7月23

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期待に胸を膨らませる6万人!

2002/03シーズンのプレゼンテーション、ある意味で言えばこの日カンプノウにかけつけたバルセロニスタによるクラブに対する「人民裁判」の日でもあった。ここ何か月かにわたってバルサに起きた、それも多くの重要な事柄、例えばバンガールの復帰、エンケ、リケルメ、メンディエタの加入、そしてアベラルド、セルジ、リバルドの放出。そしてその「人民裁判」の結果は・・・。

大多数のバルセロニスタはこのシーズンにおける新プロジェクトに期待と希望と夢を膨らませ、バンガール第二次政権に”Si”という意思表示を示した。

バンガール第二次政権開始の第一ラウンドは、明らかにバンガールの勝利だった。わずか24時間前にリバルドの解雇というショッキングな出来事があったにも関わらず、大多数のバルセロニスタはニューバルサに、バンガールに、そしてもちろん選手たちに”Si”の回答を出した。もちろんこの日集まった6万人のバルセロニスタがすべてその回答を出したわけではない。多くの垂れ幕によって表現されていたように、リバルドの解雇問題やアベラルド、セルジの放出問題に異議を唱えるファンも存在した。だが大多数の人々は期待に胸を膨らませて新星バルサの明日を待つ人々だった。

「リケ〜ルメ〜! リケ〜ルメ〜! リケ〜ルメ〜!」コールが続く。「メ〜ンディ! メ〜ンディ! メ〜ンディ!」コールも負けてはいない。もちろんサビオラに対する応援も聞こえる。リケルメやメンディエタ、サビオラに対する期待感が時々沸きあがるリバルドコールを消し去ってしまう。カピタンであるルイス・エンリケが選手を代表して挨拶をおくる。バルセロニスタの団結だけではなく、ベンチ内における選手同士の団結を訴えるカピタン。
「バルサというクラブに、そしてすべてのバルセロニスタに我々はタイトルをプレゼントしたい。難しいシーズンであることはわかっている。何人かの選手がバルサを離れていき、そして何人かの新しい選手が加入してきた。新たに来た選手にはできるだけ早く我らがクラブに馴染んで欲しいと思う。そのためには我々前からいる選手は協力を惜しまないつもりだ。選手同士の団結なくして勝利はない。バルセロニスタの団結なくして勝利はない。選手とバルセロニスタの団結なくして勝利はない。ビスカ・バルサ!ビスカ・カタルーニャ!」

フアン・ロマン・リケルメ、カンプノウのニューアイドルだ。選手紹介の中でひときわ拍手が多かったリケルメ。彼に対するに期待は非常に大きいことを示している。この元ボカのスター選手は、カンプノウでもクラック選手だけが経験できること、すなわち加入選手紹介の段階ですでにスタンディングオベーションの対象となった。内向的な性格であるにも関わらず、リケルメは一生懸命その拍手に応えようと手を振る。恥ずかしそうに手を振りながら、それでも満面に笑みを浮かべている。たかがプレゼンテーションであるにも関わらず、これほどの多くの人々がグランドに駆けつけようとは想像もできなかったであろうリケルメ。ルイス・エンリケの挨拶の後におこなわれた公開練習とミニゲームでは痛いほどの視線を感じていたに違いない。12万個のバルセロニスタの目が彼の一挙一動に注目していたのだから。

■リケルメ
ミニゲームでは彼がボールを触るたびに拍手が起きる。ゲーム開始直後のロングシュートは入らなかったが、コクーが決めた最初のゴールでのリケルメのアシストに大きな拍手が沸きあがった。バンガールは彼をメディアプンタに配置し、クルイベルとサビオラをツートップとして並べる。ミニゲームでは最後までゴールは決められなかったものの、彼の持つテクニックやタイミングの取り方に多くのファンは満足していたようだ。ゲーム終了後、ユニフォームを観客席に投げ入れ選手控え室に消えたリケルメは次のように語っていた。
「感動的だったよ。これまですべてがうまくいっている。これからのプレステージ期間を通じて、さらにチーム内の一人の選手として馴染んでいかなければと思っている。」

■メンディエタ
メンディエタのバルサ選手としての初日は非常に忙しいものとなった。日曜の夜にバルセロナに到着した彼は、昨日の朝9時にはもうすでにメディカルチェックを受けていた。午前中いっぱいかかったメディカルチェックが終わり、カンプノウにある事務所でバンガールと30分ほど会話。そして昼食を軽くとった後、今度は正式な契約書へのサインをおこなう。午後にはやっと選手仲間への紹介だ。一人一人と挨拶した後、軽い練習に合流する。プレゼンテーションでは多くのファンの拍手を浴び、その期待の大きさを実感したというメンディエタ。
「バルサのように毎シーズン多くのタイトル獲得が可能なクラブに来れることは、どんな選手にとっても光栄なことだ。それが実現し、個人的にはこれまで国王杯のタイトルしかとったことのない自分にとって、やっとチャンスが回ってきた感じだ。全力をつくして頑張りたいと思う。」