3月12日



こうすれば勝てる、とロビンソン

元バルサの監督であり、現在ニューキャッスルの監督を務めているボビー・ロブソン。彼は11月20日におこなわれたリバプール対バルサのアンフィールドでの戦いをテレビ観戦していた。そしてこの試合、バルサはスペクタクルな試合を展開し、1−3で勝利している。彼にとってこの試合は、ここ何年間の中で最も素晴らしいものの一つであったという。そして今カンプノウでの試合を控え、リバプールに勝利する秘訣を語る。

1.クラックが今こそ違いを見せるべき
このようなビッグゲームにおいては、お互いのシステムや細かい戦術、そしていくつかのセットプレーの仕方、コーナーキックでの攻撃傾向などは、それぞれ研究しつくされていると言って良いだろう。それは試合前1週間にわたってコーチ陣と選手間で検討されているからだ。したがってここ一番という試合では、なかなかそれぞれのクラブの持ち味が出せない場合が多く見られる。このような状況を破るのがいわゆるクラックと呼ばれる選手だ。ビッグゲームで違いを見せ、試合のバランスを崩すことのできる選手、それがクラック。バルサにはリバルド、クライハート、サビオラとそれらの選手が揃っている。だがリバプールには今回の試合ではオーエンの出場が難しい。

2.ボールのスピードがカギとなる
リバプールがここまで成功を収めてきている理由の一つに、その90分間にわたっての集中力の途切れのなさがあるだろう。彼らはいかなるハンディー戦となろうと試合を投げたりしない歴史的な傾向のあるチーム。まして明日の試合はリバプールには引き分けが許されない試合となっている。したがって彼らのモチベーションは普段以上のものがあるだろう。ボールを所持していようがいまいが走りまくり、プレッシャーをかけ、ディフェンスが上がったり下がったり90分間にわたって動き続けるはずだ。それを無効にするバルサの唯一の方法、それはボールのスピードを早くすることだろう。リバプールの選手にテクニックはあまり望めない。プレッシャーを避ける方法は、ボールのスピードにある。

3.リバプールのデランテーロに注意
オーエンの出場がほぼ絶望的な今、リバプールが所有する武器はハスキーとなる。身体能力の高いこのイギリス代表の選手は、高さにも強いし、肉体的疲れを知らない選手でもある。スピードもあるこの選手をどのように無効にするかがバルサディフェンスのキーポイントとなるだろう。もしリバプールが先制した場合、彼らのディフェンスの固さは昨シーズンのカンプノウでの試合で証明されている。バルサはハスキーを封じ込めたうえで、先制点を獲得しなければならない。

4.中盤を征するものが勝利する
リバプールは守備能力の高いドゥデックというキーパーがいる。そしてディフェンスは鉄壁の固さと経験を誇る自慢のものだ。そこでバルサは中盤を征す必要があるだろう。だがその必要性はバルサだけではなく、リバプール側にもある。中盤での戦いがこの試合を決めると言ってもいいかも知れない。


リバルド出場は可能

リバルドが出場するかどうか、それは今日の午後にでも決定することになりそうだ。これまで何回にもわたって痛み止めや医学的処理をして負傷をごまかして試合に出場してきたリバルド。大方の見るところ、明日の試合も万全の予防をして試合に出場するようだ。

だが、最終結論はリバルド当人がださなければならない。昨日の午前中に精密検査をおこなったバルサドクターのプルーナによれば、左足利きのリバルドにとっては軸足となる右足ヒザのこの負傷は、それほどたいしたものではないものの痛みは明日にも消えないだろうということ。しかし痛みを我慢してプレーしたとしても、負傷箇所のさらなる悪化はあり得ないと判断している。したがってこれまでリバルドが度々おこなってきた緊急処置を施してのプレー、つまり痛み止めの注射をしたり何らかの処置をとってプレーする可能性もでてきた。

