1月19日

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LIGA 第18
1月18日 21:30
CAMP NOU 73,648人
FC BARCELONA
vs
VALENCIA

 

2 - 4



恥知らずな一夜
沈黙するガスパー、辞めないバンガール、会長・監督の辞任を要求するソシオ


バンガールの敗北
バンガールシステム、それは相手システム次第


バンガール「私は続ける」
カンプノウ、セビージャ戦の再来


お願いだから辞めてくれガスパー
そして一緒にバンガールを連れて行ってくれ


"FUERA!!! FUERA!!!"
バンガール、もう二度と戻ってくるな!


それほど過去のことではないから多くの人々の記憶に残っているであろうバンガールの言葉。
「我々はまだ最下位になったわけではないのだから、奈落の底に落ちたというわけではない」
我が耳を疑うその驚くべき発言を聞いた多くのソシオが自らに問い返す。
「クラブ理事会が“決断”をするまでに、我々はいつまで待たなければならないのか?」
昨日の敗戦によりバルサは二部降格ラインまで4ポイントと迫った。ガスパーは我々が二部降格ラインに突入するまで“決断”はとらないのかも知れない。いや、それでも“決断”しないかも知れない。だがソシオをはじめ、すべてのバルサシンパ、すべてのバルセロニスタは早急な解決を要求している。バンガールバルサに未来はない。そして現在もない。我々の状況は1か月前のセビージャ戦の時と少しも変わっていない。反省など必要ない。必要なのは今すぐの早急な“決断”以外ないのだ。

バレンシア戦を前にしてバンガールはいつものように、例を出してもきりがないが例えばビジャレアル戦やマラガ戦、そしてマドリやコルーニャ戦のように、相手チームの最強のポイントとなる部分をつぶすことから自らのシステムを形成していった。バレンシアの中盤を形成するバラッハやアルベルダを褒め称えながらも、バンガールが最も恐れたのはアイマールやカリューによる直線的な攻撃。したがってアイマールを無効にするために彼の影となって“つぶし要員”に選ばれた選手、それがロッケンバックだった。このバンガールの“発明”がいつものことながら致命的な敗因となるのは別に目新しいことでもなんでもない。その日暮らし、その試合暮らしのバンガールノートはすでに機能しないことを再び証明したに過ぎない。

だがこの日のバンガールは自らの誤りを認める勇気があったようだ。試合開始15分にはすでにリケルメに身体を暖めるように命じている。そして前半37分にそのリケルメがバルセロニスタの大きな拍手に迎えられて登場。だがロッケンバックのプレーに対する批判は少ない。それは彼もまた機能しないバンガールノートの犠牲者の一人だということを誰もが知っているからだ。

リケルメがボカ時代のリケルメではないことも認めなければならないだろう。彼はまだヨーロッパフットボールのスピードに慣れる期間をじゅうぶんに経てきていないアルゼンチン選手だ。それでも彼の登場によりそれまでの“相手つぶし”のフットボールが、本来のバルサらしい攻撃的なフットボールの一面を見せることになる。だが相手チームはスペインリーグで最も運動量が多く、組織的に最もまとまっているバレンシアだった。チャビ・クルイベル・オーベルマルスのトリアングルが誕生するものの、バルサに決定的なチャンスは何回も訪れなかった。

モッタのゴール、そしてカニサレスの退場により11人対10人の戦いとなり新たな展開をみせる試合となる。だが精神的に落ちてきたバレンシアをつぶすことのできないバルサ。奇妙なことにバレンシアが10人となったところで試合のリズムも一時的に落ちることになる。ゴール前に固まるバルサ攻撃陣は左右のスペースを活かすことなく、バレンシア守備人が密集している狭いスペースのみの突入を試みる。だがバレンシアのディフェンスは固い。岩のように固い。

メンディエタの投入、サビオラの登場も均衡状態を変えるものとはならなかった。人数的優位を誇り、試合に負けているバルサのペースとなっているのは当然のことだ。だがゴールの決定的なチャンスは訪れない。訪れないどころか得点をしたのは10人のバレンシアだった。18節を終了したところでバルサの敗北数は勝利数を上まわるという異常な事態をむかえることになる。6勝7敗、かつてこれほどひどいバルサがあっただろうか。そしてさらに最悪なことに、ガスパー政権がこの敗戦さえも“なんてことのない”出来事として処理してしまうことだ。バンガールは今日も、そして明日もバルサの監督として居座ることになる。

