4月15日




FC.BARCELONA - ALAVES

3 - 2



バルサ、再び発進!

たった8日間でバルサは大きな変化を遂げた。サンマメスでビルバオを撃沈し、カンプノウでパナシナイコスとアラベスを沈めた3連勝のバルサ。しかもこの週末はバルサにとって明るい材料ばかりが揃うことになる。セルタが、そしてベティスが敗北しリーグ4位以内への期待を大きく前進させただけではなく、あのマドリもオサスナ相手に敗北した。

■明るい週末
この週末はバルセロニスタにとって久しぶりに明るい材料が揃ったものとなった。これまで何回も悲しいニュースばかりが続いてきたバルセロニスタ。だがこの8日間で様子が変わってきているのを感じている。8日前、ビルバオを敗り4位に返り咲いたバルサがその後カンプノウでパナシナイコスを敗りチャンピオンズの準決勝進出を決め、そしてまた昨日アラベスを敗り4位の地位をさらに固く守っている。何かが変わってきているバルサ。こらまでとは違い、明るい希望と将来が期待できるバルサに変貌を遂げようとしているかのようだ。

この原因がサビオラにあるのは明らかだ。サビオラのゴール、3試合を通じての5ゴール、すべてがクラック選手ならではのスペクタクルなゴールだった。シーズン終了間際になってきてのサビオラの活躍は、ウイングがどうの、トリデンテがどうの、戦術がどうのという問題がいかに小さいことであるかということを証明している。一人の選手の才能と、そして試合を重ねるごとに光り輝いていくそのキャラクターは、それらを越えたところに存在していることを証明した。残りのすべての試合にサビオラは出場すべきである。例えリバルドが戻ってこようが、例えクライハートが復帰してこようが、サビオラはすべての試合に出場すべきであろう。

■バルサに大きな変化が訪れた
ビルバオ戦を向かえる前のバルサを包む雰囲気、それは悲観主義が蔓延しているものだった。だがそれは仕方のない現象だろう。あのアテネでのバルサの悲惨な戦いのあとに、誰が楽観主義を唱えることができただろうか。まさに悲惨としかいえない戦い方をしたバルサ。ガソリンが切れたうえに、おまけにエンジンまでもが故障しているような感じだった。チャンピオンズに生き残ることはおろか、来シーズンのチャンピオンズ参加も絶望視する声まであがってきていた。ビーゴでのセルタ戦がバルサの最終的な墓場となるのではないかと予想されても不思議ではなかった。あの時点でセルタに3ポイントも離されていたバルサが、最後のノックアウトパンチを喰らうのではないかと誰もが予想した。

そして今、バルサには大きな変化が起こっている。昨日のセルタ、ベティスがそれぞれ敗北したことにより、これまで以上にリーグ4位以内の地位を固くしたバルサ。そして来週のビーゴでの試合では、セルタを最終的に墓場に追いやるチャンスを迎えようとしている。

■マドリと戦わずして勝利したバルサ
今世紀最大の戦いまであと8日。我がバルサの相手となるレアル・マドリはリーグの首位に立つ絶好の機会を逃した。2部落ちから必死に逃れようとするオサスナ相手に、まさかの敗北を喫した。この敗北は3ポイント獲得の失敗という意味以上に大きなものをもっているだろう。それはマドリの選手にしてもバルサの選手にしても、まったく違う意味ではあるが重大なものだ。バイエルンとの戦いにおいて一方的な試合展開を見せたマドリが、昨日のオサスナ戦ではその弱点を見事に露呈したのだ。ラウール・マドリのラウールが閃きを見せない限り、マドリはただのマドリだ。しかもディフェンス面ではバルサ以上に問題を抱えていることは明らかであろう。

