8月22日 日曜日

■1チャンネル(1.5MB)

ルイス・ガルシア、リバプールへ一時的栄転

バルサとの契約期間は2007年までだったルイス・ガルシアの契約破棄違約金は900万ユーロと定められていた。これまでチキ・ベギリスタインが何回も言っていたように、バルサにはルイス・ガルシアを放出する気はもともとなかったのだろう。フラン・ライカーも彼を計算に入れていたのは間違いないからして、彼の獲得に興味を示すクラブがあらわれても交渉に応じるようなことはしていなかった。それでも契約違約金を全額支払うクラブが登場すれば話は別問題となる。もしその選手が移籍を希望すればクラブ間の商談も交渉もなしに移籍は成立することになるからだ。今回のルイス・ガルシアの移籍はその典型的なケースと言っていい。

ルイス・ガルシアの年俸は手取り基本給60万ユーロ+出来高ボーナス払いというものだったらしい。リバプールが彼に示してきたオファー額は手取り200万ユーロとも300万ユーロとも言われている。いずれにしてもその数字は、バルサ内ではクラック選手に支払われる年俸額だ。もしバルサ側がリバプールのオファーに対抗してクラック年俸を支払うことになれば、ルイス・ガルシアは当然ながらバルサに残ることになっただろう。だが、そんなバカなことはしないバルサ理事会。バルサを“自分の家”としながらも一生に一回あるかないかの美味しいオファーにルイス・ガルシアが首を横に振れなかったのもうなずける話だ。ということで、彼を獲得したリバプールはもちろん満足だろうし、バルサとしてもラポルタ政権誕生以来の初めての“有料移籍”選手誕生となったし、ルイス・ガルシアにとってはこれから生まれてくる初めての子供へのどでかいプレゼントとなるということで、若干不満が残るであろうフラン・ライカーをのぞけば、あらゆる意味でメデタシメデタシの移籍話となる。

クラブにとってもファンにとっても“絶対”の選手ではなかったし、フラン・ライカーにとっても今シーズンは控え選手となるルイス・ガルシアに、リバプールがなぜこれだけの常識外の条件を提示してまで獲得したかったのか。それはひとえにベニテス監督のルイス・ガルシア獲得希望が強かったということだろう。二部のテネリフェを率いていたベニテス監督の下で活躍したルイス・ガルシアだからして、そしてバレンシア監督時代も彼を欲しがったベニテスだからして、こんな思いがけぬ移籍話が成立したに違いない。そして、と思うのは、もしこの先どう転ぶかわからないベニテス監督が不調なシーズンを送り、ではサヨウナラ、となったら彼の要求で呼ばれて来た選手も立場がとてもとても怪しくなる。してみると、なんだ、ルイス・ガルシアのバルサ復帰はそれほど先の話でもないような気がする。それも彼の実力にふさわしい金額で戻ってくるんじゃないか、そんな感じがする。まあ、とにかくルイス・ガルシア君おめでとう、そしてブエナ・スエルテ!

(映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから)