12月5日



勝利に向けてトリデンテ

土曜日の惨めな試合のイメージを洗い流し、再出発に向けて勝利が義務づけられた今日のバルサ。
フットボールは、そう人生と同じように、一度落ち込んだ状況から立ち直るのに常にチャンスはあるもの。今日のガラタサライ戦がそれだ。クラブとしての誇りと選手個人のプライドをかけて戦わなければならないだろう。レアル・マドリが9試合で20ポイントを獲得しているなか、我がバルサは9ポイントしか獲得していない現実にバルセロニスタは傷ついている。今日はそういうファンに対して、少しでも借りを返すチャンスでもある。

レシャックは何がおきても冷静でユーモアを忘れない人物と知られている。常に選手との会話を大切にしてきた監督でもある。そういう彼だが、厳しく選手と接しなければいけない時は、決してそれを回避しない監督でもある。ビルバオ、アラベス戦と続いたバルサのだらしない試合を経験したレシャックにとって、今その厳しさが必要な時期だと判断しているようだ。
「リバプール戦後の異常な喜び方や、アラベス戦での敗北による失望感は少しオーバーだとは思う。どうも我々は現実を見逃しがちだ。リバプール戦は言われているほどいい試合でもなかったし、アラベス戦も大騒ぎするほどひどい試合でもなかった。もっとも最低な試合ではあったけどね。とにかく改善していかなければいけないのは確かだ。もしこのようなチーム状態が続くのであれば、クリスマス休暇を削る事だってあり得る。それはそうだろう、これは世間一般の常識っていうやつだ。例えばあなたの息子が赤点を7科目とってきたとしよう。親のあなたがすることは、2か月のバケーションを3か月に延ばす事じゃなくて、逆に短くして勉強させることだろう。世間とはそういうもんだ」

●メンバー予想

●ヨハン・クライフの分析
スペインリーグでのここ2試合で傷ついたバルサは、今日の試合では120%の実力で戦うだろうと予測するクライフ。だから今日のガラタサライ戦は、必ずユーロバルサが勝利するだろうと信じている。
「ヨーロッパカップの試合はリーグ戦とは何の関係もない。リーガでの調子が良かろうが悪かろうが、バルサには勝利が必要とされるカンプノウでの試合だ。一般的にいって、必要性の大きいチームが勝利するもんだ。例えばベルナベウでのクラシコを思い出すがいい。あの時点ではマドリの方が勝利の必要性が圧倒的に大きい状況だった。そしてマドリが勝ったじゃないか。今のバルサが同じ状況さ。グループのトップに立つ必要性からではなく、今バルサを取り巻いている状況が勝利を必要としている。」

また今シーズンのバルサの試合内容、試合結果のイレギュラー性に関しては、監督や選手だけに問題があるわけではなく、クラブ自体の問題だろうと考える。
「チーム事情はクラブそのものの鏡となる。もしクラブを運営している連中が揺れ動いていれば、チームそのものも揺れ動くものさ。指導陣が右に行ったり左に行ったりウロウロしていれば、チームの結果もそうなるもんだ。リバプール戦以降のバルサを見れば一目瞭然だろう。と言ってもね、リバプール戦後のメディアの持ち上げ方は異常だったと思う。あの試合をよく思い出してみるがいい。たった20分のロンドと、しかも勝っている状況でのものじゃなかったかい?あれはちょっと喜びすぎだったよね。」

現在のフットボール界について聞かれたクライフ。
「もう3−4−3システムでプレーすることは不可能だろうと思う。そのシステムはもう何の有利さもないだろう。唯一そのシステムが可能になるのはイギリス相手の試合だけだろうね。今シーズンのバルサに関していえば、多くの加入選手があったわけだし、まず時間がかかるのはしょうがないことだろう。違うリーグから来た選手たちは、まずリーガに慣れるのが最優先事項だ。特にバルサのような大きくて難しいクラブではなおさらだ。レシャックにとって大事なのは、その様な状況でもなるべく負けない試合をして選手に自信をつけさせていくことだろう」

またオランダのことも忘れてはいない。アヤックスとオランダについて語っている。
「アヤックスにしてもオランダ代表にしても、もう何年も前から誤った道を進んでしまっている。そして今クーマンがアヤックスの監督に就任したことにより、昔の良い面がでてくるのではないだろうか。特にカンテラの育成に力を注ぐことを忘れてはいけない。クーマンは、想像の域を超えない話しだけれど、多分良い監督だろう。彼が持っている有利さは、かつて偉大な選手でありベンチのことをよくわかっている人物だということだ」

●リバルド事件、11日に判決
リーガ競技委員会は昨日の会合でリバルド事件の処理に結論がでなかったため、来週の火曜日に最終結論を出すことにした。したがってリバルドは、週末のセルタ戦には出場できることになった。
いずれにしてもこのメレンゲ競技委員会は、すべてを同じ基準でみていないことが明らかだ。先週末のラス・パルマ対セビリア戦を見れば一目瞭然だ。ラス・パルマのキーパーがセビリアの選手を殴った場面がテレビに写っていたにもかかわらず、メレンゲ競技委員会はそれを無視することに決定した。

●リケルメ
ドン・バロン紙のインタビューに答えているリケルメ。この夏にあった交渉で彼はすぐにでもバルサでプレーできると思っていた、と語っている。
「夏の間におこなったボカとバルサ、そして僕の代理人との交渉でバルサ移籍問題はほとんど既成の事実となっていた。でもその後なにが何だかわからないうちにウヤムヤになってしまったようだ。とにかく僕の移籍問題に関しては、多くのメディアで騒がれすぎて色々なところでの利権問題がでてきてしまったのだろう。だから今はあまり考えないようにしている。でもマドリーバルサ戦なんかをテレビで見ると、本当にあちらでプレーしたいと思う」