4月30日 金曜日 くもり
 チキがバレンシアのバラッハ選手に関して聞いてきた。要は監督として彼に興味があるか、来シーズンからのプランに入るかどうか、そういうことに関して聞いてきたんだが、どうやらその選手は来シーズンからのバレンシアプランに入っていないようだという。最近は監督として認められ尊敬されてきたみたいで、こういう相談もされるようになった。バルサとして必要な選手かどうか、これからスタッフテクニコたちと話し合おうと思う。
 今日はロナルディーニョも加わっての今週初めての全員集合練習。負傷しているプジョーのかわりにコクー、ルイス・ガルシアのかわりにクアレスマを配置しての練習。いわゆるメディアに対する話題提供というヤツで、もちろん今回が初めてじゃない。もっともいざというときには使えるスタイルだから練習するに越したことはない。クラシコの前にもルイス・エンリケを右に置いての練習をしていたら、すべてのメディアのスタメン予想が彼になっていたけれど、実際に起用したのはオーベルマルス。それでもチキートのスタメン予想では見抜かれてしまったな。
 さて明日は報道陣をシャットアウトしての非公開練習。誰をどこに置いてみるか、寝ながら考えてみよう。ん?気がつけば明日から5月だ!

 

4月29日 木曜日 あめ
 ピレネー山脈を越えたところでは世の中の常識では計り知れないことが起きるとは聞いていたが、まさにこの事件はその一つだな。マドリの10番の選手に対する2枚目のイエロカードが取り消されて明後日のコルーニャ選出場が可能になったという。ふ〜ん、信じられない。マドリとバレンシア戦でのピノキオペナルティー事件が起きたとき、例の審判審議会の親分とかいうディアス・ベガという人物が現役審判を集め「こういうのはペナルティーだから今後もちゃんと笛を吹くように」という声明をだしたが、今回の事件に関してはメディアの質問を無視して沈黙を守っているらしい。しかもやはりピレネーを越えたところで生まれたマドリの10番の選手も我々との試合後に「審判はマドリに対して悪意を持って笛を吹いている」なんていうお茶目なことを言っていたのに、イエローカードが取り消されたことを知ったとたん「審判はすべてのことに対して公平」なんてこれまたお茶目なことを言っている。ふ〜ん、信じられない、信じられな〜い。
 さて、オランダ四人衆やトルコ、アルゼンチン組が元気に戻ってきた。ロナルディーニョは練習に間に合わず明日からの練習に加わってくる。残りの4試合、ピレネー山脈を越えたところでの奇跡を起こそう!

 

4月28日 水曜日 くもり
 少ない人数ながらも楽しい練習。ダビッツやコクーも“疲労”を乗り越えて参加してきた。だが代表の招集を断った手前もあるし人目を気にしなければいけないと思い途中で練習を切り上げさせた。30分練習しようが1時間練習しようが“疲労”にはあまり関係ないだろうが、万が一という大人の予防手段。
 ヘアースタイルを変えて練習に参加してきたクアレスマは途中で足を痛めたみたいで彼もまた早引き。ガブリは25日ぶりに合同練習に参加。すでに午前中の検査でドクター許可がおりており、ダービー戦には出場できるとのこと。あとはそれぞれ代表の試合に出場した選手がケガなどせず無事に帰ってきてくれれば最高。もっともコネッホは心配いらないだろう。彼は招集されても試合に出場することは滅多にないから。
 明日は夕方の6時から各国代表選手も含めての今週初めての合同練習。木曜日、金曜日、土曜日の3日間の練習でダービー戦に突入。また勝ちそうだ。

 

4月27日 火曜日 はれ
 ロナルディーニョにくっついてハンガリーに行っているサンドロ・ルセーから連絡が入った。来シーズンに向けた最初の加入選手が決まりそうだという。ダビッツ、これまで75%の確率だったのが95%までになったという。それにしてもサンドロはハンガリーにいながらにして、バルセロナに来ているダビッツの代理人と交渉しているとは知らなかった。まったく器用な人だ。
 メディアではまだクラシコの話題で賑わっている。その中で気になるのは前半のオーベルとロナルディーニョのプレーに対する批判。だが監督としての意見を言わせてもらえば、彼らは立派に役目を果たしてくれた殊勲選手と言っていい。オーベルの役目はロベカルを攻撃に参加させないこと、ロナルディーニョは二人以上の相手選手を引きずってプレーすること、これが私が彼らに要求したことだ。したがって彼らは目立ったプレーこそしていないが役目そのものは立派に果たしたことになる。正当な批判はむしろ相手が10人になってからの我々の攻撃の仕方だと思う。選手たちには両サイドを広く使って攻めるように指令をだしていたのだが、そういうシーンを見ることなく終わってしまった。
 さて、明日から少ないメンバーでボチボチと練習開始。我々の目標はあくまでも残り4試合全勝、これっきゃない。

