビルバオなどのチームはジダーンを筆頭とするスター軍団に敗れていないのだ。しかも地元ベルナベウでさえ、マラガやセルタ、ベティス、バジャドリに勝利できなかったレアル・マドリ相手だ。

これらのチームが毎週にわたってバルサに所属する選手を起用できるとするならば、クラブ会長はじめ監督も両手をあげて喜ぶだろう。レシャックはそれだけの選手を抱えているのだ。だから我々は信じて良い、このバルサの選手層は間違いなく超一流のものであることを。多くの予想を裏切ることができる内容のある選手をレシャックは所有していることを忘れてはならない。そしてそれを知っているのは奇しくもマドリなのだ。彼らはこの圧倒的にマドリ有利の前評判があるにも関わらず、やけに慎重なコメントをしてきている、ルイス・フィーゴは試合前にすでに逃亡してしまっている。デル・ボスケはベルナベウで勝負が決まると語っている。そう、マドリはわかっているのだ、バルサは強敵であるということを。それを知っているからこそ、そしてそれを感じているからこそ、カンプノウでの試合を恐れているのだ。


レシャック、監督就任以来最大の試合(4/22/17:00)

24時間後にバルサ・マドリのユーロクラシコが幕開けとなる。言うまでもなく、昨シーズン終了間際に監督の座についたレシャックにとって最大の試合となることは間違いない。
「両チームのこれまでの成績やチーム状況などはこの試合には何の参考にもならないだろう。これは『唯一』の試合だ。確かに毎年おこなわれるクラシコはそれぞれの試合に歴史があり、一試合一試合違ったものになるけれど、これはユーロクラシコなんだ。ただでさえ騒がれるクラシコにユーロがついてるドデカイ試合となるだろう。」

この準決勝に勝ち残るキーポイントは明日の試合でマドリに点をとらせないことだとはっきり言いきるレシャック。
「我々がどのくらいのゴールを決められるかということと同じように大事なのは彼らに得点をさせないことだ。3−1で勝利したとしても、むこうで彼らは2−0でいいわけだから決して良い勝利とはいえない。2−0とか3−0で勝てるような試合展開をしないといけないだろう。」

そしてこの試合でもう一つキーポイントとなるのはカンプノウに集まるバルセロニスタの役目だという。
「バルセロニスタに最後の力を振り絞っての応援を期待したい。マドリに対する可能な限りのプレッシャーを与えることが勝利する大事な要素でもある。10万バルセロニスタが大歓声をおくれば選手にしても動きが違ってくるだろう。これまでのカンプノウでの大事な試合でそれは既に証明されている。」

・・・・・・・・・・

そしてこのコメント(21日)をしてから24時間後(22日)のレシャックの語ることは、驚くほどトーンが上がっている。明日の試合は「人生で最大の試合」とまで言い切っているレシャックだ。試合前日となった今日の練習後におこなわれた記者会見。

最終的にプジョーにも奇跡が起こらず明日の試合には欠場と決まったバルサだが、それでもリバルド、プジョーの穴を埋める選手層があるから大丈夫と言う。そして明日の試合は自分の人生の中で最も大事な試合となるだろうと語るレシャック。
「ウエンブリーでの決勝戦より大事な試合かも知れない。あの試合はサブコーチという立場でもあったし、相手はサンプドリアというチームだった。だが我々が明日戦う相手はレアル・マドリであり、これを境にし一つの歴史が生まれる試合ともなる。勝利すればそのクラブの歴史の中に黄金の文字で残ることになるだろうし、もし負ければクラブ歴史書のなかに鉛筆で書かれることになる。」

