3月15日



FC.BARCELONA - R.MADRID

21:30 CAMP NOU

この試合のニュースはクラシココーナーへ


    

まるでムッソリーニの時代みたいだ

バルサ・リバプール戦と同じ日におこなわれたローマ・ガラタサライ戦。結果は1−1の引き分けで終わった試合だが、試合後の選手や監督、クラブ関係者によるスキャンダルな「戦争」が、今大きな論争となっている。

■怒りをぶちまけるトルコ側
地試合終了と共に、ガラタサライの選手とローマの選手の間でおこなわれた「取っ組み合い」「つかみ合い」「殴り合い」が、現在関係者の間で大きなスキャンダルとなっている。警察官やガードマンも入り交じってのこの「戦争」は、グランド内でおきた試合中のプレーをめぐってのものであり、審判の試合終了の笛と共に、お互いの選手の不満が一気に爆発したことによって起こったものである。

スキャンダルはクラブ関係者内だけでのものではない。ガラタサライの会長はもちろん、トルコの外務大臣であるイスマイル・セムも試合の翌日に抗議の公式声明をおこなっている。
「我々ガラタサライの選手に加わえられたイタリアの警察官による暴力行為は、まるでムッソリーニの時代のファシスタのそれであった。我々はこの恥ずべき行為に対し、イタリア当局に陳謝を要求すると共に二度とこういう事態がおこらないことを願うものである」

アンカラにあるイタリア大使館やイタリア警察がおこなった事件後の公式表明「残念な事態であります。これから事件の分析をおこないたいと思います」というものも、トルコ人の怒りをおさめるものとはなっていない。昨日一日中、トルコのメディアはローマでおこった「惨事」のビデオを流し続けた。ガラタサライの選手がイタリア警察に追われ殴られているシーンや、ローマのリマ選手が警察官に止められることもなくガラタサライの選手を追いかけているシーンが流される。そして再びトルコの外務大臣はこの「惨事」についての追求をおこなっている。
「このテレビ画面からもわかるように、われわれの選手は試合終了後にローマとイタリア警察官どもに囲まれ、いわれのない暴力を受けている。だがこれは初めてのことではない。ローマではよくあることなのだ。私はムッソリーニの時代のことを言っているのではない。21世紀に入ったローマのことを言っているのだ。そして画面には映されていない事実も告発しなければならない。グランドから控え室に通じる通路では、警察官が我々トルコの選手を一人一人つかまえてパスポート没収の恫喝までしていたのだ。」

そしてガラタサライの会長も強くイタリア警察のおこなった暴挙を告発する。
「信じられない。まったく信じられない行為だ。私の選手たちが床に倒され、その彼らに向かって警察官が暴力を振るっている。これは街頭でデモ隊におこなわれたものではないのだ。フットボールの選手におこなわれたものなのだ。私は自分の目を疑った。これは決して現実の世界におこっていることだとはどうしても信じられなかった」

■イタリア警察の発表
ガラタサライやトルコの外務大臣によるスキャンダルな事件に関する追求に対し、イタリア警察は何らかの公式表明をしなければならない状況に追いつめられていた。
「スタジアムに詰めていた警察官の責任者の報告によれば、彼らは執拗に迫られて実力行使にでなければならなかったようだ。フットボールスタジアムでおこってはならない選手同士の殴り合いを目にした警察官が、それを制止するためにおこなった必要な行為だったと我々は信じている」
この警察官の介入により、イタリア警察官が13人も負傷しているという。しかもイタリア警察によればこのことに関する正式な告発はトルコ側からいっさいだされていないので、イタリア警察としては公式に事実調査をする義務はないとしている。

■UEFA は?
ローマ・ガラタサライ戦を担当した審判アンドレス・フリスクの正式な報告と、テレビ画面に映された「戦争」場面を検討して、UEFAとしてはこの事件に関する処分を決めることになる。処分が可能される対象選手はガラタサライ側に4人、そしてローマ側に2人いるといわれている。ローマ側の選手はバティスツータとリマの二人とわかっているが、ガラタサライ側の選手名は不明だ。だがいずれにしてもUEFAの会合はチャンピオンズリーグの二次予選後となるため、火曜日のバルサ・ガラタサライ戦には関係ないということになる。

       

(写真はエスポーツ紙より)