 

4月26日 月曜日 はれ
 ベルナベウでの試合が終わりマドリッド空港までのバス車内ではガウ〜チョを中心に大騒ぎ。それは飛行機の中でも同じで誰も席にジーとしていず、まるでラッシュアワー時の東京の地下鉄みたいな感じだ。バルセロナ空港に着いて外に出ようとしたらこれまた大騒ぎの最中。サンバを奏でるミュージッシャンや多くのバルセロニスタが深夜の1時だというのに4千人も空港内と外で待ち受けていた。ラポルタを中心としてクラブ首脳陣と警備員の責任者が集まり、さてどうしたものかいな、という相談をしている。警備員責任者は騒動を避けるために裏口から出てくれと要請している。そこでラポルタは選手の意見を聞いて最終的な判断を下すことにしたようだ。選手全員に聞くわけにはいかないので、ガッツ、コクー、プジョーのカピタン連中を集めて相談した結果、これだけ長い時間待っていてくれたファンに挨拶するために普通の出口から出るという結論に。警備担当責任者は苦い表情をしていたが、私も彼らカピタン連中の意見に賛成。もっとも、そのおかげでカンプノウまで乗って行くバスが駐車しているところまで行き着くのに30分、自慢のヘアースタイルもグチャグチャスタイルにされてしまった。
 カンプノウにも多くのバルセロニスタが待ち受けていた。ああ、このクラブは尋常なクラブじゃない、そうは聞いていたがやはりクラシコという尋常じゃない戦いを通してそういうことを学んでいくんだな。
 さすがに眠れない夜を過ごしてしまって起きたのは昼の1時。すぐにカンプノウに向かい、練習スケジュールの打ち合わせ。今日と明日は完全休養日としたが、ベンチ入り選手や招集されなかった選手たちが来て自主トレをおこなっている。ダビッツとコクーは疲労を理由に代表戦を辞退したそうだ。プジョー3週間、ルイス・ガルシア10日間。負傷、疲労、やる気満載バルサ。

 

4月25日 日曜日 はれ
 フッシギー・ライカーと影で呼ばれ首を傾けられることが多かった私だが、いつの間にかトップネ・ライカー監督としてバルセロニスタに受け入れられるようになった。未熟監督から一丁前監督として成長できたのはひとえに多くの人々の忍耐と協力のおかげ。クラブ首脳陣やクラブ職員、道具係の人々、そしてコーチングスタッフ、すべての選手、そしてもちろんバルサを応援してくれるバルセロニスタの人々にこの勝利を捧げようと思う。
 今週は各地で代表戦があるためまともな練習は木曜日までおこなえないし、今はひたすらこの勝利の喜びを噛みしめよう。 

 

4月24日 土曜日 はれ
 ビクトル・バルデス、この生意気な坊やにプレッシャーという言葉はない。ジオバンニ“ジオ”、ユーロ2004オランダ代表招集をかけての絶好の見せ場。オラゲール・プレッサ、経済学部在籍のこのインテリ選手にプレッシャーは存在しない。カルラス・プジョー、バルサカンテラここにありを世界に示してくれる選手。マイケル・レイジゲル、旬の選手となっているベテランにソラーリーストップを託そう。フィリップ・コクー、私の目となり頭脳となりチームを動かしてくれる。エドガー・ダビッツ、彼がなぜバルサに呼ばれたのかを証明する絶好のチャンス。チャビ・エルナンデス、私の心臓であり同時にチームの心臓となる選手。ロナルディーニョ・ガウ〜チョ、メディアクラックから本当の意味でのクラックとなれるかどうかがこういう大試合で試される。ガッツ・エンリケ、バルサ選手としての誇りを世界に示す最も適切なスタディアムで本領を発揮する選手。マーク・オーベルマルス、フットボール界最高の素質を持つエストレーモの選手としてそれをグランドで披露できることを期待。アンドレス・イニエスタ、すでに明日の星ではなく今日の星であることを認めよう。そしてコネッホ・サビオラ、ベルナベウデビュー戦をゴールで飾ってくれるクラック。みんなの力でエセメガクラックどもを粉砕してみよう!

