4月18日





チャンピオンズの影に隠れたワールドカップ

■話題にならないワールドカップ
韓国・日本主催のワールドカップが開催されるまであとわずか43日となっている。しかしながら多くの問題がいまだに山積みになったままだ。テレビ放映権を取得していたKirchはほぼ倒産状態、FIFAのマーケティング関連会社であるISLはもう何か月も前に40億の負債を抱えて倒産している。ワールドカップの試合のテレビ実況中継は保証されているものの、否定的な経済問題がフットボール世界を覆ってしまっている。

しかもワールドカップに対する人々の関心度を見てみれば、それほど高いものでもないだろう。ヨーロッパ諸国と韓国・日本とは7時間の時差があることにより、人々にとって試合中継時間が理想的なものにならないことも影響しているかも知れない。しかもヨーロッパ人にとって、まだ先のワールドカップの話題より身近に迫ったチャンピオンズの話題の方が興味がある。バルサ・マドリのチャンピオンズにおける対決は、どのようなワールドカップ関係の話題をも越えてしまう。それは当然だろう、この対決はスペイン人にとってだけではなく世界中で「世紀の対決」と認識されているものなのだから。

スペイン国内においていまだにワールドカップの盛り上がりが見られない現象として、どこのテレビ局が試合中継するのか、それはオープンで見られるのかあるいはお金を払わないと見られらないのか、それさえもまだ決定していない現象をみれば明らかだ。昨日の親善試合を最後として、次は本番の試合となるにも関わらず、いまだに未決定なことが山積みとなっているワールドカップだ。

■各国代表、最後のテスト
バルサに所属する各国代表選手の最後のテストマッチが昨日終了した。具体的には5人の選手たち、プジョー、リバルド、ココ、クリスタンバール、そしてサビオラがそれぞれ代表選手として召集されていた。この中でスタメン出場したのはわずか2人。プジョーとリバルドだけだ。サビオラとクリスタンバールは後半まで出場を待たなければならなかったし、ココは練習中の負傷というアンラッキーな出来事によりベンチの中に最後まで座ったままの唯一のイタリア人選手となった。

予想されない緊急事態が起こらない限り、昨日代表に呼ばれたバルサの選手たちは韓国・日本へ行くことになるだろう。だがサビオラだけは厳しい現実を抱えている。昨日の試合でも後半に登場した彼に与えられた時間はわずか15分足らず。アルゼンチン代表監督であるビエルサにとってサビオラは必ずしも必要な選手ではないようだ。バルサにおいてシーズン開始以来最高の瞬間を向かえているサビオラだが、それでもなお代表の道は厳しいものとなっている。

リバルドはスタメンで出場した。バルサドクターの要請にも関わらずリバルドがスタメン出場したということは、エスコラリーにとっては重要な選手の一人であるということの証明だろう。昨日の彼を見た限りでは、リハビリ中とは思えない動きをしていた。バルサにとっては明るいニュースではあるが、彼のバルセロナへの到着を待ち練習で同じような動きができるかどうかを確かめなければならない。バルサは土曜日のセルタ戦という重要な試合のあとには、来週の火曜日におこなわれるユーロクラシコが待っている。各国代表のテストが終わった今、選手たちはワールドカップのことを忘れ、これからのすべての試合に集中していかなければならない。

・リバルド 肉体的にはOK
ここ何試合かの停滞状態にも関わらず、そしてバルサドクターの「試合には出場させないで欲しい」という要求にも関わらずスタメン出場。後半11分にデニルソンと交代するまで肉体的には問題がないことを証明した。

・サビオラ たったの15分
バティやクレスポ、そしてカニージャがプレーできなかったにも関わらず、監督のビエルサはスタメンでは出場させなかった。サビオラは後半30分近くになってやっと登場。観客席からはサビオラコールが起こった。

・プジョー ゴールまで決める
右サイドバックという彼の自然なポジションでスタート。後半はセントラールのポジションのテストも完璧にこなしたプジョー。彼はカマッチョ・スペインの中で貴重なスタメン確実候補選手だ。おまけに代表初ゴールまで決めた。

・クリスタンバール 後半45分間にわたってプレー
後半がスタートしてから出場。フランスディフェンス陣の一人としてほぼ完璧な仕事をしたと言っていいだろう。彼のワールドカップ代表召集の可能性は試合ごとに強まってきている。

・ココ 負傷中
試合前日の練習で負傷してしまったココ。トラッパトーニは万一のことを考えてベンチに温存。バルサから呼ばれた選手の中で唯一プレーするチャンスのなかった選手となった。セルタ戦は微妙なところ。


●パレーラ、今シーズンの補強選手獲得は大成功
バルサのスポーツ・ディレクターであるパレーラが、今シーズンに獲得した補強選手に関し語っている。ここ2年間で莫大な資金を投入して獲得してきた選手たちの働きに対し、メディアの間では何かと批判の多かった補強選手問題。だが現在の選手の活躍ぶりを見ればそれは誤りであると語る。
「今シーズン、我々は7人の選手を獲得した。そしてその7人の中で期待通りの活躍を見せていないのはジェオバンニだけだ。負傷という不幸な出来事もあったし、違う環境に慣れるのに時間のかかる選手なのだろう。いずれにしても残りの6人の選手はほぼスタメン選手と言ってもいい状況だ。ここ10年間このような状況はなかった。我々はもちろん満足している。」

●セルジの新たな目標はベルナベウでの出場
リハビリが思ったより遅れているセルジの新たな目標は、5月1日の試合までには間に合わせること。その日はユーロクラシコのベルナベウでのマドリ戦だ。ドクター・プルーナも決してこの目標は無理ではないものと確信しているようだ。それはここ2、3日のセルジの回復ぶりが順調になり始めた明るいニュースがあるからだろう。一人ランニングを続けるセルジだが、ようやくトンネルの先の灯りが見えてきた状態となった。

●アンデルソン、ダニ、合同練習に参加
実に久しぶりの出来事だ。昨日の練習にアンデルソンとダニが参加できるようになった。ドクターからの完全なOKはまだ出ていないものの、長い間それぞれ単独にランニングだけの練習を続けてきた二人の選手が顔を合わせた。もちろんリズムは他の選手に比べればまだまだの二人。それでも今シーズンの最後の段階になってどうにか出場するチャンスがやってきたようだ。

●クライハート、練習途中でサヨナラ
アラベス戦の前の練習で負傷したクライハートだが、昨日の練習では他の選手とほぼ同じリズムで練習を開始するまで回復している。だが快調に飛ばしたのは最初の30分ぐらいだけで、それからは足をかばうような練習風景となってしまった。彼のリハビリは完全には終わっていないようだ。練習を最後まで続けられず、途中で引き上げたクライハート。だがセルタ戦の出場には問題ないようだ。

●ボナノ、OK
ボナノのセルタ戦の出場は間違いない。昨日の練習では普段と変わりなく、1時間半のメニューをこなしたボナノ。顔の腫れもひき、体調には何の問題もないところからセルタ戦でのスタメン復帰は確実となっている。またワールドカップ代表への可能性に聞かれて、彼は50%の確率と思っているという。
「期待しすぎて結局呼ばれなかったらショックだから、それほど考えないようにしている。多分50%の確率というところじゃないかな。ビエルサは僕のことをよく知っている監督。2年間一緒だったことがあるからね。とにかく呼ばれたら最高。待つしかないよ。」