■バンガール体制は続く
試合終了と共に“バルサ緊急会議”がおこなわれた。ガスパーまだ会長、ファルゲールまだ統合ディレクター、そしてバンガールまだ監督が集まってのクラブ最高責任者三者会談がおこなわれる。しばらくしてからカピタンとしてプジョーもこの会議に加わることになる。すべての選手、試合終了と共にカンプノウを一人去っていったロッケンバック、バルサBから召集されていたビクトルとオレゲールをのぞいたすべてのバルサ選手は選手控え室で待機状態となっていた。そして彼ら全員も参加して会議が2時間にわたって続くことになる。その会議が終わったのはすでに夜中の1時をとうに過ぎている頃だった。

1時30分近くにおこなわれたバンガールの記者会見。臆病で卑怯者のガスパーやファルゲールは登場しない。現場責任者のバンガールだけが記者会見場にあらわれた。そして2時間以上待たされたジャーナリストは待つことがまったくバカげた行為だったということを知ることになる。なぜならこの痛ましい敗戦にも関わらず、あのセビージャ戦の時と同じようにバルサは何も変わっていないし、これからも変わらないということを確認するだけに終わったのだから。バンガールは語る。
「私バンガールはバルサの監督を続ける。我々の置かれている状況が限りなく厳しいものだということは私バンガールにもわかっている。そしてこの状況を抜けきる能力がある監督は私バンガールをのぞいていないこともわかっている。今日の試合に関する分析は、一言一言が無意味なものになるだろうから私バンガールは語らない。勝たなければならない試合を、しかも相手は10人であったにもかかわらず勝つことができなかったこの試合をいま分析するのは多くの誤解を生むことになるだろう。」

当然ながら会議の内容について聞かれるバンガール。
「我々テクニカルスタッフ、そしてすべての選手たち、ドクタースタッフ、ようするにチームを構成するすべてのスタッフが誓い合った。この状況を脱出するために最大の努力を図ることを誓い合った。いまの我々に大事なこと、それは我々自身が団結すること、それを誓いあうこと、ここからすべてが出発する。そして我々の判断によれば、冬のマーケットでの補強選手の必要性はないこともまた確認することができた。現在バルサに所属するすべての選手が団結し、一つにまとまって戦いきればバルサの将来は明るいものとなる自信が私バンガールにはある。確かにそれは難しいことだ、だが不可能なことではない。私バンガールはこれまで何回もその不可能と見られてきたことを実現してきた監督だ。そして明日から我々がおこなうこと、それは今まで以上の練習、練習、練習、そして努力、努力、努力、これ以外ない。」

■ハッセルバイン獲得はナシ
イングランドメディアはもちろん、チェルシーファンにとっても昨日のマンチェスター戦がハッセルバインの最後の試合と予想されていた。したがって前半18分に負傷途中交代というのは万一を考えてのことだと誰しもがコメントしていたことである。だが昨日の夜中のバンガール記者会見によればバルサはハッセルバイン獲得を諦めたということになる。これまで多くのスペインメディア、イングランドメディアが伝えていたようにチェルシーとバルサの首脳陣間におけるハッセルバインの移籍交渉はほぼ大詰めに入っていた。彼の負傷はバンガールの決断とはいっさい関係ないことなのは明らかだ。なぜなら軽い負傷ですんでおり、長い間のリハビリなど必要ないからだ。何がバンガールを、あるいはバルサ首脳陣のアイデアを変えたのか、それは今のところ誰も理解できない。いずれにしてもバルサはハッセルバイン獲得を諦めた。この事実だけが現実のものとなっている。

バンガールがバルサの監督である限り、冬のマーケットでは補強選手は一人もやってこないだろう。ミリートはバルサ首脳陣が提案した“今シーズン半年だけのレンタル”移籍さえ了承していた。翌シーズンからの完全移籍でさえわずか700万ユーロで済む選手。だがバンガールはスピードのなさを理由にすでの断っている。そしてデランテロを要求するバンガールにローマはバティのレンタルを提案。これを断ったと伝えるいくつかのメディアがあるが事実はバティ自身が拒否したというのが事実のようだ。かつて何回となくバルサ移籍を望んでいたと伝えられる彼がなにゆえ断ったのか。それはカペーロのもとで干されている彼にしてみればバンガールも同じ穴のムジナ監督として写ったからであろう。そして彼はインテルの要請に瞬時にOKをだしている。バンガールバルサのもとには誰も来れないし来たくもない、これが我らがバルサの厳しい現実だ。