 

4月23日 金曜日 はれ 夕方にわかあめ
 今週だけで練習後の記者会見を5回、ラジオ局、テレビ局、新聞社関係のインタビューが実に20回ぐらい。これはミランの選手時代にはなかったことだしオランダ代表監督時代にもなかったことだ。こうしてみるとインテル・ミランのクラシコとは比較にならない注目度のようだ。
 それは初めてクラシコを戦う選手にも同じような雰囲気を与えているようだ。昨日もそうだったが今日もロナルディーニョが居残り練習をしていた。だがもっと驚いたのはダビッツの様相が普段と違って、とてつもなく気合いが入っていること。彼は代表時代からよく知っている選手だが、こんな彼を見たのは初めて。練習後に居残り練習をしているダビッツなんて誰が想像できただろうか。でもしているんだなあ、なにやらシュート練習をしているダビッツ、これはさらに驚きだ。
 ところが気合いが入っているのは彼らだけではないようだ。多くの選手がひっそりと、別に隠れているわけではないんだろうが、ジムだとかカンプノウ施設内で走り込みをしていたりする。今日は2時間も練習したというのに・・・。
 さてと、明日は午前中に練習をして午後にはマドリッドに突撃だ。限りなく勝利の予感がするベルナベウ決戦まであとワクワク2日。

 

4月22日 木曜日 あめ
 スーペルプジョーがジム通いをやめていきなり合同練習に戻ってきたと思ったら、いきなりスタメン組のメンバーとなって練習を始め、いきなりケガした方の左足でのシュート練習などを始め、そしていきなり怒鳴り始めた。
「ドクターさん、早くドクター許可をください!」
だがバルサドクターはまだプレー許可をだしていない。早ければ土曜日、遅ければ日曜の午後にでもでるかも知れないということだ。
 彼の起用が可能となったことでクラシコは完璧な“A定食”でいくことに決定。つまりビクトル、ジオ、オラゲール、プジョー、レイジゲルの前菜組、コクー、チャビ、ダビッツというコッタリとした固いステーキのメイン組、そしてロナルディーニョ、ルイス・ガルシア、サビオラというキャピキャピデザート組。ロナルドがでようとでまいと我々バルサ艦隊の構成員に変更はナシ。
 というわけで、ベルナベウ決戦まであとワクワク3日。

 

4月21日 水曜日 はれ
 中国代表には白いユニフォームを着てもらって、気分をだしての練習試合。観客数は5000人ぐらいで、中国人3000人と観光客1500人とソシオ500人というところか。サビオラ、ロナルディーニョはマシアで練習、ダビッツは行方不明だから彼らは起用せず。そして練習の総括、まず悪いニュースから。パトリックとオーベルとクアレスマにリズムを取り戻してもらうためにスタメン出場させたんだが、これがどうにもいかん。監督としては納得いかない彼らのプレーだったし、おまけに3人に対してブーイングまででる始末。困ったニュースはイニエスタが大活躍していたこと。う〜ん、スタメンで出場する場所はないし、困った困った、困ったチャンチャコリ〜ン。
 そして試合とは関係なく良いニュース。ダビッツ獲得をベルスコーニがあきらめてくれたこと。プジョーがプジョーとしての本領発揮ということで、日曜日の起用が現実性を帯びてきたこと。いいぞ、いいぞ!
 というわけで、ベルナベウ決戦まであと4日。

 

4月20日 火曜日 はれ
 大事な試合の前となるとなぜかボコボコとでてくるスキャンダルな話題。ついこの間、サビオラのマネージャーがクラブが示したという40%の年俸カットをメディアを前にして怒り狂いながらしゃべっていた。この要請を受け入れない場合は放出候補選手となるし背番号も与えないとまで言われたという。だがこんなことは常識的には考えられないことだし、クラブ側もすぐにこの話を否定している。今シーズンとは違い、来シーズンのプランニングに関しては私にも一言権利があるので、そんなことが起きるわけがない。まったく、サビオラの代理人というのは何を考えているのか・・・。
 そして今度はモッタとオスカー・ロペスのセクハラ問題。裁判沙汰になろうとしているこの問題は正確に言うとセクハラということじゃなくて、悪い冗談に対する罰金問題だ。モッタが彼女と別れる際に、いろいろと余計な電話を入れて意地悪をしたらしいが、仲のいいオスカー・ロペスも調子に乗って意地悪電話をしたらしい。それにキレてしまった彼女が裁判沙汰にしたということらしいが、すでに人の良いオスカー・ロペスは詫びの電話を入れたという。まったく、ガキどものやることは・・・昔も今も変わらない。
 そんなかんなでいかにもクラシコ前というガタガタした雰囲気に囲まれ、決戦まであと5日。