彼にとって最も重要な試合であると同時に、両クラブにとってもここ何十年間での最も大切な試合でもあろうと予測する。そしてこの壮絶な戦いを勝利するためには死んだ気で戦わなければならないとハッパをかけるレシャック。
「もし可能なら自分が出たい試合だ。監督しているよりプレーしている方が楽だし、勝利するためには自分でゴールを決めればいいんだからね。ベンチからはゴールは決まらない。魚を素手で捕まえたかったら、テメエのケツを濡らす覚悟で水に浸かって取りにいかなければいけないように、栄光を手に入れるためにはガムシャラにそれこそ死んだ気で戦わなければならない。」

リバルド、プジョーが最終的に欠場になったことに関して語る。
「今シーズンに関して言えば、これまでリバルドは何回も欠場している。大事な選手であることには変わりないが、それでもどうにかなってきた。彼が出られないといっても10人で戦うわけではなく、彼の代わりに誰か出場するわけで特別な心配はしていない。またプジョーも今回は出場できないが、ベルナベウでは間違いないようなので安心。」


ガスパー、選手を信頼(4/22/17:00)

この大事な時期に来て多くの負傷選手を抱えているバルサ。ガスパーももちろん無関心ではいられない。昨日、練習場にも顔を出したガスパーはレシャックにチーム状況はどうなっているのか質問している。
「レシャックは落ち着き払っていた。彼の態度を見る限り、心配していた負傷選手のことも大丈夫のような気がしてきた。彼らの代わりに出場する選手たちが一生懸命やってくれるだろう。我々はそれだけの厚い選手層をもっているのだから。しかもすべての選手がこの試合の重大性を認識していることも間違いのないところだ。」

セルタ戦での敗北という厳しい状況をむかえているバルサではあるが、そんなことはこの試合には関係ないというガスパー。
「あの試合が影響を及ぼすことは絶対ないだろう。彼らはプロの選手であるし、相手はマドリなんだからね。これでやる気が起こらない選手などバルサにはいない。」

そして宿敵マドリに関してガスパーは次のように語る。
「彼らは今、危機を向かえようとしている。100周年のバカ騒ぎをしているにも関わらず、何のタイトルもとれない可能性がでてきているからね。彼らは非常に神経質になってカンプノウにやって来るだろう。」


バルサ、16人の選手で(4/22/15:00)

カルラス・レシャックが明日のマドリ戦にむけた選手の召集メンバーを発表した。予想された通りリバルドとプジョーは呼ばれていない。チャビもカード制裁で出場できない。だが前回のセルタ戦と違い3人の新しい選手が呼ばれている。クライハート、コクー、そしてココだ。

ゲンザイボナノ、ミライレイナ
アディオスレイジンハー、ピッザココ、ナニワナクトモアベラルド、アディオスデブー、ドウゾウクリスタンバール、
バンノウコクー、ガッツエンリケ、ガッツンロッケンバック、ドトウガブリ、ナントナクモッタ
トキドキクライハート、アーメンジェオバンニ、コネッホサビオラ、ズッコケオーベルマルス


各監督のご意見(4/22/14:00)

■ジュップ・ヘインケス(ビルバオ) マドリが有利
かつてマドリの監督を務めたヘインケスにとって、どちらが有利かと聞かれれば当然マドリとなる。
「確かに予想することは難しいながらも、ベルナベウで2戦目を戦えるマドリが若干有利だろう。このての試合によくある延長戦やPK戦にもつれ込んだ場合、当然ながら地元で戦っているチームが有利になる。カンプノウで試合を決めることは難しいだろう。いずれにしてもベルナベウで最終的に決まる試合となりそう。もちろんバルサにだってチャンスはある。偉大なクラブだからね。」

■マルコス・アロンソ(サラゴサ) バルサに勝って欲しい
マラドーナやシュステルなどと一緒にプレーしたかつてのバルサの選手。選手として最高の時代を送ったバルサに勝って欲しいと願う。
「もちろんどちらかを選べと言われればバルサに決まっている。もし現役選手に戻れるなら、どんなに金を払ってでもバルサのユニを着て出たい試合だね。難しい試合になることは間違いないだろう。正直言ってマドリが勝ってもおかしくないし、バルサが勝ってももちろん不思議じゃない。決勝戦じゃないのが残念だと思うよ。」

