7月4日

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夢はバルサ戦

たった1年の間に多くの否定的なことがあったグアルディオーラ。だが彼にとって今日は記念となる日だ。カペーロ率いるローマの正式な選手となるグアルディオーラ。それにも関わらず、11年間にわたってバルサプレーヤーとして活躍しバルサソシオでもある彼は、新たなクラブの話題よりもバルサの将来に興味を示す一人のバルセロニスタとしての話題を選ぶ。



いよいよ今日、正式にローマの選手の一員として発表されますね。

ブレッシアに残るかあるいはローマに行くか、二つに一つというのははっきりしていたんだ。でもローマ行きを決心するのには時間が必要だった。これまで多くのことを、良いことも悪いことも、経験してきたけれど一番大事なものはタイトルとかじゃなくてセンチメンタルな問題だと思うようになった。タイトルはとったり失ったりするけれど、センチメンタルな部分というのは心にいつまでも残るからね。そういう意味で言えば、今回の決意はエゴイスト的な部分があるかも知れない。でもいつかブレッシアにお返しができればいいと思っている。

ローマ行きを決めた決定的な要因は?

8万人を収容するようなビッグチームへの回帰。トッティとかトマッシ、サムエル、モンテーラ、カンデーラとか、多くのビッグプレーヤと再び一緒にプレーすること。監督がカッペーロだったからということはそれほど大きな要員ではなかった。ブレッシアのマッゾーネは素晴らしい監督だし、彼には多くのことを学ぶことができたしね。それともう一つの大きな魅力はチャンピオンズに参加していることだ。もし抽選で運がよければバルサとの戦いが可能になるかも知れない。自分の”家”で再びプレーが可能になるかも知れないんだ。

そのバルサですが、今年のバルサに何を期待したいですか。

「結果主義」に陥らないバルサ、この一言だと思う。もちろん僕はバルセロニスタだからソシオが何を望んでいるか知っている。勝利、勝利、勝利、そしてタイトルだ。それはバルサだけではなくてローマだとかミランやマドリも同じだろう。ビッグクラブには常に勝利とタイトルが要求されるのはしょうがない。でも個人的に言わせてもらえば、少なくともバルサの場合は「一つのクラブ以上の存在」というバルサの原点に戻って欲しい。つまりバルサがバルサとして、なにゆえ普通のクラブと違うかというアイデンティティーをはっきり提示する必要があると思うんだ。クラブとファンとプレス、そしてバルセロナという街とカタルーニャという国が一つになる思想をね。

もし記憶に間違いがなければ、4年前にも同じことを言っていましたね。

多分その問題は、いまでも解決していなと思う。タイトルを獲得することはクラブにとってもバルセロニスタにとっても確かに重要なことだ。だが歴史を見てみれば、バルサは14年間にわたってリーグ優勝しなくても何の問題もなく継続したクラブだ。それはバルサというクラブの存在が、試合の勝利とかタイトルの獲得だとか、そんなことを越えたところに存在していたからだと思う。もしソシオとクラブが完璧なハーモニーの元に一つになっていれば、クラブは「結果」を越えたところで生き延びることができるんだ。個人的な意見としては、そう、あくまで一人のソシオとしての意見に過ぎないけれど、今のバルサに欠けているものはこの一番大事なもの「ソシオとクラブのハーモニー」だと思う。もしこのハーモニーさえ戻ってくれば「結果」なんかそのうちについてくるとさえ思う。

バンガール第二次政権で最初にしたことはセルジとアベラルドの解雇ですが。

監督が決めたことを周りの人間がとやかく言うことはできない。彼らは僕の友達だから彼らの心情は理解できる。感情的な問題は時間が経つのを待つしかないと思うよ。彼らの友人として、バルサのソシオとして彼らの解雇は辛い話だけれど、やはり監督の決めたことは尊重しなければならないのがこの世界。これで二入のカピタンがいなくなったわけだけれど、我々にはルイス・エンリケが残っている。彼はカピタンに任命されたら喜んで引き受けるだろうし、責任を持ってその仕事をやり抜く人物さ。

ソシオは今シーズンのバルサに期待を持ていると思いますか?

もちろんそう思うし、そう期待したい。だがバルサソシオというのは、そう自分も含めてだけれど、他のクラブのソシオとは違うというのも確かなこと。クラブに、チームに、そしてカンプノウに足を運ぶにはそれなりの納得できる理由や具体的な希望が必要な人たちなんだ。どんな犠牲を払ってでも「結果」だけを優先するチームを望んでいない。彼らが理想とするバルサじゃなければならないんだ。一つの明らかなアイデアを持ったチーム、それを示さないとクラブとソシオの一致はない。もちろんいいフットボールをすることは義務づけられている。「結果」を越えたところで良いフットボールを期待している。それが典型的にあらわれたのがユーロクラシコだったんじゃないかな。あの試合マドリに、ソシオの心にもっとも深い傷を刻むマドリへの敗戦ではあったけれど、あの試合では負けても満足しているソシオが多かった。もちろん傷ついていたとしてもね。バルサはフットボールをしようと試み、相手のチームはそれを否定した。そして、明らかにバルサが圧倒していた試合だった。

バルサを離れたいった選手に関してよく言われることですが、チームを離れて初めてバルセロニスタはその選手のことをよく評価する。そう思いますか?

そうかも知れない。何年も同じ顔を見ているとファンは疲れる。いつかリバルドにしてもバルサを離れる日が来るだろうが、彼なんかその典型的な選手かも知れない。彼はバルサを離れてから初めて正当に評価されるんではないだろうか。彼がこれまでバルサに君臨してきたことは凄いことだと思う。多くのゴールを、それもここで必要というときに決めてきた選手。しかも何回かの負傷にも関わらず、常に試合に出ようとした選手なんだ。彼の試合に対する意欲というのは計り知れないものがある。それを人々は正当に評価していないと思う。今シーズンの最高の獲得選手は間違いなくリバルドだと思う。