 

4月19日 月曜日 はれ
 敵チームは日曜、月曜と練習休養日としているらしい。ヨーロッパの帝王チームとしての余裕と言えば聞こえは良いが、なんと言っても夜の帝王と呼ばれる選手が多いチームだからしてかなりの疲労がたまっているんだろう。まあゆっくり休んで敗戦の準備をすればいい。
 モッタ君はどうにかこうにか間に合いそう。ガブリエル君は次のエスパニョール戦までダメと決定。問題はプジョー君ですな。ドクターたちは悲観的な見方をしているようだが、私は密かにどうにかなるんじゃあないかと思っている。いずれにしてもラファエル君もいることだし、ディフェンス面はどうにかなる。
 ベルナベウって言えば、なんですよ、赤黒ユニを着ていた頃にはさんざん痛い目にあわせてやった経験を持つ私。ブーヨとかブートラゲーニョ、ミッチェルなんて選手がいたな。そのベルナベウ決戦まであと6日。

 

4月18日 日曜日 はれのちあめ
 6回残っている決勝戦の一つを突破、しかも前半の30分はこれまでの最高の試合展開と言って良い。ボールにスピードがある試合展開が我々の持ち味、それが見事に展開された感じ。今日はひたすら試合内容の良さと勝利を喜んでおこう。やったい、やったい!ベルナベウ決戦まであと7日。

 

4月17日 土曜日 はれ
 地元3つ、アウエー3つで残り6試合。これまでアウエーでの獲得ポイントがカンプノウでのそれより多いという、違う言い方をすれば地元で失ったポイントがアウエーのそれより多いという信じられない異常現象に見舞われているが、これをどうにかしないといけない。これじゃあ、せっかく試合を見に来ているバルサソシオに申し訳ない。なぜ地元ではダメなのか、そこらへんの研究はシーズンが終わってからにするとして、いずれにしても6連勝が義務づけられている私たち。目標はあくまでもリーグ制覇、それがダメなら2位確保、これっきゃない。
 バルデスの出場が可能となって一件落着したものの、ジョルケラが負傷しているとは知らなんだ。したがってルストゥが再びベンチとなるが、珍しく健康体で1週間過ごしたマリオと共に来週水曜日の中国代表との試合に温存しておこう。

 

4月16日 金曜日 あめ
 朝から大雨が降っている中での練習。普段は1時間半の練習だが今日は短めにして終了。雨嫌いのバルデスが黙々と練習しているのが印象的だった。例のレッドカードがよほど頭にきているのもあったのだろう、ルストゥ、ジョルケラと一緒に普段以上にエネルギッシュに動いていた。練習が終わり誰に命令されたわけでもないのに1人でボールを集め、最後の1人となってボールをロッカールームに運んでいた。悔しさをひたすら体を動かすことで癒そうとしているのだろう、彼は大物ポルテロになると思う。
 午後の練習前にバルデスのカードが赤から黄色になったとの報告。つまりマラガ戦には出場できることになったわけだ。これでジョルケラをバルサBに戻し、彼らの大事な試合で活躍させることができる。それにしても、もし審判がダニに騙されなかったら・・・我々は11人で戦えたということか。
 普段は選手温存なぞということは考えたこともないが、今回ばかりはそれをしないといけないかも知れない。ダビッツはすでに4枚のカードを持っているから、もしマラガ戦で余計なことしてカードもらったらクラシコには出場できないことになる。ベティス戦と同じようにイニエスタをそのまま起用することも考えてみるべきだな。

 