■ホアキン・ペイロ(マラガ) マドリが有利
ベテラン監督のペイロ。フィーゴがカンプノウに出場しないのがマドリ有利になるのではないかと予想する。
「この試合はヨーロッパの中で数多くおこなわれる試合の中でも最高のカードだろう。ヨーロッパチャンピオンをかけての準決勝でバルサとマドリが当たるんだからね。やはりベルナベウで2戦目を戦えるマドリが有利というところか。今シーズンは調子の悪いフィーゴをカンプノウで使わなくていいのもマドリにとっては好材料だと思う。」

■ハビエル・イルレッタ(デポール) 最後までわからない
ベルナベウでの試合での最後の最後の瞬間に決まるのではないかと予想するイルレッタ。
「スペクタクルな試合というよりは、お互いの執念がぶつかり合う激しい試合となるだろうね。クラシコを見ていてもわかるけれど、派手な試合にはならないことが多い。いがみ合いが180分間続く試合展開となるのがじゅうぶん予想される。個人的にはベルナベウにもつれ込んでの、最後の最後の瞬間のゴールでどちらかが勝つような試合になると思う。」

■グレゴリオ・マンサーノ(ラージョ) 予想は不可能
このような試合の予想をするのは不可能であり、もしキニエラがあるとすれば絶対やらないと語るマンサーノ博士。
「2戦目を地元で戦う有利さというのはあるだろうが、それもわずかなもの。予想なんかできるわけがない。あたかもコインを空中に投げて表がでるか裏が出るか当てるようなもの。こういう試合によく起こることはつまらないミスがきっかけのゴールとか、個人技でのゴールという場合が多い。この試合も結局はクラックの個人技で決まるような気がする。」

■ハビエル・クレメンテ(テネリフェ) 50%、50%
言いたい放題が彼の売り物であるにも関わらず、慎重な発言をするクレメンテだ。
「どっちが勝ってもおかしくないから50%の確率と言っておこう。バルサは偉大なクラブだしそれに見合う選手が揃っている。マドリにしても同じだろう。この試合はヨーロッパのビッグクラブの中でもさらにビッグなクラブ同士による戦いだ。スペインだけではなく、ヨーロッパの中での最大の試合と言っていいだろう。」

■ペペ・モレ(バジャドリ) もっともスペクタクルな試合
地味なカタラン人であり監督であるモレ。彼もはっきりとした予想はしないがどちらのクラブが勝ち抜いてもおかしくないと言う。
「マドリはここまで何となく順調に来ているチーム。一方バルサは上り調子と言っていいだろう。それでなくてもどちらも素晴らしいクラブなんだから、どちらが有利ということはできない。いずれにしてもこれでスペインのチームが決勝戦にいけるんだから、めでたいことだ。」

■ホタ・カパーロス(セビージャ) マドリの方が良い選手が多い
中途半端なことは言わないカバーロス。はっきりと本命はマドリと言い切る嫌なヤツ。
「それはマドリの方が有利だろう。2戦目を地元で戦える優位さがある上に、マドリの選手の方がいいのが揃っている。バルサに勝ち目があるかっていえば、はっきり言ってないだろう。オレは間違いなくマドリが決勝戦に進むと信じている。」

■マネ(アラベス) バルサの方が有利
つい最近、アラベスを率いてカンプノウやって来たマネはバルサを有利と見る正しい人。
「ここ最近のバルサの戦い方を見ている限り、バルサの方が有利だと思う。確かに誰もが言うように、本命のチームがどちらかと言い切れるほどの差は両チームにはないだろう。だがゴールを奪う能力に関して言えば、バルサの方が圧倒的に上だと思う。」