だが同時に、我々は浮かれすぎてもいけない。大きなリアクションを見せたバルサではあるが、今こそ足を地に着け一歩一歩進んでいかなければならないだろう。クラブに対する誇りと、闘争心と、アーチストがくりひろげる閃きによって返り咲いてきたバルサ。彼らの英雄的な戦いは認めるとしても、アラベスが得た3回のゴールチャンスのうち2回も簡単に決められてしまった否定的な事実を覆い被すことをしてはいけない。クーマンが語るように「改善」しなければならないところが多く残っているバルサだ。短い時間で多くの決勝戦を戦おうとしているバルサは一つ一つの試合を慎重に戦っていかなければならないだろう。


●チャビ、すべての得点に絡む
チャビにとって完璧な試合となった。6番をつけた「4番」の選手であるチャビ。彼はこの試合すべての得点に絡む活躍をしたのだから、完璧といっても大げさではないだろう。特にサビオラの2点目、バルサとしては3点目となるアシストはまさに絶好調時のグアルディオーラを思い出させる見事なものだった。これでチャビのアシストは7つ目。サビオラに3つ、クライハートに2つ、ジェオバンニ、ロッケンバックにそれぞれ1つ。

アテネでのパナシナイコス戦に続き、ビルバオ戦でもスタメンから外れたチャビ。だが、試合ごとにチームの要としての重要な役割を果たしている。彼はサビオラと共に今後のバルサを背負っていく貴重な人材だ。そして残り試合少ないバルサにとって、常にスタメンとして出場しなければならない選手だということをレシャックに訴えた昨日の試合であった。

●ロッケンバック、これまでの最高の試合
ファビオ・ロッケンバック、これまで何回にもわたって彼の「並外れた激情」をもって批判の対象とされてきた選手。そう、練習中に何人もの同僚といがみ合い、それでも己を通してきている若者。そんなロッケンバックだが、彼の持つ強烈なキャラクターを認めなければならないだろう。闘争心、根性、犠牲精神、それらのものを比べられるのは唯一プジョーしかいないのも事実だ。しかも昨日の試合ではこれまでバルサの選手としては最高のプレーを90分間にわたって繰り広げた。

守備に、攻撃に、走りまくるロッケンバック。だが彼は単に走るだけではない。試合開始後しばらく、チャビが相手選手に執拗にマークされているときに彼の役割を引き受けたのはロッケンバックだった。しかもチャビの4番としての登場以降、サビオラ、チャビ、ロッケンバックのトリオによるリサイタルが開かれる。彼の全力を出しきってのプレーは、バルセロニスタにとって大きなアトラクションとなってきている。


サビオラ、代表に緊急召集

サビオラにとって昨日はこれ以上は望めないというほどの完璧な日となった。ほぼ完全に閉じられてしまったと思われた代表への道が、昨夜突然のように開かれたのだ。バティの負傷により明後日のドイツとの親善試合に呼ばれることになった。バティの代理とはいえ、彼の韓国・日本ワールドカップへの参加の可能性が少くないとはいえ、でてきたと言っていいだろう。

水曜日におこなわれるアルゼンチン代表の親善試合の相手はドイツ代表。ドイツのシュトゥットゥガルトでおこなわれる。当初、サビオラはこの試合には召集されていなかった。この事実が彼のワールドカップへの参加の可能性を閉ざしていた。だが昨日の試合中にバティが負傷したことにより、まず第一に呼ばれたのがサビオラだった。この召集は彼に再び可能性を感じさせるものとなったとしても不思議ではない。つまり彼は代表に選ばれるかどうかというギリギリのところに位置しているということが証明されたのだ。

サビオラはこれで連続して3回にわたって代表に呼ばれている。ウエールズ、カメルーン、そして今回のドイツ戦。前回のカメルーン戦でもそうであったように、彼のスタメン出場は難しいと見るのが一般的だろう。代表監督であるビエッサはクラウディオ・ロペスを優先するだろう。だが彼に出場のチャンスがまったくないわけではない。もしこの試合の後半にでも出場することがあれば、彼のワールドカップ参加への可能性も濃くなってくる。