いずれにしても今日のリバルドがどう感じるか次第となる。痛みがひどくなっていたり、腫れの状態が悪化していた場合には精神的にもハンディキャップとなる。今日の午前中の様子を見た上で、最終的な結論は今日の午後8時にだされることになるだろう。この時間におこなわれるレシャック、リバルド、ドクター・プルーナによる三者会談ですべての結論が下される。



カンプノウに行く7つの理由

1.ヨーロッパ最高のファンとしての誇りを示そう
クラブとしての成績とは別に、バルサソシオはヨーロッパ一番のフットボールファンであるということを示そう。前回のローマ戦では今シーズン最高の90507人の入場者数を記録したカンプノウは、ヨーロッパ最高の平均入場者数を誇るスタディアムだ。今回のチャンピオンズリーグにおけるカンプノウでの平均入場者数は71751人。ヨーロッパに多くのクラブと同じ数のスタジアムがあろうが、カンプノウを越えるものは存在しない。そして明日も、バルサソシオの偉大さを世界中に示そう。

2.選手や監督に、これ以上言い訳を許さない
もしこの試合に負けるようなことがあったとしても、我々バルセロニスタはクラブ首脳陣、コーチ陣、そして選手たちに、一切の言い訳ができないような状況を作ってしまおう。もし負けるとすれば、それは首脳陣のプランニングの誤りであり、コーチ陣の無能力さからのものであり、どうしようもない選手たちの集まりであるからであり、決して我々バルセロニスタが協力しなかったからではない。そのためにも明日はカンプノウを満員にしなければならない。

3.勝てば準々決勝が見られる
もしこの試合に勝利すれば、今シーズンさらにチャンピオンズの試合がカンプノウで見られることになる。しかもそれは準々決勝戦となる。そしてカンプノウを訪れるであろうクラブは、リヨンとかローマとかいう小さいクラブではない。マンチェスターやバイエルンが来る可能性がある。

4.昨シーズンのお返しをしておこう
昨シーズンのUEFAカップ準決勝のお礼がまだ済んでいないことを思い出そう。あのカンプノウでおこなわれた退屈な90分の戦いを思い出そう。決勝に進めなかったお礼と、退屈な試合をしてくれたことに対するお礼をしなければならない。それにしても、あの0−0の試合は何と退屈な試合であっただろうか。明日こそバルセロニスタの強いパワーでリバプールを粉砕してしまおう。

5.アウエーで強いリバプールをやっつけよう
ここのところ2シーズン続けて、アウエーでのヨーロッパ戦での敗北を知らないといわれるリバプール。昨シーズンはUEFAカップで、今シーズンはチャンピオンズでアウエーでの敗北を喫していない。これまでオポルト、ローマ、バルサ、ディナモ・キエフ、ボルッシア、ガラタサライ、これらのクラブと戦ってきているリバプール。そろそろ彼らの本当の実力を知らせてやるいいチャンスだろう。

6.クラシコに向けて自信をつけよう
先日のベティス戦の敗北によりかなり難しくなってきたリーグ制覇への道。だがそれでも今なおバルサの可能性を信じ続ける正統派バルセロニスタが多くいる。土曜日に当たるレアル・マドリとの差は6ポイント。したがってクラシコに勝利すれば、まだまだリーガ制覇の可能性もある。明日のリバプール戦はチャンピオンズの戦いであると同時に、クラシコに向けた精神的な昂揚を勝ち取る戦いでもある。この試合に勝利し、バルセロニスタも自信をつけて土曜の戦いにそなえよう。

7.ヨーロッパ名門クラブとしての誇り
1993−1994シーズンでのアテネでおこなわれたミランとのチャンピオンズ決勝戦の敗北以来、バルサはたった2回しか準決勝に進んでいない。もちろん決勝戦には1回も進むことなく今日まで来ている。約8年間にわたるバルサの沈黙を今こそ破らなければいけないだろう。ヨーロッパでの主役的なクラブへの復帰は、決勝戦への進出ということで初めて達成できる。明日は、それに向けての偉大な一歩としよう。