■フアンデ・ラモス(ベティス) 何が起きても不思議ではない
かつてバルサBの監督をしていたとき、チームを2部Aから2部Bへのカテゴリーに落としたファンデ・ラモス。その借りも返していないくせに、バルサ有利とは見ない。
「バルサとマドリの試合、しかもチャンピオンズの準決勝の試合、こんな試合の予想なんか不可能だ。どちらが勝っても納得するし、どちらが負けても納得。」

■ラファ・ベニテス(バレンシア) マドリが疲れ切ることを期待
マドリのカンテラの監督を長いことしていたベニテスだが、彼はマドリ有利とは見ない。そんなことより、マドリの選手がひたすら疲れ切ることを望んでいる。
「バレンシアの監督としての立場から言えば、唯一興味あることはマドリの選手が精神的にも肉体的にも疲れ切ってくれることを望んでいる。それが我々がリーグ優勝を決めるのに優位に働くことになるだろうからね。」

■ビクトール・フェルナンデス(セルタ) 50%の確率
今シーズン限りでセルタの監督を辞める可能性が大のビクトール・フェルナンデス。マドリやバルサの監督になる可能性もじゅうぶんある彼は、どちらにもおべっかいを使う。
「はっきり言って50%の確率。また有利と前評判の高いクラブが負けることが多いチャンピオンズの試合だ。確率が50%である限り、どちらが残っても不思議ではない。」


Andres Frisk という審判(4/22/14:00)

いよいよ明日に迫った世紀の大試合ユーロクラシコ、カンプノウでの第1戦を吹くのは、Andres Frisk 、スウェーデン人39歳。韓国・日本のワールドカップでも笛を吹くことになっているベテラン審判。バルサの試合は現在まで6回受け持っており、3勝1敗2分けのまずまずの成績。一番新しいところでは今シーズンのチャンピオンズ1次リーグの第1試合、0-3でフェネルバッチェを下した試合。唯一負けたのは99-98のCLでのバイエルン戦の1-0。カンプノウでの試合は2回あり1勝1分け負け知らず。

1995-96 バルサ - PSV(2-2)
  UEFAカップ
1996-97 フロレンティーナ - バルサ(0-2)
  レコパ(カップ・ウィナーズ・カップ)
1997-98 PSV - バルサ(2-2)
  チャンピオンズリーグ
1998-99 バイエルン - バルサ(1-0)
  チャンピオンズリーグ
1999-00 バルサ - チェルシー(5-1)
  チャンピオンズリーグ
2001-02 フェネルバッチェ - バルサ(0-3)
  チャンピオンズリーグ

一方、マドリもこの審判とは4試合で3勝1敗とそれほど相性は悪くないが、3勝はすべて地元ベルナベウ、唯一アウェーでの1試合、キエフ戦(98-99チャンピオンズ)は0-2で惨敗。ちなみに明日の試合はカンプノウで、マドリにとってはアウェー。


リバルド100%、プジョー99%、カンプノウ欠場!(4/21/23:00)

ユーロクラシコ出場をかけての最後の精密検査の結果は、当初の予想通り否定的なものとなってしまった。この日、アスペーヨ・デ・サンクガットで18時30分からおこなわれた検査でリバルドは100%出場不可能、プジョーは99%の可能性でやはり不可能とされた。

リバルドは、出場できるためのすべての必要な医学的な処置(痛み止めなど)を要求したが、それはバルサドクターによって拒否された。危険が大きすぎるという理由だ。したがって彼は5月1日のベルナベウでの試合に出場できるように調節に入ることになった。

またプジョーは、筋肉の筋を痛めたためもし無理を承知で出場した場合、大怪我にいたる可能性があるとドクターは99%無理な状態と判断。ドクター・プルーナは「医学的な見地から言えば出場することは不可能。だがプジョーのことだから100%不可能とは言えない。もし出場することができたらそれは奇跡と呼んでいい。」