4月15日 木曜日 はれ
 セビージャからバルセロナに戻ってきたのが深夜の2時頃。それでも翌日というか、当日というか、マシアでの練習は10時半という普段と同じよな開始時間と決めていたから4、5時間しか眠れなかった。試合翌日のロナルディーニョはいつものようにジムがよい、レイジゲル、コクー、ダビッツも練習場にはあらわれずジムでの調整。モッタは精密検査の結果、次のマラガ戦には間違いなくアウト、精密検査をしたというのに具体的なリハビリ期間はドクターさんたちは何も言っていなかった。良いニュースはプジョーが完璧な回復をもって戻ってきたこと。
 練習前にバルデスと15分間の大人の会話。彼が退場になったことで10人という苦しい戦いを強いられたことになったわけだから、そこら辺の反省会だが、これがどうも歯切れが悪い会話。痛みに苦しんで倒れているマイケルを無理やり引っ張っていたダルマ小僧を引き離そうとしてホンのちょっと押したと言われてしまうと、フムフム、それをペナルティー・退場とした線審が悪いわけだから反省会にも何にもならない。したがって、今後はなるべく相手の選手を押さないようにしよう、押すんだったらソ〜と、そういう大人らしい妥協案で終結。バルデスの出場停止で、またまたポルテロだ〜れにしようか問題が再発。ルストゥ?ジョルケラ?

 

4月14日 水曜日 はれ
 お昼頃ホテルのカフェでチキとコーヒーを飲みながらおしゃべりをしているとき、
 「フラン、ベティスのダニっていう小さい選手には気を付けた方がいいぞ。ヤツは挑発者だからな。」
という彼の言葉が現実となってしまった。これまで何の問題もなくやってきたバルデスの若さがモロにでてしまったし、何事も経験とはいうものの非常に高いものについたな。
 約1時間近く10人で戦ったにも関わらず、すべての選手が良く動き素晴らしいプレーをしてくれた。イニエスタやジオのシュートがゴールポストに当たるという不運や、バルデスの退場を引き起こした誤審というツキのなさもあったが、まあそんなことをいつまでも悔やんでもしょうがない。バルデスには色々言わなければならないこともあるが、それも彼がもっと冷静になっているであろう明日以降のことだ。残り6試合18ポイント、首位との差9ポイント・・・くるし〜い!

 

4月13日 火曜日 はれ
 今日のミニゲームはベティス戦を想定してやってみた。ビクトル、ジオ、コクー、オラゲール、レイジゲル、モッタ、チャビ、ダビッツ、イニエスタ、カピタン・ルイス、そしてサビオラ。マルケスがOKでプジョーがKOということだが、いずれにしても誰が戻ってきてもコクーはそのままのつもりだったからそれはいい。左はジオで決まりだし、右はキャラメルレイジゲル、モッタは前回の試合の好調さを買ってそのまま。問題はやはりロナルディーニョの位置。イニエスタにするか、カピタン・ルイスにするか、あるいはパトリックにするか・・・。いずれにしてもベティス戦に勝利すれば、トップネライカーに向かって大前進だ。
 バン・ニステルロイ?バン・ニステルロイ?バン・ニステルロイ?バン・ニステルロイ?バン・ニステルロイ?バン・ニステルロイ?ホテルの喫茶店で交渉?大勢の一般人が出入りできるホテルの喫茶店で?ロナルディーニョに7千万ユーロ?ロナルディーニョに7千万ユーロ?ロナルディーニョに7千万ユーロ?ロナルディーニョに7千万ユーロ?ロナルディーニョに7千万ユーロ?面白すぎる。いずれにしても私の好みの選手はすでにサンドロ・ルセーに伝えてある。ユベントスの選手、それも控えの選手。

 

4月12日 月曜日 はれ
 完全休養となった日曜日の翌日は月曜日で明日は火曜日、そして試合は水曜日。今日はフジカルコーチのアルベルト・ロカにすべてを任せての練習にしたので私は楽なもの。選手たちが走り回るのを見ているだけだ。総勢20人の練習なんて久しぶりじゃないだろうか。休んでいるのはガブリとロスとオスカー・ロペス。先週から左足の負傷を訴えていた彼だが、やはりバジャドリ戦にだしたのはまずかったか。あの試合でさらに悪くなってしまったようで全治2週間。お大事に。
 選手たちに直接指示を出さないで外からボンヤリと練習を見ていると普段は気がつかないことが見えてくる。ダビッツとモッタは常に一緒に練習しているのはよほど二人とも気が合うからなのだろう。彼はダビッツのことを尊敬していると言っていたし、ダビッツの良いところを学んでくれればいい。ダビッツもバルサに残ることを決めたみたいだから、モッタがさらに成長するかも知れない。
 プジョーとマルケスが明後日の試合に出れるかどうか、それは明日の精密検査後のドクターの意見次第。問題はロナルディーニョが抜けた穴を誰が埋めるかということ。イニエスタにするか、あるいはカピタン・ルイスにするか、あるいはサビオラにしてトップをパトリックにするか・・・試合当日に決めよう。

