11月18日

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バンガールバルサのお粗末な現状

リーグ第10節を終了し10位(首位のソシエダーに7ポイント差)となったバルサ。ここ16年間で最低の位置にいるバルサは、ここ3試合で2ゴールしか決めていないことに見られるようにゴールの少なさが今シーズンの特徴だ。

■常に苦しむ試合
チャンピオンズリーグでの試合は別として、リーグ戦でのバルサはアラベス戦とビルバオ戦、この2試合だけが「楽勝」と言えるものだった。その他の8試合はすべて苦しみ抜いての勝利、あるいは引き分け、そして完敗という形で90分を戦っている。地元カンプノウでおこなわれたエスパニョール戦は後半に入ってからどうにかこうにか勝負を決めることができ、ビジャレアル戦はペナルティーによる勝利となった。アウエーの試合に関しては悲惨さを通り越している。ベティス、バジャドリ、デポルティーボに完敗、ラーシングにかろうじて引き分け、ビルバオ戦が唯一の勝利となる。15ポイント獲得可能なうち、わずか4ポイントを奪取。しかも獲得したゴール数はわずか4ゴールだ。リバルドの放出やモリエンテス獲得の失敗を語るのは無意味なことだろう。リバルドは昨シーズン負傷続きだったし、モリエンテスは試合にも出場していない現在、彼らがいたらという仮の話をしてみてもしょうがない。バルサのこのゴール数の少なさの特徴は、さらにどのようにゴールを獲得しているという観点から見ても非常に興味深い。実に半分近くのゴール(44.4%)がセットプレーからのものだ。

■リケルメの重要性
奇妙な偶然としてかたづけてもいい統計かも知れない。リケルメがプレーしなかったベティス戦、バジャドリ戦、そしてデポルティーボ戦、つまりバルサが敗北したこの3試合にはリケルメが登場していない。だがスタメンであろうと途中出場であろうとリケルメの存在が試合ごとに大きくなってきていることは間違いない。ロコモティフ戦でデ・ボエルにアシストを与え、アラベス戦ではスペクタクルなアシストをクルイベルへプレゼント、ブルッハス戦では自らゴールを決め、ラーシング戦ではナバーロに同点ゴールとなるアシストを与え、そしてビジャレアル戦では再びゴールを決めた。デポルティーボ戦ではベンチ入りもしなかったリケルメは結局日本へもいく必要がなくなった。彼は今週バルセロナに残りリハビリに入る。もちろん土曜日の試合に出場できるようにするためめだ。リケルメの重要性は頑固なバンガールも理解し始めていることだ。

■カピタンの負傷
ルイス・エンリケはシーズン開始と共に飛ばす傾向がある選手だ。オフシーズンでは何回も控え候補選手となりながらもシーズンが始まってみると必ずスタメン選手の一人となっている。今シーズンもその例外ではなかった。シーズン開始と共に快調に飛ばし、6試合で5ゴールを決め彼自身100ゴール達成をしている。だが彼はもう32歳の選手であり、昨シーズンにも何回かの負傷をしてきた選手である。ベテランのフットボール選手が抱えるアキレス腱の問題を彼もまた持つことになる。彼の獲得するゴール以上に、彼の「存在」そのものがチームに影響を与えてきていることは確かなことだ。チームに闘争心とそしてガッツを与えるルイス・エンリケ。彼の不在はバルサに大きなマイナス面となっている。

■クルイベルとサビオラ
10月26日におこなわれたアラベス戦でクルイベルはハットトリックを記録し、100ゴールまで残り2つというところまで迫った。今日は11月18日、彼はいまだに100ゴールまであと2つとなっている。だが更に最悪なのはサビオラだ。ラーシング戦以来ゴールを決めていない。そしてバルサの問題は彼らしかデランテロがいないところにある。ジェオバンニはバンガールの信頼を勝ち取っていない。したがって彼が登場するのはすでに重要性のない試合か、後半30分近くに交代選手として登場するだけだ。ダニにいたってはすでに夏に時点でバンガールのなかで放出選手候補となっていた選手。オーベルマルス、彼はまったく計算できない選手であることはすでに歴史が証明している。今シーズン彼はまだ59分しかプレーしていない。負傷から立ち直ったと思ったら胃腸炎、そして再負傷、バルサドクターにはもう判断のしようがない選手だ。再びキス病にかからないことを願おう。そして残念ながら中盤の選手にしてもゴールから遠い存在になってしまっている。チャビ、コクー、モッタ、ジェラール、そしてメンディエタ。セットプレーか、あるいはペナルティーだけが彼らのゴールの可能性となっている。

■反撃能力の欠如
これまでバルサが勝利した少ない数の試合では先制点を奪うことが第一条件となっている。もし相手に先制された場合、それは頑張ったとしても引き分け(オサスーナ戦2−2,ラーシング戦1−1)という結果となり、それ以外は敗北と決まっている。バンガールが決まり文句のように試合後のインタビューで語る「集中力の欠如」「ゴール運のなさ」「マヌケな失点」により先制点をとられた場合、バルサは反撃することができないのが現状だ。しかもこれまで対戦してきた10チームのうち、ベティス、デポルティーボを除き8チームは下位を走るチーム。相手がどんなところであれ先制点をあげることが勝利の大前提となっている。