バルセロナオリンピック以来の報道体制(4/21/22:00)

ユーロクラシコがスペクタクルなのはバルサとマドリの直接対決による試合だけではない。その試合にむけた報道体制も異常な規模のものとなっている。かつてバルセロナで史上最大の報道体制がひかれたのは10年前の1992年、バルセロナオリンピックの時だった。だが明後日の試合はそれを越える規模のものとなりそうだ。

この試合の中継を担当するのはスペイン国営放送のTVE。カタルーニャ地方局の協力を得て中継体制にはいることになる。このテレビ中継に関わるスタッフは何と110人の専門家。カメラは24台を用意している。外国への中継はいまのところ60か国が予定されている。

カタルーニャ地方の放送ではカタラン語でも中継されるが、そのアナウンスを担当するチャビ・ディアスは語る。
「これまで国王杯の決勝戦、リーグでの大事な試合、ユーロカップ、ワールドカップ、そしてウエンブリーでの決勝戦も担当してきたが、個人的にはこれまでのすべてを上まわる大事な試合となりそうだ。」

バルセロナでは試合前日の月曜日から各局で特別番組が組まれている。また、カタルーニャの地方局であるTV3は独自に試合前・試合後の特別番組を組んでおり、当日のランブラス通りや街の様子、カンプノウ付近の模様などを午前中から放映する。


レアル・マドリ、召集メンバー決定(4/21/22:00)

今日は午前中の軽いランニング程度の練習メニューをこなしたジダーンとソラーリだが、明後日の試合の召集メンバーに加われた。いずれにしても試合まで48時間ありその間にどれだけの回復が見られるか、それ次第で試合出場するかどうかが決められる。有給休暇ととったフィーゴと昨日の試合で負傷したモリエンテスは居残り組となる。

さて、負け試合にわざわざ飛行機に乗ってやってくるマドリメンバーは次の20人。

若輩カシージャス、老練セサー、元会長娘婿サルガード、韋駄天ロベカル、元モンジュイク山男エルゲラ、ヒジテツトビゲリナンデモイエロ、大道玉芸人ジダーン、アディオスマクマナマン、アディオスムニティス、アディオスフラービオ、女たらしグッティ、指輪と結婚ラウール、アディオスサビオ、アディオスカンポ、アディオスジェレミ、アディオスカランカ、アディオスセラーデス、タダノ新人パボン、お気に入りソラーリ、ジダーン友人マケレレ。


ココ、クライハート、コクー、ほぼOK!(4/21/19:00)

バルサの選手に休む時間はない。昨日の試合が終わり夜中にバルセロナに到着した選手たちは今日も練習だ。だがビーゴから帰ってきた選手たちがマシアの練習場に集合すると、そこにはココ、クライハートの元気な姿があった。

レシャックにとって非常に明るいニュースだ。ココ、クライハートのユーロクラシコの出場はほぼ間違いない。しかもコクーも熱が下がり試合には間に合いそうな雰囲気となっている。

またプジョーとリバルドの精密検査は今日の18時30分におこなわれる。


この敗北はマドリ戦には影響を与えない!(4/21/17:00)

最後まで勝利を信じての戦いを続けた昨日の試合だが、結果は否定的なものになってしまった。だが試合後の選手のモラルは決しておちてはいない。もう彼らの心は明後日のユーロクラシコにある。

昨日はキャプテンを務めたアベラルド。多くの選手がこの敗戦はマドリ戦には影響を与えないと語っているが、彼ももちろんその一人だ・
「どんな試合であろうが、負けるというのは不愉快なものさ。そしてこの敗戦も気分が悪い。だがそんなものを引きずっている時間はオレ達にはない。もう明後日には重要な、とてつもなく重要な試合が待ってるんだからね。もうオレの頭の中のチップはマドリ戦に切り替えてある。」

