1月3日

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帰ってきたバルサ

長いクリスマス休暇から、昨日バルサの選手が戻ってきた。報道陣の「なぜバルサだけがこんなに休暇が長かったのか」という質問に答えるバンガール。
「我々はそれだけの休暇をとるのに相応しい仕事をしたからだ」
それは多分マジョルカ戦のことを指しているのだろう。試合に勝利したマジョルカ戦のことを。そう、彼のいうように「相応しい休暇」かどうかは別として、これからのバンガール・バルサも“結果”によって評価されていかなければならない。マジョルカ戦に勝利したからといって、そして年が明けたからといって、実は何も変わっていないバルサが戻ってきた。クラブ会長はガスパー、監督はバンガール、そして昨年と同じ選手たち。

17時30分にすべての選手が集合した。そして18時きっかりにバンガールがあらわれ約10分のミーティングがおこなわれる。新年の挨拶を交わしあったのか、あるいはバケーションの様子を各選手に聞いたのか、いずれにしてもこの短いミーティングを終え、選手たちはマシアでの新年最初の練習を始める。昨日の練習の指揮をとったのはバンガールではなく、トレーナーのパコ・セイルーロ。ボールを使った練習はいっさいおこなわれず、ランニング中心の体力強化練習となっていたからだ。選手たちにとっては必要とはいえ退屈な練習が約1時間あまり続けられる。

これまで“バルサ医院患者”扱いされていたリケルメ、プジョー、デ・ボエル、そしてイニエスタたちも元気に練習に参加している。彼らはすでにドクター許可がでており、昨日の合同練習には何の問題もなくすべてのメニューをこなすことができたようだ。だが問題児が二人、それはオーベルマルスとレイジゲル。レイジゲルは合同練習に参加したものの、まだドクター許可はでておらず、他の選手よりは軽い感じで走り込みを続けていた。だが問題はオーベルマルスだ。この虚弱な体質を持つオランダ代表選手は、新年最初の練習で“いつもながらのオーベルマルス”であることを早くも証明してくれた。練習が開始されてわずか30分後、右足ヒザの痛みを訴えて練習を一人終了している。明後日のレクレ戦での出場は非常に難しい感じとなっている。

合同練習グループとは別に、アンデルソン、ルイス・エンリケ、そしてナバーロもそれぞれ個人的に練習を始めている。それぞれトレーナーが個人的についての軽い走り込みをおこなった彼ら。彼らの登場はまだまだ時間がかかりそうだ。

■“リケルメ問題”は存在せず
アルゼンチンでのクリスマス休暇を終えてバルセロナに戻ってきたリケルメは、彼がバルサに移籍した際におこなった初の記者会見場にあらわれた彼とまったく同じ“リケルメ”だった。
「自分の意志としてはバルサとの契約をまっとうし、できる限りのタイトルを獲得してバルサインチャに喜びを与えたいと思っている。バルサに来たのは自分が望んで実現したことであり、そして、何よりも、ここの人たちの暖かい応援に非常に満足している。彼らにはお礼の言葉もない。」
そう、非常に謙虚であり、いっさいの“問題”を望まないリケルメの姿がそこにあった。彼がバルサに来てから半年近くたとうとしている。これまで経験のないベンチ生活などがありながらも一度として問題となる発言をしたことのないリケルメだ。マジョルカ戦前に負傷したことについても当然ながら質問されたリケルメだが、マジョルカに同行しなかったことがなぜ問題となっているか理解できないと言う。
「自分はプロの選手。そして自分の問題は負傷をできるだけ早く完治させることにあった。マジョルカに行っても自分は選手として何もできない。あのときはバルセロナに残って、リハビリに専念することが自分の仕事だったと今でも確信している。何でそんなことが問題になるのか理解できない。」

■ベルムード出戻りの可能性
ナバーロの負傷により、左ラテラルのポジションを務める選手の獲得が最重要視されているバルサ。これまでラス・パルマスのアンヘルが注目の的となっていたが、よく考えてみればそのお隣のクラブであるテネリフェにはカンテラのベルムードがいるではないか。アンダー20でチャビやガブリと一緒に戦いナイジェリアで優勝したベルムードは、2年前テネリフェに移籍している。だがもちろんバルサは買い戻しの権利を保有したままだ。しかもテネリフェはいまだにその移籍料をバルサに支払い終わっていない。ベルムードはこの噂に関し何も知らないと語るものの、それが実現することを夢見る。
「バルサに戻れることができたら、そりゃあ、最高だ!」

■旅立ちの準備はおこたらないジェオバンニ
ジェオバンニが久しぶりに注目の的となった昨日の記者会見。みんなが休暇を楽しんでいる間にポルトガルからカマッチョのラブコールが彼に届いているというニュースがメディアを賑わしていた。シーズン開始当初はバンガールに期待の一人として認識されていたジェオバンニだが、実際シーズンが始まってみるとほとんど出番がない状態になっている。彼の望みはどこにレンタルされようが、あるいは移籍されようが最終的にはバルサに戻ってきて成功することにあると語る。
「まだ個人的には何の情報ももらっていない。でもメディアが言うように、もしベンフィカが自分を必要とし、バルサもレンタルを望むのであれば自分はいつでも行く用意がある。プロ選手としての望みは常にグランドでプレーすること。そして個人的にはバルサでプレーして成功すること。もちろん自分にはそれだけの実力があると信じている。いずれにしてもクラブが良いと思う方向で将来を決めたいと思う。最後には絶対バルサに戻ってきて成功するんだ。そう神様もおっしゃってくれている。」

■複雑なガッツ復帰
昨日の練習に一人走り込みをおこなったルイス・エンリケ。クリスマス休暇前にはかなりの楽観的な雰囲気で1月中の、それも早い時期での復帰が予想されていた。だが練習後に彼の左足アキレス腱を診察したドクター・プルーナはかなり悲観的な結論をだしている。
いまだに彼の左足の痛みはとれていないようだ。彼はベテラン選手ということもあり、薬と外部的な手当で回復をはかってきたドクター・プルーナだが、もしこのような状態が続くなら手術の可能性も捨てきれなくなってきたと語る。
「そうは言っても我々は手術することに決めたわけではない。まだ2週間程度様子をみてから最終的な結論をだすのが一番いいだろうと思う。彼もできる限り手術は避けたいだろうし、もし1週間や10日で良い方向に変化が起きれば今の方法で完治する可能性も大きい。もう少し時間が必要だ。」

■相変わらずオーベル
クリスマス休暇から戻ってきたとオーベルマルスだが、マジョルカ戦で痛めたほんのチョットした右足ヒザの負傷具合が良くないと練習を途中で切り上げている。日曜日のレクレアティーボ戦で無理して出場することは間違っても考えられない虚弱体質オーベルだが、それはバンガールも理解しているようだ。今日、そして明日、余程の変化がない限りオーベルの召集はあり得ない。だがオーベルは楽観的に考えている。
「ボク、またケガしちゃったけれど、だいじょうぶ。チョット痛いけれど、頑張って2月ぐらいには復帰できると思うよ。」