 

4月11日 日曜日 はれ
 今日の練習はお休み。そして私も一休み。

 

4月10日 土曜日 はれながらあめ
 マリオやクアレスマの不満発言に続いて今度はパトリックの投げやり発言というか、自爆発言というか、自殺爆弾テロ発言というか、何にしても得をしたのはマドリメディアであり損するのは彼自身とクラブという非常にマイナスな発言をやっちまってくれた。彼はグランド上で見られるようにああいうタイプだからして、挑発にすぐ乗ってしまうカル〜い頭を持っている。それが良い意味でも悪い意味でも特徴の人物。度々犯している過ちを今後は繰り返さないためには黙秘することだな。しゃべればいずれにしても挑発にひっかかった発言をしてしまうんだから、黙っているのが一番彼のため。その点私みたいな冷静な人物はあらゆる挑発にもひっかからないようにできている。ルイス・ガルシアをなぜ前半に交代させたのか、そういう質問にも「ケガしていたから」と惚けてしまうインテリジェンスを持つ私。普通はケガしたらドクターが飛んでいって負傷具合を確かめるものだけれど、間抜けなメディアは私の賢い発言を信じてしまう。今日のルイス・ガルシアは最低のできだったんで早めに代えたなんて言ったら、それこそ問題になってしまうからな。
 バルデスは素晴らしいポルテロだが彼の最大の弱点は雨に弱いこと。それは普段の練習を見ていればわかるし彼自身も認めている。雨で中止になったベティス戦を一番喜んでいたのが彼だったのはそういう理由からさ。

 

4月9日 金曜日 くもり
 夕方にバジャドリに向けて飛ぶ前にカンプノウで最後の練習。モッタを左ラテラルとして練習させて今日で3日目。この結果わかったこと、彼はラテラルむきの選手ではなく、やはりセントロカンピスタだということだな。私の基本的なアイデアとしてはできる限りディフェンス選手の配置に変化を与えないこと。その意味では本番では修整し直さなければならないかも知れない。レイジゲルは右ラテラルが本業、オスカー・ロペスは左でも右でも起用できる便利な選手。オラゲールはそのままでいい。したがって左セントラルだけをどうにかすればそれぞれ本業選手が本業ポジションでプレーできることになる。するってえと、やはりコクーを下げて彼のところにモッタを置くのが一番自然かも知れない。でもそんなことをして結果がでなかったら、これまでの練習はなんだったかなんて言われてしまいそうだ。
 マリオやクアレスマの不満発言に関してメディアはしつっこく聞いてくる。もうすんだことなんだからいいじゃないかと思うのに、うるさく突っ込んでくる。マリオを招集したからと言って「あんたはもうバジャドリに帰りなさい」と言っているわけではなく、クアレスマを招集しなかったからと言って「あんたは必要ない選手」と言っているわけではないんだよ。
 ところでガッツ・カピタンがクアレスマにうまいこと言ってお灸をすえていた。「前のクラブではお山の大将だったかも知れんが、バルサに来たらそうじゃないということを理解せんといかんよ。例えば、アンドレスを見てみろや、彼はあの若さで才能あふれる選手でありながらプレーチャンスが少なくても文句いったことないだろ。彼を見習わなくちゃいかんぞや。」そう、その通り、でも、アンドレスって誰?

 

4月8日 木曜日 あめ
 10時半からの練習前にコクーとおしゃべり。
「イラクはどうなるんだろうか?」
「監督、だめですよ、自分は今のポジションが気に入ってるんだから」
ということで、彼をセントラルとして試す練習はやめることにした。昨日の練習どおり真ん中の二人はレジゲルとオラゲールでいき、左にモッタ、右にオスカー・ロペスでいってみよう。
 ミニゲームを30分。まるでモッタのための練習のようなもんだ。ゲームを数回とめてモッタのポジションニングの指示。以前もやったことがあるようだが本職ではないポジション。それでも昨日よりはだいぶ良くなってきたから、明日は今日よりさらに良くなっているだろう。これで左は決まったものの、右の方が怪しくなってきた。オスカー・ロペスが軽い負傷をして練習を途中でやめてしまったが、ドクターによれば試合には間に合いそうだという。それでも万が一のためにジェラールを右で使ってみた。まあまあだな。
 最終的にプジョーは無理ということに決定。それでも来週の水曜日のベティス戦にはかなりの確率でOKのようだ。明後日の試合さえ乗り切ればジオも戻ってくるしプジョーやマルケスも大丈夫。バジャドリ戦ではとりあえずサビオラをスタメンで起用し続けようと思うが、相変わらず点が取れないようなら我らが9番パトリックの出番だ。