レイジンハーがアベラルドのあとを続けて語る。
「残念な敗戦だけど、こんなことはすぐ忘れなくては。もちろんマドリ戦に影響があるなんて誰も思ってやしないよ。もうみんなの頭の中はマドリ戦に切り替わっていると思う。」

セルタ戦の敗戦以上に、バルサ選手が抱える暗いニュース。それはプジョーとリバルドの負傷だ。ルイス・エンリケはそのことを非常に気にしている。
「彼らの欠場は大きな問題となってやってくるだろう。特にプジョーの負傷は思いがけないことだった。まあ間違いなく彼は出場できないだろうな。リバルドに関しては、我々はすでに彼の抱えている問題がわかっていたから今さら驚くことでもない。いずれにしても、そう、誰がマドリ戦に出場することになっても、カンプノウで決着をつけなくてはならないだろうな。」

途中で交代させられたサビオラは、彼にとって昨日の試合は決して満足できるものではなかったことを正直に認めている。
「昨日の試合はへんな感じだった。自分のポジションがよくつかめなかったし、おまけに何人ものディフェンスに囲まれてしまって何にもできなかった。監督が僕を代えたのはそういう理由からだろう。でも次のマドリ戦は絶対に違うものにしてやる。」


マドリにも多くの問題が(4/21/17:00)

最下位をさまようテネリフェ相手にアップアップ状態で勝利したマドリだが、彼らもまたユーロクラシコにむけ多くの問題を抱えている。ルイス・フィーゴは自主的にカンプノウへの道を閉ざしたが、昨日の試合ではモリエンテスが出場不可能となった。

試合前半で右足の筋肉を痛めたモリエンテスは25分には早くも交代している。彼はこの負傷により、火曜日のユーロクラシコへの出場は不可能とすでにマドリ・ドクターによって発表されている。彼の代わりに登場するであろう選手は昨日と同じようにグッティとなるだろう。

さらに昨日の試合ではジダーンがベンチにも入っていなかった。デル・ボスケは火曜日のバルサ戦に備えて休ませたと言っているが、ジダーンの出場も完璧な形のものとはならないようだ。今日の精密検査で最終的な決断が下されるが、彼の出場は90%の確率でOK。だがもちろん欠場となる可能性がまったくないわけではない。またソラーリの負傷も頭の痛い問題。だが彼も完璧ではないものの、バルサ戦には出場できるものと見られる。

火曜日のカンプノウでの試合には有給休暇を申告した弱虫フィーゴは、昨日の試合でも相変わらず良いところなく終わっている。
「火曜日の試合より重大のなのは決勝戦だ・・・エーンエンエン。カンプノウの試合は我が家でゆっくり見るよ・・・ペセータセタセタ。大丈夫、我々天下のレアル・マドリが間違いなく勝つ・・・ユーロユロユロ。体の調子は万全とはいいないが、止まることはできない・・・ドールドルドル。」


リバルドの精神で戦おう!(4/21/14:30)

暗いニュースが多かった昨日のセルタ戦。だがリバルドが決めたゴールが試合結果には影響を与えなかったとしても、その戦いの精神を評価しなければならない。片足を引きずっての根性ゴール。多くの主要メンバーが欠ける可能性のあるバルサにとって必要となる「リバルド精神」だ。

明後日の試合、プジョーもリバルドも出場しない可能性が大だ。チームにパワーと闘争心を植えつけるスーパージョー、そしてゴールの合い言葉ととなる攻撃の最大の主役であるリバルド。昨日の試合でも見せたリバルドのゴールへの執念。それまで足を引きずりながらの辛いプレーを続けてきたリバルドだが、やはりゴールを決めるのは彼だった。

もし彼らがユーロクラシコに出場できないとしても、彼らの「戦いの精神」を他の選手が引き継いでいかなければならない。勝利への執念、今のバルサに必要不可欠な精神。これなくしてユーロクラシコは乗り切れないだろう。

