Thiago Motta
モッタ

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06 - 07
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勝負の年じゃないですか!
(06/10/04)

ティアゴ・モッタにとって、今シーズンはあらゆる意味で勝負の年となる。これまで、起用され続けると長期負傷する、長期負傷から戻ってくると軽い負傷に再び倒れる、そしていつか負傷から戻ってきて再度起用され続けるとカード制裁を喰らう、これがバルサAチームで出場するようになってからのモッタのミニ歴史だ。

今シーズンはプレステージから起用され続け、本番となるシーズンが始まってからも、かなりの高い確率をもって試合出場を勝ち取っている。ムンディアルの練習で負傷したエドゥミルソンが、シーズン開始当初も本調子に戻らなかったこともあり、モッタに任されたポジションは守備的なピボッテという位置だ。リーグ開幕戦で出場したモッタだが、それ以来リーグ戦に限って言えばエドゥミルソンの起用が増えてきている。だがチャンピオンズでは2試合ともモッタがスタメン出場となっている。そして、彼のプレー内容に不満を持つメディアやファンが多い。

フラン・ライカー監督は、モッタの才能を最高に生かすポジションが守備的なピボッテ4番とするからこそ、そこで使い続けているのだろう。そして大事な試合で起用し続けるところをみると、これまでの試合では監督の信頼に応えてプレーしているという意味になる。だが、それでも、外部からの彼に対する批判は多い。動きが遅い、マークを簡単に外される、ボール奪取能力に疑問符が付く、ボールが自由自在に出ない、エトセトラ、エトセトラ・・・。

短い期間であったものの、バルサBでプレーしていたときには左インテリオールの選手であり、決して4番の選手ではなかった。バルサBでの活躍が認められて、つまり左インテリオール選手としての活躍が認められて、バルサAチームに上がってきた彼に任されるポジションは、これまでのところ“ガブリ並”と言っていい。左ラテラル、左セントラル、左インテリオール、そしてライカー・バルサではピボッテ。だが、個人的には決して彼のポジションではないと思っている。彼の魅力はセントロカンピスタとしての攻撃的なプレーにある。ライカー・バルサでの4番は彼であれエドゥミルソンであれ、攻撃に出陣することを禁止されているポジションと言っていい。それでは彼の魅力は半減だ。

バルサB時代やバルサAチームデビュー当時と比較してみると、フィジカル面での成長は著しい。だがその反面、スピードがまったく衰えてしまった。“キレ”というのは超感覚的な言葉だが、それさえも感じられなくなってしまった。単純に言ってしまえば、現在与えられているポジション用の身体になりつつあるモッタ。だが考えてみれば彼はまだ24歳なのだ。まだ、弱冠24歳、すでに超ベテランのようなプレーを見たくない。ロナルディーニョと組んでの夜遊びや、デコと組んでの飲酒を控え、負傷しないうちにパッパパッパと動ける身体作りに励んでみよう。なんたって永遠の期待の星にも賞味期限切れというものがあるんだから。今シーズンが勝負だ、モッタ。

「Aチーム」