 

4月7日 水曜日 はれ
 今日からやっと本格的な練習開始。いつものように10時半に集合、明日も明後日もこんな感じでバジャドリ戦に備えて練習が続く。ひょっとしたらという希望があったマルケスは最終的に間に合わず、プジョーは明日の検査で出場可能かどうかわかることになる。というわけで、とりあえず一つのスタイルを試みてみた。右にオスカー・ロペス、左にモッタ、真ん中にオラゲールとレイジゲル、結果的にはそんなに悪くはなかったようだ。明日は別のスタイル、例えば、右にレイジゲル、左にオスカー・ロペス、真ん中にオラゲールとコクーというのを試してみようか。
 マドリやミランの敗北ということでメディアは騒いでいるが個人的には十分に予想はできたことだし、それほど大げさに番狂わせなどど騒ぐことでもないと思っている。ホーム・アンド・アウエー方式の試合では何が起きても不思議ではないのがフットボール。その意味ではカンプノウでセルティックを粉砕できなかったことは個人的に大失敗もいいとこだと反省している。
 他のクラブのことだからメディアに公言する気もないし日記にしか書けないことだが、試合後のマドリの選手のおこないには驚いた。うちのクラブでは考えられないことであり、伝統的なクラブである彼らにも決して許されないことなんではないだろうか。何でも、試合後にチームがまとまって帰国しなかったという。ラウルとフィーゴはモリエンテスの誕生日を祝うパーティーに出席するためにモンテカルロに残り、ジダーンはフランスの友達たちと遊びに行ったという。そしてサルガドとブラボーはチャーター便でマラガまで行き、カンビアッソもチャーター便で一人どこかえ消えていったという。おまけに会長は会長で自家用飛行機でマジョルカに飛んだというから驚きだ。このニュースから一つのことを学んだ私は、試合に出られないことでメディアの前で不満をもらしたクアレスマとマリオをチクチクといじめてやろうと決心したのであった。

 

4月6日 火曜日 はれ
 昨日は完全休養日、今日はセミ休養日、なぜなら負傷組の選手には義務的にマシアに来るように命じていたからだ。マルケス、ガブリ、プジョー、マリオ、これらの選手はフィジカルトレーナーの指示の下に走り込みや柔軟体操。ところが彼ら以外にも多くの選手が練習に顔を出してきていた。スタメン組ではビクトルとジオが来ていたし、控え組でもオーベルマルス、パトリック、ルイス・エンリケ、モッタ、イニエスタ、オスカー・ロペス、ジョルケラといったところが自主練習。せっかくの休養日だというのに、他にすることがなかったんだろうか。まあ、監督としては嬉しいことだが。
 嬉しいことがもう一つ、それはマルケスの体調が思ったより良さそうなこと。明日から始まる本格的な練習に参加したいとまで言ってきているし、もし痛みを感じないところまで回復しているのならバジャドリ戦には使えそうだ。
 ところでマリオとかクアレスマという、あまり出場チャンスがやって来ない選手たちがなにやらブツクサ言い始めたようだ。私も彼らに対してブツクサ言う権利があると思うが大人だから言わない。彼らには、ブツクサ言うヒマがあるならケガを治したり練習に汗を流したほうが良いとだけ言っておこう。

 

4月5日 月曜日 はれ
 今日から練習は2連休。私の日記も2連休。

 