バルサドクターによれば、ほぼ出場が不可能とされているカルラス・プジョー。だが「最終結果は明日さ、まだ何も失っちゃあいない」と試合後に繰り返していたプジョーだ。彼は今まで不可能を可能にしてきた男だ。確かに今日の精密検査を待たなくては、彼の出場絶望とは言い切れないかも知れない。だがもし出場できないのであれば、選手と共に10万バルセロニスタが彼らの精神を引き継いで行こう。90分にわたっての大歓声が絶対に必要な試合なのだから。


レシャックの日がやって来る(4/21/13:00)

サン・ジョルディの日は、毎日のようにやってくる普通の日ではない。しかも去年のサン・ジョルディの日は、それまでのサン・ジョルディの日とも違っていた。ジョアン・ガスパーが緊急記者会見を召集し、まるでスペイン中のメディアが集まったかと思われるほどの雰囲気の中で最初に語ったのが次のような言葉だった。
「会長に就任して以来、今日は最も辛い日となってしまった」

パンプローナでの試合に敗れて、それまでバルサの指揮をとっていたセラ・フェレールが解任された。後任にはカルラス・レシャックとなる。そして彼の最初のインタビューで「4位以内に入ることはそんなに難しいことではないだろう」と語るものの、だがその後に起こることはそれほど単純なことではなかった。このサン・ジョルディの日には5位につけていたバルサは翌シーズンのチャンピオンズへの参加が危ぶまれていたのだ。そしてレシャックの指揮の元の最初の試合、カンプノウでのセルタ戦だった。この試合、無得点のまま引き分けとなり試合終了している。

■再びサン・ジョルディ
それから1年後の今、バルサの状況は1年前と似ているようでまったく違うものとなっている。4月23日、このサン・ジョルディの日に我々はマドリを迎え撃つことになる。しかもユーロクラシコという戦いでヨーロッパチャンピオンをかけての戦いだ。

昨日、まるでレシャックと切っても切り離せない関係でもあるかのようなセルタが、再び主役となってしまった。この敗戦によりバルサは去年と同じように5位となり、再びチャンピオンズ参加にむけて厳しい戦いに挑戦しなければならない。だが昨年と順位が同じであるにも関わらず一つだけ違うこと、それは我々はチャンピオンズ参加へのもう一つの手段を持っていることだ。マドリを粉砕しグラスゴーでの戦いに勝利すれば、自ずとその道が開ける。

■喜びを取り戻そう
昨日の痛々しい敗戦は、もう歴史の彼方に葬ろう。我々は悲観に暮れてる時間もなければ、悔しがっている時間もない。今日の段階でもっとも大事なこと、それは明後日のユーロクラシコに勝利することのみ。多くの毒を含んだこの試合が、レシャックの監督就任1周年を記録する。

彼が監督に就任した日などは、もしかしたら覚えていないかも知れない。監督になってからの最初の記者会見で語った内容も忘れているかも知れない。だが我々ジェーナリストはもちろん記憶している。彼が語ったこと、それは良い内容の試合を心がけること、できればスペクタクルな試合をすること。だが、残念ながらその約束は果たされないまま今日まで来てしまった。彼の基本的なコンセプトは、バルセロニスタに喜びを与えることであったにも関わらず。

■そしてその日がやって来る
そうは言っても、そう、そうは言ってもレシャックは非常に難しいことをシーズン最後の試合でやってのけた。我々は最後の日まで待たなければならなかったとしても、その最後の日に劇的な試合を経験することができた。その喜びを今また再現することを、そのことを誰が不可能だと言えようか。多分、今しかないのだ。明後日のユーロクラシコは実に40年も待たなければ実現しなかったお祭りなのだから。40年前のあの日、我がバルサの選手エバリストがマドリを地獄に陥れた記念すべき日。その再現が不可能とは誰も言い切ることはできない。


プジョー、リバルド、ほぼ出場不可能(4/21/13:00)