4月4日 日曜日 はれ
 これを“FIFAビールス”とでも呼ぶんだろうか。代表戦に出場して戻ってきた選手、例えばマルケスやガブリが代表帰りに試合に出場して負傷し、サビオラも後半には足をつってぶっ倒れていた。コクーやロナルディーニョは負傷こそしなかったが動きは普段のそれと比べてぎこちなかったのも確か。幸いというか何というか、今週の我々は週末しか試合がないから少し休養できるだろう。明日の月曜日と明後日の火曜日は完全休養日としよう。
 昨日は試合が遅かったので今日の練習も遅くした。普段は10時30からだが、今日は12時から軽い練習。バルサドクターとも話をしてみたが、マルケス、ガブリはそれぞれ10日間と3週間というからバジャドリ戦出場は不可能。ジオはカードもらったから彼も起用不可能。問題はプジョーだが、ドクター陣の予想は否定的。オラゲール、レイジゲル、オスカー・ロペス、それにもう一人どこからか取り寄せてこないといけない最悪の状態。まあ、いつものことながらどうにかなるだろう。そう言えば、ミステリー・マリオは扁桃腺がまだ腫れているとかで練習には来ていなかった。さすがだ。

4月3日 土曜日 はれ
 バルサの歴史の中にパッと輝く10連勝の記録達成を夢みていたら、カンプノウでの失ったポイント数が昨シーズンをすでに越えるというとんでもない記録を作ってしまった。栄光と挫折、これは紙一重ということだな。まさに山あり谷ありの人生、今日はドブの中に入ってしまった。
 だからといってリーグ制覇をあきらめたわけじゃない。残りの試合を全勝、つまり再び連勝街道を走りまくりブッチギリ8連勝を勝ち取れば大丈夫というのが私の計算。そのためにはゴールが必要なこともわかっている。ゴール、ゴール、ゴールが入らなければ勝利なし。これ当たり前。
 ジオとパトリックがやっと戻ってきたと思ったら、今度はガブリとマルケスが負傷という災難。それでも試合終了後のバルサドクターの初診によれば、ガブリは3週間前後、マルケスは10日間前後のリハビリで現場復帰が可能となるという。さあ、明日からやり直しだ。

 

4月2日 金曜日 はれ
 夜の10時という、非常識な試合開始時間とはいえ、例えばロナルディーニョみたいに最後の練習にも間に合わなかった選手がでてくることを考えれば、試合開始時間は遅ければ遅いほど良かったことになる。明日の土曜日ではなくて試合が日曜だったら、選手たちの疲労もさらにとれているだろうから理想的だったな。
 クルイベルを招集したがもちろんベンチスタート。2か月もリハビリしていた選手よりも連勝に貢献しているサビオラを優先する常識ぐらい私は持っているつもりだ。ジオも招集したが、彼の場合は1日ごとに体調が万全となってきているのでスタメンでいけそう。唯一の疑問、それは右ラテラルだな。レイジゲルにするかガブリにするか、まあ、どっちでもいか。
 私は長い選手生活を経験し、そして短いながらも監督生活をしているが、こういうプロ選手に遭遇したのは初めてだ。スーペルなマリオという選手がいるが、この選手は体調が良いときより悪いときの方が圧倒的に多い。こういう選手も珍しい。例えばオーベルみたいに、シーズンを通して負傷や病気になったりすることが多い選手がいるが、それでも必ずシーズン最後には帳尻あわせをしてくる。だがこのスーペル君は負傷や病気というにことにのみさらにラストスパートをかけてきている。今回の病名は扁桃腺がナントカ病と言っていたな。私の単純計算でもこれでシーズン19回目のダウン。まさにスーペルマリオだ。

 

4月1日 木曜日 はれ
 今日は例の日なのでヨーロッパ各国の朝刊をのぞくと例の記事があちこちに載っている。やれジダーンがどうしただの、ポルトガル代表監督が首になっただの、マンUの誰々がバルサに来るだの、こんなことを信じちゃう人が存在するから世の中面白い。それでも、スペインのイノセンテの日も含めて、例の日が年に2回もあるのはおかしい。ユーロ統一というのであるなら、例の日も統一すべきではないか、そうインテリの私は思うのであった。
 サビオラが14時間のフライトを終えてエル・プラット空港に到着し、自宅に戻らずそのまま練習にやって来た。その心意気良し、やる気満々と見た。試合までにもし疲れがとれるのであれば、やはり彼をスタメンに起用しなくてはいかんな。
 「最近のバルサは素晴らしい戦い方をしている。優勝も夢じゃない。」とついにヨハン師匠も認めてくれた。カタルーニャ人民400万人に向かって威勢のいいことを言ってくれた。よし、このまま快調に突っ走ってトップネライカーだ。そう、私の名前はトップネ・ライカー、もう本当の名前は何だったか、忘れてしまいそう。