昨日の敗戦以上に重大な問題、それはプジョーが負傷し、リバルドが最後まで足を引きずりながら試合を続けなければならなかったことだ。この二人のユーロクラシコへの参加はほぼ絶望的と見られている。

■プジョー
前半に突然のようにベンチに下がったカルラス・プジョー。左足筋肉の痛みを我慢しながらもプレーし続けた彼だが、それ以上は無理だった。さっそく医務室に入りドクター・プルーナの診察が始まる。左足筋が伸び切ってしまっていることから来る痛みだった。これまで何回か奇跡をおこしてきたドクター・プルーナだが、今度の負傷に関しては非常に悲観的だ。
「これまで何回も我々医者の予想を裏切って短い時間で戻ってきたプジョーだが、今回は絶望的といっていいだろう。ユーロクラシコは明後日だからね。時間がほとんどない。残念だがプジョーの出場はないだろう。」

だがプジョーの考えはチョット違う。昨日にしてもほんの少し痛みを覚えたので代えてもらっただけと言う。いずれにしても今日の精密検査次第となるが、プジョーはドクター・プルーナと違い楽観的に考えているようだ。
「チョット痛かっただけなんだけどなぁ。まあ、検査で大丈夫となるんじゃないか。」

■リバルド
完璧でないことは誰もが予想がついたこと。だがブラジル代表で試合に出場できたことが、バルサコーチ陣を楽観的にしていた。しかし昨日のセルタ戦でも足を引きずりながらの試合となる。試合終了間際はほとんど走れない状態だった。ドクター・プルーナは語る。
「右足ヒザの負傷が悪化した状態。ユーロクラシコには絶望的と言っていいだろう。いずれにしても今日の精密検査次第。今の段階では、明後日の試合に重要な二人の選手を失ったというしかない。」


今こそバルセロニズムが一つになって(4/20/19:00)

一昨年の会長選挙の際、ガスパーに惜しくも敗れ会長の座につくことができなかったルイス・バサー。昨シーズン、今シーズンを問わず、厳しくガスパー体制を批判しクラブ内の改革を迫ってきた彼がユーロクラシコを目前としている今、すべてのソシオ、バルセロニスタに団結を呼びかける公開状を発表している。

彼の公開状の基本となるトーンは、クラブ内に存在するすべての問題、個人的な見解の相違、そういったものを一時的に棚上げし、バルセロニズムの総力をあげてクラブを応援していかなければならない、というものだ。
「誰もが知っているように、私はガスパー政権がおこなってきたこれまでのやり方に賛成できないどころか大いに不満を抱いている一人だ。だが我がクラブはすべてのクラブ首脳陣やクラブ関係者を越えたところに位置していることも認識している一人でもある。そして我がクラブの将来を決めることになるユーロクラシコを前にして、今こそバルサというクラブを愛するすべての人々が一つとなりクラブを無条件で応援していかなければならないと思う。」

そしてバサーは個人的にバルセロニスタの一人としてあることに誇りを感じるとして、
「疑いもなく、一点の疑いもなく、サン・ジョルディの日にはバルセロニズムというものがどんなに素晴らしいものであるかということを世界中にアピールすることができるだろう。」
と語る。彼にとって、そしてもちろんバルセロニスタにとって、彼らのクラブに対する無条件の応援が試合に大きな影響を与えると信じている。カンプノウを10万バルセロニスタで埋め尽くし、圧倒的な雰囲気の中でバルサを応援していくことを訴えるバサー。最後に次のような言葉で公開状を閉じている。

「ヨーロッパチャンピオンにむけて、すべてのバルセロニスタが最後の力を振り絞って戦い続ける選手と一つとなる日。それが今年のサン・ジョルディだ。そしてその日、我がクラブのイムノにあるように『グラウンドは大歓声に包まれている』という状態になり続けることを期待したい。」